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レシピ
材 料
Recipe no.413
- ウォッカ・・・・・・・・・・・45ml
- レモンジュース・・・・・・・・1tsp
- トマトジュース・・・・・・・・Full
- セロリやキュウリなどの野菜類
技法 = ビルド
※ 1tsp = バースプーン1杯分の分量のこと
※ Full = 他の材料をグラスに入れ、Fullと記載している材料をグラスの8割~9割まで満たす適量のこと
作り方
グラスは ゴブレット、タンブラーグラス、コリンズグラス が使われることが一般的です。
- アルコール度数 = 9% 前後
- 最適なTPO = 日中 / 迎酒
- カクテル言葉 = 「 わたしの心は燃えている 」「 断固として勝つ 」
- カクテル誕生日 = 「 2月7日 」「 11月2日 」「 12月5 」
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ブラッディ・メアリーの由来
今回紹介した「 ブラッディー・メアリー Bloody Mary 」は日本語にすると「 血まみれのメアリー 」という物騒なネーミングになります。
これは1553年にイングランドの女王に在位したメアリー 1世から由来されています。
メアリーはイングランドの王ヘンリー8世とキャサリン・オブ・アラゴン( ヘンリー8世最初の妻 )の間に生まれます。 キャサリンは敬虔なカトリック信者でありメアリーも母からその考えを強く受け継ぎます。
ヘンリー8世は男児を期待していたのですが、いつしか「 女子でも王位継承できないという法はない 」と言い、メアリーを後継ぎとして育て始めます。
Photo = 即位前のメアリー1世
しかしキャサリンがもう子供を産めないと知ると、キャサリンとの婚姻を破棄し、2番目の妻としてアン・ブーリンと結婚します。 この際にキャサリンだけではなくメアリーも世継ぎと王女の地位を剥奪され、庶子( 正室から生まれた子ではない身分 )とされてしまいます。
やがてヘンリー8世とアンの間にエリザベスという名の娘を授かります。
メアリーはこのエリザベスのことを「 妹としては認めるが、王女としては認めない 」と突っぱねると、アンはこのことに激怒しメアリーをエリザベスの侍女の地位まで落とし、幽閉状態とされ、何度も毒殺されそうになりました。 しかしアンは王妃となって約1,000日後には反逆、姦通、近親相姦および魔術の罪により斬首されます。
ヘンリー8世とメアリーが再開したのはアンが処刑された時でした。この後の第三王妃とは良き関係を築いたメアリーは、周りの人達からの助けもあり王女だった頃の財産や侍女を戻されました。
Photo = 王妃の座を追われるキャサリンと、公衆の面前で愛をささやく国王とアン( 19世紀画 )
Photo = カトリック教会・サン・ピエトロ大聖堂
このような壮絶な子供時代を送ったメアリーの信じられるものは少なかったのかもしれません。 その中でも母キャサリンから教えられたカトリック信仰はメアリーを支え続けた内の一つだったのでしょう。
その後父ヘンリー8世以来の宗教改革を覆し、ローマ教皇を中心としたカトリックをイングランドに広め、その際に300人ものプロテスタントを処刑したそうです。
そのことからメアリーはいつしか「 ブラッディ・メアリー ( 血まみれのメアリー )」と呼ばれるようになったそうです。 このカクテルはそんなメアリー1世をモチーフにした一品です。
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ブラッディ・メアリーの誕生と定着
トマトジュースを割り材とするカクテルは幾つかありますが、今回紹介した「 ブラッディ・メアリー 」はその中でも最も認知度が高く、世界中で飲まれているカクテルです。
このカクテルが誕生したのは1920年代のフランス・パリで、ジョージ・ジェッセルという喜劇俳優がハリーズ・ニューヨークバー所属のバーテンダーフェルナン・プティオにウォッカのトマトジュース割りを教えたことがはじまりです。
その後の1930年代にプティオはアメリカ・ニューヨークのホテル内のバーで働き始め、同じようにブラッディ・メアリー提供しますが、ホテル側から名前がホテルの雰囲気と合わないという理由から変更を余儀なくされ、名前の変更とともにレシピの変更も行い、レッド・スナッパーというカクテル名で提供を行いました。 このことでこのカクテルはアメリカにも広まっていったのです。
特徴・感想
クリアさとガツンとくる飲みごたえが特徴的なウォッカをベースに、少量の柑橘系酸味のレモンジュースを加え、少しトロッとしたトマトジュースで割ったレシピで、トマトの甘味が軽くあり、爽やかさとドロリとした口当たりと飲みごたえが際立つカクテルです。
カクテルとしては珍しく、塩、黒コショウ、タバスコ、ウスターソースなどの様々な調味料を用いて自分好みにするカクテルです( もちろんそのままでもO.K )
備え付けしているものも、きゅうりやセロリが一般的に多く、そのスタイルも世界中で飲まれている理由なのかもしれません。
爽やかな甘味やフルーティーを好む女性よりは、甘味が少なく飲みごたえがある男性に好かれていることが多いようです。 またウォッカの分量を減らせば、リバイバー・カクテル( 迎酒 )としても飲めそうです。
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世界クラシックカクテル セールスランキング ベスト 50
ブラッディー・メアリー < Bloody mary >
イギリスの酒類専門誌「 ドリンク・インターナショナル 」が、「 トップセールス( 販売数 ) 」「 トップトレンド( 流行 ) 」をテーマに、厳選された一流のBARなど100店舗からアンケート調査をし、ランキング化して毎年クラシック・カクテルセールスベスト50として発表しています。
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関連カクテルレシピ リスト・一覧
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〚 他のカクテル レシピリスト 〛
このカクテルに使う材料
ベースのお酒・ウォッカ
世界4大スピリッツの一つ、ロシア生まれのウォッカです。
ウォッカの特徴は、連続式蒸留機と白樺やヤシを焼いた活性炭で濾過をすることで、無味無臭に近くクリアな味わいな所です。 他のスピリッツと違い原料が定まっていないことが特徴としてあります。
ウォッカの歴史
Photo = ロシア革命の様子
ウォッカが誕生したのは12世紀頃だという記録がモスクワ公国( 1283年~1547年 )の記録に残っていたそうです。そうなるとウィスキーやブランデーよりも前に生まれ、欧州で最初に誕生した蒸留酒はウォッカということになります。
当時のウォッカは、現在のものとは違い蜂蜜を原料としたお酒で、この地酒がウォッカの元祖という説が有力です。
14世紀後半にブドウを原料とした蒸留酒が世に出た後の15世紀はじめ、ロシアに蒸留の技術が入ってきました。 蒸留の技術は錬金術師が偶然編み出したものとされており、その技術によって生まれたお酒は、ラテン語で「 アクア・ヴィテ 」( 命の水 )と呼ばれるようになります。
そのアクア・ヴィテをロシア語に変換すると、「ジィーズナヤ・ヴァダー 」ジィーズナヤ=命、ヴァダー=水です。 そのヴァダーがウォッカの語源と言われています。
ウォッカが世界に広まったきっかけは、1917年頃ロシア革命でフランスに亡命したスミノフの2代目である「 ウラジミール・スミルノフ 」が、パリで小規模な工場を建て、そこで製造を開始したのがきっかけです。
その後もこの製法は南ヨーロッパからアメリカまで伝わります。 そして第二次世界大戦後にはさらに世界中に広まり、各地で生産されるようになりました。
ウォッカの原料
穀物を蒸して麦芽を加え、糖化、発酵、蒸留して、アルコール度数95%以上のグレーン・スピリッツを作ります。
それを水でアルコール度数40%~60%まで薄め、白樺やヤシを焼いた活性炭で濾過します。
この手法は1810年頃にペテルブルクの薬剤師「 アンドレイ・アルバーノフ 」が考案しました。
更に19世紀に入り、連続式蒸留機が導入され、現在の製法に近づきました。 こうして現代のウォッカは、無味・無臭の状態に限りなく近づいてくのです。
ウォッカが他のスピリッツと違う点は、各生産地で原料が違う所です。
- ロシア = 小麦
- フィンランド = 大麦
- ポーランド = ライ麦
- アメリカ = とうもろこし
また銘柄によってはじゃがいもや果実を使われています。
- ウォッカの歴史・製法は ⇒ コチラ
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ウォッカの種類
〚 ピュア・ウォッカ 〛
ウォッカの特徴は、連続式蒸留器と白樺やヤシを焼いた活性炭で濾過をすることで、無味無臭に近くクリアな味わいな所です。
他のスピリッツと違い主原料が定まっていないことが特徴としてあります。
これらを「 ピュア・ウォッカ 」と呼びます。
Photo = シロック Siroc
- おすすめのピュア・ウォッカは ⇒ コチラ
〚 フレーバード・ウォッカ 〛
ピュア・ウォッカをベースにして、ハーブや果実、香辛料などを浸したり、人工甘味料を添加して製造されたウォッカをフレーバード・ウォッカと呼びます。
無味無臭に近いウォッカから一気に香り豊かなスピリッツになり、ソーダ割りなどのシンプルなカクテルにも使えるようになります。
その種類もレモンやオレンジなどの果実類をはじめ、ハーブやスパイスなど豊富にあります。
Photo = グレイグース・ル・オランジュ Grey goose
- おすすめのフレーバード・ウォッカは ⇒ コチラ
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ビルドとは?
材料をグラスに入れて混ぜることを言います。 この「 混ぜる 」にはいくつか種類があり、今回のカクテルには「 ビルド 」を使用します。
お家で簡単人向け
バースプーンやマドラーをグラスの内側に沿って底まで入れます。 グラスに当てたままクルクル回します。 炭酸系を使っている場合は、早く混ぜると炭酸が膨れてこぼれてしまうだけでなく、炭酸自体も抜けてしまうのでゆっくり回すように注意しましょう。
本格的にやってみたい人向け
Step 1 = まず左手はグラスの底を押さえます(ドリンクを体温で温めないため)右手はバースプーンを持ちます。(左利きの人は逆になります)
Step 2 = バースプーンを左の写真にあるように中指と薬指の間に挟みます。
Step 3 = 親指と人差し指もバースプーンを挟んで持ちますが、この2本の役割は、落とさないようにするためだけのものなので軽く持ちましょう。
Step 4 = バースプーンの背中をグラスの内側の縁に沿って底へ持っていきます。
Step 5 = 自分の体より向こう側へ回す際は薬指で左回りに押すように持っていき、自分の体側に戻す際は右周りに中指で引き戻すようにバースプーンを移動させます。 この時にバースプーンの背中は常にグラスの外側へ向いています。
この動作の繰り返しになります。 最初は難しいと思うので、大きめのグラスに氷のみで練習すると良いでしょう。 慣れると便利なので、ぜひマスターしてください。
- バースプーンの詳しい使い方は ⇒ コチラ
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カクテルを飲むタイミング用語 TPO
オールデイカクテル All day
カクテルには様々なシチュエーション向けに考案されたものがあります。
主に食欲を増進させるためにサッパリとさせている食前酒や、デザートのようなテイストの食後向けカクテル。 眠る前に飲むカクテル、飲み過ぎた後の迎え酒などと様々です。 オールデイ・カクテルとは、そういったシチュエーションなど向き不向きが無いカクテルのことです。
リバイバー・Reviver
英語で「 Something that revivers 」と定義されていて、「 何かを再び活性化させるもの 」という意味になります。 これをお酒の意味に変えると、飲み過ぎた後に、再度活性化させるという意味で、日本では「 迎え酒 」という言葉があり、江戸時代にはすでにこの風習は存在していました。
リバイバーの目的は、気分をスッキリさせ、二日酔いなどの気分の悪さを抑えるために飲むお酒のことですが、現在はエタノール効果で中枢神経が御製されておらず、痛覚などが鈍るため、二日酔いの症状である頭痛や吐き気が収まるのではなく、緩和されているだけで、結局のところ「 気のせい 」という考えになっています。なお迎え酒を続けるとアルコール依存症にもなりやすいので、注意が必要です。
カクテルでは「 コープス・リバイバー 」というカクテルが最も認知度が高く、これは「 死者をも蘇らせるもの 」という意味です。
特徴はスピリッツなどのサッパリしたもの、アルコール度数が低いものまたはノンアルコールのものもあります。 日本ではビールとトマトジュースを割った「 レッドアイ 」が良く飲まれています。ちなみにコープスリバイバーは迎酒の中でもアルコール度数は高い方です。( 何せ死者をもう一度蘇らせるお酒という名前ですから・・・ )
- カクテルを飲むタイミングの名称紹介は ⇒ コチラ
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このカクテルのおすすめ グラス
ゴブレット Goblet
聖杯にもこのゴブレットが使われており、映画「 ハリーポッター 炎のゴブレット 」でもその名前が使われています。 容量は300ml前後が一般標準サイズ。
タンブラーグラス Tumbler glass
カクテルのみならず様々なドリンクに使われる最も一般的なグラスです。
「 タンブラー Tumbler 」の語源は「 倒れるもの 」や「 転ぶもの 」の意味があり、元々獣を狩り、残った角等をくり抜いてコップにし、底が真っ平にはならなかったので、よく倒れていたことからこの名前が付いたそうです。
別名ハイボールグラスとも呼ばれることがあり、主にハイボールスタイルや、ソフトドリンクなどに使われています。 オールドファッションドグラス( ロックグラス )を原型として誕生したとも言われ、オールドファッションドグラスをそのまま縦に長くしたような形をしています。
使い勝手が良く、容量も多く入るため、どの家庭にも必ずいくつかはあるグラスで、用途がおおいためか容量の種類も一番多くあると言っても過言ではないでしょう。
素材もガラス製だけではなく、木製、金属製、陶器、プラスチック製と様々なものがあります。 容量は6オンスの180ml、8オンスの240ml、10オンスの300mlが一般的で、飲食業界では略して6タン、8タン、10タンなどと呼ばれているそうです。容量は180ml ~ 300mlが一般的。
コリンズグラス Collins glass
背が高く細いので倒しやすいという難点がありますが、その細さは炭酸を抜けにくくしているためという最大のメリットがあり、炭酸系のカクテルをつくる時には必ずと言っていいほど使われるグラスです。 容量は270ml ~ 360mlくらいが一般的。
- グラス紹介ページは ⇒ コチラ