キール のバリエーション/ おすすめ 7選|カクテルレシピ・作り方・特徴・歴史を解説( ワインベースの様々なキールを紹介 )

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白ワインにクレーム・ド・カシスを合わせたワインベースのカクテル「 キール 」。

キールはワインベースを代表するカクテルの一つで、世界でも多く飲まれています。 シンプルで飽きがこず、作りやすいこともあってか、派生したカクテルが存在しています。

今回は、本家のキールと、その派生したカクテル 5つをご紹介

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キールの歴史・誕生

このカクテルを考案したのは、フランス・ディジョン市の市長を務めた「 フェリックス・キール 」氏。

第二次世界大戦後、ディジョン市の特産品であるブルゴーニュ・ワインの売れ行きが上がりませんでした。 ディジョン市にとってブルゴーニュ・ワインの売れ行きはそのまま経済に大きく影響があり、これを何とかしようと生まれたのがカクテル・キールでした。

キール氏は、ことあるイベントにこのカクテルを出し、認知度を高め普及していったのがキール定着の始まりと言われています。

この戦略によって、ブルゴーニュ産のワインのみではなく、ブルゴーニュのもう一つの特産品であるクレーム・ド・カシスも普及していき、遠い日本でクレーム・ド・カシスが普及したのもこのカクテル・キールのおかげとも言えます。両方の特産品を世界的に広めることに成功したキール氏の名を付け、「 キール 」というカクテルが誕生したのです。

ただ、キールは第二次世界大戦前から存在するという説もあります。

このカクテルには「 ヴァン・ブラン・カシス 」という別名があり、この名前が「 キール 」の前の名前で、ここからは想像ですが、もしこの説が本物であれば、第二次世界大戦前から存在していたカクテルを、キール氏が地元復興のために脚光を浴びさせたのかもしれません。

フェリックス・キール

Photo = フェリックス・キール(1876年~1968年)

フランスの北東部から移住してきた民族、アルザス人の家庭に生まれ、フランスの国会議員であり、ディジョン市の市長を務めました。

キール氏は92歳で亡くなる直前の20年間以上に渡り5回の市長当選を果たし、ディジョン市の市長を務めました。

食通でも知られるキール氏は、第二次世界大戦中に3歳の孤児を自分の家で養育し、その際に孤児( ジャン・マルク・アリックス )に料理の本質を教え込みます。

後にアリックスはこの教えのおかげで、フランス最優秀料理人賞を獲得することになるまで成長したというエピソードもあります。

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キール Kir

レシピ・材料

技法 = ビルド

※ Full = 他の材料をグラスに入れ、Fullと記載している材料をグラスの8割~9割まで満たす適量のこと

レシピ・作り方

グラスは、ワイングラス を使います。 シャンパングラスのフルート型でも構いません。

  • アルコール度数 = 12% ~ 13% 前後

材料の白ワインはよく冷やしておきましょう。氷は基本入れませんが、白ワインが冷えてなければ、氷を2個前後入れましょう。

特徴・感想

白ワインにクレーム・ド・カシスという両方ブルゴーニュ地方の特産カクテルです。 とてもシンプルなカクテルで、お家で簡単に誰でも作れるレシピで、世界的にも有名なカクテルです。

辛口のブルゴーニュ産白ワインに、強い甘みのクレーム・ド・カシスを加えることで、白ワインを飲みやすくしたカクテルで、ワイン慣れしていない人でも美味しく飲むことができます。

食前酒( プレディナー・カクテル )として飲まれるように考案されたレシピで、まさにあっさりとした甘みが魅力のカクテルです。

キールは第二次世界大戦前から存在するという説もあり別名 「 ヴァン・ブラン・カシス 」という名があり、キールという名が付く前は、この名であったと言われています。

キールの材料

キール・ロワイヤル Kir royale

レシピ・材料

技法 = ビルド

※ Full = 他の材料をグラスに入れ、Fullと記載している材料をグラスの8割~9割まで満たす適量のこと

レシピ・作り方

グラスは、シャンパングラスのフルート型 か、ワイングラス を使いましょう。

  • Step 1 = グラスにクレーム・ド・カシスとよく冷えたスパークリング・ワイン( シャンパンでも可 )を炭酸が抜けないように静かに入れます。
  • Step 2 = 軽く ビルド をして完成です。
  • アルコール度数 = 12% ~ 13% 前後
特徴・感想

ネーミングの意味は「 王のキール 」。

生まれた当初はクレーム・ド・カシスを25mlくらい入れて甘めのカクテルでしたが、最近では辛口傾向にあり、クレーム・ド・カシス15mlとなっている。

キールのレシピの白ワインをスパークリングワインまたはシャンパンに変えたシンプルなレシピで、爽やかさとクレーム・ド・カシスのコクのある甘味が飽きの来ない味となっていて、食前酒( プレディナー・カクテル Pre-dinner cocktail )としてもおすすめなカクテルです。

英語名は「 ロイヤル・キール 」、シャンパンを使用した場合「 シャンパン・キール 」と呼ばれることもあります。

  • キール・ロワイヤルのページは ⇒ コチラ
キール・ロワイヤルの材料

キール・インペリアル Kir imperial

レシピ・材料
  • クレームド・フランポワーズ・・15ml
  • スパークリングワイン・・・・・Full

技法 = ビルド

※ Full = 他の材料をグラスに入れ、Fullと記載している材料をグラスの8割~9割まで満たす適量のこと

レシピ・作り方

グラスは シャンパングラスのフルート型ワイングラス を使いましょう。

  • Step 1 = グラスにクレームド・フランポワーズ、スパークリングワインを入れます。
  • Step 2 = 炭酸が抜けないように軽く ビルド をして完成。
  • アルコール度数 = 12% ~ 13% 前後
特徴・感想

ネーミングの意味は「 帝国のキール 」。

キールのレシピの白ワインをスパークリングワインまたはシャンパンに変え、クレーム・ド・カシスをクレーム・ド・フランポワーズ変えたレシピで、キール・ロワイヤルで使っているクレーム・ド・カシスよりもクレーム・ド・フランポワーズの方が酸味が強いため、甘酸っぱいカクテルになっています。
シンプルなレシピで、スパークリングワインの爽やかさと、クレーム・ド・フランポワーズの酸味と甘味が飽きの来ない味となっていて、食前酒( プレディナー・カクテル Pre-dinner cocktail )としてもおすすめなカクテルです。

  • キール・インペリアルのページは ⇒ コチラ
キール・インペリアルの材料

カーディナル Cadinal

レシピ・材料

技法 = ビルド

レシピ・作り方

グラスは、ワイングラス を使用。

  • Step 1 = 材料はよく冷やしておきましょう。
  • Step 2 = グラスに赤ワインとクレーム・ド・カシスを入れます。
  • Step 3 ビルド して完成です。
  • Point = 濃度が大きく違う材料なので 希釈熱 が発生し、美味しくありません。材料はよく冷やしておくか、ミキシンググラスで ステア しましょう。
  • アルコール度数 = 14%前後
特徴・感想

「 カーディナル 」とは「 枢機卿(すうききょう) 」の事で、すうきけいとも読むこともあります。
枢機卿とは、端的に言うと「 教皇の選挙人 」。

カトリック教会で教皇に次ぐ最高の行政職で、名前はラテン語の「 かなめ( Cardo )」に由来しているそうです。

ローマの主要教会の聖職者代表を意味し、教皇選挙への俗人の介入を防ぐために11世紀に枢機卿団のみが教皇選挙有権者と定められました。

ネーミングは教皇の赤い衣をイメージしたと言われています。 その昔フランス・ボジョレー地方のワイン製造者が、白ワインをベースとしたキールの人気に乗じて作られたというお話もあります。

フランス・ボジョレー地方のワイン製造者が、このカクテルを作ったため、オリジナルレシピでは必ずボジョレーワインを使用しなければ、カーディナルと呼ばないそうです。

別名「 キール・カーディナル 」と呼ばれることもあるそうです。

  • カーディナルのページは ⇒ コチラ
カーディナルの材料

キール・ペーシェ Kir peshe

レシピ・材料
  • クレーム・ド・ペシェ・・・・15ml
  • スパークリングワイン・・・・・Full

技法 = ビルド

※ Full = 他の材料をグラスに入れ、Fullと記載している材料をグラスの8割~9割まで満たす適量のこと

レシピ・作り方

グラスは、シャンパングラスフルート型ワイングラスコリンズグラス がおすすめです。

  • Step 1 = 材料のスパークリングワイン( またはシャンパン )はよく冷やしておきます。
  • Step 2 = グラスにクレーム・ド・ペシェ、スパークリングワインを静かに入れます。
  • Step 3 = 軽く ビルド をして完成です。

※ シャンパングラス以外で作る場合は、お好みで氷を少し入れましょう。

  • アルコール度数 = 12% ~ 13% 前後
特徴・感想

キールのレシピの白ワインをスパークリングワインまたはシャンパンに変え、クレーム・ド・カシスをクレーム・ド・ペシェ( 桃のリキュール )に変えたレシピです。

キール・ロワイヤルで使っているクレーム・ド・カシスよりもクレーム・ド・ペシェの方が甘味が弱く感じられ、フルーティーな味わいが強く、飲みやすさがアップしたカクテルです。

シンプルなレシピで、スパークリングワインの爽やかさと、クレーム・ド・ペシェのフルーティーな甘味が飽きの来ない味となっていて、食前酒( プレディナー・カクテル Pre-dinner cocktail )としてもおすすめなカクテルです。

  • キール・ペーシェのページは ⇒ コチラ
キール・ペーシェの材料

キール・ブルトン Kir-breton

レシピ・材料

技法 = ビルド

※ Full = 他の材料をグラスに入れ、Fullと記載している材料をグラスの8割~9割まで満たす適量のこと

レシピ・作り方

グラスは、シャンパングラスのフルート型 を使いましょう。

  • Step 1 = グラスは冷やしておきましょう。
  • Step 2 = グラスにクレーム・ド・カシスを入れます。
  • Step 3 = 泡立たないように静かに シードル を入れます。
  • Step 4 = ゆっくりと ビルド をして完成です。
  • アルコール度数 = 4% 前後
特徴・感想

今回紹介した「 キール・ブルトン 」は、ワインベースの中でも代表的存在であるキールから派生したバリエーション・カクテルの一つです。 名前に入っている「 ブルトン 」とはフランス・ブルゴーニュのことを指しており、ブルターニュ地方の言語で「 ブルターニュ風 」という意味だそうです。

シードルとはリンゴや梨、ラズベリーなどを発酵させてつくる果実酒( スパークリングワイン )のことで、主にシードルとはリンゴ酒のことを言う事が多いです。

カクテル自体は、キールの代名詞でもある「 クレーム・ド・カシス 」をベースに、シードルで割ったレシピで、独特の甘酸っぱのクレーム・ド・カシスと、甘味と炭酸、フルーティーさが特徴のシードルが、重くない甘味をしっかりと感じられ、飲みやすさと爽やかさを演出している一品です。

  • キール・ブルトンのページは ⇒ コチラ
キール・ブルトンの材料

フォー・キール・ロワイヤル Faux kir royale

レシピ・材料

技法 = ビルド

※ Full = 他の材料をグラスに入れ、Fullと記載している材料をグラスの8割~9割まで満たす適量のこと

レシピ・作り方

グラスは シャンパングラスのフルート型 か サワーグラスコリンズグラス がおすすめです。

  • Step 1 = 材料は冷やしておきましょう。
  • Step 2 = グラスにグレナデンシロップを入れます。
  • Step 3 = 泡立たないように静かに ソーダ を入れます。
  • Step 4 = ゆっくりと ビルド をして完成です。
  • アルコール度数 = 0%
特徴・感想

「 フォー・キール・ロワイヤル 」とは、「 キール・ロワイヤル 」から派生したバリエーション・カクテルです。

キール・ロワイヤルとはワインベースのカクテルの中でも代表的な存在である「 キール 」から派生したバリエーション・カクテルであり、世界でも幅広く飲まれています。

キール・ロワイヤルを日本語にすると「 王のキール 」ということになり、フォーが付くことで、「 偽物の王のキール 」という意味になります。 名前だけ見ると少し悪い雰囲気も感じられるかもしれませんが、アルコールが入っていないという理由で、そういうネーミングになったカクテルです。

カクテル自体はとてもシンプルで、ザクロのシロップ( グレナデンシロップ )をソーダで割るといったもので、爽やかな甘味を感じられ、とても飲みやすくつくりやすいカクテルです。

  • フォー・キールロワイヤルのページは ⇒ コチラ
フォー・キールロワイヤルの材料

今回紹介したカクテルの材料

カシス・リキュール

Photo = 画像提供 SUNTORY

甘酸っぱさが最大の特徴であるカシス・リキュールは、現在世界中で最も生産量が高いと言っても過言ではないリキュールです。 日本でも馴染み深く、居酒屋でもカシス・オレンジや、カシス・グレープフルーツは定番のカクテルとして、女性を中心に飲まれています。

カシスとはスグリ科スグリ属で、小さな食用の果実をつける温帯地域に分布する落葉低木で、ビタミンCやアントシアニンが豊富だそうです。

クレーム・ド・カシスは1841年フランス・ブルゴーニュ地方のディジョン市にあるラグート社が発売したのが最初です。このラグート社は1836年に設立し、ブルゴーニュ地方に繁茂しているクロスグリ( カシス )の実に着目します。 そして5年間で開発し発売しました。

1858年には娘婿のルイ・ルジェと協力し、社名をルジェ・ラグート社に変え、販売に力を入れます。 そしてその後もフランボワーズなど様々なリキュールを発売し、有名ブランドとして現在も販売しています。

カシスリキュールの製造は、基本的にワインと同じように醸造します。 カシスの実は収穫後すぐに傷み始めてしまうため、収穫してから24時間以内に製造に持ち込まれます。

そんなカシスリキュールの特徴と言えば、やはりベリー特有の爽やかな甘酸っぱさとフルーティーな香りでしょう。 日本ではカルーアと共にリキュールの中で1位、2位を争う認知度の高さがあり、BARでなくとも居酒屋などでも置いてあるリキュールです。 その甘味と酸味のバランスの良さから、様々な割り材との相性が良く、オレンジジュースやグレープフルーツジュースなどの果実系ジュース、ソーダやトニックウォーターなどの炭酸類だけではなく、ミルクとも相性が良いです。

  • カシスリキュールの歴史・製造・主なブランドは ⇒ コチラ

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グレナデンシロップ

グレナデンシロップとは、ザクロの果汁に砂糖を加えてつくったノンアルコールのシロップ。 現在ではザクロのみではなく、木イチゴカシスエルダーフラワーなど様々なベリーなどを使って製造されています。

カクテルでの使用は、色を付けるために使われたり、風味を加えるためや、甘味を足すために使用されています。カクテルでの使用だけではなく、お菓子作りの色付け、香りづけなどにも使われています。

グレナデンシロップのグレナデンとは、フランス語で「 グルナディンヌ grenadine 」が少し変わってグレナデンとなりました。 意味は直訳すると「 ザクロから生まれたもの 」になり、グレナデンのみではシロップの意味はありません。

日本やフランスなどではグレナデンシロップとザクロのシロップは同じものという考えがありますが、アメリカやイギリスなどの英語圏では数種類のベリーをまぜたシロップという認識が一般的です。
ちなみにオルスデローエ・グレナデンというリキュールが存在していますが、これはザクロのリキュールであって、製法もグレナデンシロップとは違いますし、アルコールが入っていますので別物という認識が必要です。

  • グレナデンシロップの歴史・原料・種類は ⇒ コチラ

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ビルドとは?

材料をグラスに入れて混ぜることを言います。 この「 混ぜる 」にはいくつか種類があり、今回のカクテルには「 ビルド 」を使用します。

お家で簡単人向け

バースプーンやマドラーをグラスの内側に沿って底まで入れます。 グラスに当てたままクルクル回します。 炭酸系を使っている場合は、早く混ぜると炭酸が膨れてこぼれてしまうだけでなく、炭酸自体も抜けてしまうのでゆっくり回すように注意しましょう。

本格的にやってみたい人向け

Step 1 = まず左手はグラスの底を押さえます(ドリンクを体温で温めないため)右手はバースプーンを持ちます。(左利きの人は逆になります)
Step 2 = バースプーンを写真にあるように中指と薬指の間に挟みます。
Step 3 = 親指と人差し指もバースプーンを挟んで持ちますが、この2本の役割は、落とさないようにするためだけのものなので軽く持ちましょう。
Step 4 = バースプーンの背中をグラスの内側の縁に沿って底へ持っていきます。
Step 5 = 自分の体より向こう側へ回す際は薬指で左回りに押すように持っていき、自分の体側に戻す際は右周りに中指で引き戻すようにバースプーンを移動させます。 この時にバースプーンの背中は常にグラスの外側へ向いています。

この動作の繰り返しになります。 最初は難しいと思うので、大きめのグラスに氷のみで練習すると良いでしょう。 慣れると便利なので、ぜひマスターしてください。

  • バースプーンの詳しい使い方は ⇒ コチラ

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カクテルを飲むタイミング用語 TPO

プレディナー・カクテル Pre dinner cocktail

プレディナー・カクテル( 食前酒 )とは食事前に飲むお酒のことです。胃を刺激して消化液の分泌を促進することで、消化器官の負担を軽くする働きがあり、食欲増進の効果もあるそうです。

プレディナーの習慣が誕生したのは、18世紀後半から19世紀にかけての間にフランス、イタリアの貴族間から始まったそうです。 現在では西洋料理に飲まれることが文化として定着しています。

プレディナーの特徴はアルコール度数が低いこと、スッキリとした口当たりに爽やかさや爽快感があるものが多いです。 テイストは爽やかな甘味、少しの苦味や酸味が特徴的です。

お酒の種類はスパークリングワインやビールなどの炭酸類が多く見られ、リキュールではアペロールカンパリといった少し苦みがり、ハーブなどの香りがするリキュールが使われることが多いようです。 カクテルも香り、苦味、爽やかさを使ったものが多く、種類も豊富にあります。

  • カクテルを飲むタイミングの名称紹介は ⇒ コチラ

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このカクテルのおすすめ グラス

ワイングラス Wine glass

グラスの中でもロックグラスタンブラーグラスと並んで認知度が最も高いと言えるグラスで、他のグラスと比べて種類が多い点が特徴的です。

歴史も古く、古代ローマ時代にはすでに存在していたとされています。 しかし現在のガラス製で写真のような完成形ともいえる形になったのは20世紀になってからだそうです。

ガラス製のものはその前からあったそうですが、ガラスの大きさで税金がかけられていたため、今のものよりもワインが入る部分が小さいサイズでした。

現在ではガラス製のみではなく、銀製などの金属製のものや、クリスタル製、木製、樹脂系と様々なタイプがあり、形も飲むワインによって違うものが存在しています。

基本的に赤ワインは常温で飲むことが多く、白ワインは冷やして飲みむことが多いため、赤と白で形や容量が異なります。容量が150mlくらいのものが白ワイン、200mlくらいのものが赤ワインというのが一般的です。またワインは赤白だけではなく、産地によって味や風味が変わるため、それに合ったグラスを使用することがあるようです。

コリンズグラス Collins

背の高い円柱形の細い形をしたグラスで、ラムベースの
「 ゾンビ 」を飲むために使われるため、その名前が付いたのが最初と言われています。その後ジンベースのカクテル「 トム・コリンズ 」の人気が出るとコリンズグラスとも呼ばれるようになりました。

他にもチムニーグラスやトールグラス、煙突グラスとも言われることがあり、別名の多いグラスです。 これだけ名前が多いということは、それだけ様々な場面で多くの人に使われているという事かもしれません。

背が高く細いので倒しやすいという難点がありますが、その細さは炭酸を抜けにくくしているためという最大のメリットがあり、炭酸系のカクテルをつくる時には必ずと言っていいほど使われるグラスです。 容量は270ml ~ 360mlくらいが一般的。

シャンパングラス Champagne glass

シャンパングラスは口が広く底が浅めで脚付きの「 クープ型 」と、口が小さく縦に丸長になっている「 フルート型 」があります。 先に誕生したのはクープ型です。

クープ型は1663年にシャンパンやスパークリングワインを飲むためにイングランドで作られました。18世紀頃からフランスで使われ始め、1930年代頃からアメリカで使用されるようになりました。

当時シャンパンは、甘めのデザート的なものが多く、パンやケーキなどを付けたりしていました。 そのためこのクープ型は口が広く作られています。 容量は120ml ~ 240mlが一般的。

フルート型は1700年代初頭に、シャンパン自体が甘めのものから、辛口や料理に合うものに変化していきました。そして最初は陶器や金属の素材で作られていましたが、ワイングラスをガラスの素材に代える際に、一緒に作られました。

始めはまっすぐな円錐形でしたが、炭酸を逃しにくくするために、下から中央まで膨らみ、中央から上部にかけて狭くなっている形になりました。 ヨーロッパではビールを飲むのにも使われたそうです。 容量は180ml ~ 300mlが一般的。

今回紹介したカクテルで使う道具