ソレラ システム|お酒・カクテルの雑学

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ソレラ システムとは?

ソレラシステムとは、主に世界三大精強ワインの一つであるシェリー酒を樽熟成させる際に使われる工程のことです。「 ソレラ solera 」とは「 床 」という意味で、積み上げた樽の一番下にある一番熟成期間が長いもののことを指しています。

熟成期間の違う樽を4種類ほど準備し、ボトリング( 出荷 )する際には一番長く熟成されている樽の中の1/3以下の量を取ります。この一番熟成されているお酒のことを「 ソレラ 」と呼びます。

次に二番目に長く熟成されている樽の中から必要量を取り、一度大きな樽もしくはタンクへ入れ、均一化( 同じ素材の樽を使用しても微妙に風味などが違う為に行う工程 )した後にソレラへと補充します。 二番目に長く熟成されているお酒を「 第1クリアデラ 」と呼び、それ以降は第2クリアデラ、第3クリアデラ・・・と続きます。 この一連のシステムを「 ソレラシステム 」と呼びます。

均一化をせずに「 トラセガドール 」と呼ばれるワインの移し変えをする職人も存在します。 生物的熟成ワインの表面を覆っているフロールの膜などや、容器の底に溜まっている細かな沈殿物を乱さないように、伝統的な道具と知識を用い行います。

日本で言うと秘伝のタレやおでんの出汁などでよく見る「 継ぎ足し 」とよく似ている手法です。

ソレラシステムの利点

樽から樽へと移し変える作業や、樽の管理といった手間が増えるというデメリットがありますが、このシステムには当然それらを凌ぐメリットが存在します。

  • 古くから熟成されたワインの複雑さと、新しいワインのフレッシュさが混ざり合い、独特な風味を生み出させるため。
  • 樽は、同じに見えて微妙に違いがあることから、常に均一の風味と高品質を保ち、かつ古くからの風味を変わらず保つことができる。
  • 新しいワインを補充することで、フロールが活発になりフローラルを元気に保つことができる。

フロールとはワインを樽で熟成させる際にできる酵母の膜のことで、産膜酵母を生育させ、その酵母が生み出す膜( フロール )でワインを覆うと、特有の風味を造り出します。

そのフロールは常にアルコール、残糖分、グリセリン、溶解酸素などを代謝して、アセトアルデヒドや二酸化炭素を生産します。 しかしただ熟成するだけではアルコール、残糖分、グリセリン、溶解酸素なくなり、フロールは死滅してしまう為、新しいワインを補充することで、熟成しながらフロールを保つことができるのです。

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グレンフィデック Glenfiddich
スコッチウィスキーのソレラシステム

1998年にウィスキー業界初のソレラシステム導入をしたのが、グレンフィデックです。

シェリー酒のソレラシステムを基に、独自のシングルモルトウィスキーに合ったシステムを作り上げました。

フルーティーな香りに、滑らかな舌触りでありながら、重厚で濃厚な味わいが特徴です。

現在はグレンフィデック・ソレラリザーブ 15年として販売されています。

バーボン樽、ホワイトオークの新樽、そしてシェリー樽という3種類の樽で熟成させたウィスキーを、「 ソレラバット 」と呼ばれる特大の大樽の中に入れ、約半年間熟成した後にボトリングするという一連の流れのシステムです。

ソレラバットには常時約半分の量のウィスキーが入っており、その量からは必ず少なるなることが無いように管理されています。 シェリー酒よりもこちらのシステムの方が、より日本で行っている継ぎ足しに近いように思います。

利点はシェリー酒と同じで、全てが均一化されること。 付け加えると、同じ種類の樽同士でも違いが生まれてしまうのに、このウィスキーは3種類の樽を使用しています。 種類の違う樽で熟成させたウィスキーをソレラバットに入れ、ソレラバットに入っていた元々熟成されているものとブレンドし、半年間熟成させることで、種類の違う樽でも均一化されたウィスキーを常時提供できるということが可能になったのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか? ソレラシステムは19世紀半ばあたりから使われている工程だそうで、その背景には様々な試行錯誤があったのだと思います。 このシステムのおかげで伝統の風味が守られ、この先も変わらず美味しいワインやウィスキーを楽しむことができるのです。

この雑学が何かのお役にたてれば幸いです。

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