レシピ
材 料
Recipe no.340
- ドライ・ジン・・・・・・・・・30ml
- カンパリ・・・・・・・・・・・30ml
- スイート・ベルモット・・・・・30ml
- オレンジスライス
技法 = ビルド
作り方
グラスは、オールドファッションドグラス( ロックグラス )を使います。
- Step 1 = グラスはあらかじめ冷やしておくか、氷を入れてビルドをして冷やしましょう。( ビルドで冷やした場合は、水分をキチンと捨てましょう )
- Step 2 = グラスに、氷、ドライ・ジン、カンパリ、スイート・ベルモットを入れます。
- Step 3 = しっかりと ビルド をします。
- Step 4 = オレンジスライスを入れて完成です。
- アルコール度数 = 25% ~ 26% 前後
関連 カクテルレシピ リスト・一覧






※ 文字か画像をクリックすると、レシピ リスト・一覧ページへジャンプします。
〚 他のカクテル レシピリスト 〛
誕生・由来

Photo = イタリア・フィレンツェの街
1919年に「 カミーロ・ネグローニ 」伯爵がロンドンへの最後の旅の記念に、それまで愛飲していたカクテル「 アメリカーノ 」にソーダではなく、ジンを少量入れるように注文したことが始まりと言われています。
その後イタリア・フィレンツェに戻り、ネグローニ伯爵が通っていたレストラン「 カソーニ 」で同じものを注文し、それを飲み続けていたそうです。
レストラン・カソーニのバーテンダー「 フォスコ・スカルセリ 」氏がネグローニ伯爵許可を取り、1962年に美食家でもあったネグローニ伯爵の名前を使いこのカクテルを発表しました。
このネグローニというカクテルは、100年以上経った今でも世界中で飲まれ続けているバランスの取れた最高の食前酒です。
特徴・感想

クリアでアルコール感が強く飲みごたえのあるドライ・ジン、ハーブの香りとクセになる苦味が特徴のカンパリ、ハーブの香り、カラメルの甘味を感じるスイート・ベルモットをバランスよく合わせたレシピで、 香りよく飲みやすいことから「 食前酒 」の代表格としてこれまで飲まれてきました。
ジンのキレと飲みごたえを感じながら、甘味と苦味をハーブ感ある香りと共に楽しめる一品で、食前酒だけではなく、いつでも楽しめるおすすめのカクテルです。またシェークをしないため、お家でも簡単につくれるレシピなので、特におすすめな一品です。
このカクテルで使う材料

ネグローニのバリエーションカクテル

- ドライ・ネグローニ・・・・・マティーニにカンパリを沈めたレシピ。
- ブール・バルディエ・・・・・ドライ・ジンをウィスキーに変更したレシピ。
- ネグローニ・ズバリアート・・ドライ・ジンをスプマンテに変えたレシピ。
ベースのお酒 ジン

ジンとは世界4大スピリッツの一つで、その中でもカクテルレシピは一番多いと思われます。 誕生はオランダですが、オランダをはじめイギリス、ドイツと各国が独自に成長、発展をしていったスピリッツで、現在ではロンドン・ドライ・ジンが世界で主流となっています。
ジンの歴史

ジンの原型となる「 ジュネヴァ 」は現在のオランダ・ベルギーで誕生しました。 最初薬用酒としてこの世に生まれたジュネヴァは、ジェニパーベリーの良い香りが人気の原因となり、オランダ国民に深く浸透します。 その後イギリスに持ち込まれたジュネヴァは、イギリス国内でも人気を博し、ジンと名前を変え、18世紀には歴史上最高のジン消費量を記録します。
ジンのおかげで税収も増えますが、それと同時にアルコール中毒や犯罪をも増加させ、一時死亡率が出生率を超えてしまうほどの社会問題に発展してしまいます。後にこの時代を「 狂気のジン時代 」と呼ぶようになります。
19世紀に入ると連続式蒸留機の発明により、それまでの雑味を砂糖や大量のボタニカルで隠す必要がなくなり、クリーンで上質なジンが製造可能となります。
そしてジンは海を渡り、アメリカへと伝わると、やはりそこでも人気を得て、それまでとは違いカクテルベースとして使用されるようになり、世界中で飲まれるようになりました。
これらが「 ジンはオランダで生まれ、イギリスが育み、アメリカが輝かせた 」という言葉が生まれた原型です。
ジンの原料・製法

まず麦などの穀物を酵素と水と一緒に糖化させます。その後糖化した材料をアルコール発酵させ、連続式蒸留機でアルコール度95%以上のニュートラル・スピリッツをつくります。
出来上がったニュートラル・スピリッツにジュニパーベリーをメインとした様々なボタニカルを漬け込み、約1日間おきます。 使うボタニカルは、シトラス、コリアンダー、カルダモン、キャラウェイなど様々です。 これらに決まりはなく、各蒸留所が決めた素材を使い、その蒸留所の個性としてつくられます。 日本は日本ならではの玉露、柚子、山椒などが使われています。
漬け込みを終えると、再度蒸留器で蒸留し、加水してアルコール度数40%前後( 定義は37.5%以上 )に調整しボトリングして完成です。
- ジンの製造・定義は ⇒ コチラ
ジンの種類
〚 ドライ・ジン 〛

ジンの世界での主流で、辛口とキレが特徴のスピリッツです。カクテルレシピの数も他のスピリッツに対して圧倒的に多くあり、カクテルの王様と呼ばれる「 マティーニ 」や、昔予防の薬用酒として生まれた「 ジントニック や ギムレット 」もジンベースの中にあります。
主原料に使われるジュニパーベリーとは、西洋ねずと呼ばれる針葉樹から採れる実です。
ドライ・ジンの定義に「 ジュニパーベリーを香りの主とする 」という決まりがあるため、その香りは共通しています。しかしそれ以外は決められていないため、各蒸留所の土地や文化によって様々な個性を出しています。
Photo = ボンベイサファイア Bombay sapphire
- ドライ・ジンの主なブランド ⇒ コチラ
〚 ジュネヴァ 〛
ジンの誕生はこのジュネヴァが最初でした。 ジュネヴァは順調に輸出量を増やしていき、世界で最も飲まれているジンになりましたが、アメリカの禁酒法をキッカケにドライ・ジンが世界の主流となりました。
現在でもドライ・ジンのように大量生産の方向性ではなく、一本一本手作りの職人つくりにこだわった方向性で現在も世界に流通しています。
ドライ・ジンよりも甘みが感じられ、樽熟成を行うものも多くあり、そのため琥珀色をしたジュネヴァは、飲むと口当たりが柔らかく飲みやすいのも特徴です。
Photo = ノールド・オールド・ジュネヴァ Noord’s

- ジュネヴァの主なブランドは ⇒ コチラ
〚 シュタインヘーガー 〛

ジュネヴァ、ドライ・ジンとは別の道を辿り、独自に発展を遂げてきました。 国から守られ、地域限定の生産をしているシュタインヘーガーは、ジュネヴァ同様大量生産ではなく、こだわりの方向性で現在も飲まれつ続けています。
ドライ・ジンのようにカクテルに使われることは多くなく、ストレートやオンザロックで飲まれることが多いです。
日本酒を普段飲まれている方には、このシュタインヘーガーをお勧めします。
Photo = シンケンヘーガー Schinken hager
- シュタインヘーガーの主なブランドは ⇒ コチラ
〚 クラフト・ジン 〛
近年急成長を遂げている新しいジンのジャンル「 クラフト・ジン 」しかし実際にはクラフト・ジンの定義はなく、全体的な特徴として、大量生産はあまりしていないことと、その一本一本に大きな特徴( コンセプト )があることです。バラときゅうりという異色の素材を使ったり、オリエンタルなスパイスであったりと様々です。
2016年に京都で日本初のジンが蒸留されると、一気に他の蒸留所や大手飲料企業もクラフト・ジンを生産。 日本ならではの玉露、山椒、柚子などをつかったものが生産されています。
各銘柄にそれぞれの個性が強く出ていて、色々な甘みや香りを楽しめます。
Photo = ザ・ボタニスト The botanist

- クラフト・ジンの主なブランド ⇒ コチラ
〚 オールド・トム・ジン 〛

18世紀のロンドンで税から逃れるため、密売を行う際に猫の看板を設置し、口にお金を入れ、猫の手足に繋がっている管からジンが出てくる仕掛けを作った。 この猫の名前が「 オールド・トムキャット 」という、この名前が由来となりました。
通常のドライ・ジンに加糖したもののことを指し、シトラスなどのフレーバーを追加されているものもある。 口当たりはまろやかなものが多い。
Photo = ヘイマンズ Hayman’s
- オールド・トム・ジンの主なブランド ⇒ コチラ
カクテルの材料
カンパリ

「 ガスパーレ・カンパリ 」は1860年にミラノでカフェ経営を始め、そこではカフェだけではなく、お酒の販売も同時に行うようになり、そこで自家製リキュールを開発します。そのリキュールが後の「 カンパリ 」で、当時は「 ビッテル・アルーソ・ドランディア( オランダ風苦味酒 )」と名付け販売していました。 ガスパーレの商売は繁盛し、その後1882年にガスパーレ・カンパリが死去すると、次男である「 ダヴィデ 」が後を継ぎ、1904年に自社工場を設立させ、長かった名前を家名である「 カンパリ 」に改名し、フランス、スイス、アメリカなどの国外に輸出するという販売に力を注ぎます。今度はイタリア国内向けに製造した小瓶にカンパリソーダを入れカクテルそのものを販売すると、これが飛ぶように売れ現在の地位を確立させました。
製造から150年たった現在でも変わらない製法で作られています。ただ製法や分量など、数少ない製造責任者のみ知られていて、詳細は公開されていません。 正式に判明しているのは、「 水 」、「 アルコール 」のみです。しかし専門家の分析や官能検査によって、ビター・オレンジ果皮、キャラウェイ、コリアンダー、カルダモン、シナモン、ナツメグなどの約30種類以上のハーブやスパイス類を使用し、それらを100℃でに出した後、中性スピリッツを加えアルコール度数69度で15日間タンクで熟成させます。
こうして複雑でハーブとスパイスの香りに、カンパリ最大の特徴でもある独特な苦味が生まれ、現在でも数ある代表的なリキュールとして、現在でも世界中で愛飲されています。
- カンパリの歴史・主なカクテルは ⇒ コチラ
ベルモット

「 ベルモット Vermut 」とは、白ワインをベースに、様々なハーブやスパイスなどを使い、その後スピリッツを加えたフレーバー・ド・ワイン( 強化ワイン )です。
製造方法や原料は全てを公表しておらず、大まかなことしかわかっていません。原料はハーブの名前がそのまま付いてある通り、キク科ヨモギ属の多年草「 ニガヨモギ Vermut 」を主体としています。
ベースのお酒は白ワインで、ニガヨモギをはじめとした、苦レモン、シナモン、コリアンダー、ナツメグ、アンジェリカ、カルダモン、フェンネル、ジュニパーベリー、クローブ、etc…といった20種類以上ものハーブやスパイスを白ワインに漬け込みます。
ベルモットには主にドライとスイートがあり、カクテル材料には欠かせない存在です。
- ドライ・ベルモット・・・辛口のベルモットです。 フランスで生まれたことから「 フレンチ・ベルモット 」と呼ばれています。 ブランドによって異なりますが、色は無色透明から少し黄色が入ったものまであり、スッキリとした味わいとサッパリ感、そしてハーブの香りが特徴で、その特徴からかカクテルの材料に多く使われています。
- スイート・ベルモット・・・甘口のベルモットです。イタリアで生まれたことから「 イタリアン・ベルモット 」と呼ばれています。色は濃い赤色をしていることや、ロッソと呼ばれたりもしますが、カラメル等の着色をしているのであって、赤ワインの色ではありません。 特徴はやはりハーブの香りとその甘みでしょう。 しっかりとした風味があるので、ドライ・ベルモットよりもロックなどで飲むのに向いているかもしれません。
少しの苦みとハーブなどの香りが特徴で、食前酒( プレディナー Predinner )としてロックなどそのまま飲まれることが多いですが、カクテルでも多くのレシピに登場します。
- ベルモットの歴史・原料・製法・主なブランドなどは ⇒ コチラ
ビルドとは?

材料をグラスに入れて混ぜることを言います。 この「 混ぜる 」にはいくつか種類があり、今回のカクテルには「 ビルド 」を使用します。
お家で簡単人向け
バースプーンやマドラーをグラスの内側に沿って底まで入れます。 グラスに当てたままクルクル回します。 炭酸系を使っている場合は、早く混ぜると炭酸が膨れてこぼれてしまうだけでなく、炭酸自体も抜けてしまうのでゆっくり回すように注意しましょう。
本格的にやってみたい人向け

Step 1 = まず左手はグラスの底を押さえます(ドリンクを体温で温めないため)右手はバースプーンを持ちます。(左利きの人は逆になります)
Step 2 = バースプーンを左の写真にあるように中指と薬指の間に挟みます。
Step 3 = 親指と人差し指もバースプーンを挟んで持ちますが、この2本の役割は、落とさないようにするためだけのものなので軽く持ちましょう。
Step 4 = バースプーンの背中をグラスの内側の縁に沿って底へ持っていきます。
Step 5 = 自分の体より向こう側へ回す際は薬指で左回りに押すように持っていき、自分の体側に戻す際は右周りに中指で引き戻すようにバースプーンを移動させます。 この時にバースプーンの背中は常にグラスの外側へ向いています。
この動作の繰り返しになります。 最初は難しいと思うので、大きめのグラスに氷のみで練習すると良いでしょう。 慣れると便利なので、ぜひマスターしてください。
- バースプーンの詳しい使い方は ⇒ コチラ
カクテルを飲むタイミング用語
プレディナー Pre dinner cocktail

ディナーの前に飲むカクテルです。 喉を潤し、食欲を増進させるために飲みます。
甘みが強くなく、さっぱりした味わいのものが多い。 フランス語で「 アペリティフ 」
- カクテルを飲むタイミングの名称紹介は ⇒ コチラ
このカクテルのおすすめ グラス
オールドファッションドグラス Old fashioned glass

- グラス紹介ページは ⇒ コチラ