カクテルやお酒に関する用語紹介・ハーブ・スパイス・材料編|当サイトで使われた用語

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カクテルに使われるスピリッツやワインなどには様々なハーブやスパイスが使われています。
その一部ではありますが、簡単にご紹介し、お酒を飲む際の深みを増していただければと思います。

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エッセンス Essence

植物、動物などから抽出したエキス、精油などの事です。 さらに狭義にはエキス、精油、香料を水に溶けやすい状態にしたものの事です。

エキスや香料、精油の中には水に溶けにくいものもあり、それらをエタノールなどで水などに溶けやすく使いやすくしたものをエッセンスと言います。

有名なものでバニラエッセンスである。 様々なフルーツ、ハーブを漬け込んだリキュールも料理の香りづけに使う場合は、エッセンスの一種と言えます。

フレーバー Flavor

フレーバーとは食品の香り、味、食感など口に入れたときに生じる感覚をまとめて呼びます。 風味、香味とも言います。 食品用に使用される香料のことで、英語でこの意味を使うときにはフレーバーリングと言います。

酒の主成分で無色、特有の芳香をもつ揮発性。 工業的にはデンプン、糖蜜などをアルコール発酵させるか、エチレンから合成する。

キニーネ Quinine

Photo = キナの木

「 キニーネ 」とはキナの木から採取した樹皮を精製した成分のこと。
キナの木とは南米などで見かける木で、薬木としてインカ帝国時代から使用されてきました。

インカ帝国時代は解熱薬として使用され、その優れた解熱作用は大航海時代からマラリアの特効薬として世界中で使用され始めます。 マラリアの特効薬として第二次世界大戦中も大活躍していたそうです。

キナの樹皮は胃にも良く、強壮作用も持ち合わせていたため薬用酒としても用いられました。 メリットしかないこのキナの樹皮には一つ問題があったのです。 それは恐ろしく苦いということ。その苦みをどうにかしようと砂糖を入れたり、薬用葡萄酒( ワインのようなもの )に混ぜてみたりと様々な試みが行われ、現在ではトニックウォーターがその代表的なドリンクとして現在も飲まれています。

  • トニックウォーターの歴史・ブランドは ⇒ コチラ

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ジュニパーベリー Juniper berries

Photo = 西洋ネズ

ジュニパーベリーとは、「 西洋ネズ 」という針葉樹にできる実のことです。 北半球の気温の低い地域には広く分布していますので、よく見かけることのできる樹木なのです。写真でみるとブルーベリーのような見た目ではありますが、見た目以外の香りや風味は全く異なっており、実というよりは植物の香りと思ってください。

口にすると、ハーブ特有の香りが口の中に広がります。 ジンには必ずこの実が使われていることもあり、ジンの香りはこの実が大元だというのがよくわかるかと思います。 その香りから、観葉植物用のハーブとしても販売しております。

ハーブティーとしても飲まれていて、利尿作用や血糖値を下げる効用があり、昔は薬用酒として飲まれていた時期もありますが、当然摂取しすぎると、腎臓疾患を持っている方や妊娠、授乳期には悪影響となりますので、摂取量には注意が必要です。

ボタニカルとオーガニック Botanical & Organic

ボタニカル Botanical

ボタニカルを辞書で調べると、「 植物の・植物性の・植物学の 」と出ます。

分野や種類などによって指す意味も変わり、シャンプーや化粧品といった美容関連だと「 植物由来成分 」といった意味になり、ファッション関連だと花柄模様とした意味を持ちます。

お酒の場合は、美容関連に近い表現をします。 例えるとジンによくボタニカルという言葉が使われますが、これは香りづけや風味を出すために植物が製造過程で使用されていることです。

オーガニック Organic

オーガニックを辞書で調べると「 有機栽培 」とでます。 有機栽培とは、農薬、化学肥料を使用せず、太陽、水、土、生物といった自然恵みを生かして栽培、製造、加工される方法の事を指します。

人間の体のみならず、動植物、微生物にも良い影響を与える手法ですが、手間暇がかかってしまうことが難点と言えます。

ボタニカルとオーガニックの違い

ボタニカルとオーガニックはよく似ているようで、実は定義があり、上記にもありますように・・・

ボタニカル = 植物性や、植物由来などに使われ、植物柄としても使用される。 有機栽培や無農薬、天然といった際には使用しない。

オーガニック = 有機栽培、無農薬に使用される。日本でオーガニックとして販売するには、認定機関で認可をもらい、JASシールを貼ることを義務付けられています。

シトラス Citrus

シトラスとは、ミカン科ミカン属の果実類全般のことを言い、原産地はインド東部、中国、ミャンマーなどが有名です。

細かく紹介しますと、マンダリン、温州みかん、ポンカン、紀州みかん、桜島みかんなどのミカン類、ネーブル、バレンシア、ブラッドなどのオレンジ類、レモン、ライム、柚子、すだち、カボス、シークワーサー、シトロンなどの香酸柑橘類、夏ミカン、はっさく、デコポンなどの雑柑類などが代表的なものです。 他にもグレープフルーツ類、伊予柑、文旦、キンカン、タンカン、マーコット、セミノール、アグリフルーツ、カラタチ類など・・・。

シトラスにはシネフリンやアルカロイドが含まれていて、この成分が脂肪細胞のアドレナリン受容体を刺激して、中性脂肪の分解を促進させる働きがあることが確認されています。
脂肪燃焼効果の他にも、アロマセラピー業界でも気分を落ち着かせる効果があるため、エッセンシャルオイルなどでも使われています。

効率よく脂肪を分解して得られたエネルギーを体力減として利用し、食欲を抑えて空腹感を満たしたり、ダイエットによるイライラを抑えたりします。 なのでダイエットには必須の成分です。

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玉露 Gyokuro

Photo = 玉露の茶葉

玉露とは日本茶の一種で、特徴として新芽が開き始めた頃に茶木を葦簀( すだれのようなもの )で覆い隠し、20日間直射日光が当たらないように育てられたお茶の名称です。

この工程により光合成を抑えることでカテキンの生成を制限し、渋味を抑えてうまみをしっかりと感じられるお茶になります。

苦味が抑えられ、まろやかな甘味、濃厚な旨味などおすすめ要素が満載の日本茶です。

しかし、製造の手間やコスト面で現在生産している場所が少なく、希少であることから他の茶葉に比べて高級茶葉として扱われています。

玉露という名前の由来は、1835年( 天保6年 )山本嘉兵衛( 製茶業者山本山の六代目 )が18歳の時に宇治郷小倉村の茶製造場で蒸茶をかき混ぜてみると、乾燥するにつれて手に付き小団子のような形の茶葉が出来上がり、飲んでみると気品のある風味と甘露のような甘味があったことから「 玉露 」と名前が付いたのが始まりです。

山椒 Japanese pepper

Photo = 山椒の木

山椒( サンショウ )とは、ミカン科・サンショウ属という意外な部類に入っている落葉低木のことです。 日本、朝鮮半島南部、中国などの丘陵や産地に自生しています。

比較的耐寒性があり、日本国内の寒い地域にも自生しているのが見られます。 逆に乾燥や日差しに弱く、湿潤な場所に多く見られます。

名前の由来は、山椒の「 椒 ハジカミ 」という文字には芳しい、辛味という意味があり、山の辛味であることから 「 山椒 サンショウ 」という名前が付けられました。 別名ヤマサンショウ、ハニカミ、キノメとも呼ばれることがあるそうです。 英語名はジャパニーズ・ペッパー。

英名が「 ジャパニーズ・ペッパー 」というだけあって、ピリッとした辛さと清涼感がある香辛料として食材などによく使われています。 山椒は実、葉、花とそれぞれ違った風味や味わいがあります。

実山椒

Photo = 山椒の実

山椒と言えばほぼ「 実 」のことを指し、山椒独特の香りやピリッとした辛味が特徴的です。
実にも大きく分けて二通りあり、年間2回の収穫の内、山椒の実がまだ若く柔らかい春~夏にかけての5月頃に収穫されたものは山椒の実を佃煮などの調理をしてそのまま食べるもの。
夏~秋にかけての2回目の収穫時のものは、乾燥させ、粉状態にして使用する「 粉山椒 」になります。

花山椒

Photo = 山椒の花

山椒には、花が咲いた後実をつける雌株( メカブ )と、花が咲いた後実をつけない雄株( オカブ )があり、花山椒はこの実を付けない雄株のつぼみを使ったもののことです。 実よりも辛味は弱く、香りも優しい香りなのが特徴です。

葉山椒

Photo = 山椒の葉

山椒の若葉のことを「 葉山椒 」と呼び、春に収穫され、「 木の芽 」として販売されていることが多いです。 爽やかな香りが特徴的で、辛味はほとんどありません。

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柚 子 Yuzu

Photo = 柚子の木

柚子( ユズ )とはミカン科ミカン属の柑橘類で、別名「 ホンユズ 」とも呼ばれています。

室町時代に中国から伝わってきたという記録がありますが、日本でも栽培は元々行われており、飛鳥時代や奈良時代には存在していたという歴史書に記載があるそうです。

日本では古くから「 柚 」、「 由 」、「 柚仔 」といった表記をされ、「 いず 」、「 ゆのす 」などという呼び方もあったそうです。

現在では日本が世界で最大の消費量・生産量を記録しており、独特な強い酸味から果実ではなく果皮の方を使い香り付けなどに使われることが多いです。 日本各地に栽培されてはいますが、主に生産量が多い都道府県が四国の徳島県、高知県です。
木の高さは最大で約4メートルほどになり、樹勢が強く直立の大木になります。 ミカン属の中で一番寒さに強く東北地方でも見られ、柑橘類に多く見られる「 そうか病 」、「 かいよう病 」の耐性があるため、消毒の必要性が無く、比較的簡単に無農薬栽培ができるのも特徴の一つです。

初夏にかけて花が咲き、その後に実を付けます。 7月から8月頃に収穫されるのが「 青柚子 」と呼ばれる未熟な状態のライムのような色の実で、11月頃に収穫されるのが「 黄柚子 」です。

バニラ Vanilla

Photo = バニラの花

バニラとはラン科バニラ属の常緑の植物。 またはその植物から抽出された香料のことを言います。 バニラという言葉はラテン語で、訳すると「 扁平な葉 」という意味だそう。

原産地はメキシコ、グアテマラ、ブラジル、パラグアイ、インドネシアなどと主に中南米が多く、現在では日本でも栽培されています。

バニラの歴史は、コロンブス以前の中央アメリカでタバコ、カカオ飲料の香り付けに使われていた香辛料で、スペイン人が自国へ持ち帰りヨーロッパに広まったとされています。
19世紀中頃にフランス人の栽培者が、花への人工授粉方法のノウハウと、メキシコのトトナコ族のバニラ・ビーンズの製法知識を交換するまで、トトナコ族のつくったものが最良のバニラだったようです。

Photo = キュアリング後のバニラ・ビーンズ

バニラの香料には3種類あり、「 バニラ・エッセンス 」、「 バニラ・オイル 」、「 バニラ・ビーンズ 」があります。

バニラ・エッセンスとバニラ・オイルは成分を抽出して溶剤に溶かしたもので、主にケーキやアイスクリームの香料として使われています。

バニラ・ビーンズ( ビーンズとあるが、実際は種が入った鞘も含めてバニラ・ビーンズと呼ぶ )はキュアリングを行ってはじめてあの香りが生まれることから、高価なものとして販売されています。 高級プディングなどに見られる黒いブツブツは、このバニラ・ビーンズを使用しており、甘い香りと風味が強く上品な味わいが生まれます。

シナモン Cinnamon

シナモンとは世界最古のスパイスと言われるニッケイ属の複数の樹木の内樹皮から採取される香辛料です。コショウ・ナツメグ・クローブと並び、世界4大スパイスと呼ばれています。

原産国はインド、スリランカ、バングラディッシュ、ミャンマーで、中国からエジプトへ持ち込まれたとの伝えもあるそうなのですが、これはよく似ている香辛料で「 カシア 」というものがあり、これと混同しているとされています。

Photo = シナモンの葉

シナモン常緑樹で、厚い樹皮が特徴的です。 香辛料を収穫する際はこの樹皮と葉を主に収穫します。

根から上の方に伸び、枝を出す太い部分( 幹 )を地面の高さまで切って収穫し、刈り取られた幹はが外樹皮を削りとるといった処理を行い、枝をハンマーなどでむらなく叩きます。

内樹皮は0.5mmほどの薄さでロール状に取り外され、乾燥を行い適度にカットされ出荷されます。
そして皆さんが良く知るシナモンの形になるのです。

その唯一無二の独特な香りや風味を持っていることから、香辛料や調味料として多くの食材に使われ、肉料理、デザート類、飲料と様々な使い方があり、お酒を造る材料としても使われています。日本でも江戸時代から使われており、八つ橋などが最も有名な食品です。

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ナツメグ Nutmeg

Photo = ナツメグの実と粉

ナツメグとはニクズク属でその樹木、もしくはニクズクの種子を粉末状にした香辛料のことです。
ニクズクとは常緑樹で濃い色の葉を持ち、この植物からは2種類の香辛料が取れます。一つは「 メース 」と呼ばれる香辛料で、これは種子を覆う皮から作られ、種子自体からナツメグがつくられます。

シナモン・コショウ・クローブと並んで世界4大スパイスと呼ばれています。

現在最も重要な商業種はインドネシアのモルッカ諸島で、この諸島は様々なスパイスが採れることから香辛諸島とも呼び、他にもマレーシア、カリブ海などが主な産地です。名前の由来は、豆( Nut )とムスク( Musk )に由来しており、ムスクの「香りがする豆 」ということで「 ナツメグ Nutmeg 」となったそうです。
「 ムスク 」とは、ジャコウジカ( 鹿 )から採れるコウノウを原料にした動物性の天然香料のこと。

ナツメグの最古の記録は、約3,500年前のインドネシアで使われていた陶器の欠片にナツメグが付着していたことが発見され、世界に知れ渡るキッカケが、17世紀頃にインド人が古代交易路を通じてインドネシア人から用法を学んだことが世界に知れ渡る始まりだという記録が残っているそうです。

現在ナツメグは、知らない人がいないほど認知され、肉料理、野菜料理、乳製料理といったものと相性が良いだけではなく、ケーキやクッキーなどのデザート、お酒の材料や、飲料のアクセントといった幅広い場面で使われています。

サトウキビ Sugar cane

Photo = サトウキビの収穫の様子

サトウキビとはイネ科のサトウキビ属で、主に砂糖の主原料となっている農作物です。現在ではブラジルが生産第1位で、日本では沖縄県が最も生産されています。
基本的に亜熱帯地域に栽培され、茎は竹のような形と硬さがあり、大きいものでは高さ3mほどにも成長する場合がある。

葉はトウモロコシの様に幅広く、秋には茎の先端からススキに似た穂をだします。

サトウキビの発祥地は、現在のニューギニア島だと言われていて、紀元前6000年前後に現在のインドや東南アジアの広まったとされています。 インドが原産という文献もあり、砂糖の精製は北インドが発祥ではないかと言われています。

砂糖以外では機械で搾って汁をドリンクに使ったりそのまま飲んだりもします。 東南アジアからインドにかけてはメジャーな飲み物で、冷やしてレモン汁などの柑橘系酸味を入れて清涼飲料として飲みます。 ( 筆者も沖縄県で搾りたてを飲んだが、とても甘く青臭さが特徴的だったのを覚えています )

他に料理にも使われていて、ベトナムでは海鮮食材をサトウキビと一緒に揚げたり焼いたりしますし、中国では四川料理で魚などと一緒に煮る料理があるそうです。

当然お酒の原料としても使われ、主な代表格が「 ラム 」です。 砂糖を製造する際に出る廃蜜糖( モラセス )を使って蒸留酒を造るのが主な製造方法です。

  • ラムの歴史・製造は ⇒ コチラ
  • ラムベースのレシピリストは ⇒ コチラ

木苺 Raspberry

Photo = 木苺

木苺とは、バラ科キイチゴ属の総称で、落葉や常緑低木が多いですが、草本性のものもあるそうで、蔓は変化が豊富です。 名前は草イチゴに対して木に実イチゴなので木イチゴと呼ぶようです。

一言に木イチゴといっても種類は豊富で、世界では約500種類以上あるそうで、その中の35種類が日本で栽培されています。 日本は古代から室町時代まで栽培されていたそうですが、現在ではその系統は途絶えていて、現在日本のものは全てヨーロッパや北米からの輸入苗を栽培しています。

木イチゴ類の果実は生食できるのですが、あまり日持ちしないため、冷凍品として流通していることが多いです。 他にはジャム、ジュース類、そしてお酒( リキュール )などの原料として使われています。

中には「 ゴショイチゴ 」や「 クマイチゴ 」、「トックリイチゴ 」の未熟果を乾燥させ、薬の材料として使われることもあるようです。
ラズベリーの葉はラズベリー・リーフティー( ハーブティー )として使われ、ゴショイチゴの変種の葉は、中国古来より伝わっている薬用茶である「 甜茶 」として利用されています。

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カシス Cassis

Photo = クロスグリ

カシスとはスグリ科スグリ属で、小さな食用の果実をつける温帯地域に分布する落葉低木。
ビタミンCやアントシアニンが豊富だそうです。

本来の名前は和名が「 クロスグリ 」で英名で「 ブラックカラント 」と言い、カシスという名前はフランス語で、おそらく居酒屋などで「 カシス・オレンジ 」などがメジャーになったので、カシスの方が馴染みがあるのではないかと思います。

クロスグリの主な生産地はヨーロッパで、特にポーランドが多く、毎年10万トン~14万トンの収穫があり、世界最大の収穫国であり、世界の半分を占めるほどです。 日本では青森県が平成25年に10トンほどの収穫量があり、国内最大で、「 あおもりカシス 」という名前でブランド化しています。 また南半球ではニュージーランドが産地として知られています。19世紀まではアメリカ国内で広く栽培されていたそうですが、1900年代にアジアからヨーロッパ経由で輸入し、抵抗性のないアメリカのマツ類に壊滅的な被害を出し続け、五葉松類発疹さび病の病原菌の中間宿主になってしまうということが起きてしまい、栽培を禁止しました。 現在では州によって栽培可能地域と禁止地域が分かれており、認知度も低いことからヨーロッパのように一般化はしていません。

クロスグリは、かすかな苦味を持ち、甘酸っぱい風味が特徴です。 生のままでは痛みが早く、収穫後すぐに冷凍処理されたり、ピューレやジャム、クッキーなどのお菓子に使われたり、お酒の原料などにしてしまうため、生の青果を流通することはあまりありません。

  • カシスリキュールの歴史・製法・主なブランドは ⇒ コチラ

アガヴェ( 竜舌蘭 ) Agave

Photo = テキラリュウゼツラン

アガヴェ( アガベでも可 )は、リュウゼツラン科の単子葉植物の分類群です。 名前はギリシャ神話のアガウエーから由来していています。 和名の漢字では「 竜舌蘭 」と書きます。

ただリュウゼツランは100種類以上あるアガヴェの中の一種であり、リュウゼツラン = アガヴェではありません。

しかし日本国内ではアガヴェ自体が少ないことからか、アガヴェ = 竜舌蘭として認知されています。

メキシコ国内ではマゲイと呼ばれているそうです。 竜舌蘭という和名から蘭科に属しているかのように見えますが、全く違うものです。 他にもアロエと似ていることから同じ部類と思われることもあるそうですが、アロエはツルボラン科ですので、こちらも全くの別物になります。

メキシコを主としたアメリカ南部と中南米に自生、もしくは栽培していて、種類によって観葉植物、食用、繊維作物など幅広く用途があり、お酒の原料では「 テキーラ 」の原料としてメキシコでは多く栽培されています。

Photo = アガヴェの葉や周囲を削る作業

開花期になると、それまで栄養で蓄えたデンプンの糖化が始まり、糖分を多く含んだ液体の転流が花径内で起こり、その花径の液体を集め、シロップなどに使われます。

テキーラの主原料であるアガヴェは、主にアオノリュウゼツランやテキラリュウゼツランという種類で、海抜600m~1,800mの標高と平均気温20℃、晴天日数が250日以上は必要という限られた土地でしか栽培できません。さらに苗を植えてから収穫まで6年以上、長いもので12年の月日がかかるため維持管理も大変です。

写真を見てわかる通り実物は大きく直径70cmから1mを超えるものまであり、重さも30kg~40kgあります。

  • テキーラの歴史・製造は ⇒ コチラ

ザクロ Pomegranate

Photo = ザクロの実

ザクロとは成長すると最大6m~7mくらいまで成長する落葉性の樹木です。 12cm~15cmほどの果実を実らせ、その実の中は綺麗なルビーのようなたくさんの実があり、デザート、ジュース、シロップなど様々な食品に使われています。

ザクロはイラン周辺地域が発祥とされ、古代から栽培されています。 そこからヨーロッパ、シルクロードを経由して中国へと広まります、それが約2000年前で、ヨーロッパはギリシャから徐々に西へと伝わり、そこからさらにアメリカの海岸沿まで伝わります。中国などの東へは日本・インドなどのアジアに広まりました。日本へ伝わったのは平安時代と言われており、当時は花の観賞用、薬用などに用いられていたそうです。

「 ザクロ 」という名前は、その昔中国人がペルシャ湾の東の方にあるザクロス山脈から持ち帰ってきたことが由来だそうです。 ちなみに漢字では「 石瘤 」または「 拓瘤 」でザクロと言い、形がコブに似ていることからこう書くようになりました。

果実自体は、トウモロコシくらいの大きさで、食感も似ています。 味は甘酸っぱさと独特の渋味が特徴的。 ヨーグルト、ジュース、サラダなど多くの方法で食べられています。 栄養価も高くカリウムが特に多く含まれていて、抗酸化作用があるポリフェノール類が含まれていて、生活習慣病やお肌などにも良い果実とされています。

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エルダーフラワー Elder flower

Photo = エルダーフラワー

エルダーフラワーとは別名「 セイヨウニワトコ( 西洋接骨木 )」と言い、レンプクソウ科・ニワトコ属の被子植物・落葉樹です。

主にヨーロッパ、北アフリカ、南西アジアで自生していて、成長すると3m~10mもの大きさになる低木~中高木です。

6月~7月にクリーム色の花を咲かせ、その後の秋に黒っぽい紫色の実がなります。 セイヨウニワトコの学名は「 Samnucus nigra 」と言い、この中の「 nigra 」とは黒いという意味があり、この名前は実が熟すと黒くなることから由来されています。

セイヨウニワトコは葉、茎、花に薬用があり、世界各地で古くから接骨木花と言われる生薬に使われ、葉は打ち身、ねん挫などの外用に、花は風邪、花粉症、関節炎、咽頭炎などの治療や緩下剤に使われていました。

Photo = エルダーフラワーシロップ

現在では花が細かく可愛らしいことと、「 マスカットのよう 」と表現されるほど甘くフルーティーな香りがあるため園芸で栽培されています。またハーブとしても香り高く人気のあるエルダーフラワーは、薬用酒やシロップに漬け込んだ濃縮飲料として使われることが多く、クセのない味わいのため、ハーブティーやデザートの材料としても楽しまれています。 カクテル関連ではグレナデンシロップの材料としても使われていることがあります。

ニガヨモギ Artemisia absinthium

ニガヨモギとは、キク科ヨモギ属の多年草で、独特の強い香りがあり、葉や枝を健胃薬や防虫剤として使われています。他にも清涼飲料にも使われていて、食品添加物として認められていています。

分類としてはニガヨモギ最大の特徴ともいえる「 苦味 」が強いため、カフェインと同じ苦味料に属しています。

ニガヨモギは一度に多く摂取してしまうと、嘔吐、神経麻痺などの症状が起きるので注意が必要です。 お酒では主にハーブ系リキュールのアブサン、フレーバー・ド・ワインのベルモットに使われています。 アブサンはニガヨモギの代表的なお酒で、19世紀の終わりごろにヨーロッパで大人気になりました。 人気が出たため粗悪なアブサンが多く流通し、アルコール度数も70%以上と高く、大麻のような幻覚作用が見られ、依存度も高いことから、販売が一時期禁止になったほどです。 現在は製法が変わり、世界中で流通しています。

コリアンダー Coriander

Photo = コリアンダーの種

コリアンダーとはセリ科コエンドロ属の一年草で、和名ではコエンドロ、タイ語だとパクチーと呼びます。

タイや中国周辺などで古くから使われている香辛料で、日本でも最近流行した独特な風味を持ったスパイスです。

コリアンダーの歴史は3000年以上前の古代エジプト時代にはすでに栽培されていたようで、幸福のスパイスとしてお墓に死者と一緒に入れていたそうです。 そのエジプトから古代ローマ、中国などに伝わったとされています。

栽培は世界中で行われており、主にユーラシア大陸一帯が主な産地として有名です。 現在日本ではコリアンダーとパクチーは違う名称で呼んでいますが、これは同じ植物です。 なぜ同じ植物なのに違う名前なのかというと、日本に入ってきた( 認知が広がった )時代が大きく違うことが理由として考えられていて、コリアンダーは平安時代にはすでに中国から日本へ入って来ていました。 一方パクチーも古くから伝わってはいたのですが、広く使われるようになったのはごく最近流行したのが原因です。 この二つの違いは粉状にしたものがコリアンダー、葉を生のまま使う場合はパクチーと分けています。

Photo = パクチー

コリアンダーは熟した種子を摘み、乾燥させて粉状にします。 クセが少なく甘味があり、ほんのりとしたスパイシー感があり、肉類やスープ、カレーなど様々な食品と相性が良く、多くの料理でアクセントに使われています。一方パクチーは種子と逆でクセが強く、別名「 カメムシ草 」と呼ばれるほどカメムシの匂いにソックリで、好き嫌いをハッキリとさせてしまう食材です。

しかし栄養素が高く、免疫力を高め、お肌を綺麗にする栄養素が多く含まれています。 これが女性を中心に人気が出た理由なのかもしれません。

コリアンダーを使うお酒は数多くあり、スピリッツではドライ・ジンに使われ、ハーブ系リキュールではカンパリが有名で、ニガヨモギで有名なベルモットにも使われています。

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カルダモン Cardamom

カルダモンとはショウガ科・ショウズク属もしくはアモムム属などの複数の多年草の種子から作られている香辛料です。

主にインド、インドネシアなどの亜熱帯アジアで自生もしくは原産していますが、現在では中南米のグアテマラ、アフリカのタンザニアなどでも栽培されています。実が固いうちに収穫して乾燥させ、周りのサヤをむくと中に黒っぽい種子があります。

カルダモンには主に2種類あり、グリーンカルダモンとブラックカルダモンがあり、グリーンカルダモンは、上品さと独特で爽やかな樹脂系に少しの酸味が加わったような香りと風味が特徴的です。 対してブラックカルダモンは渋味、苦味があり、漢方薬のような風味を持っています。

バニラ、サフランに次いで3番目に高価な香辛料としても知られていて、主にインド料理で使われ、インド周辺国でもホットドリンク( お茶 )として飲まれている他、デンマークや、スウェーデンなどの北欧ではパンの香り付けとして使われているそうです。

キャラウェイ Caraway

Photo = キャラウェイシード

キャラウェイとは正式名を「 ヒメウイキョウ 」と言い、セリ科ヒメウイキョウ属の2年草で、香辛料として世界中の料理で使われています。

キャラウェイという名前は、アラビア人が「 カラーウィヤー 」と呼んだことが由来だそうです。

古くから香辛料として使われていて、中世ヨーロッパではすでに栽培されていました。 パン、ソーセージ、スープ、ケーキなどの菓子類、キャベツなどの野菜類など主に料理に使われることが多く、料理界ではなくてはならない存在です。

料理以外でも種から採取した精油は健胃や駆風のなどに効果があるとされています。 他にも気管支炎、腹痛などに良いとされているそうで、昔は惚れ薬として使われていたこともあるそうです。

スッとした爽やかさと微かな甘い香りが特徴で、その爽やかさからうがい、口内洗浄などの目的としても使われています。

アンジェリカ Angelica

アンジェリカとは和名「 セイヨウトウキ 西洋当帰 」と言い、種類はセリ科の二年草で約1m ~ 2mの高さがあります。 ヨーロッパ全域に自生していますが、主に北欧や東欧が多いようです。

寒さに強い特性があるため、植物類の少ないシベリアなどの地方では貴重な野菜として利用しています。ほろ苦さと強い芳香があるのが特徴です。

現在のように様々な場所に自生しているのは、北欧のバイキングたちが広めたからと言われています。

名前の由来は「 天使 」から由来されていて、天使をラテン語で「 アンジェリカ 」といい、これは大天使ミカエルのことらしく、昔疫病が流行した際に、修道院の夢の中に現れた大天使ミカエルがこの草に疫病を防ぐ効果があることを伝えたのだそう。

そのためヨーロッパでは、5月8日お聖ミカエルの日に咲くと言われていて、「 天使のハーブ 」と呼ばれることもあるそうです。中世ヨーロッパでは病気を治す薬として飲まれていました。

実際のアンジェリカの使用は、固い茎は砂糖漬けにしてケーキのデコレーションに使われ、葉は料理の風味づけに、種子はお酒の原料として使われ、主にベルモットに使われることが多いようです。 他に種子の使い道は、その独特の香りから香水としても使われています。

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クローブ Clove

クローブとは、フトモモ科・チョウジノキの花のつぼみを乾燥させた香辛料です。日本では、その形が釘に似ていることから「 丁子 = ちょうじ 」や「丁香 = ちょうこう 」などと呼ばれています。

クローブは肉料理と相性がよく、肉の臭みを和らげる効果もあるため、ビーフシチューやポトフ、ローストポークなどによく使用されます。

ホールで使用するときは、肉や玉ねぎなどの具材に切り込みを入れ、クローブを釘のように刺して香りづけをします。 他にも防腐作用を持ち、また生薬としても使われ、胃の健康を保つ効果や、口臭の予防、痛みを軽減する効果などが期待されています。 甘く濃厚な香りとしびれるような刺激的な風味が特徴で、その重厚感ある香りは料理だけでなく、アロマや香水、そしてお酒の原料としても重宝されています。

フェンネル Fennel

フェンネル Fennelとはセリ科ウイキョウ族の多年草で、日本ではウィキョウという名前で親しまれています。

古代ギリシャ・ローマ時代から食用や薬用などに使われ、日本には平安時代に中国から伝わったと言われています。

特徴なのは、種・花・茎・葉とそれぞれ用途があり、全ての部位を食用として使う事ができる点です。ディルやアニスによく似た甘い香りを持つハーブです。

それぞれの特徴は・・・

  • = 赤血球の産生と形成に必要な鉄、銅、ヒスチジンが含まれている
  • = ハーブなどに使われる
  • = 針のように細くふわふわとしており、甘くすっとするような独特の香りがある
  • = パリッとした食感があり、主に野菜として、サラダ、煮物、炒め物、スープなどにも用いられます 

杏仁( アンニン )

甜杏仁( テンアンニン )

甜杏仁とは杏の種子の核を粉末にしたものの名称です。

杏仁には苦杏仁と甜杏仁があり、今回紹介した甜杏仁は甘味があり、杏仁豆腐を代表するデザート系などの材料として使われることが多いです。

杏仁霜と違って油分などもすべて含めて粉末化していて、杏仁の香りが強いのが特徴的です。

苦杏仁 ( クキョウニン )

苦杏仁は青酸配糖体という苦味と辛味が強く毒素が含まれており、数粒食べるだけで中毒を引き起こす可能性があり、頭痛、嘔吐、気管支狭窄などが起きるそうです。

しかし中国などでは漢方に用いられ、咳、喀痰、便秘などに効能があるようです。 お酒関連には使われていません。

リコリス  licorice

リコリスとはマメ科カンゾウ属のスペインカンゾウという多年草のことです。日本では甘草として知れ渡っていて、園芸の中ではヒガンバナとして認知されています。

そんなリコリスの歴史は、なんとエジプトのファラオ時代から利用されていたという記録が残っており、とても古くから利用されてきたハーブです。当時は食べるというよりはドリンクとして飲まれていたようです。

南アジアから中東、そしてヨーロッパへと伝わったとされていて、主に利尿作用の効果があったことが、広く知れ渡り、重宝されてきた理由だと思われます。
Photo = スペインカンゾウの図( wikipedia )

現在リコリスの根には、グリチルリチンやフラボノイドという成分が抗酸化作用を促進させる効果があると言われています。消化あるいは喉にも良いという利点のほかに、甘味があり子の甘味が漢方の役割だけでなくキャンディーやグミ、ハーブティーなど様々な用途によって使われています。

Photo = 加工したリコリス

タイム Thyme

タイムとはシソ科に属する常緑多年草で、主に地中海沿岸をなどに自生しているスパイス系の植物です。

日本では別名「 立麝香草 たちじゃこそう 」と呼ばれていることもあります。

花をつけ始めた頃に花、茎、葉それぞれ陰干しにします。

気品があり、すがすがしい香りがすることから、ローマ時代には戦場へ出る騎士たちに女性たちが勇気と大胆さのシンボルとして贈っていたとされています。

現在ではその上品な香りが様々な料理に使われていて、 特に魚類、肉類の生臭さを消す効果があり、表面に付け香りと共にソテーやムニエルといった料理に多く使われています。またタイムには殺菌や防腐作用を併せ持ち、料理には欠かせないスパイスです。

他にもトマトとの相性が良く、スープや前菜でトマトを使うときにタイムも一緒に使われることが欧州では定番となっています。もちろんハーブやスパイスを中心としたお酒にも使われることが多く、スパイスの中でも世界的に定番のスパイスです。

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