カクテルやお酒に関する用語紹介|原料・製法など当サイトで使われた用語

ボトリング前のグラスに入ったスピリッツ

当サイトで登場した用語を簡単にまとめました。 徐々に増やしてまいります。
参考にしていただければ幸いです。

目次
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アメリカ禁酒法 Prohibition

アメリカ禁酒法時代の密造酒を廃棄する様

1920年~1933年に、アメリカ合衆国憲法修正第18条下において施行された、お酒の製造、販売などを禁止した法律。

禁止した理由は、宗教的な理由と政治的な理由があり、宗教的は80年以上前からキリスト教の宗派でメソジストが率先して禁酒運動を行ったのが始まり、そしてそれがどんどん拡大していったため。

昔は強いお酒をそのまま飲むので、酔っ払いが多く労働力( 生産性 )の低下が理由としてあります。
ただ「 明日からお酒は禁止です 」と言われて「 ハイ わかりました 」となるはずもなく。

密造・密輸が多く行われ、そして歴史上で最も有名といっても過言ではないギャング「 アル・カポネ 」といった存在が活躍するようになりました。しかし経済の影響や犯罪数の増加など住民の大きな反対運動などがあり、1933年に廃止となりました。

Photo|保安官立ち合いの元、お酒を廃棄する場面|画像引用 Wikipedia

アルコール Alcohol

アルコールには色々な種類が存在しています。 工業用、消毒用など様々です。

  1. 飲料用アルコール(エタノール)
    • 飲料(ビール、ワイン、ウイスキーなど)に使用。
    • 適度な摂取でリラクゼーション効果、過度な摂取で健康リスク(肝臓疾患、依存症など)。
  2. 医療用アルコール
    • 消毒液や消毒綿に使用。
    • 高い殺菌効果。
  3. 工業用アルコール
    • 溶剤、燃料、化学合成の原料として使用。
    • 非飲用。
白黒写真のアルコール

アルコールの特性

  • 溶解性: 水に溶けやすい(特に低分子量のアルコール)。
  • 沸点と融点: 分子量が増えるとともに上昇。
  • 毒性: 種類や量によって異なるが、メタノールや高濃度のエタノールは毒性が高い。

アルコールは、その化学構造や用途に応じて様々な種類と特性を持ち、日常生活や産業において幅広く利用されています。

アルコールとエタノール

よくアルコールとエタノールの違いという点でわかりずらい方もいるようなので、簡単にご説明いたします。

アルコール

  • 定義: ヒドロキシ基(-OH)が炭素原子に結合した有機化合物の総称。
  • 種類: 多くの種類があり、メタノール(CH₃OH)、プロパノール(C₃H₇OH)、ブタノール(C₄H₉OH)などがあります。

エタノール

  • 定義: アルコールの一種で、具体的にはC₂H₅OH(エチルアルコール)です。
  • 用途: 飲料(酒類)、消毒液、燃料、溶剤など、広範な用途があります。
  • 特徴: 無色の液体で、適量の摂取でリラクゼーション効果がありますが、過剰摂取は健康リスクを伴います。

簡単なまとめ

  • アルコール: 多くの種類の化合物を含む広い概念。
  • エタノール: アルコールの一種で、特に日常的に使われる具体的な物質。

アルコールは総称であり、エタノールはその中の一つの具体的な物質という関係です。

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インターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツコンペティション( IWSC )

IWSCのロゴマーク

毎年酒類の品質向上と市場拡大を目的とするコンペティションの名称。

1969年に創設、世界のワイン、スピリッツ、ウイスキーなどを世界各地から選ばれる審査員によって、ブラインド・テイスティングと化学的な分析で先行されて選ばれます。

各部門から金・銀・銅と受賞され、各部門の金賞の中からその年で最も優秀だった製品に最優秀トロフィーが与えられます。

2000年代に入ると、日本の製品も数多く受賞し、日本の製品が世界に注目を集め出したキッカケにもなっています。

Photo|IWSCのロゴマーク|画像引用 Wikipedia

活性炭 Activated carbon

活性炭(アクティベーテッドカーボン)は、多孔質で非常に広い表面積を持つ炭素材料です。

その表面には多数の微細な孔があり、これが吸着能力を高めています。活性炭は主に以下の方法で製造されます:

  1. 炭化: 木材やココナッツ殻、石炭などの有機物を高温で炭化させます。
  2. 活性化: 炭化物をさらに高温で処理し、多孔質構造を形成させる。
活性炭

Photo|活性炭|画像引用 Wikipedia

活性炭の特性

  • 高い吸着能力: 多孔質構造が化学物質や不純物を効率的に吸着します。
  • 広い表面積: 小さな粒子の内部に広大な表面積を持つため、吸着能力が高い。

お酒製造における活性炭の使用目的

お酒の製造過程では、活性炭は主に以下の目的で使用されます:

  1. 不純物の除去: 発酵過程や蒸留過程で生成される不純物や副産物(フーゼル油、揮発性硫黄化合物など)を吸着し、取り除くことで、味や香りの品質を向上させます。
  2. 色の調整: 一部の酒類では、色をクリアにするために活性炭が使用されます。特に白ワインやウォッカの製造過程で、色素やタンニンなどの不要な成分を除去するために使用されます。
  3. 味の改善: 活性炭は不快な味や臭いの原因となる物質を吸着するため、最終製品の味をまろやかにし、飲みやすくする効果があります。

具体的な使用例

  • ウォッカ: 蒸留後に活性炭を通すことで、純度を高め、滑らかな口当たりを実現します。
  • ラム酒: 熟成後に活性炭を使用して不要な香味成分を除去し、クリアな風味を得ることができます。
  • ウイスキー: 熟成前後での活性炭フィルタリングが行われることがあります。特に、チャコール・メローイング(炭ろ過)と呼ばれる工程が、テネシー・ウイスキーの製造において重要です。

活性炭の使用は、最終製品の品質向上に欠かせないプロセスであり、お酒のクリアでピュアな味わいを引き出すために重要な役割を果たしています。

希釈熱 ( きしゃくねつ )Heat of dilution

ウイスキーをグラスの中で回す男性の手

希釈熱とは、溶液に溶媒(通常は水)を加えて希釈する際に発生する熱のことです。

具体的には、濃い溶液に水を加えて薄めるとき、そのプロセスで熱が放出されるか、吸収される現象を指します。

この現象は、溶質と溶媒の相互作用によるもので、エネルギーの変化が熱として現れるためです。

希釈熱の特性には大きく下記のような特性があります。

  • 発熱反応: 例えば、濃硫酸に水を加えると大量の熱が発生します。
  • 吸熱反応: 逆に、塩化アンモニウムなどの溶解過程では、溶解に伴い熱が吸収されることがあります。

お酒製造における希釈熱の使用目的

お酒の製造過程において、希釈熱は以下のような目的で考慮されます:

  1. アルコール度数の調整
    • 蒸留酒(ウイスキー、ウォッカ、ラムなど)は、蒸留後のアルコール度数が非常に高くなります。飲料として適したアルコール度数に調整するために、水を加えて希釈します。この際に発生する希釈熱を管理することが重要です。
    • 希釈熱により温度が上昇すると、風味や香りに影響を与える可能性があります。そのため、希釈は通常、段階的に行われ、温度管理が徹底されます。
  2. 品質の安定化
    • 希釈過程で急激な温度変化を避けるために、希釈用の水の温度を調整することがあります。適切な温度管理により、最終製品の品質が安定します。
    • 希釈熱による急激な温度上昇を防ぐことで、アルコールの蒸発を最小限に抑え、風味成分の損失を防ぐことができます。
  3. 熟成過程への影響
    • 希釈は熟成後に行われることが多く、希釈熱による影響を最小限にするために、希釈後に再度熟成させることもあります。これにより、風味の調和が促進されます。

まとめ

希釈熱は、お酒製造においてアルコール度数の調整や品質の安定化に重要な役割を果たします。希釈時の温度変化を適切に管理することで、最終製品の風味や品質を保持し、消費者に一貫した高品質な飲料を提供することが可能になります。

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グレーン Grain

お酒で使われる「グレーン Grain 」とは、穀物を指します。ウイスキーの製造において、「グレーンウイスキー」とは特定の穀物( 小麦、トウモロコシ、大麦など )を原料として作られるウイスキーのことです。

グレーンウイスキーの発明により、大麦麦芽100%のピュアモルトウイスキーよりもコストを抑えることができるブレンデッドが生み出され、世界に多く流通されるきっかけになる役割を担いました。

並べられたトウモロコシ

ピュアモルトウイスキーよりも風味はマイルドなのが特徴です。 ただグレーンウイスキーはの単品は少なく、ブレンデッドウイスキーを造る原料として使用されることの多いウイスキーです。

グレーンウイスキーの利点 〛

  • コスト: モルトウイスキーに比べて生産コストが低い。
  • 柔軟性: 他のウイスキーとブレンドしやすい。
  • 大量生産: 連続式蒸留機を使用することで、大量生産が可能。

コールドブリュー Cold brew

コーヒーを淹れる女性店員

コールドブリューとは「 コールドCold=冷たい 」、「 ブリューBrew=コーヒーや紅茶を抽出する 」という意味で、抽出方法の名前です。

アメリカで一般的になったと言われていますが、誕生したのはインドネシアだそうです。日本では「 水出しコーヒー 」や「 ダッチ・コーヒー 」と呼ばれたりもします。

本来コーヒーや紅茶はお湯を使って抽出するのが一般的ですが、コールドブリューはお湯ではなく冷たい水を使います。

12時間という長時間をかけて低温で抽出することにより、水に溶けだしにくいカフェイン( 渋味の原因 )が、溶けだしにくくなるためお湯で抽出したコーヒーよりもまろやかでスッキリとした味わいになります。

シェードグロウンコーヒー Shade grown coffee( 日陰栽培法 )

シェードグロウンコーヒーとは、Shade=日陰、grow=育つという意味で、簡単に言うと日陰で育てるコーヒーという事です。

ただ一言に日陰で育てると言っても簡単ではなく、熱帯雨林の様な場所で育てられるため機会を入れることができません。 よって作業は全て手作業で行われます。

当然コストも人でも時間もかかってしまいますが、直射日光が苦手である品種アラビカ種を美味しく栽培できること、自然環境に良いこと、水を使う量が大幅に抑えれることというメリットもあり、この栽培方法は伝統として現在も受け継がれています。

コーヒ豆・手摘み

熟 成 Ripening

地下に並べられた熟成中の樽

熟成とは、「 食品や飲料などを寝かせて美味しくすること 」です。 詳しく言うと、「 物質適度な温度と条件が揃った環境下で、長時間放置してゆっくりと化学変化を行わせる 」ことです。

例えばお酒やチーズなどを発酵させ、その後で寝かせるのも熟成のひとつです。

風味がまろやかになり、色や香りが生まれて美味しくなる。 調整もできるので、生産者の色、味、口当たりを好みで変化させ好ましい状態にすることもできます。

シングルモルト Single malt

シングルモルトウィスキーとは、1つの蒸留所で造られ、原料に大麦麦芽を使用した原酒の名称です。

「 シングル 」は1つの蒸留所を指し、「 モルト 」は麦芽のことで、「 シングルモルト 」と呼びます。

他の原酒を混ぜないことが最大の特徴で、その土地の水や気候と、その製造所の特性が独自の味わいとなっています。 その独自性が強烈な個性を生み、これこそがシングルモルトの魅力です。

蒸留所付近を流れる川

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スピリッツ Spirits

スピリッツとは

ニュートラルスピリッツ

スピリッツとはジン、ウォッカ、ラム、テキーラなどのアルコール度数の強い蒸留酒の名称です。ワインやビールよりも歴史は新しく、11世紀~12世紀の間と言われています。 醸造酒を熱し、沸点の違いを利用して、水よりも低い沸点のアルコールを気化させ冷却し液化させます。 もとの液体よりもクリアでアルコール度数の高い液体になったものをスピリッツと呼びます。

国際的にはウイスキー、ブランデーもスピリッツの種類に入るのですが、日本の酒税法では、焼酎、ウイスキー、ブランデーを除いたものを蒸留酒と呼びます。

蒸留酒をつくるためのベースにも用いる純度の高いアルコールのこともスピリッツと呼びます。スピリッツに風味や糖分、香味成分などを加えリキュールをつくるベースとして使われることもあります。

蒸留酒は別名「 火の酒 」とも呼ばれています。 それは醸造酒などを高温で熱して造り、高温からできたお酒は飲むと体が熱くなり活力を与え、人間の魂に働きかけ目を覚まさせるといったことから「 スピリッツ 」と呼ばれているのかもしれません。

スピリッツの特徴

  • 高アルコール度数・・・通常、アルコール度数は35%から50%の間ですが、種類によって異なります。
  • 多様な風味・・・・・・原材料や製造方法によって風味や香りが大きく異なります。
  • カクテルのベース・・・多くのスピリッツはカクテルのベースとして使用されます。例えば、ウォッカマティーニ、ジントニック、ラムコーク、マルガリータなど。

スピリッツの製造方法

  1. 発酵・・・穀物、果実、または他の原材料を発酵させてアルコールを生成します。
  2. 蒸留・・・発酵液を蒸留してアルコール濃度を高め、不純物を取り除きます。
  3. 熟成・・・ 一部のスピリッツ(ウイスキー、ラム、ブランデーなど)は、風味を深めるために木製の樽で熟成させます。
    ( 熟成を行わないものもあります )

中性スピリッツ ( ニュートラルスピリッツ )

醸造酒に対して蒸留を繰り返し行い、アルコールを95%以上に濃縮した蒸留酒の事で、別名「 ニュートラルスピリッツ 」とも呼ばれます。

醸造エタノールの原料が飲料可能であれば基本的に問われません。 醸造エタノールを蒸留、連続式蒸留、濾過などの行いによってエタノールの組織を高めたものが中性スピリッツとなります。

精製の過程で原料本来の風味は無くなっており、原料の種類にかかわらず中性スピリッツには味、香りに個性はありません。 

ポーランドウォッカスピリタス

よって後から香味などを加えて作られる混成酒を造る際にベースとなる酒の影響を与えないようにするために使われることが多いです。

人件費の安い日本国外で中性スピリッツを製造し、大量に輸入することでコストを抑えることができるので、酎ハイ、二級品相当のジャパニーズ・ウイスキーはいずれも中性スピリッツをベースとしたものがブレンドに使われていることが多いです。

グレーンスピリッツ Grain spirits

穀物大麦

グレーンスピリッツとはその名の通り穀物( Grain )を使って蒸留を行い造ったお酒のこと。

小麦、大麦、ライ麦、トウモロコシなどの穀物類を原料に、麦芽や糖化酸素を用いて糖化・発酵させ、連続式蒸留器でアルコール度数95%以上に蒸留した液体の名称です。

ウイスキーの原酒として使われることが多いです。よくグレーンウイスキーという名前を目にしますが、穀物から作っていることです。

世界4大スピリッツ 4 Major spirits in the world

ボンベイドライジン、スミノフウォッカ、バカルディホワイトラム、クエルボテキーラシルバー

世界4大スピリッツとは、ジン、ウォッカ、ラム、テキーラの4種類の蒸留酒のことを指します。

特徴は全てアルコール度数が40%以上であり、基本的には無色透明( 中には香味付けされていたり、樽熟成している銘柄もある )です。 この4つのスピリッツは特にカクテルの材料に使われることが多く、それぞれ個性も持っています。

  • ジン・・・ 大麦、ライ麦を基本とし、ジュニパーベリーを香味付けとして使っています。
  • ウォッカ・・・穀物全般を使い、濾過させることが特徴で、4っつの中で一番無味無臭に近いスピリッツです。
  • ラム・・・穀物ではなく、サトウキビを原料として使い、甘みが4っつの中で一番感じられるスピリッツです。
  • テキーラ・・・ラム同様穀物ではなく竜舌蘭( アガヴェ )と呼ばれるアロエに近く、見た目はパイナップルを10倍くらいにした大きさのものを主原料とし、4っつの中で一番独特の香りを持っています。

スピリットカラメル Spirit Caramel

瓶に入ったカラメル

カラメル色素の一種で、特にウイスキーやその他の蒸留酒の色付けに使用される着色料です。カラメル色素は、糖を加熱して作られるもので、食品や飲料に豊かな茶色の色合いを与えるために使用されます。甘味があり、お菓子などに使われているキャラメルとは全く違い、味、香り共に全くなく無味無臭です。 ただ黒っぽい色をしていることで、ウイスキーの色付けに使われることがあります。 ウイスキーの香りや風味はとても複雑で、それが各ウイスキーの個性となっています。 もしカラメルの風味や香りがすると感じたら、それは樽や製造過程で生まれたもであって後で添加したものではありません。

とくにヨーロッパやアメリカは厳しく定義を設けていますので、スピリットカラメルが入っていることを知っても風味や香りには一切関係ないと思ってください。 ちなみにバーボンはスピリットカラメルの添付も禁止しています。

特 徴

  1. 色付け・・・スピリットカラメルは、ウイスキーや他のスピリッツに豊かなアンバー色を付けるために使用されます。これにより、一貫した製品の外観が保たれます。
  2. 味や香りに影響しない・・・スピリットカラメルは基本的に無味無臭で、使用される飲料の風味や香りに影響を与えません。
  3. 安定性・・・加熱や冷却、光に対して安定であり、飲料の保存期間中に色が変わることはほとんどありません。

製造方法

スピリットカラメルは、糖(通常は砂糖)を加熱することで作られます。この過程で、糖がカラメル化して濃い茶色の液体が生成されます。製造プロセスには以下のステップが含まれます:

  1. 加熱・・・砂糖を高温で加熱し、糖分子が分解してカラメル化します。
  2. 酸やアルカリの添加(オプション)・・・カラメルの色合いや安定性を調整するために、酸やアルカリが加えられることがあります。

用 途

  • ウイスキー・・・ウイスキー製造において、スピリットカラメルは色の一貫性を保つために使用されます。特に熟成の進んでいない若いウイスキーや、ブレンデッドウイスキーでよく使用されます。
  • ラム・・・一部のラム製品でも、同様の目的で使用されます。
  • ブランデー・・・ブランデーの色調整にも使用されることがあります。

スピリットカラメルのまとめ

スピリットカラメルは、主にウイスキーなどの蒸留酒の色付けに使用されるカラメル色素です。風味や香りに影響を与えず、一貫した製品の外観を保つために重要な役割を果たします。製造過程で加熱された砂糖から作られるため、自然な色合いを持ち、様々な蒸留酒に使用されています。

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世界5大ウイスキー 5 major whiskeys in the world

ボウモア、ジェムソン、ジャックダニエル、クラウンロイヤル、山崎

世界五大ウイスキーとは、世界的に有名で品質の高いウイスキーの生産地を指します。これらのウイスキーは、それぞれの地域独自の製法や風味を持ち、多くのウイスキーファンに愛されています。以下に、それぞれの特徴と定義を紹介します。

1. スコッチウイスキー Scotch Whisky

  • 原産国・・・スコットランド
  • 主な種類・・シングルモルト、ブレンデッド、グレーン、シングルグレーン、ブレンデッドモルト
  • 製法・・・・大麦麦芽を主な原料として使用し、二回蒸留。最低3年間オーク樽で熟成。
  • 特徴・・・・スモーキーでピート香が強いものが多い。地域によってフルーティーなものやシェリー樽熟成による甘みの強いものもある。
  • 規定・・・・スコットランドで製造され、最低3年間熟成し、アルコール度数は40%以上。

2. アイリッシュウイスキー Irish Whiskey

  • 原産国・・・アイルランド
  • 主な種類・・シングルモルト、シングルポットスチル、グレーン、ブレンデッド
  • 製法・・・・大麦を主に使用し、三回蒸留が一般的。最低3年間オーク樽で熟成。
  • 特徴・・・・スムースで軽やかな風味。ピートを使用しないため、スコッチに比べてスモーキーさが少ない。
  • 規定・・・・アイルランドで製造され、最低3年間熟成し、アルコール度数は40%以上。

3. アメリカンウイスキー American Whiskey

  • 原産国・・・アメリカ
  • 主な種類・・バーボン、テネシーウイスキー、ライウイスキー
  • 製法・・・・トウモロコシ、ライ麦、大麦などを使用し、新しい焦がしオーク樽で熟成。
  • 特徴・・・・バーボンは甘く、バニラやキャラメルの風味。テネシーウイスキーはチャコールメローイングによるまろやかな風味。
  • 規定・・・・バーボンは51%以上のトウモロコシを使用し、新しい焦がしオーク樽で最低2年間熟成。テネシーウイスキーはバーボンと同様の製法に加え、チャコールメローイング工程が必須。

4. カナディアンウイスキー Canadian Whisky

  • 原産国・・・カナダ
  • 主な種類・・ライウイスキー、コーンウイスキー、ブレンデッドウイスキー
  • 製法・・・・ライ麦、トウモロコシ、大麦などを使用し、通常はブレンデッド。最低3年間オーク樽で熟成。
  • 特徴・・・・軽やかでスムースな風味。バランスが良く、飲みやすい。
  • 規定・・・・カナダで製造され、最低3年間熟成し、アルコール度数は40%以上。

5. ジャパニーズウイスキー Japanese Whisky

  • 原産国・・・日 本
  • 主な種類・・シングルモルト、ブレンデッド
  • 製法・・・・スコッチウイスキーに影響を受けた製法。大麦麦芽を使用し、二回蒸留。様々な樽で熟成。
  • 特徴・・・・フルーティーで繊細な風味。品質管理が厳しく、非常にバランスの取れた味わい。
  • 規定・・・・日本国内で製造・熟成され、特定の品質基準を満たすこと。

まとめ

世界五大ウイスキーは、それぞれの地域独自の製法と特徴を持つ高品質なウイスキーです。各地域の規定と伝統に従って製造され、世界中のウイスキーファンに愛されています。スコッチ、アイリッシュ、アメリカン、カナディアン、ジャパニーズの各ウイスキーは、風味や製法の違いを楽しむことができ、ウイスキーの多様性と魅力を体験する絶好の機会となります。

ノンチルフィルタード Non chill filtered

「チル = Chill」とは冷気のこと、「フィルタード = Filltered 」とは濾過されたという意味で、チルフィルタードとは冷却濾過という事になります。

今回は「Non」が付いているので、ノンチルとは、逆の冷却濾過をしていないという事になります。

チルフィルタードはウイスキーなどの樽熟成されるものによく使われる工程で、樽や麦芽の白濁や澱(カス等)を除去するためと、ウイスキーの琥珀色を守るために行います。

ストレーナーで濾す

しかしデメリットもあり、元々持っていた香味成分や旨味を一部捨ててしまうという事で、これを行うと個性や醍醐味を失ってしまう事を良しとしない場合は、チルフィルタードを行わず、ノンチルフィルタードと呼ばれます。最大限に素材の恵みを生かす場合は、ノンチルフィルタード製法を用います。

ピュアモルト Pure malt

ロックグラスに入ったウイスキーを回す女性の手

基本的にはシングルモルトと同義語ですが、異なるシングルモルトの原酒をブレンドして造られたウイスキーをピュアモルトと呼びます。

大きく分けるとブレンデッドウイスキーになります。ブレンデッドウイスキーは異なる原料をブレンドしていますが、ピュアモルトは全て大麦麦芽を使用していることが大きい違いです。 別名モルトウイスキーとも呼ばれます。

ピュアモルトは主に日本国内で使われている名称で、海外ではブレンデッドモルトと呼ばれています。 ピュアと付けなくとも、モルトウイスキーという名前だけでも100%大麦麦芽を使用していることはわかるのですが、ピュアと名づけることで100%感や純粋さ、混じりけのない様などを際立たせるためこの名が付いたと言われてます。

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ブレンデッド Blended

モルトとグレーンを合わせてブレンドしたものが「 ブレンデッドウイスキー 」です。 モルトウイスキーとグレーンウイスキーを1つずつブレンドするのではなく、複数の蒸留所のウイスキーをブレンドすることで造り上げられることで出来上がります。 場合によっては数十か所の蒸留所のウイスキーが使われることもあります。

ブレンデッドウイスキーは、各製造会社に所属しているブレンダーが、鼻と舌を使って生み出します。 シングルモルトはその土地が生み出すウイスキーですが、ブレンデッドウイスキーは人が生み出すウイスキーと言えます。

試飲グラスに注がれているウイスキー

日本国内のみならず世界のウイスキーの最も流通量が多いタイプのウイスキーで、およそウイスキー流通の80%~90%です。 その大きな理由はコスト面で、大麦麦芽100%に比べて様々な穀物を原料にしたグレーンウイスキーの方がコストを安く抑えることができるためです。

ブレンデッドウイスキーが定着した理由として、昔は近年ほど技術が発達しておらず、シングルモルトの風味や味が荒々しいウイスキーだったため、ブレンドして飲みやすくしたという理由もあります。

モラセス Molasses

モラセス、廃糖蜜

モラセスとは糖蜜のことで、糖蜜を英語表記するとモラセス( Molasses )と言います。砂糖を造る際に原料のサトウキビやてんさいの汁から除去される液体です。

砂糖を造ったときに余ってしまった砂糖としては不要な廃棄するものです。

サトウキビの搾り汁を煮詰めていくと、一部が結晶化していきます。 その結晶化したものが砂糖として使われ、結晶化しなかったもの( 黒いシロップ状 )が糖蜜または廃糖蜜と呼びます。

この砂糖を造る際に出る液体は、糖度が40%~50%ほどあり、お酒を造る原料として最適です。まさに砂糖製造の副産物と言えます。 栄養素もミネラルを特に多く含み、味は砂糖より甘味が少なく、クセのある黒糖のようになっています。

モラセスには3種類あります。

  • 1・ライトモラセス・・・廃糖蜜を1回煮立たせたもので、3つの中では最もマイルドです。
  • 2・ダークモラセス・・・廃糖蜜を2回煮立たせたもの、ライトモラセスよりもトロ味とクセが強くなっています。
  • 3・ブラックストラップ・・・廃糖蜜を3回煮立たせたもの。 ダークモラセスよりもさらにコクとトロ味が強まり、3回煮立たせるとクセが出てそのままでは食せなくなっています。

沸騰回数を増やすことで、コクと栄養素の凝縮が強まり、ラム作りに生かされているのです。

モルト Malt

モルトとは「 麦芽( ばくが ) 」のことで、 「 麦芽 」とは発芽させた麦のことす。

デンプンを多く含んでいる麦芽は、果実と違いそのままではアルコール発酵しません。 まずはデンプンを糖化させる必要があり、その糖分に変えるために必要な酸素を大麦自身に作らせるために大麦を発芽させるのです。

特にウィスキーの原酒醸造用の乾燥麦芽を使用。 麦芽を原料として乾燥、糖化、発酵、蒸留され、樽に入れて長年貯蔵します。

ライ麦畑

キュアリング Curing

サツマイモ

日本語に訳すると「 養生 」で、その名の通り植物などの場合収穫時にできた傷を癒し、保存期間を長くするために行う貯蔵方法です。 日本では主にサツマイモの貯蔵期間を延ばすために用いられます。

サツマイモの貯蔵適温は13度前後ですが、そにままその温度で貯蔵すると、収穫時にできた傷口から病菌が入り腐ってしまいます。 そこで貯蔵する前に5日前後の期間温度を30℃~35℃、湿度を90%~95%に設定した場所に置き、コルクの形成を促し、傷口がふさがってからサツマイモ本来の適温の場所に移し貯蔵します。

保存期間を延ばすだけでなく、この工程によりサツマイモの甘みと味の深みが増すので、この作業が必要なのです。
他にも植物などによって目的や手法は異なりますが、基本的には乾燥と熟成を繰り返し、保存期間を延ばすためと、香りだしのために行います。

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シューターカクテル Shooter cocktail

シューターカクテルとは、「 グラスに注いでから一気に飲み干すタイプのカクテル 」や、「 強いお酒を強いまま提供するカクテル 」という意味です。

その目的は酔うためや、飲料目的といった通常のカクテルとは違い、景気づけに一気に飲み干すスタイルのことを指します。

1980年代にアメリカで誕生したスタイルと言われており、名前の由来は「 口の中へシュートする 」から来ているそうです。

ショットグラスに注がれているお酒

お互いの気持ちを高めるために一緒に飲み干したり、景気づけやガン担ぎなどで飲まれていたようです。 あくまでポジティブな考えでの行動なので、ゲームの罰ゲームなどで行わないようにしましょう。

発 酵 Fermentation

発酵とは ?

棚に並べられた発酵中のチーズ

発酵とは生物が栄養素として取り込んだ有機物を嫌気的に代謝して、エネルギーを得る過程のことです。

わかりやすく、シンプルに説明しますと・・・、

微生物が食品などを栄養であったり、味であったり、人間に好ましい変化をすることの名称です。
上記の「 人間に好ましい変化 」というのが特徴で、逆に悪い変化だと発酵とは言わず、「 腐敗 」と呼びます。

この変化を利用して古来より人間は様々な食品を発酵させてきました。 例を挙げると・・・

  • 穀物類・・・・日本酒、酢、みりん、ビール
  • 豆類・・・・・味噌、醤油、納豆、豆板醤
  • 肉類・・・・・生ハム、サラミ、ドライソーセージ
  • 魚介類・・・・くさや、塩辛、鰹節
  • 野菜・果物・・ワイン、ピクルス、ぬか漬け、ナタデココ
  • 乳製品・・・・チーズ、ヨーグルト
  • その他・・・・チョコレート、コーヒー豆
  • お茶類・・・・ウーロン茶、紅茶

代表的なものを挙げただけでも身近なものばかりです。一言「 発酵 」といっても作り方は様々で、世界中でこの発酵食品( 飲料 )は色々な形で造られています。

発酵食品の歴史の始めは、紀元前5,000年頃で、ヨーグルトだと言われていて、牛乳から偶然に生まれたようです。日本の発酵の歴史も古く、縄文時代や弥生時代には発酵食品が存在していたそうですが、記録では奈良時代の「 瓜の塩漬け 」だそうです。

微生物の種類

発酵の微生物は大きく分けて「 細菌、酵母、カビ 」の3つに分けられます。

  • 細菌・・・乳酸菌、納豆菌、酢酸菌など多くの種類があり、作用はそれぞれ違います。
  • 酵母・・・糖を分解してアルコールと二酸化炭素を生み出すのが特徴です。 当サイトでは多くに出てくる発酵方法で、ウィスキーやビールなどのお酒に多く使われます。
  • カビ・・・カビと言えば基本的に腐敗をイメージしてしまいがちですが、カビにも種類があり、発酵に使われるカビには毒が無く、チーズや味噌などに使われています。
ストレッチをする女性

発酵は腐敗を遅らせる効果だけではなく、様々な効果があります。 その多くの効果があるからこそ古来より様々な食品に用いられ、現代でも行われているのです。

  • 1・腸内環境の改善・・・乳酸菌と言えばお腹の中の悪玉菌を抑え、腸内環境を良くするというのは有名です。他にも肌のくすみの原因と言われるメラニン色素を抑える効果があり、乳酸菌などを含む発酵食品で腸内環境を整えると、肌荒れが解消される効果が期待できるそうです。
  • 2・免疫アップ・・・・・体が病原菌と戦うための免疫力を向上させる効果( 主に乳酸菌 )そのことにより、一部ではありますが、アレルギーの症状を改善した事例があります。
  • 3・コレステロール・・・血管壁に付着した悪玉コレステロールを除去( 主に乳酸菌 )し、コレステロール値を正常にする効果。
  • 4・脂肪分解・・・・・・脂肪分解を促進させる効果。中性脂肪の上昇を抑え、内臓脂肪を低下させる効果。

発酵食品は数ある健康食品の一つとしても常に注目されています。皆さんも発酵食品との良い付き合い方が、健康やダイエットなどのお役に立てるはずです。

アルコール発酵 Alcoholic fermentation

アルコール発酵とは、「 酵母が糖分に作用して炭酸ガスとアルコールを発生させる 」ことを言います。

お酒の作り方には大きく分けて、醸造酒蒸留酒混成酒の3種類あります。 歴史の順番で言うと醸造酒 ⇒ 混成酒 ⇒ 蒸留酒の順番で、混成酒は果実や香草などを醸造酒や蒸留酒に漬け込んだりして造り、蒸留酒は醸造酒を蒸留してできます。

つまり醸造酒は混成酒と蒸留酒の元になっているわけです。 アルコール発酵はお酒造りの大元なんですね。

熟成されている貯蔵庫の中の樽

酵母という微生物は、酸素のない所では糖分を分解してエネルギーを得る習性があり、そのエネルギーを得る際にエタノールと二酸化炭素を生成します。 このプロセスを利用したのが醸造酒で、他にも燃料やパンなどの食品類にも利用されています。

当然糖分の多いものはアルコールが強くなり、糖分が弱いものはアルコールが低くなります。 ただアルコール発酵のアルコール度数には限界があります。 イメージをしやすく言うと、微生物が糖分を食べているときに出てしまうアルコールが微生物を止めてしまい、アルコールは一定以上上がらないという仕組みなのです。 なのでビール、日本酒、ワインは蒸留酒に比べてアルコール度数が低めなのです。

では糖分があまりない日本酒やビールはどうやってアルコール発酵しているのかというと、穀物は当分の代わりにデンプン質を持っていて、そのデンプン質を「 酵素 」が糖分に変えるのです。 この酵素がデンプンを糖分に変え、アルコール発酵をするのです。

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クレーム・ドとは?

スプーンですくった砂糖

果実系のリキュールによく「 クレーム・ド 」という名前が付いています。

これは元々フランス語がルーツで、英語で言う「 クリーム 」と同じような意味があります。

後に付く「 ド 」は英語で言う「 of 」と同じような意味があり、全体で言うと「 クリームの 」という意味になります。 よって「 クレーム・ド 」と付くリキュールは濃厚な甘さがあると捉えられます。

この「 クレーム・ド 」という名前には定義があり、EUで定められています。 その内容は・・・

  • アルコール度数 15%以上であること
  • 糖分が1リットルに対して250グラム以上含まれていること
  • カシスの場合は、1リットルに対して400グラムの糖分が必要

この条件を満たせば「 クレーム・ド 」と付けることを許可されるのです。

クレーム・ドが付いているリキュールは主に、カシス、フランポワーズ、ストロベリー、カカオ、ブルーベリー、バナナ、ピーチ、ピンクグレープフルーツなどが有名です。

原産地呼称 Designation of origin

「 原産地呼称 」とは正式名「 保護原産地呼称 」と言い、特定の製造方法や特定した土地( 産地 )によって消費者に好評化を受けている製品を、その地名、都市名、地域名を商品などの名前に付けることです。

特定した土地または製造方法でないとその名称を名乗ってはならないという制度です。

消費者から高評価を受けているので、誰もが簡単にその名前を使えないように、ブランド化、差別化した制度です。

フランス・ブルゴーニュ地方の風景

制度は1992年に制定され、2006年に農産物などの食品、2008年にワインの表示制度が規定され、その翌年の2009年にはラベルに表示することが義務付けされました。

原産地呼称保護制度( PDO )の定義

  • 製品の品質や特徴が、原産地の特別な地理的環境によって本質的、または他に類を見ないものでなければならない。( 地理的環境 = その地域で伝統的に受け継がれてきた人的要因やその地域の自然など )
  • 特定の地域にで一連の生産、加工、調整が完結していなければならない。

原産地呼称の主な食品はチーズやサラミ、生ハム、野菜類が多くあり、日本でも有名なものと言えば、イタリアの「 パルマ生ハム 」、イタリアの「 ゴルゴンゾーラ( 青カビチーズ )」フランスの「 ノルマンディー( カマンベールチーズ )」スペインの「 ギフエロ( イベリコ生ハム )」などが有名です。

そしてお酒では主にワインに使われています。 「 ブルゴーニュ 」や「 ボルドー 」といった名前はワインの中でもよく聞くと思います。 他にもスパークリングワインの「 シャンパン 」はフランス・シャンパーニュ地方ですし、スピリッツのテキーラは、メキシコの5州( ハリスコ・グアナファト・ナヤリ・タマウリパス・ミチョアカン )から製造されたものを「 テキーラ 」と呼ぶことができるのです。

原産地呼称とよく似た制度に「 地理的保護表示(PGI )」、「 伝統的特産品保護( TSG )」があり、それぞれ定義があり、この制度によって伝統的な技術や製法が守られているのです。

地理的保護表示( PGI )定義

  • 製品名称の一部となっている国または地域で生産されなければならない。
  • 特定の地域において生産・加工・調整のいずれかの過程が行われていること。
  • 製品の名称が特定の地域または製造に関連することが必要であるが、特徴などがその名称・地域に由来していること。

「 PGI 」は「 PDO 」よりも少しルールが緩いパターンのようです。

伝統的特産品保護( ESG )

  • 伝統的な原材料を使用、製造、組成によって特徴を持っていること
  • 伝統的な製造、加工またはそのいずれかが反映された生産工程を有するもの。

上記2つとちがい地域や環境は定められておらず、伝統的な原材料と技術を保護する制度といったところです。

コンキスタドール Conquistador

フランシスコ・ピサロとエルナン・コルテス

Photo|フランシスコ・ピサロ( 左 )とエルナン・コルテス( 中央 )|画像引用 Wikipedia

「 コンキスタドール 」とはスペイン語で、日本語にすると「 征服者 」になります。 使われる用途は主に15世紀から17世紀にかけて、スペインがアメリカ大陸を征服した時代、征服者または侵略者を指します。

キリスト教を広めるという大義名分を盾に、スペイン軍隊を侵入させ虐殺などの非道な手段を使ったり、原住民の部族間での対立などを利用し、インディオの抵抗力を下げながら征服活動を行いました。その結果ラテンアメリカの人口を急激に減少させると同時に、大陸で発見された金などの莫大な富を本国スペインにもたらしました。

メキシコのアステカ王国を征服した「 エルナン・コルテス 」と南アメリカ大陸に存在したインカ帝国を征服した「 フランシスコ・ピサロ 」がコンキスタドールで最も有名な人物です。

この時代のアメリカ大陸の殆どがスペイン人によって侵略され、植民地化しました。 そしてお酒関連で見ると、この時代にスペインというヨーロッパのお酒文化と、アメリカ大陸にあったお酒の文化が融合し、様々なお酒やカクテルが誕生したのです。

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フィロキセラ Phylloxera

フィロキセラ・ブドウネアブラムシの絵

1860年頃からフィロキセラ( ブドウネアブラムシ )という害虫の大量発生によるブドウ畑の壊滅事件が起きます。

この害虫は成虫、幼虫共に根や葉から樹液を吸い、その吸った部分や虫が付いた部分にはコブができ、開花不良、無核果、葉焼けなどといった樹の成長を阻害し、やがて衰弱して枯れさせてしまいます。

1862年にフランス南部のワイン商がアメリカ・ニューヨークからブドウの苗木を購入し、自分の畑に植えました。 その2年後に周囲のブドウが枯れ始め、その猛威は瞬く間にフランス全土、スペイン、イタリア、ドイツ、ポルトガル、オーストリアへと広がりました。

根に寄生するため薬剤散布などが行えず、 様々な対策が考案されては失敗を繰り返し、1874年にようやくアメリカ産の台木にヨーロッパ産を接ぎ木できることを発見し終息を迎えます。

対策方法が確立するまでになんと約30年もの時間を費やします。壊滅状態の間、ロンドンの紳士たちはブランデーの代わりにウイスキーを飲むようになり、ウイスキーはその後ヨーロッパ中で飲まれるようになります。ウイスキーが世界中で広く飲まれるようになったいくつかあるキッカケの一つになりました。

Photo|フィロキセラ( ブドウネアブラムシ )|画像引用 Wikipedia

糖化とは Saccharification

デンプンを糖分に分解する工程のことを「 糖化 」と言います。

お酒を造る際に、酵母に糖類を食べさせ、エチルアルコールを生成する工程があります。 この工程を行う際に酵母が食べやすい糖分を造ることが必要となります。

糖類は「 単糖類・ニ糖類・多糖類 」の3種類に分けられます。 ワインやラムの原料となるブドウやサトウキビは単糖類に属し、ショ糖や麦芽糖は二糖類、お米や大麦などの穀物は多糖類に分類され、酵母は単糖類と二糖類は食べることができますが( 単醗酵 )、多糖類は食べれません。

糖化の構造イラスト図

多糖類の場合はまずデンプンをバラバラにして単糖類や二糖類にした後酵母を入れてアルコール発酵( 複醗酵 )させます。

白樺( シラカンバ )White birch

白樺の林

白樺( シラカバまたはシランカバ )とは北半球の温帯から亜寒帯地方に多く分布している落葉高木の広葉樹です。

樹皮が白い樺ということでそのまま白樺という名前になったそうで、日本では北海道で多く自生しています。

用途は様々あり、瘦せ地でも育つため早期緑化する場合に使われることがある他、樹皮は水を通さないので、ヨーロッパなどでは屋根葺きの材料に使われたり、白い樹皮は見た目にも好まれることが多く、山小屋の壁や手すりなどに使われてもいます。 多く油分を含んでいるので、松明として使われたりと、古くから一般的に使われています。最も身近なもので言うとアイスクリームの棒や爪楊枝にも使われています。

お酒においての白樺は、主にウォッカを製造する際に使われます。 白樺を炭にした状態をつくり、濾過をするために使われます。 この工程を使いウォッカは他のスピリッツよりもクリアなスピリッツとなるのです。

ピート Peat

スコットランドの土地

ピートとはモルトを乾燥させるために焚くための燃料の一種です。 植物が枯れて堆積し、長い年月が経って炭にした泥炭のことで、スコットランドなどの特徴であるピーティーと表現される風味は、このピートに由来しています。 ピートのみで乾燥させると、あまりにもピートの香りが強すぎるため、各蒸留所でピートの入れる量、タイミングが異なり、それも各蒸留所の個性となっています。

スコットランドやアイルランドでは、主にヘザー( ヒース )と呼ばれる植物群を使っています。 蒸留所によっては独自のピート湿原を所有しているところもあるほど重要な要素なのです。

ハリケーンランプ Hurricane lamp

ハリケーンランプ( またはストームランタン )の誕生は定かではなく、おそらく1902年頃に生産されたのが最古のものではないかと言われています。

その利便性からか瞬く間にヨーロッパ中に広がり、外の外壁、階段、廊下、懐中電灯のように使ったりと用途も様々なものが造られました。船の上などでも活躍したため、「 台風が来ても消えないランプ 」ということで、ハリケーンランプまたはストームランタンと名前が付いたようです。

ハリケーンランプ

お酒関連では、「 ハリケーングラス 」というトロピカル・ドリンクなどでよく使われるゴブレットに似たグラスがあり、ハリケーンランプに形が似ているためその名が付いたそうです。

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エステル Ester

テーブルに置かれたウイスキー

「 エステル Ester 」とは、アルコールなどと有機酸類( 脂肪酸 )が発酵中に結合して生まれる成分のことです。

これにより果実や花などの複雑で甘く華やかな風味などをつくり出すことができる。

主にウイスキーや焼酎などといったお酒の個性やオリジナリティーを生み出すために役立っています。

エステルの特徴

  • 香りと味・・・多くのエステルは果物の香りや味を持っており、食品や香水の成分として広く利用されています。例えば、酢酸エチルはパイナップルの香りがし、酢酸イソアミルはバナナの香りがあります。
  • 溶媒としての利用・・・エステルは有機溶媒としても使用され、塗料やコーティング、接着剤の製造に利用されます。
  • 生物学的役割・・・エステルは脂肪や油などの形で生物の代謝において重要な役割を果たしています。

お酒におけるエステル

エステルはアルコール飲料の香りや風味に大きな影響を与えます。例えば、ウイスキーやラム、ビールなどの発酵飲料において、エステルは果実や花のような香りを生み出し、その飲み物の個性を形成します。発酵の過程で酵母が糖を分解する際に生成されるため、発酵条件や使用する酵母の種類によってエステルの種類や量が変わります。


まとめ

エステルはカルボン酸とアルコールから生成される有機化合物で、香料や溶媒、食品添加物など多岐にわたる用途を持ちます。特にアルコール飲料においては、香りや風味に重要な役割を果たし、発酵条件や酵母の種類によってその生成が調整されます。

産業革命

世界初の鉄道を見学する人々の絵

Photo|世界初の鉄道を見学する人々|画像引用 Wikipedia

産業革命とは、18世紀中頃から19世紀の間で起こった産業の大きい変革が起こった時期のことの名称として呼ばれています。この時期織物生産の技術工程の変革から始まり、産業革命最大の変革と言っても過言ではない石炭によるエネルギーの革命です。

石炭エネルギーは、工場の生産速度を上げ、蒸気パドルシップの船で、近海であれば風向きを気にせず安定して進むことができ、さらに陸上では蒸気機関車の登場により一般人の移動、重い荷物や素材などの運搬を向上させました。

これまで使っていたものが鉄製などに変わり、移動もそれまでより遠くまで安定して早く行くことができる様になります。 これにより人々の生活は激変しただけではなく、それまでのGDPが大幅に向上したことにより、いち早く取り入れた国は驚くほどの速さで経済成長し、国力を高めていった時代です。

大航海時代 Age of Discovery

大航海時代とは15世紀中頃~17世紀中頃の間で行われた、主にスペイン、ポルトガルなどのヨーロッパ諸国により行われた、アメリカ大陸、アジア、アフリカへの植民地侵出が行われていた時期のことを呼びます。

大型の船を製造する技術が進むにつれて、海を渡る距離も増えていき、ヨーロッパ各国で貿易などのビジネスが発展していきます。

この時に国内にとどまっていたお酒類やお酒を造る際の材料なども様々な国に届けられるようになります。

夕日の中進む帆船

貿易だけでは収まらず、アフリカ諸国、アジアなどの国々を植民地化し、そこで得た農作物などをヨーロッパへ持ち込まれるようになりました。お酒だけに留まらず、全てのものがこの時代から大きく変わっていった時代でした。

ミルクセーキ Milkshake

フルーツを使ったミルクセーキ

ミルクセーキとは20世紀初めにアメリカで考案された、牛乳、ココナッツ、アーモンドミルク、アイスクリーム、様々なシロップ、果実類、、キャラメルやチョコソースなどの材料を冷たい飲み物にした乳飲料のことです。

1885年初めてミルクセーキという名前が世に印刷物として出回った頃のミルクセーキは、ウィスキーベースのエッグノック・スタイルのカクテルでした。

現在のデザート感覚で飲むドリンクではなく、健康や強壮剤に近いものとして飲まれていました。

1900年に入るといつしかチョコレート、イチゴ、バニラなどが混ざり合ったドリンクに変わり、さらに1922年電動ミキサーが発明され、それらが普及し始めると、現在のデザート感覚のドリンクへと変わっていったのです。

時代が進むにつれミルクセーキは、牛乳、卵黄、砂糖、バニラエッセンスを使ったものを「 フレンチスタイル 」と呼び、牛乳、アイスクリーム、フルーツシやチョコレートのシロップなどを使ったものを「 アメリカンスタイル 」とそれぞれ分かれていきます。 そして日本では長崎県にある九州最古の喫茶店と呼ばれる「 ツル茶ン 」で卵、練乳、砂糖、かき氷をミキサーにかけたシャーベット状のものが誕生し、ミルクセーキは自由なスタイルとして日本のみならず世界で定着していきました。

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