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マンハッタンには、知っておく価値のある有名な逸話があります。マンハッタン・クラブが入っていた建物は、かつてジェニー・ジェロームの父の邸宅でした。歴史家デイヴィッド・ウォンドリッチは、愛される「ジェローム伝説」の由来を、まさにこの繋がりに求めています。邸宅とクラブの記憶が、何十年もの時を経て一つの物語へと溶け合ったのです。
ライ・ウイスキーのスパイシーな深みがスイートベルモットの豊かさに溶け込み、ビターズが全体を引き締め、チェリーの赤とレモンピールの香りが、確かな気品を持つ一杯を仕上げます。
今夜一杯、一世紀分の物語をグラス一杯に味わってみてください。
レシピと作り方
材 料

Recipe no.066
- ライウイスキー・・・・・・・・45ml
- スイートベルモット・・・・・・15ml
- アンゴスチュラ・ビター・・・・1dash
- マラスキーノチェリー
- レモンピール
※ 1dash = ビターボトル一振り、目安は1滴の量
※ ピール = 果実皮をカクテルに絞って香り付けをする
ライウイスキーのおすすめ銘柄リスト
ベルモットのおすすめ銘柄リスト
作り方

ミキシンググラスに氷を7割~8割ほど入れて、ステアで冷やし、余分に出た水分を捨てます。マラスキーノチェリーを軽く水で洗い、水気を取っておきましょう。
ライウイスキー、スイートベルモット、アンゴスチュラ・ビターズをミキシンググラスに入れます。
しっかりとステアをして、ストレーナーを取り付けグラスヘ注ぎます。
マラスキーノチェリーにカクテルピンを刺し、グラスに入れます。最後にレモンピールをして完成です。
- 技法 = ステア
- グラス = カクテルグラス
- アルコール度数 = 31% ~ 32% 前後
- 最適なTPO = 日中 / 食後
- カクテル言葉 = 「 切ない恋心 」
- カクテル誕生日 = 「 1月6日 」「 9月25日 」
マンハッタンの由来・定着
由 来

Photo|ランドルフ・チャーチル
マンハッタンの誕生については、複数の説が存在しており、実は決定的な一次資料は残っていません。カクテル史研究者の間でも「起源は諸説あり、確定していない」というのが共通認識です。
ジェニー・ジェローム説
最もよく語られるのが、1874年頃、ニューヨークのマンハッタンクラブで開かれた政治パーティーで生まれたという説です。このクラブは、後にイギリス首相となるウィンストン・チャーチルの母、ジェニー・ジェローム(結婚後はレディ・ランドルフ・チャーチル)が主催したパーティーで、サミュエル・J・ティルデンのニューヨーク州知事選勝利を祝う席だったとされています。もてなされたのが、ライウイスキーとスイートベルモットを合わせたカクテルで、開催場所であるマンハッタンクラブの名がそのままカクテル名になった、という話です。
しかし、この説には大きな矛盾があります。 複数の伝記資料によれば、当時ジェニー・ジェロームは妊娠中でイギリスに滞在しており、同じ年の11月30日にまさにウィンストン・チャーチル本人を出産していたのです。ニューヨークでパーティーを主催することは物理的に不可能だったため、この逸話は現在、多くのカクテル史研究者から「後付けで作られた美談」「事実とは考えにくい」とされています。
無名バーテンダー説
マンハッタンクラブ自体は、今もこのカクテルの発祥地であると公式に主張しており、クラブの元会長の娘であるキャロル・トゥルアックスが、後年その主張を裏付ける証言をしたという記録も残っています。ただし、これも「誰が」考案したかまでは特定されていません。
バーテンダー”ブラック”説
1923年に出版された『Valentine’s Manual of New York』という書籍には、「1860年代、ブロードウェイのヒューストン・ストリートから10軒ほど下った場所に店を構えていた”ブラック”という名のバーテンダーが考案した」という、より古い時代の説も記載されています。もしこれが事実なら、マンハッタンクラブの逸話よりも10年以上前に、すでにこのカクテルが存在していたことになります。
なぜジェニー・ジェロームの名が結びついたのか
歴史家デイヴィッド・ワンドリッチは、著書『Imbibe!』の中で、この混同が生まれた理由について興味深い指摘をしています。マンハッタンクラブが入居していた建物は、もともとジェニー・ジェロームの父親である富豪レナード・ジェロームが所有していた邸宅でした。つまり「ジェローム家の屋敷」と「マンハッタンクラブ」という場所の結びつきが、いつしか「ジェニー・ジェローム本人がパーティーを主催した」という話にすり替わっていった可能性がある、というのが彼の見解です。
まとめ
結論として、マンハッタンの正確な発祥者・発祥時期は特定できていません。確からしいのは、1870年代から1880年代初頭にかけて、ニューヨークのマンハッタンクラブ周辺で生まれたらしいという点までで、それ以上の詳細(考案者の名前、正確な年、ジェニー・ジェロームとの関係)については、当時のバーテンダーたちが逸話を面白くするために有名人の名を借りる、という当時よくあった慣習の一環だったとみる研究者が多いようです。
マンハッタンの定着

マンハッタンが有名になったのは、1959年に公開された映画「お熱いのがお好き」で登場したのがキッカケでした。
内容はアメリカの禁酒法時代を舞台にしたコメディです。その映画に登場するのが、歴史に残る大女優マリリン・モンローで、マフィアの銃撃を目撃してしまった楽団員(モンロー演じる役)が、逃走中の汽車の中で悪戦苦闘しながらマンハッタンを作るシーンで有名になりました。
映画への登場がきっかけで世界中に広まったカクテルはいくつも存在しますが、マンハッタンもその一つです。この映画を観ながら、一杯飲んでみてはいかがでしょうか。
特徴・おすすめ・動画
特徴・魅力

マンハッタンは、ウイスキーの深みのある風味と、ベルモットの甘味が絶妙に調和しています。ビターズが加わることで、ほのかな苦味がアクセントとなり、全体のバランスが完璧に保たれており、これにより濃厚で複雑な味わいが楽しめます。
材料はシンプルですが、その組み合わせによって生まれる奥深い味わいは、他のカクテルにはない魅力です。初心者でも比較的簡単に作れるため、自宅でもプロの味を楽しむことができます。
長く愛され続けてきたカクテルだからこそ、初めて飲む方にも、ぜひその豊かな味わいと歴史をじっくり楽しんでいただきたいと思います。
ポイント・アレンジ・相性の良い食べ物

相性の良い食べ物・おつまみ
- グリルステーキ — ライウイスキーのスパイシーさが肉の焦げ目と響き合い、ウイスキーのタンニンが脂やタンパク質と作用して滑らかな口当たりを生みます。
- ブルーチーズ — 濃厚で塩気の効いた鋭さがマンハッタンの甘さと好対照をなす、多くのバーテンダーが推す定番の組み合わせです。
- ダークチョコレート(カカオ70%以上) — ほろ苦い深みがカクテル自身のビターズと呼応し、贅沢なナイトキャップになります。
作り方のポイント
シェイクしてしまいがちですが、これだと薄まりすぎて濁った仕上がりになります。必ず約30秒ゆっくりとステアしましょう。この一手間で、絹のような口当たりと風味がそのまま保たれます。
アレンジ
- スイートベルモットを半量にし、残りをドライベルモットにして、よりバランスの取れた甘さ控えめな一杯に
- スイートベルモットをイタリアのアマーロ(アヴェルナ等)に替えて、ハーバルで奥深い複雑さをプラス
- ビターズに加えてオレンジピールを添え、柑橘の香りを追加
私なら、ベルモットは必ず新鮮で適切に保存されたものを使います。ウイスキーと同じくらい重要な材料であり、劣化したベルモットこそが、マンハッタンが平坦な味になる一番の原因です。
レシピ動画
- レシピ動画|ジャパンバーテンダースクール Channel Home
材料リスト
フルーティーとシトラスの香り、ドライな口当たりでクセが少なくマイルドなのが特徴。 ライウイスキーのスパイシー感と穀物の甘味も感じられる一品です。
他銘柄に比べ、苦味を弱く甘味を強めに製造されています。スイートを使うカクテルはハッキリとした甘味を出すものが多いのでマルティーニをおすすめできます。
1820年代にベネズエラの軍医が、胃の治療薬として開発したことに始まります。ラム酒をベースにりんどうから採る苦味材を主とする数種の植物性香料を配合させた苦味酒です。
形の整った粒を厳選していることで、カクテルの飾りにピッタリ。たね抜きチェリーの歯ごたえがしっかりしている商品です。
世界クラシックカクテル セールスランキング ベスト 50
イギリスの酒類専門誌「 ドリンク・インターナショナル 」が、「 トップセールス( 販売数 ) 」「 トップトレンド( 流行 ) 」をテーマに、厳選された一流のBARなど100店舗からアンケート調査をし、ランキング化して毎年クラシック・カクテルセールスベスト50として発表しています。
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ー マンハッタンのランキング歴 ー
- 2025年・10th / 11回目選出・2 up ⇑
- 2024年・12th / 10回目選出・4 down ⇓
- 2023年・08th / 9回目選出・前年同位
- 2022年・08th / 8回目選出・前年同位
- 2021年・08th / 7回目選出・前年同位
- 2020年・08th / 6回目選出・3 down ⇓
- 2019年・05th / 5回目選出・2 up ⇑
- 2018年・07th / 4回目選出・3 down ⇓
- 2017年・04th / 3回目選出・1 down ⇓
- 2016年・03th / 2回目選出・1 up ⇑
- 2015年・04th / 初選出
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マンハッタンのバリエーション

- スイートマンハッタン・・・マンハッタンにオレンジキュラソーを加え、フルーティーさをプラスした一品
- マンハッタンドライ・・・・スイートベルモットをドライベルモットに変えたレシピ
- ロブ・ロイ・・・・・・・・ライウイスキーをスコッチウイスキーに変えたレシピ
- ブルックリン・・・・・・・スイートベルモットをドライベルモットに変えたレシピ
- テキーラマンハッタン・・・ライウイスキーをテキーラに変えたレシピ
- キャロル・・・・・・・・・ベースをブランデーに変え、ロックスタイルにしたレシピ
関連のカクテルレシピ リスト








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