カサブランカ|カクテルレシピ・作り方・特徴を解説( ラム・パインジュース・トロピカル )

レシピ

材 料

Recipe no.077

  • ホワイト・ラム・・・・・・・・・40ml
  • パインジュース・・・・・・・・・60ml
  • グレナデンシロップ・・・・・・・2dash
  • アンゴスチュラ・ビター・・・・・1dash
  • クラッシュ・ド・アイス・・・・・適量
  • ストロー

技法 = ブレンド

※ 1dash = ビターボトル一振り、ビターボトル以外は1滴の目安
※ クラッシュ・ ド・アイス = アイスクラッシャーで細かく砕いた氷のこと

作り方

グラスは、サワーグラス、がおすすめです。他は ワイングラスオールドファッションドグラス 等であればO.Kです。

  • Step 1 = ブレンダーにホワイト・ラム、パインジュース、グレナデンシロップ、アンゴスチュラ・ビター、氷( 氷はブレンダーの3/2を目安に )を入れブレンドします。
  • Step 2 = フローズンになった材料をバースプーンなどを使ってグラスヘ入れます。
  • Step 3 = ストローを入れて完成です。

※ クラッシュ・ド・アイスは溶けやすいので、なるべく素早く作りましょう。

  • アルコール度数 = 5% 前後

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歴史・定着・特徴・感想

モロッコ・カサブランカの歴史

カサブランカ( Casablanca )とはモロッコの最大の都市の名前です。 カサブランカは紀元前10世紀頃にベルベル人という北アフリカを中心に古くから住んでいた人たちがアンファという地域に定住したのがカサブランカの始まりだそうです。

7世紀にはアンファを中心とした独立国家が作られましたが、1188年にイスラムのムワッヒド朝に支配を受け、14世紀にはマリーン朝によって大規模なイスラム改宗がなされ、その際に港が大きく発展します。

15世紀になってアンファは再度独立しますが、アンファを拠点としていた海賊たちがポルトガルやスペインの船に手を出してしまい、それに怒ったポルトガル人達によって1468年に焼き払われてしまいました。

1515年にポルトガル人によって再建されると、名前を「 カサブランカ( 白い家 )」と名付けられ、ここで初めてこの土地はカサブランカという名前になります。 さらに1755年に起きたリスボン大地震で多大な被害を受け、カサブランカに居たポルトガル人はこの土地を去ります。

その後カサブランカはモロッコに統合されると、1770年ムハマンド3世によって町の再建が行われ、町は要塞化するまでに発展します。 18世紀から19世紀辺りはヨーロッパの国々との交易が始まり町は大きくなりました。

1900年頃からヨーロッパに対する住民の不満が大きくなり、暴動が起きます。 最終的にはフランスとスペインが攻め込みフランス領となります。そしてモロッコは1912年にフランスと保護領条約を交わし、フランスの保護領になると、皮肉にもカサブランカはさらなる発展のキッカケとなりました。

第二次世界大戦後の1956年、モロッコはフランスから独立を果たします。カサブランカは、モロッコ最大の都市と同時に最大の観光地にもなり、現在世界中の人たちが集まる土地となったのです。

カクテル カサブランカの定着

カサブランカの由来は不明です。 カサブランカが有名になったのは、1942年に公開された恋愛映画「 カサブランカ 」です。 「 君の瞳に乾杯 」というセリフを皆さんが聞いたことがあると思いますが、元ネタはこの映画です。

舞台は1941年12月、親ドイツ政権下に置かれた当時フランスの領土であるモロッコの最大都市カサブランカ。主人公であるアメリカ人男性は、突然理由もわからずに去ってしまった恋人と偶然の再開を果たします。 第二次世界大戦の中で世界情勢に翻弄される恋人が描かれたストーリーとなっております。

気になる方は是非どうぞ。

特徴・感想

カクテル カサブランカは、パインジュースの少し酸味のあるフルーティーな甘みと、グレナデンシロップの甘み、アンゴスチュラ・ビターの隠し味的なビターが特徴です。フローズンスタイルで飲むという特徴があり、地中海がとても近い大西洋にピッタリのカクテルです。

このカクテルで使う材料

ベースのお酒 ラム

世界4大スピリッツの一つのラム。4大スピリッツの中でも生産量は1位です。

カリブ海生まれが影響してか、カクテルにはトロピカルカクテルのレシピがたくさんあります。

ほのかな甘みのある飲みやすいスピリッツなので、カクテルのみならずケーキやタルトなどのデザート、紅茶の香りづけ、フレンチ料理などのに使われることも多く、お酒の消費ではジンウォッカに劣りますが、使われているジャンルは他を圧倒します。

ラムの誕生

ラムの主原料はサトウキビ、生まれはカリブ海です。(一説によるとキューバが有力です。) 初めにラムを作った国は特定できていませんが、1600年代の17世紀には存在したようです。

しかしサトウキビはカリブ海では自生しません。 ではなぜラムが生まれたのか・・・

それは1500年頃にヨーロッパからサトウキビが持ち込まれたところ、気候などの環境がマッチしたため、カリブ海全域に広がり、島々が生産地となりました。要するにラムはヨーロッパ諸国の植民地が発祥ということです。

更にアメリカで作られたラムは、アフリカで黒人奴隷の代金として渡され、そこで交換された黒人が西インド諸島でサトウキビ栽培の労働となります。 この連動した貿易がラムを世界

ラムの定着

そして17世紀カリブ海と言えばパイレーツ・オブ・カリビアンで有名な海賊です。 海賊と言えば宝と酒!

カリブ海の海賊が飲んでいるのは、ほとんどがラムです。 海賊のみならずこの時代のカリブ海のお酒はラムが一番飲まれていました。

1700年代中盤にイギリス海軍は、海の上の娯楽や、士気を高めるためにラムを兵士に配りました。 カリブ海の海賊とこの海兵の飲みものとしてラムは海のイメージが強くなっていったのです。

第二次世界大戦の頃のアメリカは「 ジン 」が人気でしたが、イギリスとの関係が悪く、ジンを輸入できずにいました。 そのジンの代わりに広まったのが同じスピリッツであり、アメリカでも生産しているラムです。 こうしてラムはジンやウォッカに勝るとも劣らない存在になっていきました。

日本では20世紀になってから生産されています。 基本的には西日本が主な生産地で、サトウキビで有名な沖縄県や、鹿児島県、高知県などです。

ラムの製造

主な原料はサトウキビですが、ラムには2種類の製法があります。 「 インドストリアル製法 」と「 アグリコール製法 」です。

〚 インドストリアル製法 〛

インドストリアル製法の特徴は、サトウキビから砂糖を精製する際に出る副産物( 廃糖蜜 )を使用します。

この廃糖蜜を「 モラセス 」と言い、このモラセスを発酵させ蒸留し、オーク樽で貯蔵・熟成させます。

ラムの製法は2種類ありますが、世界中のラム総生産量の97%はこのインドストリアル製法です。 理由としてはモラレスは貯蔵しておくことで生産者のタイミングにラムを作ることができるためです。そのため1年中ラムの生産を行うことができます。そして貯蔵しておけるので製造地もサトウキビを栽培し、収穫できる土地に置かなくても良いというメリットがあります。

〚 アグリコール製法 〛

インドストリアル製法はモラセスを使うのに対し、アグリコール製法はしぼり汁をそのまま原料として製造します。 この製法は全世界のラム生産のおよそ3%程の生産量しかありません。

その理由はインドストリアル製法よりもずっと新しい製法であること、サトウキビは刈り取るとその瞬間から発酵が始まってしまうため、しぼり汁を使うこの製法は、サトウキビ栽培地の近くでないと生産できず、収穫時期以外生産できません。なので希少価値の高いラムです。

  • ラムの歴史・原料・製法は ⇒ コチラ

ラムの種類

ラムの種類には重さで分けられる場合(ライトラム・ミディアムラム・ヘビーラム)と色で分けられる場合(ホワイトラム・ゴールドラム・ダークラム)があり、今回は色でご紹介をいたします。

〚 ホワイト・ラム 〛

モラセスを発酵させ、連続式蒸留機で蒸留後に熟成させます。熟成用の樽も内面を焦がして香りづけをするウィスキーなどの樽とは異なり、内面を軽めに焦がした樽で熟成期間を短めにします。

熟成後のままの状態だと「 ゴールド・ラム 」、熟成後濾過したものを「 ホワイト・ラム 」と呼びます。

ホワイトラムは軽めで口当たりがよく、他の材料と合いやすいため、カクテルに使われることが多いです。

Photo = ロリンコ Ronrico( 写真提供 SUNTORY )

  • おすすめのホワイト・ラムは ⇒ コチラ

〚 ゴールド・ラム 〛

モラセスを発酵させ、連続式蒸留機で蒸留後に熟成させます。熟成用の樽も内面を焦がして香りづけをするウィスキーなどの樽とは異なり、内面を軽めに焦がした樽で熟成期間を短めにします。

熟成後のままの状態だと「 ゴールド・ラム 」、熟成後濾過したものを「 ホワイト・ラム 」と呼びます。

短期間ではありますが樽熟成を行っているので、ストレートやロックスタイルにも向いています。 ダーク・ラム程濃厚さはなく、ホワイト・ラムほどクリアさもないため非常に飲みやすいです。

ラム初心者の方は、ゴールド・ラムから飲むことをおすすめします。

Photo = ハバナクラブ Havana club

  • おすすめのゴールド・ラム ⇒ コチラ

〚 ダーク・ラム 〛

ダーク・ラムの特徴は、内面を焦がした樽で熟成することで樽からの独特な香味成分が出て、濃い茶色になるのが特徴です。他にも様々なフレーバーを使ったり、カラメル着色などをしてコクと香りが強く甘みがあり、ウィスキーに近いスピリッツです。

ウィスキーのようなスピリッツであるため、ストレートやロックスタイルで飲まれることが多いですが、カクテルはもちろんのこと、その香りや甘みから料理や洋菓子に使われる幅広さもダーク・ラムの特徴です。

Photo = ロンサカパ Ron zacapa

  • おすすめのダーク・ラムは ⇒ コチラ

カクテルの材料

グレナデンシロップ

グレナデンシロップとは、ざくろの果汁に砂糖を加えてつくったノンアルコールのシロップ。 現在ではざくろのみではなく、木イチゴカシス、エルダーフラワーなど様々なベリーを使って作られています。

カクテルでは、色を付けるために使われたり、風味を加えるため、甘みを足すために使用されています。カクテルでの使用だけではなく、お菓子作りの色付け、香りづけなどにも使われています。

グレナデンシロップのグレナデンとは、フランス語で「 グルナディンヌ grenadine 」が少し変わってグレナデンとなりました。 意味は直訳すると「 ざくろから生まれた物 」になり、グレナデンのみではシロップの意味はありません。日本やフランスなどではグレナデンシロップとざくろのシロップは同じものという考えがありますが、アメリカやイギリスなどの英語圏では数種類のベリーをまぜたシロップという認識が一般的です。
ちなみにオーデスローエ・グレナデンというリキュールが存在していますが、これはざくろのリキュールであって、製法もグレナデンシロップとは違いますし、アルコールが入っていますので別物という認識が必要です。

  • グレナデンシロップの歴史・原料・種類は ⇒ コチラ

カクテルスタイル

フローズン Frozen

クラッシュ・ド・アイスと材料をブレンダー(ミキサー)で混ぜ、シャーベット状にしたスタイル。

Cafeなどでもフルーツを使ったメニューをよく見かけます。

  • カクテルスタイル 紹介ページは ⇒ コチラ

このカクテルのおすすめ グラス

サワーグラス Sour glass

スタイルカクテルを飲む際に使われる中型のグラス。

日本では脚付きのものが多いが、平底のものもあり、種類は豊富です。 コブレットシャンパングラスのフルート型によく似ていて、多種多様に使える利便性があります。

形は上に記載した通りコブレットと似ていて、内容量によりコブレットかサワーグラスに分けられる。 大きい方がコブレット、小さい方がサワーグラスと覚えるとわかりやすいです。

容量は 120ml程

ワイングラス Wine glass

グラスの中でもロックグラスと並び、みんなが知っているグラス。

ほかのグラスに比べて種類が多いのが特徴。 歴史も古く古代ローマ時代にはすでに存在していたとされる記録が残っている。

素材も銀製、ガラス製、クリスタル製とあり、形も飲むワインによって違うものが存在する。

容量が150mlくらいのものが白ワイン。200mlくらいのものが赤ワインというのが一般的だが、ワインは赤白だけではなく、産地によって味や風味が変わるため、それに合ったグラスを使用することがある。

オールドファッションドグラス Old fashioned glass

カクテルやウィスキーなどをオン・ザ・ロック・スタイルで飲むためのグラス。

口が広く背が低いのが特徴で、タンブラーグラスを低くした様な形をしている。

オールドファッションドグラスの名前は、カクテルオールドファッションドから由来していると言われています。

180ml~450mlまで幅広くある。

別名 「 ロックグラス 」

このカクテルで使う道具