レシピ
材 料
Recipe no.351
技法 = ビルド
※ Full = 他の材料をグラスに入れ、Fullと記載している材料をグラスの8割~9割まで満たす適量のこと
- カンパリの歴史・主なカクテルは ⇒ コチラ
作り方
グラスは炭酸が抜けにくい コリンズグラス をおすすめします。 他には コブレット、タンブラーグラス が使われることが多いです。
- Step 1 = グラスに、氷、カンパリ、グレープフルーツジュースを入れます。
- Step 2 = 泡立たないように静かに トニックウォーター を入れます。
- Step 3 = ゆっくりと ビルド をして、レモンスライスをいれれば完成です。
- アルコール度数 = 3% ~ 4% 前後
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Herb & Bitter





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特徴・感想

ハーブ & ビター 系リキュールの代表格的存在の「 カンパリ 」。 そのカンパリを使ったカクテルの中でもネグローニやアメリカーノと並びカンパリの「 顔 」と言っても良いカクテルで、イタリアで定番のカクテルです。
生まれはイタリアで、「 泡立つ 」という言葉が元だそうです。 スパークリングワインのことを「 スプマンテ Spumante 」= 「 泡立つワイン 」と言います。
カンパリのハーブの香りとクセになる苦味をベースに、フルーティーな酸味のグレープフルーツジュースを加え、苦味と炭酸が特徴のトニックウォーターで割ったシンプルなレシピ。
全体的に爽やかな風味なので食前酒( プレディナー・カクテル )に飲まれることが多いようです。 ですがその飲みやすさから、オールディ・カクテルとして飲まれることも多いようです。
爽やかながら苦味と甘味にフルーティーな酸味もバランスよく感じられ、トニックウォーターが飲みごたえを出してくれているので、万人受けしながらも、玄人にも好まれるカクテルです。
このカクテルで使う材料

スプモーニのバリエーションカクテル

スプモーニは、ベースのお酒にグレープフルーツジュースを加え、トニックウォーターで割ったカクテルです。
- アマレット・スプモーニ・・カンパリをアマレットに変えたレシピ。
- ミドリ・スプモーニ・・・・日本生まれのメロンリキュール ミドリ がベース。
- スーズ・スプモーニ・・・・ハーブ系リキュールのスーズがベース。
- パッソアモーニ・・・・・・パッションフルーツのリキュール、パッソアがベース。
- ディタモーニ・・・・・・・ライチのリキュール、ディタがベース。
- ミスティアモーニ・・・・・マスカットリキュールのミスティアがベース。
- ノンアルモーニ・・・・・・グレープフルーツジュースをベースにしたノンアルコール。
ベースのお酒 カンパリ

カンパリの歴史

1842年「 ガスパーレ・カンパリ 」は14歳という若さでトリノにある酒場で見習いとして働き、そこでお酒の知識を身に付けます。
そして地元ノヴァラに帰りカフェ経営を始め、1860年にミラノへ進出。 そこではカフェだけではなく、お酒の販売も同時に行うようになり、そこで自家製リキュールを開発します。そのリキュールが後の「 カンパリ 」で、当時は「 ビッテル・アルーソ・ドランディア( オランダ風苦味酒 )」と名付け販売していました。
ガスパーレの商売は繁盛し、1867年に近くのアーケード街である ヴィットリオ・エマヌエレ通りで「 カフェ・カンパリ 」を始めます。 そこでカンパリのオリジナルリキュールが人気商品となり、イタリア国王ウンベルト1世、イギリス国王エドワード7世も訪れるという名店となりました。
その後1882年にガスパーレ・カンパリが死去すると、次男である「 ダヴィデ 」が後を継ぎ、製造業が大きく需要を迎えると1904年に自社工場を設立させ、長かった名前を家名である「 カンパリ 」に改名し、フランス、スイスなどの国外に輸出するという販売に力を注ぎます。その後イタリア移民が多いアメリカにも輸出を成功させると、今度はイタリア国内向けに製造した小瓶にカンパリソーダを入れカクテルそのものを販売すると、これが飛ぶように売れ現在の地位を確立させました。
カンパリの味わいと製造
はじめの製造から150年たった現在でも変わらない製法で作られています。 キャラウェイ、カルダモン、コリアンダー、オレンジピールなどが主原料だと言われています。
ただ原料は全部で60種類以上あり、その製法や分量など、数少ない製造責任者のみ知られていて、詳細は公開されていません。 正式に判明しているのは、「 水 」、「 アルコール 」のみです。
しかし専門家の分析や官能検査によって、ビター・オレンジ果皮、キャラウェイ、コリアンダー、カルダモン、シナモン、ナツメグなどの約30種類以上のハーブやスパイス類を使用し、それらを100℃でに出した後、中性スピリッツを加えアルコール度数69度で15日間タンクで熟成させます。

これに水、砂糖、アルコール、天然色素を加え、更に1カ月熟成させ濾過をしてボトリングされるということが判明しています。
通常は炭酸類や果実類などの割り材料を使って飲むことが多いですが、カンパリの苦味にハマッた人々はロックスタイルで飲むそうです。
- カンパリの歴史・主なブランドは ⇒ コチラ
カクテルの材料
トニックウォーター

トニックウォーターの誕生は18世紀イギリスと言われています。当時イギリスは多くの植民地を保有していました、イギリスから遠く離れたその熱帯地方ではマラリアが発生し、その予防( 特効薬 )として目を付けたのが「 キナの樹皮 」でした。そのキナの樹皮を精製した成分をキニーネと呼び、そのキニーネ、香草、レモンやライムなどの果皮のエキス、そして炭酸水に混ぜ合わせました。 こうしてできたのがイギリスで最古の清涼飲料水トニックウォーターです、トニックウォーターの独特の苦みは、このキニーネが元になっています。その後イギリスの将校らが自国のジンとキニーネの予防飲料水を一緒に飲むようになり、ジントニックが誕生したと言われています。
- トニックウォーターの歴史・ブランドは ⇒ コチラ
ビルドとは?

材料をグラスに入れて混ぜることを言います。 この「 混ぜる 」にはいくつか種類があり、今回のカクテルには「 ビルド 」を使用します。
お家で簡単人向け
バースプーンやマドラーをグラスの内側に沿って底まで入れます。 グラスに当てたままクルクル回します。 炭酸系を使っている場合は、早く混ぜると炭酸が膨れてこぼれてしまうだけでなく、炭酸自体も抜けてしまうのでゆっくり回すように注意しましょう。
本格的にやってみたい人向け

Step 1 = まず左手はグラスの底を押さえます(ドリンクを体温で温めないため)右手はバースプーンを持ちます。(左利きの人は逆になります)
Step 2 = バースプーンを左の写真にあるように中指と薬指の間に挟みます。
Step 3 = 親指と人差し指もバースプーンを挟んで持ちますが、この2本の役割は、落とさないようにするためだけのものなので軽く持ちましょう。
Step 4 = バースプーンの背中をグラスの内側の縁に沿って底へ持っていきます。
Step 5 = 自分の体より向こう側へ回す際は薬指で左回りに押すように持っていき、自分の体側に戻す際は右周りに中指で引き戻すようにバースプーンを移動させます。 この時にバースプーンの背中は常にグラスの外側へ向いています。
この動作の繰り返しになります。 最初は難しいと思うので、大きめのグラスに氷のみで練習すると良いでしょう。 慣れると便利なので、ぜひマスターしてください。
- バースプーンの詳しい使い方は ⇒ コチラ
カクテルを飲むタイミング用語
食前酒 Pre dinner cocktail

ディナーの前に飲むカクテルです。 喉を潤し、食欲を増進させるために飲みます。
甘みが強くなく、さっぱりした味わいのものが多い。 フランス語で「 アペリティフ 」
- カクテルを飲むタイミングの名称紹介は ⇒ コチラ
このカクテルのおすすめ グラス
コリンズグラス Collins glass

背の高い円柱形の細いグラス。 別名トールグラス・チムニーグラスとも呼ばれます。
カクテル「 ジョン・コリンズ 」が名前の由来で、細長いのは、炭酸を抜けにくくするためにこの形になっている。
容量 270ml ~ 360mlくらいが一般的。
コブレット Coblet
コブレットとはグラスに土台と足が付いた杯の事です。
シャンパングラス、カクテル・グラス、ワイングラスと違い足が短い上に内容量も多く入るので、日常で使う事も出来ます。
氷をたっぷり使うカクテル、またはビールなどのカクテルを飲む際に使用する。
300mlが一般標準サイズ。

タンブラーグラス Tumbler glass

カクテルグラスの中でも最も一般的に使われているグラスです。
タンブラーとは「 倒れるもの 」や「 転ぶもの 」の意味があり、元々獣を狩り、残った角等をくり抜きコップにしたことからこの名前が付いたそうです。
容量は他のグラスよりも種類が多く、180ml~300mlが一般的に使われています。
- グラス紹介ページは ⇒ コチラ