レシピと作り方
シシリアンキッスの材料
Recipe no.652
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技法 = ステア
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シシリアンキッスの作り方
グラスは、オールドファッションドグラス( ロックグラス )を使います。
グラスに氷を入れてかき回し、グラスを冷やします。
( 余分に出た水分は捨てましょう )
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シシリアンキッスの特徴・感想
Photo|イタリア・シチリア島
今回紹介した「 シシリアンキッス 」の「 シシリアン 」とは、イタリア半島の西南端にある地中海最大の島です。 26,000㎢の面積があり、日本で言うと四国が18,800㎢で、九州が36,700㎢なので、その中間ほどの大きい島です。
ネーミングの由来などは不明ですが、このカクテルに使う材料のアマレットが誕生した土地がシチリア島であるため、このカクテルの名前もそこから由来していると思われます。
アメリカ南部生まれの桃を主とした果実類と、ハーブを合わせてつくられたフルーツフレーバー・リキュールのサザンカンフォートと、杏の核を使い、濃厚な甘口につくられたアマレットを合わせたレシピで、甘味が強くはありますが、濃厚な甘味の中にフルーツフレーバーのサザンカンフォートの爽やかな存在が、複雑なテイストに仕上げています。
シシリアンキッスの魅力は、その甘く豊かな風味にあります。アマレットのナッツのような甘さと、サザンカンフォートのフルーティーでスパイシーな風味が絶妙に調和し、デザートのような味わいを楽しむことができます。飲み口が滑らかで甘みが強いため、食後の一杯やデザートカクテルとして最適です。
日本ではあまり認知度がないカクテルではありますが、作家の江國香織さんの作品の中に、1999年に発刊された「 神様のボート 」という小説があり、この物語の中にシシリアンキッスが登場します。
そのシーンが『 カクテルをつくるのはパパの役目で、パパのつくるシシリアンキッスは「 倒れそうに甘くて病みつきになる味 」だったそうだ。グラスの液体はとろりとした琥珀色で、「 午後の戸外の飲み物として、あんなに幸福なものはないらしい 」 。』という表現をされています。
まさにその通りの感想で、作家さんらしい表現で勉強になりました。ちなみに2013年には、宮沢りえさん主演で、3話完結のテレビドラマ化されています。ご興味のある方は、ぜひシシリアンキッスを飲みながらご覧ください。
飲み方のポイント・まとめ
シシリアンキッスは、その甘さと風味を楽しむために、ゆっくりと飲むのがおすすめです。氷を入れることで、カクテルが少しずつ冷やされ、長く楽しむことができます。また、グラスの縁にレモンやオレンジのスライスを飾ると、見た目も華やかになります。
シシリアンキッスは、アマレットとサザンカンフォートの2つのリキュールを使った甘く豊かな風味のカクテルです。材料が少なく、作り方も非常に簡単なので、初心者でも気軽に楽しむことができます。デザート感覚で飲めるこのカクテルは、食後や特別なリラックスタイムにぴったりです。ぜひ一度お試しください!
このカクテルはその風味の豊かさと甘さから、初心者からカクテル愛好者まで幅広い層に愛される一杯です。
シシリアンキッスの材料
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ベースのお酒・サザンカンフォート
サザンカンフォートのネーミングの意味は、「 サザン Southern = 南方の 」「 カンフォート Comfort = 安らぎ、歓び 」という意味で、合わせると「 南部の歓び 」または「 南部の安らぎ 」となります。
現在ではサザンカンフォートの頭文字を取って、So,Co( ソコ )の相性で呼ばれており、その名前のカクテルも存在するほど定着しているリキュールです。
サザンカンフォートの歴史
サザンカンフォートが誕生したのは1860年代で、1995年までアメリカ南部のある男性バーテンダーが考案したということ以外明らかにされていませんでした。その1995年にイギリスから出版された「 Classic Spirits of the World 」で、アメリカ・ニューオーリンズでバーテンダーをしていた「 マーティン・ウィルクス・ヘロン 」という人物名が記載されることにより明るみに出たのです。
ヘロン氏はある樽詰めされたバーボンの味が粗悪なものだったため、果実味、甘味などを加えて美味しく飲めるように改良しました。これがサザンカンフォート( 当時はカフス・アンド・ボタンとして知れていた )の始まりです。
1889年にはテネシー州・メンフィスに移り、自分のBARを持ち、その店でこの自家製リキュールの特許を取得し本格的に売りだします。19世紀末になると、さらに北上し、ミズーリ州セントルイスでこのリキュールを瓶詰めし販売を開始します。
1900年フランス・パリで行われたリキュール世界博覧会で金賞を獲得すると、受賞したことをキッカケに、認知度が高まり世界中で飲まれるようになります。1904年にはルイジアナで行われた博覧会でも金賞を獲得し、確固たる地位を築くのです。
サザンカンフォートの原料・製法
誕生した当初のサザンカンフォートの原料は、バーボンウイスキーをベースに様々なフルーツ類のエキスとハーブやスパイスを混ぜ合わせていました。バーボンウイスキーをベースとしていたことと、アルコール度数が50%を超えていたことで、テイストはパワフルであったそうです。現在の爽やかさよりも、ガツンとしながらも強い飲みごたえを感じるリキュールでした。
現在は蜂蜜からつくられた中性スピリッツをベースにして、使用するフルーツもピーチを主体に、アメリカ産のオレンジやレモンを使い、多くのフルーツエキスとフレーバーを混ぜ合わせ、ピーチの核のアーモンドフレーバーも溶け込ませています。他にもハーブやスパイスも合わせ、ユニークなテイストに仕上がっています。
アルコール度数が21%に下げられたことと、バーボンウイスキーから中性スピリッツにベースを変えたこと、ピーチを主体にしたことで、かなり飲みやすくなり、果実感もアップして女性向きなリキュールに変わっています。
製法や原料の詳細は公開されておらず、これ以上はわかりませんでした。 ただ飲めば他にはない唯一無二のリキュールであることがわかるかと思います。 飲んだ事のない人はぜひお試しください。
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カクテルの材料
ー アマレット Amaretto ー
誕生・由来・・・誕生は16世紀中頃イタリア・ミラノで、ある一人の画家が宿泊していた宿の、美しい女主人に恋をしたそうです。 そしてその女主人をモデルにしたところ、女主人はお礼に、杏の核を原料に果実、ハーブを使ったリキュールを画家に送りました。 この時お礼に渡したリキュールが後のアマレットの原型と言われています。
1800年の始めの頃に、この話を知った人物がレシピを復元し、アマレッティの香りに近かったため「 アマレット 」と名付けて販売を開始しました。
製造・原料・・・アマレットの原料は、杏の種のさらに中にある核、アーモンド、カカオ、バニラビーンズなどを使用しています。主原料は杏の核ですが、香りはアーモンドの香りが強く感じられます。
その杏の核を何十種類もの果実、ハーブを蒸留液に浸します。 その後でアルコールを配合し、熟成されて造られています。
アマレットは、その独特の風味と香りから、多くのカクテルやデザートに使用される人気のリキュールです。ブランドごとの風味の違いを楽しみながら、お気に入りの使い方を見つけてみてください。
味わい・香り・・・主にアーモンドの風味が特徴的で、甘く豊かなアーモンドの味わいと香りが広がりますが、苦味やスパイシーさも感じられることがあり、シナモンやバニラ、オレンジピールなどの香りが感じられることがあります。また、甘すぎず、かといって苦すぎることもなく、まろやかでバランスの取れた味わいが楽しめます。
アマレットはアーモンドの豊かな味わいと、複雑なハーブやスパイスのニュアンスが特徴であり、その独特の風味と香りが多くの人々に愛されています。
- アマレットの歴史・製法・主なブランドは ⇒ コチラ
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ビルド & ステア
「 ビルド 」とは「 組み合わせる 」または「 注ぐ 」という意味があり、ステアのように完全に混ぜるのではなく、組み合わせる、もしくはグラスに直接注ぐという目的の際に使います。
「 グラスの中に直接材料を注ぐ 」= ビルド、「 バースプーンで混ぜる 」= ステアと覚えれば間違いはありません。
炭酸系の混ぜ方
炭酸系の材料を使う場合は、早く混ぜたり、回す回数が多いと、炭酸が溢れてこぼれてしまうだけでなく、炭酸ガス自体も抜けてしまうのでゆっくり回すように注意しましょう。
バースプーンやマドラーをグラスの内側に沿って底まで入れます。 グラスに当てたままゆっくりと1回転 ~1.5回転回し、先端のスプーンでゆっくりと氷を持ち上げてゆっくりと下ろします。
混ざりにくい材料の場合は、炭酸以外の材料を入れて一度ステアを行い、炭酸類を入れた後に再度軽くステアするようにします。
バースプーンの使い方
Step 1 = まず左手はグラスの底を押さえます( ドリンクを体温で温めないため )右手はバースプーンを持ちます。( 左利きの人は逆になります )
Step 2 = バースプーンを動画のように中指と薬指の間に挟みます。
Step 3 = 親指と人差し指もバースプーンを挟んで持ちますが、この2本の役割は、落とさないようにするためだけのものなので軽く持ちましょう。
Step 4 = バースプーンの背中をグラスの内側の縁に沿って底へ持っていきます。
Step 5 = 自分の体より向こう側へ回す際は薬指で左回りに押すように持っていき、自分の体側に戻す際は右周りに中指で引き戻すようにバースプーンを移動させます。 この時にバースプーンの背中は常にグラスの外側へ向いています。
この動作の繰り返しになります。 最初は難しいと思うので、大きめのグラスに氷のみで練習すると良いでしょう。 慣れると便利なので、ぜひマスターしてください。
- バースプーンの詳しい使い方は ⇒ コチラ
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カクテルのTPO用語
オール・デイ・カクテル All day cocktail
カクテルには様々なシチュエーション向けに考案されたものがあります。
主に食欲を増進させるための食前酒や、デザートのようなテイストの食後向けカクテルであったり、眠る前に飲むカクテル、飲み過ぎた後の迎え酒などと様々です。
そういったシチュエーションなどに無関係であったり、特にこだわりなく考案されたもので、向き不向きが無いカクテルというのがこの「 オール・デイ・カクテル 」です。
ディジェスティフ Digestif
「 ディジェスティフ Digestif 」とはフランス語で食後に飲むお酒のことで、英語では「 アフターディナー・ドリンク After dinner drink 」と呼びます。
特徴としてはブランデーなどのアルコール度数が高めのスピリッツを使い、クリームなどの甘味の強いものを材料に使う傾向があります。
アルコール度数が高いカクテルが多いのには理由があり、満腹になった後にアルコール度数が高めのお酒を飲むことで、食後の疲れた胃に刺激を与えます。
刺激を与えることにより、再度活性化させ消化を促進させる役割を持っているのです。
香りがあり、甘口のものが多い理由は、デザート感覚で楽しめることで、更なる満足感を与えることが目的としてあり、他には香り高いもので気分を落ち着かせることがあります。
- カクテルを飲むタイミングの名称紹介は ⇒ コチラ
シシリアンキッスにおすすめのグラス
ー オールドファッションドグラス Old fashioned glass ー
カクテルやウイスキーなどをオン・ザ・ロック・スタイルで飲むためのグラス。 口が広く背が低いのが特徴で、大きく丸い氷を入れたりできます。
タンブラーグラスの上半分をなくした様な形をしていて、タンブラーグラスの原型となったグラスだと言われています。
正式名はオールドファッションドグラスで、この名前はカクテル「 オールドファッションド 」から由来していると言われています。
古来からあるものなので、「 オールドファッションド = 古風な 」という意味が由来とも言われています。 現在では名前が長く言いにくいためか、「 ロックグラス 」として広く使われています。
容量は180ml~450mlまで幅広くあります。
- グラス紹介ページは ⇒ コチラ
シシリアンキッスで使う道具
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