スプリッツァーは白ワインをソーダで割るというシンプルなレシピ。 そのシンプルさ、アルコール度数の低さ、飲みやすさなどが理由で1980年代アメリカで大流行し、その後日本でも飲まれ、今では定番カクテルのひとつとなっています。
現在では様々な形に派生しています。 今回はスプリッツァーのバリエーションカクテルをご紹介します。
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スプリッツァーの誕生・由来

Photo = オーストリア・ザルツブルグの街
スプリッツァーとは、白ワインベースの代表的存在なカクテルで、世界でも様々な国で飲まれています。 いつ生まれたのかは不明ですが、誕生した国はオーストリアのザルツブルクで、ドイツの国境付近にあり、音楽の歴史では必ずその名前が出るモーツァルトの生まれ故郷として有名な街です。
現在ザルツブルクはオーストリアという国の中にありますが、モーツァルトが活躍していた18世紀は、ドイツ国民の神聖ローマ帝国に属していました。 そのためこのスプリッツァーとはドイツ語で「 はじける 」( シュプリセン spritzen )から名前が付いたと言われています。
現在でもザルツブルク音楽祭( 別名・モーツァルト記念音楽祭 )では、スプリッツァーが提供され飲まれているそうです。
1・スプリッツァー
まずはスプリッツァーの本家本元!!
材 料
Recipe no.216
- 白ワイン・・・・・・・・・・・90ml
- ソーダ・・・・・・・・・・・・Full
技法 = ビルド
※ Full = 他の材料をグラスに入れ、Fullと記載している材料をグラスの8割~9割まで満たす適量のこと
作り方
グラスは、シャンパングラスのフルート型、ワイングラス がおすすめです。 他にも コリンズグラス、サワーグラスも使いやすいです。
- Step 1 = グラスに白ワイン、氷( 氷はお好み )を入れます。
- Step 2 = 泡立たないように静かにソーダを満たします。
- Step 3 = 軽く ビルド をして完成です。
- アルコール度数 = 6% 前後
特徴・感想

白ワインをソーダで割るというシンプルなレシピ。 そのシンプルさ、アルコール度数の低さ、飲みやすさなどが理由で1980年代アメリカで大流行し、その後日本でも飲まれ、今では定番カクテルのひとつとなっています。
辛口の白ワインに爽快感のあるソーダで割ることで辛みを軽く抑え、代わりに喉越しをプラスし、通常の白ワインよりも飲みやすくしたカクテルです。
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2・スプリッツァー・ルージュ
白ワインを赤ワインへ変えたスプリッツァー!!
材 料
Recipe no.263
- 赤ワイン・・・・・・・・・・・90ml
- ソーダ・・・・・・・・・・・・Full
技法 = ビルド
作り方
グラスは、シャンパングラスのフルート型 か ワイングラス、サワーグラス をおすすめします。
- Step 1 = グラスに赤ワインを入れます。
- Step 2 = 泡立たないようにソーダを満たします。
- Step 3 = 軽く ビルド をして完成です。
- アルコール度数 = 7% ~ 8% 前後
特徴・感想

「 スプリッツァー・ルージュ 」の「 ルージュ Rouge 」とはフランス語で、日本語にすると「 赤色、口紅、頬紅 」を意味します。 その名前の通り白ワインカクテルの代表的存在の「 スプリッツァー 」の白ワインを赤ワインに変更したレシピです。
赤ワインをソーダで割るので、渋味などが緩和され大変飲みやすくなります。
また赤ワインはライトボディでもミディアムボディでもフルボディでも構いませんが、元々そのまま飲むワインをソーダで割るので、お好みによっては薄まるという印象をもってしまう場合もありますので、果実感、渋味、コクが強い「 フルボディ 」をおすすめします。
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3・エメラルド・スプリッツァー
白・赤の次は緑色。 白ワインの分量を減らし、マスカットリキュールを入れたスプリッツァー!!
材 料
Recipe no.186
- 白ワイン・・・・・・・・・・・45ml
- マスカット・リキュール・・・・45ml
- ソーダ・・・・・・・・・・・・Full
- メロン・リキュール・・・・・・1tsp
- ミントの葉
技法 = ビルド
※ 1tsp = バースプーン1杯分の分量のこと
※ Full = 他の材料をグラスに入れ、Fullと記載している材料をグラスの8割~9割まで満たす適量のこと
作り方
グラスは、シャンパングラスのフルート型 か ワイングラス、サワーグラス をおすすめします。
- Step 1 = 白ワインを冷やしておきましょう。
- Step 2 = グラスに白ワイン、ミスティア、メロンリキュールを入れます。
- Step 3 = 泡立たないように静かにソーダを満たします。
- Step 4 = 軽く ビルド をしてミントの葉を飾れば完成です。
- アルコール度数 = 6% ~ 7% 前後
特徴・感想

白ワインベースカクテルの代表的存在である「 スプリッツァー 」の派生カクテルです。 スプリッツァーは白ワインをソーダで割り、グレナデンシロップを加えたレシピで、アッサリとした飲みやすさが特徴のカクテルです。
今回紹介したエメラルド・スプリッツァーは、爽やかな甘みのマスカット・リキュール、辛みとサッパリ感の白ワイン、爽快感のソーダを合わせ、メロン・リキュールをアクセントに加えたレシピです。 爽やかな甘みと爽快感と飲みやすさが特徴のカクテルで、アルコールに弱い方や女性におすすめです。
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4・ブランデー・スプリッツァー
白ワインをブランデーに変えたスプリッツァー!! 原料はどちらもブドウなので違和感なし。
材 料
Recipe no.118
- ブランデー・・・・・・・・・・45ml
- グレナデンシロップ・・・・・・10ml
- ソーダ・・・・・・・・・・・・Full
技法 = ビルド
※ Full = 他の材料をグラスに入れ、Fullと記載している材料をグラスの8割~9割まで満たす適量のこと
作り方
グラスは、ワイングラス、コリンズグラス、シャンパングラスのフルート型 がおすすめです。
- アルコール度数 = 10% 前後
特徴・感想

スプリッツァーの白ワインをブランデーに変更したものが今回ご紹介するブランデー・スプリッツァーです。 スプリッツァーの派生カクテルとして生まれました。 レシピにはグレナデンシロップと記載しましたが、他のフルーツフレーバーに変えてみて、自分の好みを探すのも面白いかと思います。
味は、ブランデーの香りをソーダで割るスタイルで、いわゆるブランデーソーダ割りです。 違いはグレナデンシロップが入っていることで、ザクロシロップの甘みが加わったカクテルです。
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5・ビア・スプリッツァー
ソーダをビールに変えたスプリッツァー!! 爽快感にビールの喉越しがプラス。
材 料
Recipe no.103
- 白ワイン・・・・・・・・・・・1/2
- ビール・・・・・・・・・・・・1/2
- レモンスライス
技法 = ビルド
作り方
グラスは ピルスナーグラス、シャンパングラスのフルート型、ワイングラス などが使われることが多いです。
- Step 1 = グラスに白ワインを先にグラスの半分入れます。
- Step 2 = ビールを静かに入れます。
- Step 3 = 炭酸が抜けないように軽く ビルド し、レモンスライスを入れ完成です。
- アルコール度数 = 8% ~ 9% 前後
特徴・感想

ビア・スプリッツァーは、白ワインベースカクテル、スプリッツァーの派生カクテルです。 スプリッツァーの特徴である爽やかさを、白ワインの酸味とビールの苦みに特徴を変えてはいますが、アルコール度数の低さと炭酸の爽快感はスプリッツァーの特徴を受け継いでいると言えるカクテルです。
もう一つスプリッツァーの特徴として、簡単に作ることができるという点があり、このビア・スプリッツァーもその特徴を持っているカクテルです。 お家でビールを飲んでいる方は多くいます。 たまには違うビールを飲んでみたい方にはおすすめできるカクテルです。
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関連 カクテルレシピ リスト・一覧






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〚 他のカクテル レシピリスト 〛
カクテルの材料
グレナデンシロップ

グレナデンシロップとは、ざくろの果汁に砂糖を加えてつくったノンアルコールのシロップ。 現在ではざくろのみではなく、木イチゴ、カシス、エルダーフラワーなど様々なベリーを使って作られています。
カクテルでは、色を付けるために使われたり、風味を加えるため、甘みを足すために使用されています。カクテルでの使用だけではなく、お菓子作りの色付け、香りづけなどにも使われています。
グレナデンシロップのグレナデンとは、フランス語で「 グルナディンヌ grenadine 」が少し変わってグレナデンとなりました。 意味は直訳すると「 ざくろから生まれた物 」になり、グレナデンのみではシロップの意味はありません。日本やフランスなどではグレナデンシロップとざくろのシロップは同じものという考えがありますが、アメリカやイギリスなどの英語圏では数種類のベリーをまぜたシロップという認識が一般的です。
ちなみにオーデスローエ・グレナデンというリキュールが存在していますが、これはざくろのリキュールであって、製法もグレナデンシロップとは違いますし、アルコールが入っていますので別物という認識が必要です。
- グレナデンシロップの歴史・原料・種類は ⇒ コチラ
ビルドとは?

材料をグラスに入れて混ぜることを言います。 この「 混ぜる 」にはいくつか種類があり、今回のカクテルには「 ビルド 」を使用します。
お家で簡単人向け
バースプーンやマドラーをグラスの内側に沿って底まで入れます。 グラスに当てたままクルクル回します。 炭酸系を使っている場合は、早く混ぜると炭酸が膨れてこぼれてしまうだけでなく、炭酸自体も抜けてしまうのでゆっくり回すように注意しましょう。
本格的にやってみたい人向け

Step 1 = まず左手はグラスの底を押さえます(ドリンクを体温で温めないため)右手はバースプーンを持ちます。(左利きの人は逆になります)
Step 2 = バースプーンを左の写真にあるように中指と薬指の間に挟みます。
Step 3 = 親指と人差し指もバースプーンを挟んで持ちますが、この2本の役割は、落とさないようにするためだけのものなので軽く持ちましょう。
Step 4 = バースプーンの背中をグラスの内側の縁に沿って底へ持っていきます。
Step 5 = 自分の体より向こう側へ回す際は薬指で左回りに押すように持っていき、自分の体側に戻す際は右周りに中指で引き戻すようにバースプーンを移動させます。 この時にバースプーンの背中は常にグラスの外側へ向いています。
この動作の繰り返しになります。 最初は難しいと思うので、大きめのグラスに氷のみで練習すると良いでしょう。 慣れると便利なので、ぜひマスターしてください。
- バースプーンの詳しい使い方は ⇒ コチラ
このカクテルのおすすめ グラス
シャンパングラス Champagne glass

シャンパングラスは主に口が広く底が浅めで脚付きの「 クープ型 」と、口が小さく縦に丸長になっている「 フルート型 」がある。
クープ型は1663年にシャンパンやスパークリングワインを飲むためにイングランドで作られました。18世紀頃からフランスで使われ始め、1930年代頃からアメリカで使用されるようになりました。 当時シャンパンは、甘めのデザート的なものが多く、パンやケーキなどを付けたりしていました。 そのためこのクープ型は口が広く作られています。 容量は120ml ~ 240mlが一般的。
フルート型は1700年代初頭に、シャンパン自体が甘めのものから、辛口や料理に合うものに変化していきました。そして最初は陶器や金属の素材で作られていましたが、ワイングラスをガラスの素材に代える際に、一緒に作られました。始めはまっすぐな円錐形でしたが、炭酸を逃しにくくするために、下から中央まで膨らみ、中央から上部にかけて狭くなっている形になりました。 ヨーロッパではビールを飲むのにもつかわれたそうです。 容量は180ml ~ 300mlが一般的。
ワイングラス Wine glass
グラスの中でもロックグラスと並び、みんなが知っているグラス。
ほかのグラスに比べて種類が多いのが特徴。 歴史も古く古代ローマ時代にはすでに存在していたとされる記録が残っている。
素材も銀製、ガラス製、クリスタル製とあり、形も飲むワインによって違うものが存在する。
容量が150mlくらいのものが白ワイン。200mlくらいのものが赤ワインというのが一般的だが、ワインは赤白だけではなく、産地によって味や風味が変わるため、それに合ったグラスを使用することがある。

サワーグラス Sour glass

スタイルカクテルを飲む際に使われる中型のグラス。
日本では脚付きのものが多いが、平底のものもあり、種類は豊富です。 コブレットやシャンパングラスのフルート型によく似ていて、多種多様に使える利便性があります。
形は上に記載した通りコブレットと似ていて、内容量によりコブレットかサワーグラスに分けられる。 大きい方がコブレット、小さい方がサワーグラスと覚えるとわかりやすいです。
容量は 120ml程
コリンズグラス Collins glass
背の高い円柱形の細いグラス。 別名トールグラス・チムニーグラスとも呼ばれます。
カクテル「 ジョン・コリンズ 」が名前の由来で、細長いのは、炭酸を抜けにくくするためにこの形になっている。
容量 270ml ~ 360mlくらいが一般的。

ピルスナーグラス Pilsner glass

ピルスナーとは19世紀にチェコのピルゼンで生まれたビアスタイルです。 世界で最も多く飲まれているビールで、日本国内の流通しているビールの99%がこのピルスナーに分類されるものです。 キレのある喉越しとホップの苦みが特徴です。
そのピルスナーを飲むグラスとして生まれたのがこのピルスナーグラスです。
310ml ~ 375ml の内容量が入るサイズが一般的。
このカクテルで使う道具

