レシピと作り方
ジンリッキーの材料
Recipe no.632
- ドライジン・・・・・・・・・・50ml
- ソーダ・・・・・・・・・・・・Full
- ライムカット
- マドラー
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技法 = ステア
※ Full = グラスの8割~9割まで満たす適量のこと
ジンリッキーの作り方
グラスは炭酸が抜けにくい コリンズグラス をおすすめします。 他は ゴブレット、タンブラーグラス を使いましょう。
グラスにライムカットを軽く搾り、ライムカットをそのままグラスヘ入れます。
泡立たないように静かにソーダを満たします。ゆっくりと軽くステアをし、マドラーを入れると完成です。
炭酸類を混ぜる場合は、ゆっくりと1回転~2回転 ステアし、バースプーンで氷をゆっくりと持ち上げ、ゆっくりと下ろせば混ざります。
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カクテルの詳細
歴史・特徴

Photo|アメリカ合衆国議会議事堂
〚 由来と歴史 〛・・・今回紹介したジンリッキーは、ロングカクテルの定番であり、その爽やかさとシンプルさが人気のカクテルです。
ジンリッキーが誕生したのは、1880年代前半のアメリカ・ワシントンD.Cと言われています。 アメリカ合衆国議会議事堂の一角にレストラン・バーがあり、政治家やそれに関わる人達のたまり場となっていました。
当時の民主党の政治家である「 カーネル・ジョゼフ・カイル・リッキー ( 愛称 ジョー・リッキー )」は、明け方まで6人のスタッフと飲み、迎え酒を飲もうとこのレストラン・バーへ入りました。 入ってすぐに新鮮なライムを見つけると、バーテンダーである「 ジョー・ウィリアムソン 」に、「 ライムの外皮の滴が混ざらないように半分にカットしたライムをグラスに搾り入れ、氷の塊を入れその後にウイスキーを入れてライムとウイスキーがよく混ざるようにソーダ水を入れてくれ 」と注文をしました。

Photo|Those Pre-Pro Whiskey Men! 引用
その後ウィリアムソンはこのカクテルを気に入り、名前を「 ジョー・リッキー 」と名付けたのが始まりです。
その後ウイスキー以外の蒸留酒をベースとしたリッキーが飲まれるようになり、1894年の民主党党大会終了時の宴会の際に、ウイスキー、ジン、ブランデーなどの様々な蒸留酒のリッキーが飲まれていたことがワシントン・ポストに記され、そのことがキッカケでリッキーが様々なところで飲まれるようになりました。
1900年前後にはジンが定着したことで、リッキーもウイスキーベースではなく、ジンリッキーがメジャーとなり定着していました。そのことでジョー・リッキーはニューヨークのホテル・バーでジョー・リッキーを注文しても通じなかったことに苛立ったという話も残っているほど、ジンリッキーは勢いよく広まりました。
シンプルな材料で作れるジンリッキーは、暑い夏の日や軽く飲みたいときの定番として、今も世界中で愛されています。
日本にジンリッキーが入ってきたのは1900年代半ば辺りで、その爽やかさとシンプルなテイストは、瞬く間に日本でも定着しました。 そして現在でも大人気のカクテルで、日本ランキングのジン部門に必ずと言えるほどランクインされています。
〚 特 徴 〛・・・ジンリッキーの特徴は、シンプルな構成ながらも洗練された味わいを持つこと。ジンのボタニカルな香りとライムの酸味、炭酸水の爽快感が見事に調和し、軽やかな口当たりが楽しめます。また、砂糖や甘味料を使わないため、カロリーを控えたい人にも人気があります。
味わい・魅力

〚 味わい 〛・・・一口飲むと、ライムのフレッシュな酸味が口いっぱいに広がり、続いてジンの香りがやわらかく感じられます。炭酸水が全体をさっぱりと仕上げ、後味には軽やかな余韻が残ります。甘さがないため、食事との相性も抜群です。
辛口でキレのあるドライジンをベースに、柑橘系酸味のライムを搾りそのままグラスに入れ、ソーダ水で割ったレシピで、ドライジンの微かな香りや風味を感じながら、柑橘系酸味を爽快感ある炭酸水で楽しむカクテルです。
〚 魅 力 〛・・・ジンリッキーは、そのシンプルさが最大の魅力。特別な材料やテクニックを必要とせず、家庭でも気軽に作れるのに、プロフェッショナルな仕上がりを楽しむことができます。また、ジンの種類を変えることで無限のバリエーションが楽しめるのもポイント。暑い日のリフレッシュメントとしても、食事と一緒に楽しむ一杯としても、万能なカクテルです。
グラスの中にあるマドラーは、ライムを潰して自分好みのテイストにするためです。 お家でもできるサッパリとしたリッキースタイルのカクテルなので、ぜひ一度お試しください。
ジンリッキーの材料


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ベースのお酒・ジン

ジンとは世界4大スピリッツの一つで、その中でもカクテルレシピは一番多いと思われます。
誕生はオランダですが、オランダをはじめイギリス、ドイツと各国が独自に成長、発展をしていったスピリッツで、現在ではロンドン・ドライジンが世界で主流となっています。
ジンの歴史

ジンの原型となる「 ジュネヴァ 」は現在のオランダ・ベルギーで誕生しました。
最初薬用酒としてこの世に生まれたジュネヴァは、ジェニパーベリーの良い香りが人気の原因となり、オランダ国民に深く浸透します。
その後イギリスに持ち込まれたジュネヴァは、イギリス国内でも人気を博し、ジンと名前を変え、18世紀には歴史上最高のジン消費量を記録します。
ジンのおかげで税収も増えますが、それと同時にアルコール中毒や犯罪をも増加させ、一時死亡率が出生率を超えてしまうほどの社会問題に発展してしまいます。
後にこの時代を「 狂気のジン時代 」と呼ぶようになります。
19世紀に入ると連続式蒸留機の発明により、それまでの雑味を砂糖や大量のボタニカルで隠す必要がなくなり、クリーンで上質なジンが製造可能となります。
そしてジンは海を渡りアメリカへと伝わると、やはりそこでも人気を得て、それまでとは違いカクテルベースとして使用されるようになり、世界中で飲まれるようになりました。
これらが「 ジンはオランダで生まれ、イギリスが育み、アメリカが輝かせた 」という言葉が生まれた原型です。
ジンの原料・製法

Photo|ジュニパーベリー
まず麦などの穀物を酵素と水と一緒に糖化させます。その後糖化した材料をアルコール発酵させ、連続式蒸留機でアルコール度95%以上のニュートラル・スピリッツをつくります。
出来上がったニュートラル・スピリッツにジュニパーベリーをメインとした様々なボタニカルを漬け込み、約1日間おきます。 使うボタニカルは、シトラス、コリアンダー、カルダモン、キャラウェイなど様々です。
これらに決まりはなく、各蒸留所が決めた素材を使い、その蒸留所の個性としてつくられます。 日本は日本ならではの玉露、柚子、山椒などが使われています。
漬け込みを終えると再度蒸留し、加水してアルコール度数40%前後( 定義は37.5%以上 )に調整しボトリングして完成です。
- ジンの製造・定義は ⇒ コチラ
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ジンの種類
ー ドライ ジン ー

Photo|ボンベイサファイア Bombay sapphire
- ドライジンの主なブランド ⇒ コチラ
ー ジュネヴァ ー
ジンの誕生はこのジュネヴァが最初でした。 ジュネヴァは順調に輸出量を増やしていき、世界で最も飲まれているジンになりましたが、アメリカの禁酒法をキッカケにドライジンが世界の主流となりました。
現在は大量生産にこだわらず、職人の手作りによって、丁寧な製法で世界に流通しています。
ドライジンよりも甘味が感じられ、樽熟成を行うものも多くあります、そのため琥珀色をしたジュネヴァは、飲むと口当たりが柔らかく飲みやすいのが特徴です。

Photo|ノールド・オールド・ジュネヴァ Noord’s
- ジュネヴァの主なブランドは ⇒ コチラ
ー シュタインヘーガー ー

ジュネヴァ、ドライジンとは別の道を辿り、独自に発展を遂げてきました。
国から守られ、地域限定の生産をしているシュタインヘーガーは、ジュネヴァ同様大量生産にこだわらず、丁寧な職人の手作り製法によって現在も飲まれ続けています。
カクテルに使われることはあまりなく、ストレートやオンザロックで飲まれることが多いです。
日本酒を普段飲まれている方には、このシュタインヘーガーをお勧めします。
Photo|シンケンヘーガー Schinken hager
- シュタインヘーガーの主なブランドは ⇒ コチラ
ー クラフト ジン ー
2015年辺りから急成長している新しいジャンルです。
クラフトジンには定義はなく、全体的にコンセプトがあることが特徴です。バラときゅうりという異色の素材を使ったり、オリエンタルなスパイスやハーブであったりと様々です。
2016年に京都で日本初のジンが蒸留されると、一気に他の蒸留所や大手飲料企業もクラフトジンを生産。
日本ならではの玉露、山椒、柚子などをつかったものが生産されています。各銘柄にそれぞれの個性が強く出ていて、色々な甘味や香りを楽しめます。

Photo|ザ・ボタニスト The botanist
- クラフト・ジンの主なブランド ⇒ コチラ
ー オールド・トム・ジン ー

18世紀のロンドンで、税金から逃れるため、密売を行う際に猫の看板を設置し、口にお金を入れ、猫の手足に繋がっている管からジンが出てくる仕掛けを作りました。
その猫の名前が「 オールド・トムキャット 」と呼ばれ、このジンの名前の由来となりました。
通常のドライジンに加糖したもののことを指し、シトラスなどのフレーバーを追加されているものもあり、口当たりはまろやかなものが多いのが特徴です。
Photo|ヘイマンズ Hayman’s
- オールド・トム・ジンの主なブランド ⇒ コチラ
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ビルド & ステア

「 ビルド 」とは「 組み合わせる 」または「 注ぐ 」という意味があり、ステアのように完全に混ぜるのではなく、組み合わせる、もしくはグラスに直接注ぐという目的の際に使います。
「 グラスの中に直接材料を注ぐ 」= ビルド、「 バースプーンで混ぜる 」= ステアと覚えれば間違いはありません。
炭酸系の混ぜ方
炭酸系の材料を使う場合は、早く混ぜたり、回す回数が多いと、炭酸が溢れてこぼれてしまうだけでなく、炭酸ガス自体も抜けてしまうのでゆっくり回すように注意しましょう。
バースプーンやマドラーをグラスの内側に沿って底まで入れます。 グラスに当てたままゆっくりと1回転 ~1.5回転回し、先端のスプーンでゆっくりと氷を持ち上げてゆっくりと下ろします。
混ざりにくい材料の場合は、炭酸以外の材料を入れて一度ステアを行い、炭酸類を入れた後に再度軽くステアするようにします。
バースプーンの使い方

Step 1 = まず左手はグラスの底を押さえます( ドリンクを体温で温めないため )右手はバースプーンを持ちます。( 左利きの人は逆になります )
Step 2 = バースプーンを動画のように中指と薬指の間に挟みます。
Step 3 = 親指と人差し指もバースプーンを挟んで持ちますが、この2本の役割は、落とさないようにするためだけのものなので軽く持ちましょう。
Step 4 = バースプーンの背中をグラスの内側の縁に沿って底へ持っていきます。
Step 5 = 自分の体より向こう側へ回す際は薬指で左回りに押すように持っていき、自分の体側に戻す際は右周りに中指で引き戻すようにバースプーンを移動させます。 この時にバースプーンの背中は常にグラスの外側へ向いています。
この動作の繰り返しになります。 最初は難しいと思うので、大きめのグラスに氷のみで練習すると良いでしょう。 慣れると便利なので、ぜひマスターしてください。
- バースプーンの詳しい使い方は ⇒ コチラ
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カクテルスタイル
ー リッキー Ricky ー

ロングカクテルスタイルのひとつ。 スピリッツに果肉のカット( 主にレモンやライム )を入れ、ソーダで割ります。
マドラーをグラスの中に入れて提供し、そのマドラーで中に入っている果肉を軽く潰します。
潰すことで酸味を自分好みに調整するのが基本のスタイルです。
リッキーという名前の由来は、19世紀末アメリカ・ワシントンD.Cの「 シューメーカー 」というレストランで、夏向けのドリンクを提供することを発案し、このスタイルが考案されます。 そしてこのカクテルを最初に飲んだお客さんが「 ジム・リッキー 」だったことからこの名前になったそうです。
- カクテルスタイル 紹介ページは ⇒ コチラ
カクテルのTPO用語
オールデイカクテル All day cocktail

カクテルには様々なシチュエーション向けに考案されたものがあります。
主に食欲を増進させるための食前酒や、デザートのようなテイストの食後向けカクテルであったり、眠る前に飲むカクテル、飲み過ぎた後の迎え酒などと様々です。
そういったシチュエーションなどに無関係であったり、特にこだわりなく考案されたもので、向き不向きが無いカクテルというのがこの「 オール・デイ・カクテル 」です。
プレディナー Pre dinner cocktail
プレディナーカクテルとは食事前に飲むお酒のことです。
胃を刺激して消化液の分泌を促進することで、消化器官の負担を軽くする働きがあり、食欲増進の効果があります。
プレディナーの習慣が誕生したのは、18世紀後半から19世紀にかけての間にフランス、イタリアの貴族間から始まったそうです。
プレディナーの特徴はアルコール度数が低いこと、スッキリとした口当たりに爽やかさや爽快感があるものが多いです。 テイストは爽やかな甘味、少しの苦味や酸味が特徴的です。

お酒の種類はスパークリングワインやビールなどの炭酸類が多く見られ、リキュールではアペロールやカンパリといった少し苦味があり、ハーブなどの香りがするリキュールが使われることが多いようです。 カクテルも香り、苦味、爽やかさを使ったものが多く、種類も豊富にあります。
リバイバー Reviver

英語で「 Something that revivers 」と定義されていて、「 何かを再び活性化させるもの 」という意味になります。
これをお酒の意味に変えると、飲み過ぎた後に、再度活性化させるという意味で、日本では「 迎え酒 」という言葉があり、江戸時代にはすでにこの風習は存在していました。
リバイバーの目的は、気分をスッキリさせ、二日酔いなどの気分の悪さを抑えるために飲むお酒のことです。
現在はエタノール効果で中枢神経が抑えられておらず、痛覚などが鈍るため、二日酔いの症状である頭痛や吐き気が収まるのではなく、緩和されているだけで、結局のところ「 気のせい 」という考えになっています。なお迎え酒を続けるとアルコール依存症にもなりやすいので、注意が必要です。
カクテルでは「 コープスリバイバー 」というカクテルが最も認知度が高く、これは「 死者をも蘇らせるもの 」という意味です。
特徴はスピリッツなどのサッパリしたもの、アルコール度数が低いものまたはノンアルコールのものもあります。 日本ではビールとトマトジュースを割った「 レッドアイ 」が良く飲まれています。ちなみにコープスリバイバーは迎酒の中でもアルコール度数は高い方です。( 何せ死者をもう一度蘇らせるお酒という名前ですから・・・ )
- カクテルを飲むタイミングの名称紹介は ⇒ コチラ
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ジンリッキーにおすすめのグラス
コリンズグラス Collins glass

背が高く細いので倒しやすいという難点がありますが、その細さは炭酸を抜けにくくしているためという最大のメリットがあり、炭酸系のカクテルをつくる時には必ずと言っていいほど使われるグラスです。 容量は270ml ~ 360mlくらいが一般的。
ゴブレット Goblet
ゴブレットとはグラスに土台と足が付いたグラスの事です。
特徴としてはワイングラスのように足が長くないことと、容量が多く入ることで、タンブラーグラスの代わりや、氷をたっぷり使うカクテル、ビール、ドリンクなどで使われ、パフェなどのデザートの器としても使われます。
使い勝手が良く、見た目も上品さと可愛らしさがあり、様々なシチュエーションであったり、お店などで幅広く使われています。

ゴブレットが誕生したのは14世紀だと言われていて、名前はフランス語で、「 Goblet 」と表記します。 元々は「 ゴブレー 」と呼んでいたそうですが、いつの間にか「 ゴブレット 」となったようです。
聖杯にもこのゴブレットが使われており、映画「 ハリーポッター 炎のゴブレット 」でもその名前が使われています。 容量は300ml前後が一般標準サイズ。
タンブラーグラス Tumbler glass

「 タンブラー Tumbler 」の語源は「 倒れるもの 」や「 転ぶもの 」の意味があり、元々獣を狩り、残った角等をくり抜いてコップにし、底が真っ平にはならなかったので、よく倒れていたことからこの名前が付いたそうです。
別名ハイボールグラスとも呼ばれることがあり、主にハイボールスタイルや、ソフトドリンクなどに使われています。 オールドファッションドグラス( ロックグラス )を原型として誕生したとも言われ、オールドファッションドグラスをそのまま縦に長くしたような形をしています。
使い勝手が良く、容量も多く入るため、どの家庭にも必ずいくつかはあるグラスで、用途がおおいためか容量の種類も一番多くあると言っても過言ではないでしょう。
素材もガラス製だけではなく、木製、金属製、陶器、プラスチック製と様々なものがあります。 容量は6オンスの180ml、8オンスの240ml、10オンスの300mlが一般的で、飲食業界では略して6タン、8タン、10タンなどと呼ばれているそうです。
- グラス紹介ページは ⇒ コチラ
ジンリッキーで使う道具



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