レシピ
材 料
Recipe no.291
- ドライ・ジン・・・・・・・・・45ml
- シュガーシロップ・・・・・・・1tsp
- ミネラルウォーター・・・・・・Full
- ( ソーダでも可 )
技法 = ビルド
※ 1tsp = バースプーン1杯分の分量のこと
※ Full = 他の材料をグラスに入れ、Fullと記載している材料をグラスの8割~9割まで満たす適量のこと
作り方
グラスは タンブラーグラス、ゴブレット、コリンズグラス などが使いやすいです。
- Step 1 = グラスにドライ・ジン、シュガーシロップ、氷を入れます。
- Step 2 = ミネラルウォーターを入れます。( ソーダの場合は泡立たないように入れます )
- Step 3 = ビルド をして完成です。
- アルコール度数 = 9% 前後
- 最適なTPO = 日中 / 食前

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特徴・感想

ドライ・ジンに少しの甘味を加え、ミネラルウォーター( ソーダでも可 )で割るというシンプルでクラシックなスリングスタイルのカクテルです。本来スリングスタイルとは、柑橘系を加えますが、ジン・スリングとウォッカ・スリングはレモンなどの柑橘系を加えません、これはスリングスタイルが確立する前のレシピで、クラシックスタイルカクテルではないかと言われています。
柑橘系ジュースを加えないので、ドライ・ジンの風味を強く感じれるレシピで、ドライ・ジンにこだわらず、クラフト・ジン、ジュネヴァ、シュタインヘーガーなど自分好みのジンを使う事をおすすめします。 甘味が足らない場合は、シュガーシロップを増やす、ジンをオールド・トム・ジンに変えてみるなどカスタマイズが楽しいカクテルです。
このカクテルで使う材料

ベースのお酒 ジン

ジンとは世界4大スピリッツの一つで、その中でもカクテルレシピは一番多いと思われます。 誕生はオランダですが、オランダをはじめイギリス、ドイツと各国が独自に成長、発展をしていったスピリッツで、現在ではロンドン・ドライ・ジンが世界で主流となっています。
ジンの歴史

ジンの原型となる「 ジュネヴァ 」は現在のオランダ・ベルギーで誕生しました。 最初薬用酒としてこの世に生まれたジュネヴァは、ジェニパーベリーの良い香りが人気の原因となり、オランダ国民に深く浸透します。 その後イギリスに持ち込まれたジュネヴァは、イギリス国内でも人気を博し、ジンと名前を変え、18世紀には歴史上最高のジン消費量を記録します。
ジンのおかげで税収も増えますが、それと同時にアルコール中毒や犯罪をも増加させ、一時死亡率が出生率を超えてしまうほどの社会問題に発展してしまいます。後にこの時代を「 狂気のジン時代 」と呼ぶようになります。
19世紀に入ると連続式蒸留機の発明により、それまでの雑味を砂糖や大量のボタニカルで隠す必要がなくなり、クリーンで上質なジンが製造可能となります。
そしてジンは海を渡り、アメリカへと伝わると、やはりそこでも人気を得て、それまでとは違いカクテルベースとして使用されるようになり、世界中で飲まれるようになりました。
これらが「 ジンはオランダで生まれ、イギリスが育み、アメリカが輝かせた 」という言葉が生まれた原型です。
ジンの原料・製法

まず麦などの穀物を酵素と水と一緒に糖化させます。その後糖化した材料をアルコール発酵させ、連続式蒸留機でアルコール度95%以上のニュートラル・スピリッツをつくります。
出来上がったニュートラル・スピリッツにジュニパーベリーをメインとした様々なボタニカルを漬け込み、約1日間おきます。 使うボタニカルは、シトラス、コリアンダー、カルダモン、キャラウェイなど様々です。 これらに決まりはなく、各蒸留所が決めた素材を使い、その蒸留所の個性としてつくられます。 日本は日本ならではの玉露、柚子、山椒などが使われています。
漬け込みを終えると、再度蒸留器で蒸留し、加水してアルコール度数40%前後( 定義は37.5%以上 )に調整しボトリングして完成です。
- ジンの製造・定義は ⇒ コチラ
ジンの種類
〚 ドライ・ジン 〛

ジンの世界での主流で、辛口とキレが特徴のスピリッツです。カクテルレシピの数も他のスピリッツに対して圧倒的に多くあり、カクテルの王様と呼ばれる「 マティーニ 」や、昔予防の薬用酒として生まれた「 ジントニック や ギムレット 」もジンベースの中にあります。
主原料に使われるジュニパーベリーとは、西洋ねずと呼ばれる針葉樹から採れる実です。
ドライ・ジンの定義に「 ジュニパーベリーを香りの主とする 」という決まりがあるため、その香りは共通しています。しかしそれ以外は決められていないため、各蒸留所の土地や文化によって様々な個性を出しています。
Photo = ボンベイサファイア Bombay sapphire
- ドライ・ジンの主なブランド ⇒ コチラ
〚 ジュネヴァ 〛
ジンの誕生はこのジュネヴァが最初でした。 ジュネヴァは順調に輸出量を増やしていき、世界で最も飲まれているジンになりましたが、アメリカの禁酒法をキッカケにドライ・ジンが世界の主流となりました。
現在でもドライ・ジンのように大量生産の方向性ではなく、一本一本手作りの職人つくりにこだわった方向性で現在も世界に流通しています。
ドライ・ジンよりも甘みが感じられ、樽熟成を行うものも多くあり、そのため琥珀色をしたジュネヴァは、飲むと口当たりが柔らかく飲みやすいのも特徴です。
Photo = ノールド・オールド・ジュネヴァ Noord’s

- ジュネヴァの主なブランドは ⇒ コチラ
〚 シュタインヘーガー 〛

ジュネヴァ、ドライ・ジンとは別の道を辿り、独自に発展を遂げてきました。 国から守られ、地域限定の生産をしているシュタインヘーガーは、ジュネヴァ同様大量生産ではなく、こだわりの方向性で現在も飲まれつ続けています。
ドライ・ジンのようにカクテルに使われることは多くなく、ストレートやオンザロックで飲まれることが多いです。
日本酒を普段飲まれている方には、このシュタインヘーガーをお勧めします。
Photo = シンケンヘーガー Schinken hager
- シュタインヘーガーの主なブランドは ⇒ コチラ
〚 クラフト・ジン 〛
近年急成長を遂げている新しいジンのジャンル「 クラフト・ジン 」しかし実際にはクラフト・ジンの定義はなく、全体的な特徴として、大量生産はあまりしていないことと、その一本一本に大きな特徴( コンセプト )があることです。バラときゅうりという異色の素材を使ったり、オリエンタルなスパイスであったりと様々です。
2016年に京都で日本初のジンが蒸留されると、一気に他の蒸留所や大手飲料企業もクラフト・ジンを生産。 日本ならではの玉露、山椒、柚子などをつかったものが生産されています。
各銘柄にそれぞれの個性が強く出ていて、色々な甘みや香りを楽しめます。
Photo = ザ・ボタニスト The botanist

- クラフト・ジンの主なブランド ⇒ コチラ
〚 オールド・トム・ジン 〛

18世紀のロンドンで税から逃れるため、密売を行う際に猫の看板を設置し、口にお金を入れ、猫の手足に繋がっている管からジンが出てくる仕掛けを作った。 この猫の名前が「 オールド・トムキャット 」という、この名前が由来となりました。
通常のドライ・ジンに加糖したもののことを指し、シトラスなどのフレーバーを追加されているものもある。 口当たりはまろやかなものが多い。
Photo = ヘイマンズ Hayman’s
- オールド・トム・ジンの主なブランド ⇒ コチラ
ビルドとは?

材料をグラスに入れて混ぜることを言います。 この「 混ぜる 」にはいくつか種類があり、今回のカクテルには「 ビルド 」を使用します。
お家で簡単人向け
バースプーンやマドラーをグラスの内側に沿って底まで入れます。 グラスに当てたままクルクル回します。 炭酸系を使っている場合は、早く混ぜると炭酸が膨れてこぼれてしまうだけでなく、炭酸自体も抜けてしまうのでゆっくり回すように注意しましょう。
本格的にやってみたい人向け

Step 1 = まず左手はグラスの底を押さえます(ドリンクを体温で温めないため)右手はバースプーンを持ちます。(左利きの人は逆になります)
Step 2 = バースプーンを左の写真にあるように中指と薬指の間に挟みます。
Step 3 = 親指と人差し指もバースプーンを挟んで持ちますが、この2本の役割は、落とさないようにするためだけのものなので軽く持ちましょう。
Step 4 = バースプーンの背中をグラスの内側の縁に沿って底へ持っていきます。
Step 5 = 自分の体より向こう側へ回す際は薬指で左回りに押すように持っていき、自分の体側に戻す際は右周りに中指で引き戻すようにバースプーンを移動させます。 この時にバースプーンの背中は常にグラスの外側へ向いています。
この動作の繰り返しになります。 最初は難しいと思うので、大きめのグラスに氷のみで練習すると良いでしょう。 慣れると便利なので、ぜひマスターしてください。
- バースプーンの詳しい使い方は ⇒ コチラ
カクテルスタイル
スリング Sling

スリングとは、ロングドリンク・スタイルの一つで、各種のスピリッツをベースにシュガーシロップやフルーツシロップなどの甘味を加え、ミネラルウォーターやお湯などで割ったカクテル・スタイルです。
現在は水類だけではなく、ソーダなども使われていて、日本では「 シンガポール・スリング 」が最も認知度が高いカクテルです。
名前の由来はドイツ語の「 飲み込む Schlucken 」という意味が語源とされ、現在では英語発音で「 スリング Sling 」となっているそうです。
- カクテルスタイル 紹介ページは ⇒ コチラ
このカクテルのおすすめ グラス
タンブラーグラス Tumbler glass

カクテルのみならず様々なドリンクに使われる最も一般的なグラスです。
「 タンブラー Tumbler 」の語源は「 倒れるもの 」や「 転ぶもの 」の意味があり、元々獣を狩り、残った角等をくり抜いてコップにし、底が真っ平にはならなかったので、よく倒れていたことからこの名前が付いたそうです。 別名ハイボールグラスとも呼ばれることがあり、主にハイボールスタイルや、ソフトドリンクなどに使われています。 オールドファッションドグラス( ロックグラス )を原型として誕生したとも言われ、オールドファッションドグラスをそのまま縦に長くしたような形をしています。
使い勝手が良く、量も多く入るため、どの家庭にも必ずいくつかはあるグラスで、用途がおおいためか容量の種類も一番多くあると言っても過言ではないでしょう。
素材もガラス製だけではなく、木製、金属製、陶器、プラスチック製と様々なものがあります。 容量は6オンスの180ml、8オンスの240ml、10オンスの300mlが一般的で、飲食業界では略して6タン、8タン、10タンなどと呼ばれているそうです。容量は180ml ~ 300mlが一般的。
ゴブレット Goblet
ゴブレットとはグラスに土台と足が付いたグラスの事です。 特徴としてはワイングラスのように足が長くないことです。 容量も多く入るため、タンブラーグラスの代わりや、氷をたっぷり使うカクテルや、ビール、ドリンク以外でもパフェなどのデザートの器としても使われます。 使い勝手が良く、見た目も上品さと可愛らしさがあり、様々なシチュエーションやお店などで使われています。
ゴブレットが誕生したのは14世紀だと言われています。 名前はフランス語で、「 Gobelet 」と表記します。 元々は「 ゴブレー 」と呼んでいたそうですが、いつの間にか「 ゴブレット 」となったようです。

聖杯などにも使われているのもこのゴブレットで、映画「 ハリーポッター 炎のゴブレット 」でもその名前が使われています。
容量は300ml前後が一般標準サイズ。
コリンズグラス Collins glass

背が高く細いので倒しやすいという難点がありますが、その細さは炭酸を抜けにくくしているためという最大のメリットがあり、炭酸系のカクテルをつくる時には必ずと言っていいほど使われるグラスです。
容量 270ml ~ 360mlくらいが一般的。
- グラス紹介ページは ⇒ コチラ