ジン・リッキー|カクテルレシピ・作り方・特徴・由来を解説( ドライジン・ソーダ・ライム )

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目次
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レシピ

材 料

Recipe no.632

  • ドライジン・・・・・・・・・・50ml
  • ソーダ・・・・・・・・・・・・Full
  • ライムカット
  • マドラー
  • このカクテルで使う材料と道具はコチラ ⇒ 材 料道 具

技法 = ビルド

※ Full = 他の材料をグラスに入れ、Fullと記載している材料をグラスの8割~9割まで満たす適量のこと

作り方

グラスは炭酸が抜けにくい コリンズグラス をおすすめします。 他は ゴブレットタンブラーグラス を使いましょう。

  • Step 1 = グラスにライムカットを軽く搾り、ライムカットをそのままグラスヘ入れます。
  • Step 2 = ドライジン、氷を入れます。
  • Step 3 = 泡立たないように静かに ソーダ を入れます。
  • Step 4 = ゆっくりと軽く ビルド をして、マドラーを挿して完成です。
  • アルコール度数 = 10% 前後
  • 最適なTPO = 日中 / 食前
  • カクテル言葉 = 「 素直な心 」
  • カクテル誕生日 = 「 5月7日 」「 12月31日 」

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ジン・リッキーの誕生

Photo = アメリカ合衆国議会議事堂

今回紹介したジン・リッキーは、ロングカクテルの定番であり、その爽やかさとシンプルさが人気のカクテルです。

ジン・リッキーが誕生したのは1880年代前半のアメリカ・ワシントンD.Cと言われています。 アメリカ合衆国議会議事堂の一角にレストラン・バーがあり、政治家やそれにかかわる人たちのたまり場となっていました。

当時の民主党の政治家である「 カーネル・ジョゼフ・カイル・リッキー ( 愛称 ジョー・リッキー )」は、明け方まで6人のスタッフと飲み、迎え酒を飲もうとこのレストラン・バーへ入りました。 入ってすぐに新鮮なライムを見つけると、バーテンダーである「 ジョー・ウィリアムソン 」に、「 ライムの外皮の滴が混ざらないように半分にカットしたライムをグラスに搾り入れ、氷の塊を入れその後にウィスキーを入れてライムとウィスキーがよく混ざるようにソーダ水を入れてくれ 」と注文をしました。

その後ウィリアムソンはこのカクテルを気に入り、名前を「 ジョー・リッキー 」と名付けたのが始まりです。

その後ウィスキー以外の蒸留酒をベースとしたリッキーが飲まれるようになり、1894年の民主党党大会終了時の宴会の際にウィスキー、ジン、ブランデーなどの様々な蒸留酒のリッキーが飲まれていたことがワシントン・ポストに記され、そのことがキッカケでリッキーがいろんなところで飲まれるようになりました。

1900年前後にはジンが定着したことで、リッキーもウィスキーベースではなく、ジン・リッキーがメジャーとなり定着していました。そのことでジョー・リッキーはニューヨークのホテル・バーでジョー・リッキーを注文しても通じなかったことに苛立ったという話も残っているほどジン・リッキーは勢いよく広まりました。

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特徴・感想

日本にジン・リッキーが入ってきたのは1900年代半ば辺りで、その爽やかさとシンプルなテイストは、瞬く間に日本でも定着しました。 そして現在でも大人気のカクテルで、日本ランキングのジン部門に必ずと言えるほどランクインされています。

辛口でキレのあるドライジンをベースに、柑橘系酸味のライムを搾りそのままグラスに入れ、ソーダ水で割ったレシピで、ドライジンの微かな香りや風味を感じながら、柑橘系酸味を爽快感ある炭酸水で楽しむカクテルです。

グラスの中にあるマドラーは、ライムを潰して自分好みのテイストにするためです。 お家でもできるサッパリとしたリッキースタイルのカクテルなので、ぜひ一度お試しください。

このカクテルに使う材料

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ベースのお酒・ジン

ジンとは世界4大スピリッツの一つで、その中でもカクテルレシピは一番多いと思われます。

誕生はオランダですが、オランダをはじめイギリス、ドイツと各国が独自に成長、発展をしていったスピリッツで、現在ではロンドン・ドライ・ジンが世界で主流となっています。

ジンの歴史

ジンの原型となる「 ジュネヴァ 」は現在のオランダ・ベルギーで誕生しました。

最初薬用酒としてこの世に生まれたジュネヴァは、ジェニパーベリーの良い香りが人気の原因となり、オランダ国民に深く浸透します。

その後イギリスに持ち込まれたジュネヴァは、イギリス国内でも人気を博し、ジンと名前を変え、18世紀には歴史上最高のジン消費量を記録します。

ジンのおかげで税収も増えますが、それと同時にアルコール中毒や犯罪をも増加させ、一時死亡率が出生率を超えてしまうほどの社会問題に発展してしまいます。

後にこの時代を「 狂気のジン時代 」と呼ぶようになります。

19世紀に入ると連続式蒸留機の発明により、それまでの雑味を砂糖や大量のボタニカルで隠す必要がなくなり、クリーンで上質なジンが製造可能となります。

そしてジンは海を渡りアメリカへと伝わると、やはりそこでも人気を得て、それまでとは違いカクテルベースとして使用されるようになり、世界中で飲まれるようになりました。

これらが「 ジンはオランダで生まれ、イギリスが育み、アメリカが輝かせた 」という言葉が生まれた原型です。

ジンの原料・製法

まず麦などの穀物を酵素と水と一緒に糖化させます。その後糖化した材料をアルコール発酵させ、連続式蒸留機でアルコール度95%以上のニュートラル・スピリッツをつくります。

出来上がったニュートラル・スピリッツにジュニパーベリーをメインとした様々なボタニカルを漬け込み、約1日間おきます。 使うボタニカルは、シトラスコリアンダーカルダモンキャラウェイなど様々です。

これらに決まりはなく、各蒸留所が決めた素材を使い、その蒸留所の個性としてつくられます。 日本は日本ならではの玉露柚子山椒などが使われています。

漬け込みを終えると再度蒸留し、加水してアルコール度数40%前後( 定義は37.5%以上 )に調整しボトリングして完成です。

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ジンの種類

〚 ドライ・ジン 〛

辛口とキレが最大の特徴で、カクテルレシピの数も他のスピリッツに対して圧倒的にあり、カクテルの王様と呼ばれる「 マティーニ 」や、薬用酒として生まれた「 ジントニック や ギムレット 」もジンベースです。

ドライジンの定義に「 ジュニパーベリーを香りの主とする 」という決まりがあるため、その香りは共通しています。

ただそれ以外の定義は自由度が高いので、各蒸留所の土地や文化によって様々な個性を出しています。

Photo = ボンベイサファイア Bombay sapphire

  • ドライジンの主なブランド ⇒ コチラ

〚 ジュネヴァ 〛

ジンの誕生はこのジュネヴァが最初でした。 ジュネヴァは順調に輸出量を増やしていき、世界で最も飲まれているジンになりましたが、アメリカの禁酒法をキッカケにドライジンが世界の主流となりました。

現在は大量生産の方向性ではなく、職人の手作りによって、こだわった製法の方向性で世界に流通しています。

ドライジンよりも甘味が感じられ、樽熟成を行うものも多くあり、そのため琥珀色をしたジュネヴァは、飲むと口当たりが柔らかく飲みやすいのが特徴です。

Photo = ノールド・オールド・ジュネヴァ Noord’s

  • ジュネヴァの主なブランドは ⇒ コチラ

〚 シュタインヘーガー 〛

ジュネヴァ、ドライジンとは別の道を辿り、独自に発展を遂げてきました。

国から守られ、地域限定の生産をしているシュタインヘーガーは、ジュネヴァ同様大量生産ではなく、こだわりの方向性で現在も飲まれ続けています。

カクテルに使われることはあまりなく、ストレートやオンザロックで飲まれることが多いです。 日本酒を普段飲まれている方には、このシュタインヘーガーをお勧めします。

Photo = シンケンヘーガー Schinken hager

  • シュタインヘーガーの主なブランドは ⇒ コチラ

〚 クラフト・ジン 〛

2015年辺りから急成長している新しいジャンルです。ただクラフトジンには定義はなく、全体的に、大量生産はあまりしていないこと、特徴( コンセプト )があることです。バラときゅうりという異色の素材を使ったり、オリエンタルなスパイスであったりと様々です。

2016年に京都で日本初のジンが蒸留されると、一気に他の蒸留所や大手飲料企業もクラフトジンを生産。 日本ならではの玉露、山椒、柚子などをつかったものが生産されています。

各銘柄にそれぞれの個性が強く出ていて、色々な甘味や香りを楽しめます。

Photo = ザ・ボタニスト The botanist

  • クラフト・ジンの主なブランド ⇒ コチラ

〚 オールド・トム・ジン 〛

18世紀のロンドンで、税金から逃れるため、密売を行う際に猫の看板を設置し、口にお金を入れ、猫の手足に繋がっている管からジンが出てくる仕掛けを作りました。

その猫の名前が「 オールド・トムキャット 」と呼ばれ、こジンの名前の由来となりました。

通常のドライジンに加糖したもののことを指し、シトラスなどのフレーバーを追加されているものもあり、口当たりはまろやかなものが多いのが特徴です。

Photo = ヘイマンズ Hayman’s

  • オールド・トム・ジンの主なブランド ⇒ コチラ

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ビルドとは?

材料をグラスに入れて混ぜることを言います。 この「 混ぜる 」にはいくつか種類があり、今回のカクテルには「 ビルド 」を使用します。

お家で簡単にする人向け

バースプーンやマドラーをグラスの内側に沿って底まで入れます。 グラスに当てたままクルクル回します。 炭酸系を使っている場合は、早く混ぜると炭酸が膨れてこぼれてしまうだけでなく、炭酸自体も抜けてしまうのでゆっくり回すように注意しましょう。

本格的にやってみたい人向け

Step 1 = まず左手はグラスの底を押さえます(ドリンクを体温で温めないため)右手はバースプーンを持ちます。(左利きの人は逆になります)
Step 2 = バースプーンを写真にあるように中指と薬指の間に挟みます。
Step 3 = 親指と人差し指もバースプーンを挟んで持ちますが、この2本の役割は、落とさないようにするためだけのものなので軽く持ちましょう。
Step 4 = バースプーンの背中をグラスの内側の縁に沿って底へ持っていきます。
Step 5 = 自分の体より向こう側へ回す際は薬指で左回りに押すように持っていき、自分の体側に戻す際は右周りに中指で引き戻すようにバースプーンを移動させます。 この時にバースプーンの背中は常にグラスの外側へ向いています。

この動作の繰り返しになります。 最初は難しいと思うので、大きめのグラスに氷のみで練習すると良いでしょう。 慣れると便利なので、ぜひマスターしてください。

  • バースプーンの詳しい使い方は ⇒ コチラ

カクテルスタイル

リッキー Ricky
カクテルスタイル・リッキー

ロングカクテルスタイルのひとつ。 スピリッツに果肉のカット( 主にレモンやライム )を入れ、ソーダで割ります。
マドラーをグラスの中に入れて提供し、そのマドラーで中に入っている果肉を軽く潰します。

潰すことで酸味を自分好みに調整するのが基本のスタイルです。

リッキーという名前の由来は、19世紀末アメリカ・ワシントンD.Cの「 シューメーカー 」というレストランで、夏向けのドリンクを提供することを発案し、このスタイルが考案されます。 そしてこのカクテルを最初に飲んだお客さんが「 ジム・リッキー 」だったことからこの名前になったそうです。

  • カクテルスタイル 紹介ページは ⇒ コチラ

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カクテルを飲むタイミング用語 TPO

オールデイカクテル All day

カクテルには様々なシチュエーション向けに考案されたものがあります。

主に食欲を増進させるためにサッパリとさせている食前酒や、デザートのようなテイストの食後向けカクテル。 眠る前に飲むカクテル、飲み過ぎた後の迎え酒などと様々です。 オールデイ・カクテルとは、そういったシチュエーションなど向き不向きが無いカクテルのことです。

プレディナー Pre dinner cocktail

プレディナー・カクテル( 食前酒 )とは食事前に飲むお酒のことです。胃を刺激して消化液の分泌を促進することで、消化器官の負担を軽くする働きがあり、食欲増進の効果もあるそうです。

プレディナーの習慣が誕生したのは、18世紀後半から19世紀にかけての間にフランス、イタリアの貴族間から始まったそうです。 現在では西洋料理に飲まれることが文化として定着しています。

プレディナーの特徴はアルコール度数が低いこと、スッキリとした口当たりに爽やかさや爽快感があるものが多いです。 テイストは爽やかな甘味、少しの苦味や酸味が特徴的です。

お酒の種類はスパークリングワインやビールなどの炭酸類が多く見られ、リキュールではアペロールカンパリといった少し苦みがり、ハーブなどの香りがするリキュールが使われることが多いようです。 カクテルも香り、苦味、爽やかさを使ったものが多く、種類も豊富にあります。

リバイバー Reviver

英語で「 Something that revivers 」と定義されていて、「 何かを再び活性化させるもの 」という意味になります。 これをお酒の意味に変えると、飲み過ぎた後に、再度活性化させるという意味で、日本では「 迎え酒 」という言葉があり、江戸時代にはすでにこの風習は存在していました。

リバイバーの目的は、気分をスッキリさせ、二日酔いなどの気分の悪さを抑えるために飲むお酒のことですが、現在はエタノール効果で中枢神経が御製されておらず、痛覚などが鈍るため、二日酔いの症状である頭痛や吐き気が収まるのではなく、緩和されているだけで、結局のところ「 気のせい 」という考えになっています。なお迎え酒を続けるとアルコール依存症にもなりやすいので、注意が必要です。

カクテルでは「 コープス・リバイバー 」というカクテルが最も認知度が高く、これは「 死者をも蘇らせるもの 」という意味です。

特徴はスピリッツなどのサッパリしたもの、アルコール度数が低いものまたはノンアルコールのものもあります。 日本ではビールとトマトジュースを割った「 レッドアイ 」が良く飲まれています。ちなみにコープスリバイバーは迎酒の中でもアルコール度数は高い方です。( 何せ死者をもう一度蘇らせるお酒という名前ですから・・・ )

  • カクテルを飲むタイミングの名称紹介は ⇒ コチラ

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このカクテルのおすすめ グラス

コリンズグラス Collins glass

背の高い円柱形の細い形をしたグラスで、ラムベースの「 ゾンビ 」を飲むために使われるため、その名前が付いたのが最初と言われています。その後ジンベースのカクテル「 トム・コリンズ 」の人気が出るとコリンズグラスとも呼ばれるようになりました。

他にもチムニーグラスやトールグラス、煙突グラスとも言われることがあり、別名の多いグラスです。 これだけ名前が多いということは、それだけ様々な場面で多くの人に使われているという事かもしれません。

背が高く細いので倒しやすいという難点がありますが、その細さは炭酸を抜けにくくしているためという最大のメリットがあり、炭酸系のカクテルをつくる時には必ずと言っていいほど使われるグラスです。 容量は270ml ~ 360mlくらいが一般的。

ゴブレット Goblet

ゴブレットとはグラスに土台と足が付いたグラスの事です。

特徴としてはワイングラスのように足が長くないことと、容量が多く入ることで、タンブラーグラスの代わりや、氷をたっぷり使うカクテル、ビール、ドリンク以外で使われ、パフェなどのデザートの器としても使われます。

使い勝手が良く、見た目も上品さと可愛らしさがあり、様々なシチュエーションであったり、お店などで幅広く使われています。

ゴブレットが誕生したのは14世紀だと言われていて、名前はフランス語で、「 Goblet 」と表記します。 元々は「 ゴブレー 」と呼んでいたそうですが、いつの間にか「 ゴブレット 」となったようです。

聖杯にもこのゴブレットが使われており、映画「 ハリーポッター 炎のゴブレット 」でもその名前が使われています。 容量は300ml前後が一般標準サイズ。

タンブラーグラス Tumbler glass

カクテルのみならず様々なドリンクに使われる最も一般的なグラスです。

「 タンブラー Tumbler 」の語源は「 倒れるもの 」や「 転ぶもの 」の意味があり、元々獣を狩り、残った角等をくり抜いてコップにし、底が真っ平にはならなかったので、よく倒れていたことからこの名前が付いたそうです。

別名ハイボールグラスとも呼ばれることがあり、主にハイボールスタイルや、ソフトドリンクなどに使われています。 オールドファッションドグラス( ロックグラス )を原型として誕生したとも言われ、オールドファッションドグラスをそのまま縦に長くしたような形をしています。

使い勝手が良く、容量も多く入るため、どの家庭にも必ずいくつかはあるグラスで、用途がおおいためか容量の種類も一番多くあると言っても過言ではないでしょう。

素材もガラス製だけではなく、木製、金属製、陶器、プラスチック製と様々なものがあります。 容量は6オンスの180ml、8オンスの240ml、10オンスの300mlが一般的で、飲食業界では略して6タン、8タン、10タンなどと呼ばれているそうです。容量は180ml ~ 300mlが一般的。

このカクテルに使う道具

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