白ワインにクレーム・ド・カシスを合わせたワインベースのカクテル「 キール 」。
キールはワインベースを代表するカクテルの一つで、世界でも多く飲まれています。 シンプルで飽きがこず、作りやすいこともあってか、派生したカクテルがいくつか存在しています。
その様々なキールをリストでご紹介します。
それではキールのバリエーションカクテルを紹介!!
〚 他のカクテル レシピリスト 〛
キール バリエーション
キール・ロワイヤル ( リキュール ) Recipe no.092
キールのレシピの白ワインをスパークリングワインまたはシャンパンに変えたシンプルなレシピで、爽やかさとクレーム・ド・カシスのコクのある甘みが飽きの来ない味となっていて、食前酒( プレディナー・カクテル )としてもおすすめなカクテルです。
キール・インペリアル ( リキュール ) Recipe no.104
ネーミングの意味は「 帝国のキール 」。キールが広く普及すると、フランスと近い距離にある国オーストリアで「 キール・ロワイヤル 」が誕生しました。キールのレシピの白ワインをスパークリングワインまたはシャンパンに変え、クレーム・ド・カシスをクレーム・ド・フランポワーズ変えたレシピで、キール・ロワイヤルで使っているカシスよりもフランポワーズの方が酸味が強いため、甘酸っぱいカクテルになっています。
このカクテルで使う材料

キールの歴史・誕生

このカクテルを考案したのは、フランス・ディジョン市の市長を務めた「 フェリックス・キール 」氏。
第二次世界大戦後、ディジョン市の特産品であるブルゴーニュ・ワインの売れ行きが上がりませんでした。 ディジョン市にとってブルゴーニュ・ワインの売れ行きはそのまま経済に大きく影響があり、これを何とかしようと生まれたのがカクテル・キールでした。
キール氏は、ことあるイベントにこのカクテルを出し、認知度を高め普及していったのがキール定着の始まりと言われています。
この戦略によって、ブルゴーニュ産のワインのみではなく、ブルゴーニュのもう一つの特産品であるクレーム・ド・カシスも普及していき、遠い日本でクレーム・ド・カシスが普及したのもこのカクテル・キールのおかげとも言えます。両方の特産品を世界的に広めることに成功したキール氏の名を付け、「 キール 」というカクテルが誕生したのです。
ただ、キールは第二次世界大戦前から存在するという説もあります。
このカクテルには「 ヴァン・ブラン・カシス 」という別名があり、この名前が「 キール 」の前の名前で、ここからは想像ですが、もしこの説が本物であれば、第二次世界大戦前から存在していたカクテルを、キール氏が地元復興のために脚光を浴びさせたのかもしれません。
フェリックス・キール
Photo = フェリックス・キール(1876年~1968年)
フランスの北東部から移住してきた民族、アルザス人の家庭に生まれ、フランスの国会議員であり、ディジョン市の市長を務めました。
キール氏は92歳で亡くなる直前の20年間以上に渡り5回の市長当選を果たし、ディジョン市の市長を務めました。
食通でも知られるキール氏は、第二次世界大戦中に3歳の孤児を自分の家で養育し、その際に孤児( ジャン・マルク・アリックス )に料理の本質を教え込みます。

後にアリックスはこの教えのおかげで、フランス最優秀料理人賞を獲得することになるまで成長したというエピソードもあります。
ビルドとは?

材料をグラスに入れて混ぜることを言います。 この「 混ぜる 」にはいくつか種類があり、今回のカクテルには「 ビルド 」を使用します。
お家で簡単人向け
バースプーンやマドラーをグラスの内側に沿って底まで入れます。 グラスに当てたままクルクル回します。 炭酸系を使っている場合は、早く混ぜると炭酸が膨れてこぼれてしまうだけでなく、炭酸自体も抜けてしまうのでゆっくり回すように注意しましょう。
本格的にやってみたい人向け

Step 1 = まず左手はグラスの底を押さえます(ドリンクを体温で温めないため)右手はバースプーンを持ちます。(左利きの人は逆になります)
Step 2 = バースプーンを左の写真にあるように中指と薬指の間に挟みます。
Step 3 = 親指と人差し指もバースプーンを挟んで持ちますが、この2本の役割は、落とさないようにするためだけのものなので軽く持ちましょう。
Step 4 = バースプーンの背中をグラスの内側の縁に沿って底へ持っていきます。
Step 5 = 自分の体より向こう側へ回す際は薬指で左回りに押すように持っていき、自分の体側に戻す際は右周りに中指で引き戻すようにバースプーンを移動させます。 この時にバースプーンの背中は常にグラスの外側へ向いています。
この動作の繰り返しになります。 最初は難しいと思うので、大きめのグラスに氷のみで練習すると良いでしょう。 慣れると便利なので、ぜひマスターしてください。
- バースプーンの詳しい使い方は ⇒ コチラ
カクテルを飲むタイミング用語
プレディナー・カクテル Pre-dinner cocktail

ディナーの前に飲むカクテルです。 喉を潤し、食欲を増進させるために飲みます。
甘味が弱く、さっぱりした味わいのものが多い。 フランス語で「 アペリティフ 」
- カクテルを飲むタイミングの名称紹介は ⇒ コチラ
このカクテルのおすすめ グラス
ワイングラス Wine glass

グラスの中でもロックグラスと並び、みんなが知っているグラス。
ほかのグラスに比べて種類が多いのが特徴。 歴史も古く古代ローマ時代にはすでに存在していたとされる記録が残っている。
素材も銀製、ガラス製、クリスタル製とあり、形も飲むワインによって違うものが存在する。
容量が150mlくらいのものが白ワイン。200mlくらいのものが赤ワインというのが一般的だが、ワインは赤白だけではなく、産地によって味や風味が変わるため、それに合ったグラスを使用することがある。
シャンパングラス Champagne glass
シャンパングラスは主に口が広く底が浅めで脚付きの「 クープ型 」と、口が小さく縦に丸長になっている「 フルート型 」がある。
クープ型は1663年にシャンパンやスパークリングワインを飲むためにイングランドで作られました。18世紀頃からフランスで使われ始め、1930年代頃からアメリカで使用されるようになりました。 当時シャンパンは、甘めのデザート的なものが多く、パンやケーキなどを付けたりしていました。 そのためこのクープ型は口が広く作られています。 容量は120ml ~ 240mlが一般的。
フルート型は1700年代初頭に、シャンパン自体が甘めのものから、辛口や料理に合うものに変化していきました。そして最初は陶器や金属の素材で作られていましたが、ワイングラスをガラスの素材に代える際に、一緒に作られました。始めはまっすぐな円錐形でしたが、炭酸を逃しにくくするために、下から中央まで膨らみ、中央から上部にかけて狭くなっている形になりました。 ヨーロッパではビールを飲むのにもつかわれたそうです。 容量は180ml ~ 300mlが一般的。

コリンズグラス Collins glass

背の高い円柱形の細いグラス。 別名トールグラス・チムニーグラスとも呼ばれます。
カクテル「 ジョン・コリンズ 」が名前の由来で、細長いのは、炭酸を抜けにくくするためにこの形になっている。
容量 270ml ~ 360mlくらいが一般的。
サワーグラス Sour glass
スタイルカクテルを飲む際に使われる中型のグラス。
日本では脚付きのものが多いが、平底のものもあり、種類は豊富です。 コブレットやシャンパングラスのフルート型によく似ていて、多種多様に使える利便性があります。
形は上に記載した通りコブレットと似ていて、内容量によりコブレットかサワーグラスに分けられる。 大きい方がコブレット、小さい方がサワーグラスと覚えるとわかりやすいです。
容量は 120ml程

- グラス紹介ページは ⇒ コチラ
このカクテルで使う道具


