アマレット の歴史・製法・種類を解説|カクテルのお酒 種子系リキュール編

リキュール( 混成酒 )について

リキュールとは、アルコール度数の高い蒸留酒に果物、ハーブ、スパイス、薬草などを漬け込み、砂糖などを加えたお酒の総称で、お酒の製造種類で言うと「 混成酒 」になります。

リキュールは古代ギリシャ時代に存在していたワインに薬草を溶かして混ぜたことが始まりです。その後に登場した蒸留酒が本格的に様々なリキュールを生み出すようになります。 ワインを蒸留して濃縮したものに薬草などを漬け込むと保存性が上がることと、薬用酒としての効果も修道院が発見しさらに発展していきます。

大航海時代が始まると、様々な国の果物、スパイスが輸入、輸出されるようになり、更にリキュールは幅広く発展していきました。

リキュールが盛んに使われた時期は中世のヨーロッパで、貴族達が集うパーティーで、貴婦人達が着ている華やかなドレスや宝石などのアクセサリーの色に合わせて作られたカクテルを飲んでいたとされています。

現在でも果実ベース、ハーブやスパイスベースといった様々なリキュールが生まれています。 ちなみに古くからある日本のリキュールと言えば、みりんと梅酒です。 本来みりんは米のリキュールで、戦国時代辺りでは甘いお酒として飲まれていました。現在では調味料の枠に入ってしまっていて、飲めるような味ではありません。他の日本産リキュールは柚子、みかん、抹茶、さくらさどが売られています。

アマレット とは?

イタリアのお菓子 アマレッティ Amaretti

イタリア原産のリキュールで、アーモンドのような香りがするが、アーモンドのリキュールではありません。 実際には杏の種( 核 )を使用したリキュールです。

バーに行くとだいたい置いてあり、そのまま飲むよりは、カクテルのサブ材料として使われることが多く、甘みや香りでベースの材料を引き立てます。

リキュールの数ある分類の中で、種子系リキュールに分類されます。アルコール度数は 28%。

名前の由来は、上記写真のお菓子の香りと、アマレットの香りが似ていることからこのネーミングになったそうです。

アマレットの歴史

ベルナルディーノ・ルイーニ作・聖母マリアの結婚

16世紀中頃、イタリア・ミラノにあるサンタ・マリア・デレ・グラツィエ教会が聖母マリアのフレスコ画を描く任が出されます。 この大仕事を任せることになった人物が、これまでに数々のキリスト教の画を描いてきた「 ベルナルディーノ・ルイーニ 」に決定。 彼はミラノ市サローノ町の宿で滞在します。 そのルイーニが宿泊している宿の女主人がとても美しく、ルイーニは絵のモデルとして雇います。そして女主人をモデルにしているうちに、ルイーニは瞬く間に恋に落ちます。

絵を完成させると、女主人はお礼に杏の核を原料に果実、ハーブを使ったリキュールをルイーニに送りました。 この時お礼に渡したリキュールが後のアマレットの原型と言われています。

1800年の始めの頃にこの話を知った人物がレシピを復元し、アマレッティの香りに近かったため「 アマレット 」と名付けて販売を開始しました。この時から現在まで製造方法は変わっていないとされていますが、 瓶のデザインは何度か変わっており、現在の四角い瓶はイタリア人ガラス職人がデザインしたものだそうです。

現在ではアマレットは何種類かあり、元祖のアマレットは、「 ディサローノ 」と呼ばれ、日本で販売しているサントリーは、表記をディサローノとしている。

ルイーニの記録はあまりなく、その後女主人と結婚したのかどうかはわかりません。 ただルイーニは一人息子が存在していて、その息子も画家になっていることと、ルイーニの最後はミラノという記録は残っていることから、女主人と結婚しているかもしれません。 「 そうだといいあなぁっ 」て思うのは僕だけでしょうか?

アマレットの原料

アマレットの原料は杏の種のさらに中にある核を使用しています。 アーモンドの香りがするため、勘違いをされがちですが、アーモンドは使用しておらず、この杏の核を使ってます。杏仁豆腐と同じ原料で、風味が似ています。

厳密に言うとアマレットに使用されるのは「 甜杏仁 テンキョウニン 」と言われるもので、甘みが強いのが特徴です。 杏仁豆腐に使われているのは、「 苦杏仁 クキョウニン 」で、こちらは甘みもありますが、苦みも強くあるのが特徴です。 苦杏仁は主に薬、漢方などに使用され、鎮咳剤・去痰剤として用いられるようです。

その杏の核を何十種類もの果実、ハーブ蒸留液に浸します。 その後でアルコールを配合し、熟成されて造られています。

アマレットの種類

ディサローノ Disaronno

アマレットの元祖的存在であり、アマレットの中で一番有名な銘柄。 上記に記載している歴史はこのアマレットの事で、一番古くからあり、一番飲まれているアマレット。

トスキ Toschi

リキュールを生産している銘柄で、ノチェロ( くるみを原料としたリキュール )が有名。

トスキは酒類の品質向上と市場拡大を目的とするコンペティション、IWSC で活躍します。2004年でロンドンのIWSCで金メダルを獲得すると、翌年の2005年には同じくロンドンのIWSCでシルバーメダル、ドイツのISWCでシルバーメダル、サンフランシスコのIWSCでもシルバーメダル、を獲得しました。 2007年、2008年、2010年にも同じくシルバーメダルを獲得する優秀な銘柄です。

ラッツァローニ Lazzaroni

アマレットの中でラッツァローニの歴史は、ディサローノの次くらいに古く、伝統ある名門の銘柄です。 1851年にアーモンドの香りが高く、香草の複雑な香りが見事に一体になったリキュールを製造。 その後カクテルのみならず、お菓子などでも使われるようになりました。 中でも生クリームや、牛乳といった乳製品との相性が良いことがラッツァローニの特徴です。

ルクサルド Luxardo

マラスキーノの発祥ブランドとして名高く有名な名門。 ルクサルドが生産しているアマレットは、他のアマレットとは違い、通常使用されている杏子の核ではなく、地中海にある島、イタリア・シチリア島産のビターアーモンドの核を使用しています。 シチリア島のビターアーモンドの品質は、世界でも最高品質で、その核から作られるアマレットは言うまでもなく世界最高峰の品質です。 コンテストなども受賞しておりラベルにもその自信が表記されている。

ボルス Bols

言わずと知れた世界有数のリキュールメーカー。 ボルスのブルー・キュラソーは世界で一番の消費数を誇り、リキュールの種類も他のメーカーよりも数多く揃えており、リキュールの中では一般的によく手に入れやすい。

アマレットの主なカクテル

アマレットは杏の核のみならず様々なハーブや香草を使用し、カラメル着色も行っているため、香りとコクが強いリキュールです。 なのでそのままロックスタイルなどで飲むことも十分美味しく飲めます。

そのままだけではなく、様々なカクテルにも使用され、様々な風味を楽しめます。

ロングスタイルカクテル

アマレット・コーク・・・・アマレットをコーラで割るシンプルなカクテル。 アマレットとコーラの相性は抜群。

ドマーニ・・・・・・・・・ジンをベースにアマレット、ハーブ系のリキュールのカンパリをオレンジジュースで割るカクテル。

ゴッド・マザー・・・・・・ウォッカとアマレットの2つを使用するシンプルなカクテル。 相手がウォッカなので、アマレットを直接味わえるカクテル。

デュランゴ・・・・・・・・テキーラをベースにグレープフルーツジュースをソーダで割るカクテルで、アマレットはアクセントとして使用されています。

アラバマ・スマラー・・アマレットをベースに、フルーツリキュールのサザンカンフォート、スモモのリキュールスロージンに酸味のレモンジュースを使い、酸味が強めの甘酸っぱいカクテルです。

イタリアン・スクリュードライバー・・ウォッカベースのスクリュードライバーのウォッカをアマレットに変えたカクテル。

シシリアン・キッス・・・・フルーツリキュールのサザンカンフォートをベースに、アマレットを加えたフルーティーでコクと甘みがあるカクテル。

ボッシ・ボール・・・・・・アマレットをベースに、オレンジジュースを加え、ソーダで割ったカクテル。

フレンチ・コネクション・・ブランデーとアマレットのカクテル。 ブランデーの香りとアマレットの甘みが特徴。

ローザ・ロッサ・・・・・・赤ワインとアマレットをジンジャエールで割るカクテル。 赤ワインの酸味がアマレットの甘みに変わり、ジンジャエールでさらに飲みやすくしたカクテル。

ショートスタイルカクテル

ヴェルジーネ・・・・・・アマレットをベースに、ブランデーとクレーム・ド・カシスを加え、芳醇な香り、カシスベリーの香りと甘みを加えたカクテル。

コットン・フラワー・・・・ウィスキー、アマレットのコンビにオレンジジュースを加え香りと甘みをフルーティーに仕上げた一品。

スウィート・マリア・・・・ウォッカをベースにアマレットとアマレットとは相性の良い生クリームを使用したカクテル。

ロードランナー・・・・・・ウォッカをベースにアマレットと相性の良いココナッツミルクを使用したカクテル。

ギャツビー・・・・・・・・アマレット、カカオ、アマレットと相性の良い生クリームを加えたカクテルで、コクと甘みが強いカクテル。

ゴディバ・イタリアーノ・・チョコレートの名門が生んだチョコレートのリキュールとアマレットとの組み合わせ。 アーモンドチョコレートのような味わい。

フェアリー・ウィスパー・・ラムをベースに木苺リキュール、卵白、生クリーム、アマレットと甘みとコクが強く、木苺の甘酸っぱさが特徴のカクテル。

ロゼッタ・ストーン・・・・ドライ・ジンをシンプルに飲むカクテルで、アマレットはアクセントとして使用されています。

リキュールベースのカクテルは ⇒ ロング or ショート

感想・まとめ

甘みが強く、ナッツのような風味があるため、チョコレート、ミルクといったものとの相性は抜群です。 他にもカクテルに少量加え、香り付けであったり、甘みを足すためにも多く使われています。 しっかりした味と香りがあるため、そのままロックスタイルやストレートで飲まれることもあり、他にはお菓子作りにも使われています。

こういったように様々な場面で飲まれたり、使われたりしており、お家に一本購入しておいても問題ないリキュールです。