レシピと作り方
キールロワイヤルの材料
Recipe no.092
- クレーム・ド・カシス・・・・・15ml
- スパークリングワイン・・・・・Full
- このレシピの材料はコチラ ⇒ 材 料
技法 = ステア
※ Full = グラスの8割~9割まで満たす適量のこと
キールロワイヤルの作り方
グラスは、シャンパングラスのフルート型 か、ワイングラス を使いましょう。
スパークリングワインはあらかじめ冷やしておきましょう。
軽くゆっくりとステアをすれば完成です。
- このレシピの道具はコチラ ⇒ 道 具
[ スポンサーリンク ]
カクテルの詳細
由来・特徴
Photo|フランス・ブルゴーニュ地方の風景
〚 由来と歴史 〛・・・キールロワイヤルの名前は、フランス・ブルゴーニュ地方のディジョン市長を務めたフェリックス・キール( Félix Kir )に由来しています。彼は地元産のカシスリキュールと白ワインを使った「 キール Kir 」というカクテルを広めたことで知られています。
キールが広く普及すると、フランスと近い距離にある国オーストリアで「 キールロワイヤル 」が誕生します。 創作者はオーストリア・ウィーンにある「 フーベルト・ドボルシャーク 」氏。キールロワイヤルが広まった背景に、第二次世界大戦後一度栓を開けてしまうと炭酸が抜けて価値を失ってしまうシャンパンやスパークリング・ワインを、多少ではあるが長持ちできる密栓( シャンパンストッパー )が普及したことが原因として考えられています。
シャンパンを使用することで、より華やかでお祝いの席に適した一杯として進化しました。フランスの美食文化やワイン文化に深く根ざしたカクテルであり、特別な場面にぴったりの一杯として愛されています。
〚 特 徴 〛・・・キールのレシピの白ワインをスパークリングワインまたはシャンパンに変えたシンプルなレシピで、爽やかさとクレーム・ド・カシスのコクのある甘味が飽きの来ない味となっていて、食前酒としてもおすすめなカクテルです。
- エレガントな見た目
クレーム・ド・カシスの濃い赤紫色がシャンパンに溶け込み、美しい色合いを作り出します。 - 泡のアクセント
シャンパンの炭酸がリキュールの甘みを和らげ、軽やかで爽やかな飲み口に仕上げます。 - シンプルさ
材料が2つだけで、作り方も簡単なので、自宅でも気軽に作れるカクテルです。
味わい・魅力
〚 味わい 〛・・・キールロワイヤルは、カシスリキュールの甘さと深み、シャンパンの爽快感と酸味が絶妙に調和しています。クレーム・ド・カシスのフルーティーな香りが鼻をくすぐり、一口飲むごとにシャンパンの軽やかな泡が口の中で弾けます。甘さと酸味のバランスが取れており、飲みやすさと上品さを兼ね備えた味わいが特徴です。
〚 魅 力 〛・・・キールロワイヤルは、その華やかさとエレガントさから、お祝いの席や特別なディナーにぴったりのカクテルです。シンプルな材料で作れる一方で、シャンパンを使うことで高級感を演出できるため、ゲストを喜ばせるのに最適です。
- 特別感
シャンパンを使ったカクテルは、それだけで特別な雰囲気を演出します。お祝いの席や記念日などにぴったりです。 - 視覚的な美しさ
グラスに映える鮮やかな色合いと、シャンパンのきめ細かな泡が見た目の魅力を引き立てます。 - 汎用性
ベースのスパークリングワインを、シャンパンやプロセッコ、カヴァなど好みのものに変えることで、味わいを調整できます。 - 軽やかな飲み口
アルコール感が強すぎず、食前酒としても食中酒としても楽しめるバランスの良さがあります。 - 文化的背景
フランスの伝統的なワイン文化とモダンなカクテル文化を融合させた一杯であり、歴史的な背景を感じられるカクテルです。
キールロワイヤルの材料
- このレシピの道具はコチラ ⇒ 道 具
キールの由来・バリエーション
キールの由来
「 キール 」というカクテルを考案したのは、フランス・ディジョン市の市長を務めた「 フェリックス・キール 」氏。
第二次世界大戦後、ディジョン市の特産品であるブルゴーニュ・ワインの売れ行きが上がりませんでした。 ディジョン市にとってブルゴーニュ・ワインの売れ行きはそのまま経済に大きく影響があり、これを何とかしようと生まれたのがカクテル・キールでした。キール氏は、ことあるイベントにこのカクテルを提供し認知度を高めたことが定着の始まりと言われています。
この戦略によって、ブルゴーニュ産のワインのみではなく、ブルゴーニュのもう一つの特産品であるクレーム・ド・カシスも普及していきます。遠い日本でクレーム・ド・カシスが普及したのもこのカクテル・キールのおかげとも言えます。両方の特産品を世界的に広めることに成功したキール氏の名を付け、「 キール 」というカクテルが誕生したのです。
Photo|フェリックス・キール( 1876年 ~ 1968年 )
キールのバリエーション
- キール・・・・・・・・・キールカクテルの本家本元のカクテル。白ワインとカシスリキュールを使用する
- キールインペリアル・・・キール・ロワイヤルのカシスリキュールを、フランポワーズ( 木苺 )のリキュールに変えたカクテル
- キールカーディナル・・・キールの白ワインを赤ワインに変更したカクテル
- キールペーシェ・・・・・カシスリキュールをペシェ( 桃 )のリキュールに変更したカクテル
- キールブルトン・・・・・キールの白ワインをシードルに変更したレシピ
関連のカクテルレシピ リスト
⇒ 画像 / タイトルをクリックでレシピリストページへ
〚 他のカクテル レシピリスト 〛
[ スポンサーリンク ]
今回紹介したカクテルの材料
ー カシスリキュール Cassis liqueur ー
Photo|画像提供 SUNTORY
誕生・由来・・・1841年フランス・ブルゴーニュ地方のディジョン市にあるラグート社が発売したのが最初です。このラグート社は1836年に設立し、ブルゴーニュ地方に繁茂しているクロスグリ( カシス )の実に着目します。 そして5年間で開発し発売しました。
1858年には娘婿のルイ・ルジェと協力し、社名をルジェ・ラグート社に変え、販売に力を入れます。 その後もフランボワーズなど様々なリキュールを発売し、有名ブランドとして現在も販売しています。
製造・原料・・・カシスリキュールは、ワインと同じように醸造します。 カシスの実は収穫後すぐに傷み始めてしまうため、収穫してから24時間以内に製造に持ち込まれます。収穫後すぐにマイナス30度で保存され、中性スピリッツの中で5cmくらいの小ささまで砕かれ、今度はマイナス5度ほどで1カ月以上保存します。後は砂糖を加えて甘味、酸味、香りなどのバランスをとり、濾過して完了です。
味わい・香り・・・カシスベリーの自然な甘さが特徴であり、口に含むとフルーティーで甘い味わいが広がります。カシスベリーの酸味も感じられ、甘さとのバランスが取れています。
香りは、カシスベリーの強い香りが特徴であり、リキュールを注いだ時には鼻に抜けることがあります。カクテル以外にも、デザートの材料やソースなどに使われることもあり、幅広く活躍しているのも特徴のひとつです。
- カシスリキュールの歴史・製造・主なブランドは ⇒ コチラ
[ スポンサーリンク ]
ビルド & ステア
「 ビルド 」とは「 組み合わせる 」または「 注ぐ 」という意味があり、ステアのように完全に混ぜるのではなく、組み合わせる、もしくはグラスに直接注ぐという目的の際に使います。
「 グラスの中に直接材料を注ぐ 」= ビルド、「 バースプーンで混ぜる 」= ステアと覚えれば間違いはありません。
炭酸系の混ぜ方
炭酸系の材料を使う場合は、早く混ぜたり、回す回数が多いと、炭酸が溢れてこぼれてしまうだけでなく、炭酸ガス自体も抜けてしまうのでゆっくり回すように注意しましょう。
バースプーンやマドラーをグラスの内側に沿って底まで入れます。 グラスに当てたままゆっくりと1回転 ~1.5回転回し、先端のスプーンでゆっくりと氷を持ち上げてゆっくりと下ろします。
混ざりにくい材料の場合は、炭酸以外の材料を入れて一度ステアを行い、炭酸類を入れた後に再度軽くステアするようにします。
バースプーンの使い方
Step 1 = まず左手はグラスの底を押さえます( ドリンクを体温で温めないため )右手はバースプーンを持ちます。( 左利きの人は逆になります )
Step 2 = バースプーンを動画のように中指と薬指の間に挟みます。
Step 3 = 親指と人差し指もバースプーンを挟んで持ちますが、この2本の役割は、落とさないようにするためだけのものなので軽く持ちましょう。
Step 4 = バースプーンの背中をグラスの内側の縁に沿って底へ持っていきます。
Step 5 = 自分の体より向こう側へ回す際は薬指で左回りに押すように持っていき、自分の体側に戻す際は右周りに中指で引き戻すようにバースプーンを移動させます。 この時にバースプーンの背中は常にグラスの外側へ向いています。
この動作の繰り返しになります。 最初は難しいと思うので、大きめのグラスに氷のみで練習すると良いでしょう。 慣れると便利なので、ぜひマスターしてください。
- バースプーンの詳しい使い方は ⇒ コチラ
[ スポンサーリンク ]
カクテルのTPO用語
オールデイカクテル All day cocktail
カクテルには様々なシチュエーション向けに考案されたものがあります。
主に食欲を増進させるための食前酒や、デザートのようなテイストの食後向けカクテルであったり、眠る前に飲むカクテル、飲み過ぎた後の迎え酒などと様々です。
そういったシチュエーションなどに無関係であったり、特にこだわりなく考案されたもので、向き不向きが無いカクテルというのがこの「 オール・デイ・カクテル 」です。
プレディナー Pre dinner cocktail
プレディナーカクテルとは食事前に飲むお酒のことです。
胃を刺激して消化液の分泌を促進することで、消化器官の負担を軽くする働きがあり、食欲増進の効果があります。
プレディナーの習慣が誕生したのは、18世紀後半から19世紀にかけての間にフランス、イタリアの貴族間から始まったそうです。
プレディナーの特徴はアルコール度数が低いこと、スッキリとした口当たりに爽やかさや爽快感があるものが多いです。 テイストは爽やかな甘味、少しの苦味や酸味が特徴的です。
お酒の種類はスパークリングワインやビールなどの炭酸類が多く見られ、リキュールではアペロールやカンパリといった少し苦味があり、ハーブなどの香りがするリキュールが使われることが多いようです。 カクテルも香り、苦味、爽やかさを使ったものが多く、種類も豊富にあります。
- カクテルを飲むタイミングの名称紹介は ⇒ コチラ
[ スポンサーリンク ]
キールロワイヤルにおすすめのグラス
シャンパングラス Champagne glass
シャンパングラスは口が広く底が浅めで脚付きの「 クープ型 」と、口が小さく縦に丸長になっている「 フルート型 」があります。
クープ型は1663年にシャンパンやスパークリングワインを飲むためにイングランドで作られました。18世紀頃からフランスで使われ始め、1930年代頃からアメリカで使用されるようになりました。
当時シャンパンは、甘めのデザート的なものが多く、パンやケーキなどを付けたりしていました。 そのためこのクープ型は口が広く作られています。 容量は120ml ~ 240mlが一般的。
フルート型は1700年代初頭に、シャンパン自体が甘めのものから、辛口や料理に合うものに変化していきました。そして最初は陶器や金属の素材で作られていましたが、ワイングラスをガラスの素材に代える際に一緒に作られました。
始めはまっすぐな円錐形でしたが、炭酸を逃しにくくするために、下から中央まで膨らみ、中央から上部にかけて狭くなっている形になりました。 ヨーロッパではビールを飲むのにも使われたそうです。容量は180ml ~ 300mlが一般的。
ワイングラス Wine glass
グラスの中でもロックグラスやタンブラーグラスと並んで認知度が最も高いと言えるグラスで、他のグラスと比べて種類が多い点が特徴的です。
歴史も古く、古代ローマ時代にはすでに存在していたとされています。 しかし現在のガラス製で写真のような完成形ともいえる形になったのは20世紀になってからだそうです。
ガラス製のものはその前からあったそうですが、ガラスの大きさで税金がかけられていたため、今のものよりもワインが入る部分が小さいサイズでした。
現在ではガラス製のみではなく、銀製などの金属製のものや、クリスタル製、木製、樹脂系と様々なタイプがあり、形も飲むワインによって違うものが存在しています。
基本的に赤ワインは常温で飲むことが多く、白ワインは冷やして飲みむことが多いため、赤と白で形や容量が異なります。容量が150mlくらいのものが白ワイン、200mlくらいのものが赤ワインというのが一般的です。またワインは赤白だけではなく、産地によって味や風味が変わるため、それに合ったグラスを使用することがあるようです。
- グラス 紹介ページは ⇒ コチラ
キールロワイヤルで使う道具
- このレシピの材料はコチラ ⇒ 材 料