レシピ
材 料
Recipe no.227
技法 = ビルド
作り方
グラスは炭酸が抜けにくい コリンズグラス をおすすめします。 他には コブレット、タンブラーグラス が使いやすいです。
- Step 1 = グラスに、ホワイト・ラム、アマレット、ロゼ・ベルモット、氷を入れます。
- Step 2 = 泡立たないように静かにジンジャーエールを満たします。
- Step 3 = 軽く ビルド をして完成です。
- アルコール度数 = 6% ~ 7% 前後
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〚 他のカクテル レシピリスト 〛
特徴・感想

ホワイト・ラムのクリアなアルコール感に、アーモンドの香りと甘みのアマレット、ハーブやナッツなどの香りが特徴のロゼ・ベルモットを混ぜ合わせ、辛みと爽快感のジンジャーエールで割るレシピ。
爽やかさとナッツの甘み、舌にピリッとしたジンジャーエールと炭酸の喉越しを感じながらゴクゴクと飲めるカクテルです。 ホワイト・ラムの存在があるため飲みごたえもあり、飽きないカクテルです。
このカクテルで使う材料
ベースのお酒 ラム

世界4大スピリッツの一つのラム。4大スピリッツの中でも生産量は1位です。
カリブ海生まれが影響してか、カクテルにはトロピカルカクテルのレシピがたくさんあります。
ほのかな甘みのある飲みやすいスピリッツなので、カクテルのみならずケーキやタルトなどのデザート、紅茶の香りづけ、フレンチ料理などのに使われることも多く、お酒の消費ではジンやウォッカに劣りますが、使われているジャンルは他を圧倒します。
ラムの誕生

ラムの主原料はサトウキビ、生まれはカリブ海です。(一説によるとキューバが有力です。) 初めにラムを作った国は特定できていませんが、1600年代の17世紀には存在したようです。
しかしサトウキビはカリブ海では自生しません。 ではなぜラムが生まれたのか・・・
それは1500年頃にヨーロッパからサトウキビが持ち込まれたところ、気候などの環境がマッチしたため、カリブ海全域に広がり、島々が生産地となりました。要するにラムはヨーロッパ諸国の植民地が発祥ということです。
更にアメリカで作られたラムは、アフリカで黒人奴隷の代金として渡され、そこで交換された黒人が西インド諸島でサトウキビ栽培の労働となります。 この連動した貿易がラムを世界中に広めた原動力のひとつになりました。
ラムの定着
そして17世紀カリブ海と言えばパイレーツ・オブ・カリビアンで有名な海賊です。 海賊と言えば宝と酒!
カリブ海の海賊が飲んでいるのは、ほとんどがラムです。 海賊のみならずこの時代のカリブ海のお酒はラムが一番飲まれていました。
1700年代中盤にイギリス海軍は、海の上の娯楽や、士気を高めるためにラムを兵士に配りました。 カリブ海の海賊とこの海兵の飲みものとしてラムは海のイメージが強くなっていったのです。
第二次世界大戦の頃のアメリカは「 ジン 」が人気でしたが、イギリスとの関係が悪く、ジンを輸入できずにいました。 そのジンの代わりに広まったのが同じスピリッツであり、アメリカでも生産しているラムです。 こうしてラムはジンやウォッカに勝るとも劣らない存在になっていきました。
日本では20世紀になってから生産されています。 基本的には西日本が主な生産地で、サトウキビで有名な沖縄県や、鹿児島県、高知県などです。
ラムの製法

主な原料はサトウキビですが、ラムには2種類の製法があります。 「 インドストリアル製法 」と「 アグリコール製法 」です。
〚 インドストリアル製法 〛
インドストリアル製法の特徴は、サトウキビから砂糖を精製する際に出る副産物( 廃糖蜜 )を使用します。
この廃糖蜜を「 モラセス 」と言い、このモラセスを発酵させ蒸留し、オーク樽で貯蔵・熟成させます。
ラムの製法は2種類ありますが、世界中のラム総生産量の97%はこのインドストリアル製法です。 理由としてはモラレスは貯蔵しておくことで生産者のタイミングにラムを作ることができるためです。そのため1年中ラムの生産を行うことができます。そして貯蔵しておけるので製造地もサトウキビを栽培し、収穫できる土地に置かなくても良いというメリットがあります。
〚 アグリコール製法 〛
インドストリアル製法はモラセスを使うのに対し、アグリコール製法はしぼり汁をそのまま原料として製造します。 この製法は全世界のラム生産のおよそ3%程の生産量しかありません。
その理由はインドストリアル製法よりもずっと新しい製法であること、サトウキビは刈り取るとその瞬間から発酵が始まってしまうため、しぼり汁を使うこの製法は、サトウキビ栽培地の近くでないと生産できず、収穫時期以外生産できません。なので希少価値の高いラムです。
- ラムの歴史・原料・製法は ⇒ コチラ
ラムの種類

ラムの種類には重さで分けられる場合(ライトラム・ミディアムラム・ヘビーラム)と色で分けられる場合(ホワイトラム・ゴールドラム・ダークラム)があり、今回は色でご紹介をいたします。
〚 ホワイト・ラム 〛

- おすすめのホワイト・ラムは ⇒ コチラ
〚 ゴールド・ラム 〛
モラセスを発酵させ、連続式蒸留機で蒸留後に熟成させます。熟成用の樽も内面を焦がして香りづけをするウィスキーなどの樽とは異なり、内面を軽めに焦がした樽で熟成期間を短めにします。
熟成後のままの状態だと「 ゴールド・ラム 」、熟成後濾過したものを「 ホワイト・ラム 」と呼びます。
短期間ではありますが樽熟成を行っているので、ストレートやロックスタイルにも向いています。 ダーク・ラム程濃厚さはなく、ホワイト・ラムほどクリアさもないため非常に飲みやすいです。
ラム初心者の方は、ゴールド・ラムから飲むことをおすすめします。
Photo = ハバナクラブ Havana club

- おすすめのゴールド・ラム ⇒ コチラ
〚 ダーク・ラム 〛

ダーク・ラムの特徴は、内面を焦がした樽で熟成することで樽からの独特な香味成分が出て、濃い茶色になるのが特徴です。他にも様々なフレーバーを使ったり、カラメル着色などをしてコクと香りが強く甘みがあり、ウィスキーに近いスピリッツです。
ウィスキーのようなスピリッツであるため、ストレートやロックスタイルで飲まれることが多いですが、カクテルはもちろんのこと、その香りや甘みから料理や洋菓子に使われる幅広さもダーク・ラムの特徴です。
Photo = ロンサカパ Ron zacapa
- おすすめのダーク・ラムは ⇒ コチラ
カクテルの材料
アマレット

イタリア原産のリキュールで、アーモンドのような香りがするが、アーモンドのリキュールではありません。 実際には杏の種( 核 )を使用。 その杏の核を何十種類もの果実、ハーブ蒸留液に浸します。 その後でアルコールを配合し、熟成されて造られたリキュールです。数多くあるリキュールの中でも、アマレットは種子系リキュールに分けられます。
バーに行くとだいたい置いてあり、そのまま飲むよりは、カクテルのサブ材料として使われることが多く、甘みや香りでベースの材料を引き立てます。
リキュールの数ある分類の中で、種子系リキュールに分類されます。アルコール度数は 28%。
名前の由来は、イタリアのお菓子「 アマレッティ 」の香りと、アマレットの香りが似ていることからこのネーミングになったそうです。
ベルモット

「 ベルモット Vermut 」とは、白ワインをベースに、様々なハーブやスパイスなどを使い、その後スピリッツを加えたフレーバー・ド・ワイン( 強化ワイン )です。
製造方法や原料は全てを公表しておらず、大まかなことしかわかっていません。原料はハーブの名前がそのまま付いてある通り、キク科ヨモギ属の多年草「 ニガヨモギ Vermut 」を主体としています。
ベースのお酒は白ワインで、ニガヨモギをはじめとした、苦レモン、シナモン、コリアンダー、ナツメグ、アンジェリカ、カルダモン、フェンネル、ジュニパーベリー、クローブ、etc…といった20種類以上ものハーブやスパイスを白ワインに漬け込みます。
ベルモットには主にドライとスイートがあり、カクテル材料には欠かせない存在です。
- ドライ・ベルモット・・・辛口のベルモットです。 フランスで生まれたことから「 フレンチ・ベルモット 」と呼ばれています。 ブランドによって異なりますが、色は無色透明から少し黄色が入ったものまであり、スッキリとした味わいとサッパリ感、そしてハーブの香りが特徴で、その特徴からかカクテルの材料に多く使われています。
- スイート・ベルモット・・・甘口のベルモットです。イタリアで生まれたことから「 イタリアン・ベルモット 」と呼ばれています。色は濃い赤色をしていることや、ロッソと呼ばれたりもしますが、カラメル等の着色をしているのであって、赤ワインの色ではありません。 特徴はやはりハーブの香りとその甘みでしょう。 しっかりとした風味があるので、ドライ・ベルモットよりもロックなどで飲むのに向いているかもしれません。
少しの苦みとハーブなどの香りが特徴で、食前酒( プレディナー Predinner )としてロックなどそのまま飲まれることが多いですが、カクテルでも多くのレシピに登場します。
- ベルモットの歴史・原料・製法・主なブランドなどは ⇒ コチラ
ジンジャーエール

1837年~1901年のイギリス・ヴィクトリア朝時代、そんな時代の中でジンジャーエールの元となった「 ジンジャービール 」が飲まれていました。
1851年頃、アメリカ人外科医で薬屋を営んでいるトーマス・カントレルは、北アイルランド・ベルファストで、ジンジャーエールを初めて造りました。カントレルが誕生させたジンジャーエールは、色が濃く、甘く、ジンジャースパイスの香りが強いのが特徴でした。ジンジャーエールには「 ゴールデン・スタイル 」と 「ドライ・スタイル( ペールスタイル )」の2種類あり、カントレルが誕生させたのは、ゴールデンスタイルです。 その後、地元の飲料メーカーである「 グラッタン社 」で販売を開始したと伝えられています。
ドライ・ジンジャーエールは、カナダで誕生しました。薬剤師である「 ジョン・J・マクローリン 」は 1890年に炭酸水の瓶詰工場を設立し、1904年水に添加するフレーバーエキスに力を入れ始めました。 その際にペール・ドライ・ジンジャーエールの開発にも着手します。 そして1907年に「 カナダ・ドライ・ジンジャーエール 」を特許取得し販売しました。
- ジンジャーエールの歴史・主なブランドとカクテルレシピは ⇒ コチラ
ビルドとは?

材料をグラスに入れて混ぜることを言います。 この「 混ぜる 」にはいくつか種類があり、今回のカクテルには「 ビルド 」を使用します。
お家で簡単人向け
バースプーンやマドラーをグラスの内側に沿って底まで入れます。 グラスに当てたままクルクル回します。 炭酸系を使っている場合は、早く混ぜると炭酸が膨れてこぼれてしまうだけでなく、炭酸自体も抜けてしまうのでゆっくり回すように注意しましょう。
本格的にやってみたい人向け

Step 1 = まず左手はグラスの底を押さえます(ドリンクを体温で温めないため)右手はバースプーンを持ちます。(左利きの人は逆になります)
Step 2 = バースプーンを左の写真にあるように中指と薬指の間に挟みます。
Step 3 = 親指と人差し指もバースプーンを挟んで持ちますが、この2本の役割は、落とさないようにするためだけのものなので軽く持ちましょう。
Step 4 = バースプーンの背中をグラスの内側の縁に沿って底へ持っていきます。
Step 5 = 自分の体より向こう側へ回す際は薬指で左回りに押すように持っていき、自分の体側に戻す際は右周りに中指で引き戻すようにバースプーンを移動させます。 この時にバースプーンの背中は常にグラスの外側へ向いています。
この動作の繰り返しになります。 最初は難しいと思うので、大きめのグラスに氷のみで練習すると良いでしょう。 慣れると便利なので、ぜひマスターしてください。
- バースプーンの詳しい使い方は ⇒ コチラ
このカクテルのおすすめ グラス
コリンズグラス Collins

背の高い円柱形の細いグラス。 別名トールグラス・チムニーグラスとも呼ばれます。
カクテル「 ジョン・コリンズ 」が名前の由来で、細長いのは、炭酸を抜けにくくするためにこの形になっている。
容量 270ml ~ 360mlくらいが一般的。
コブレット Coblet
コブレットとはグラスに土台と足が付いた杯の事です。
シャンパングラス、カクテル・グラス、ワイングラスと違い足が短い上に内容量も多く入るので、日常で使う事も出来ます。
氷をたっぷり使うカクテル、またはビールなどのカクテルを飲む際に使用する。
300mlが一般標準サイズ。

タンブラーグラス Tumbler

カクテルグラスの中でも最も一般的に使われているグラスです。
タンブラーとは「 倒れるもの 」や「 転ぶもの 」の意味があり、元々獣を狩り、残った角等をくり抜きコップにしたことからこの名前が付いたそうです。
容量は他のグラスよりも種類が多く、180ml~300mlが一般的に使われています。
- グラス紹介ページは ⇒ コチラ