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エッグノックは、いかにも健全なホリデーの伝統に見えますが、実はジョージ・ワシントン自身のレシピには、ブランデー、ライウイスキー、ラム、シェリーという4種類もの酒が、一度に注ぎ込まれていました。この強さが、1826年にウェストポイントで起きた「エッグノック暴動」の一因になったとも言われています。
このレシピは、もう少し穏やかです。ブランデーの温かな香りに、ダークラムの力強さが重なり、生の卵黄をしっかりシェークして、なめらかでビロードのような口当たりに仕上げます。そこにミルクの優しさとナツメグの香りが加わります。
今夜、温めて一杯どうぞ。本当に冷え込んだ夜には、これに勝るものはありません。
レシピと作り方
材 料

Recipe no.007
- ブランデー・・・・・・・・・・・30ml
- ダークラム・・・・・・・・・・・15ml
- シュガーシロップ・・・・・・・・15ml
- 卵黄・・・・・・・・・・・・・・1個
- 牛乳・・・・・・・・・・・・・・Full
- ナツメグ・・・・・・・・・・・・少々
※ Full = グラスの8割~9割まで満たす適量のこと
作り方

シェーカーにブランデー、ダークラム、シュガーシロップ、卵黄、氷の順に入れます。
しっかりと シェークします。( 卵黄が入る場合、強めか回数を多くシェークしましょう )
シェークした材料をグラスに注ぎ、牛乳を適量入れ、ステアします。
ナツメグを少量振りかけて完成です。
※ ホットが希望の方は、グラスを小さめにして、ミルク適量をホットミルク適量にしてください。
- 技法 = シェーク & ステア
- グラス = ゴブレット / タンブラー
- アルコール度数 6% ~ 7% 前後
- 最適なTPO = 日中 / 食後
- カクテル言葉 = 「 不明 」
- カクテル誕生日 = 「 不明 」
エッグノックの歴史と由来
起源と歴史的背景

エッグノックは、18世紀中頃から19世紀初頭にかけてイギリスやアメリカで生まれた伝統的なカクテルです。その起源については諸説あります。
ー 農家から生まれた説 ー
アメリカの農場やプランテーションで働く労働者たちによって生み出されたとされています。
当時、農場やプランテーションでは長時間の労働や厳しい気候条件にさらされる労働者たちが、体力をつけるために栄養価の高い飲み物を求めていました。
そこで、卵やミルク、スパイス、糖類などを組み合わせたエッグノックが生まれ、労働者たちのエネルギー源として広く愛されるようになりました。
ー 貴族から生まれた説 ー
中世ヨーロッパで飲まれていた温めた牛乳で作った飲み物「 ポセット」 が起源であるという説です。ポセットには、卵、砂糖、スパイスなどが加えられることもあり、これがエッグノッグの原型となったと考えられています。
エッグノッグは、貴族階級の間で人気のある飲み物でした。牛乳、卵、クリームなどの材料は、当時としては高価で貴重なものだったため、庶民には手が届かないものでした。
17世紀になると、エッグノッグはアメリカ大陸に伝わり、植民地でも人気のある飲み物となりました。アメリカでは、ラム酒やブランデーなどのアルコールを加えるのが一般的になりました。
エッグノックの詳細
特 徴

エッグノッグは素朴なホリデードリンクに見えますが、ジョージ・ワシントンのレシピを知ると印象が変わります。彼のレシピはブランデー、ライウイスキー、ラム、シェリーの4種類を同時に使う豪快なもの。この強さが、1826年にウェストポイント陸軍士官学校で起きた「エッグノッグ暴動」の一因になったとされています。
ルーツはさらに古く、中世イングランドの温かいミルク飲料「ポセット」に卵・砂糖・スパイスを加えたものが始まりです。当時ミルクや卵、クリームは高価で、上流階級だけの贅沢品でした。18世紀に大西洋を渡ると事情は一変。開拓地の農場ではミルクと卵が豊富に手に入り、庶民の日常的な飲み物になりました。植民地貿易で安価に入手できたラムとブランデーが加えられ、「エッグノッグ」という名前もこの頃に定着しました。
味わい

エッグノッグはアメリカ南部で長年愛されてきたクリスマスの定番。卵、牛乳、砂糖、蒸留酒にシナモンやナツメグを効かせた味わいは、日本の卵酒やミルクセーキにも通じます。今回はブランデーを加え、コクと香りの深みをプラス。日本で卵酒が風邪のときに飲まれるように、海外でもエッグノッグはホリデーの定番かつ冬の癒し飲料です。どちらも卵の脂肪とタンパク質が体を芯から温めてくれるからでしょう。
実は私自身、バーテンダー時代にブランデーエッグノッグを注文する人はほとんど見かけませんでした。卵はカクテル材料として日本では馴染み薄く、ブランデーは「デート向き」のイメージが強いからかもしれません。バーで頼むより家庭で作る飲み物という側面が強い一杯です。それでもブランデーの香り、卵黄のコク、牛乳の甘みが調和した飲み口は格別。冬の夜に温かくして飲めば、これに勝るものはありません。
このレシピは生卵を使用するため、サルモネラ菌等のリスクを避けたい場合は低温殺菌卵(pasteurized eggs)の使用をおすすめします。
材料リスト
熟成感のある豊かな香りと、マイルドなコク、すっきりとしたボディー、洗練されたアフターテイストが特徴です。ストレートやロック以外にもトニックで割ると、すっきりとした味わいも楽しめます。
微かなスモーキーの香りと、洗練された深い味わいと香りが特徴的です。ロックなどでも美味しく飲めますし、コストパフォーマンスが良く、カクテルにオススメなダークラムです。
バーテンダー経験者が描く小説『 Bar 灯影 ~まだ名前のない約束たち~ 』

東京の雑居ビルの地下にある、隠れ家バー「Bar 灯影」。寡黙なマスターと、仕事帰りに通う23歳の彩香のもとに、毎晩いろいろな事情を抱えた客がやってきます。
マスターは多くを聞かず、その夜の一杯だけを差し出します。カクテルの所作や味わいは、バーで働いていた筆者が、現場の記憶をもとに描いています。
エッグノックのアレンジカクテル

- エッグサワー・・・全体的にまろやかさなコクが目立ちますが、中にオレンジキュラソーの甘味とレモンジュースの酸味が感じられ、サッパリ感もある奥深いテイストのカクテルです。
- トム & ジェリー・・・ブランデーの香り、ダークラムの甘味とコクに、卵白のきめ細やかな泡がまろやかさを加えたカクテルです。
- ブランデーエッグノック・・・香り高いブランデーをベースに、ラムのガツンと来るアルコール感、コクの卵を牛乳で割るレシピ。
- ウィドゥズドリーム・・・濃厚な甘味とハーブの香りが特徴のベネディクティンをベースに、コクとまろやかさの卵を加え、生クリームをフロートしたカクテルです。
- パーソンズスペシャル・・・フルーティーさに爽やかな甘味とコクが特徴的で、卵黄が入っていることで重みのある味わいかと思いきや、意外とスッキリとして飲みやすいカクテルです。
- ブレックファーストエッグノック・・・ブランデーの芳醇な香りと、オレンジキュラソーのフルーティーな甘味に卵とミルクを加えたレシピで、芳醇な香りを感じつつまろやかな甘味が特徴のカクテルです。
- コーヒーエッグノック・・・コーヒーの香りと甘味が特徴のコーヒー・リキュールをベースに、コクとまろやかさのミルク、同じくコクのたまごに砂糖を加え、濃いめのコーヒーを合わせたレシピ。
- ホットコーヒーエッグノック・・・香ばしいコーヒーの苦味をミルクのコク、そして卵黄がまろやかにして飲みやすくしています。さらにミルクと卵黄のコクが加わり、飲みごたえもバッチリです。
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