Anejo = 「年、熟成 」の意味です。 その名の通り1年~3年以上しっかりと熟成させたテキーラで、色もウィスキーに使い色になっています。
アネホから樽にも規制があり、600ml以上の樽を使用しないとアネホとして認められません。
バニラやキャラメルのような樽の風味が強く、アガヴェに強い香りを付けたテキーラでウィスキーに近い存在になっています。
別名 「 プレミアム・テキーラ 」とも呼ばれます。
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パトロン・アネホ Patron

特 徴
ビンのラベルに記載されている通り、蜂蜜のようなトロリとした濃厚な味わいと甘みが特徴です。
アメリカンオーク樽とフレンチオーク樽で1年以上熟成させた原酒をヴィンテージごとにブレンド比率を調整することによって作られるという特徴的な製法を採用しています。
プレミアム・テキーラの中で、ドン・フリオと並ぶ2大巨頭として存在しています。
製 造
栽培に適した土地、メキシコ・ハリスコ州ハイランド地区で栽培されたアガヴェの中から更に厳選したものを使用し、一般的には圧力釜で蒸しますが、煉瓦窯で3日間ゆっくり、じっくり蒸し焼きにし圧力釜よりも濃厚な甘みを引き出します。
時間をかけて2回以上の蒸留を行い、更にその中から厳選した原酒を様々なスパイスなどをブレンドし、アメリカンオーク樽で12か月 ~ 14か月熟成させます。
そしてバニラ、レーズン、シトラスの香り、バニラ、レーズン、蜂蜜を感じるオークウッドの味わい、余韻にカラメルとスモーキーが楽しめる逸品です。
ポリフィディオ・アネホ Porfidio

特 徴
メキシコ・ハリスコ州・ラフ・フンタス地区生まれのテキーラで、特徴はボトルのサボテン。 実はラベルに描かれているのではなく、ガラス細工のサボテンが瓶の底から生えているように作られています。
アメリカの俳優 ロバート・デ・ニーロや、世界的富豪のビル・ゲイツが愛飲していることでも有名で、各コンクールで金賞を何度も獲得している逸品です。
製 造
育成に12年間もの時間を費やしたアガヴェを100%使用した「 プレミアム・テキーラ 」で、こちらもトロリとした口当たりに、他のアネホよりも長い7年という熟成期間からくる香りとコク、更に更に蒸留回数も3回と他のテキーラよりも多く行っているため、雑味も少ないです。
蒸留を多く行っていますが、アルコール度数は25%ほどと低めなのも特徴で、飲みやすさはぴか一のテキーラ・アネホです。

ポリフィディオは「 テキーラ 」ではない
おすすめのテキーラ・アネホにラインナップしてはいますが、実はポリフィディオは「 テキーラ 」ではないのです。
テキーラは様々な条件をクリアして初めて「 テキーラ 」と名乗ることができるのです。
※ テキーラの定めた条件や基本の製造方法 ⇒ コチラ
ポリフィディオはその条件をほとんどクリアしています。 ただ一つクリアしていないのが「 NOMナンバー( 4桁の蒸留所番号 )をラベルに表記すること 」です。
NOMナンバーとは、CRT( テキーラ規制委員会 )に加盟している蒸留所へ与えられる番号の事で、ポリフィディオは現在CRTに加盟しておらず、ボトルにテキーラと記載することを許されていません。
何故CRTに加盟しないのかはわかりませんが、おそらくの理由はあります。
ポリフィディオはアルコール度数が25%前後で、テキーラの条件は35%~55%という規制があり、更にポリフィディオはテキーラ(厳密にはテキーラではないですが)以外にラムなどのスピリッツの製造にも力を注いでいるためという理由ではないかと思われます。
とはいってもポリフィディオが最高級のアガヴェ・スピリッツであることは疑いようのない事実であり、おすすめにラインナップして当然の銘柄です。

ドン・フリオ・アネホ Don julio
特徴・製法

テキーラブランドの中でも特に有名な銘柄
「 ドン・フリオ 」メキシコ、ハリスコ州ロス・アルトス地区にあるドン・フリオ蒸留所が生産を行っているテキーラです。 このロス・アルトス地区は、アガヴェ栽培の風味・甘みを重点的に育てるには最適の気候と土壌を持つ地域で有名で、ドン・フリオはこの良質なアガヴェの栽培から樽熟成まで全て手作業で行うという徹底的な品質管理を行っています。
その徹底的な品質管理を行うことで、クリーンで雑味が少なく、味わいがしっかりし、独特のやわらかさと滑らかさを持ち、更にバーボン樽で1年半以上の熟成から、チョコレートやオレンジ、ナシの風味を持った高品質なテキーラが出来上がります。
歴 史

創業者は「 フリオ・ゴンザレス 」という若干17歳の少年が、1942年創業しました。
当時テキーラは1本5ドルほどの安い酒で、悪酔いするものばかりでした。そのことをフリオ氏は問題点と認識し、テキーラの製造を根本的に見直します。
フリオ氏はテキーラに関しての知識を身に付け、アガヴェの栽培から見直します。 アガヴェを植えてある間隔を広く取り、栽培するアガヴェの数を減らします。 そうすることでアガヴェ一つ一つの吸収する養分を増やし、大型で質の高いものが収穫できるようになりました。 当時高度成長期だったため、質より量の生産が主流でしが、その中でフリオ氏は量よりも質にこだわったのです。
そして1951年にフリオ氏の最初のテキーラブランド「トレス・マゲイヤス」が誕生しました。
その後1980年代、フリオ氏は病気で倒れてしまいます。 しかし見事に復活し、その快気祝いパーティーを行った際に、フリオ氏は特別なテキーラを皆に振舞いました。それまでのテキーラとは別格の風味や香りを持ち、丁寧に作り上げているのがすぐにわかるテキーラで、ボトルも従来の縦長ボトルではなく、「 テーブルに置いたときに皆の顔が見えるように 」と背の低いボトルを採用するなど、様々なフリオ氏のこだわりが詰まったテキーラでした。
ここから、安価のテキーライメージを覆し、「 プレミアム 」なテキーラの観念が誕生したのです。
最初は レポサド のみの販売でしたが、1996年に アネホ と ブランコを発売。 1999年には当時では世界初となる3年以上樽熟成させたエクストラ・アネホ・テキーラ「 ドン・フリオ・レアル 」を発売。
そして2002年、創業60周年記念で、「 ドン・フリオ 1942 」を発売します。 その翌年現場をエンリケ氏に後をまかせ引退しました。
現在ではプレミアム・テキーラのイメージが浸透し、セレブなどに絶大な人気を持ち、映画「 ソーシャルネットワーク 」に「 ドン・フリオ 1942 」が登場、「 成功者が飲むお酒 」として紹介されています。
そうしてプレミアムな製法と味わいによって、数あるテキーラの中でも、随一の人気を持っています。
テキーラの規制

世界各地にテキーラが広まりましたが、模造品が目立つようになりました。 模造品は質が悪いものが多く、テキーラのイメージや品格が悪くなる事を恐れたテキーラ製造会社達は、1974年メキシコ政府に規制を作るよう働きかけます。 しかし200種類もあるメスカルの一種であるテキーラに、規定基準を設けるのには難問が多く、規定を完成させるまで20年という時間がかかりました。
1994年にテキーラ商工会議所( CRT = Consejo Regulador del Tequila A.C. )主導の下、生産過程全般の規制管理が完成し、違反者には法的措置を取れるようになりました。
- 主原料はアガベ・テキラーナ・ウェベル・バリエダ・アスル( 全て竜舌蘭の名前 )に限られる。
- 主原料の割合が51%以上でなければならない。
- 竜舌蘭の生育は、ハリスコ州・グアナフアト州・ナヤリ州・ミチョアカン州・タマウリパス州でなければならない。
- テキーラ村とその周辺地域で蒸留されたものに限る。
- 最低2回の蒸留を行うこと。
- メタノールの値は3mg/ml以下でなくてはならない。
- アルコール度数は、35%~55%以内に収めること。
- 水以外の添加物は1%以下で抑えること。
- NOMナンバー( 4桁の蒸留所番号 )をラベルに表記すること。
テキーラの製法・原料・歴史

テキーラの誕生

テキーラの原型は、メキシコ古代アステカから存在する竜舌蘭を発酵させた醸造酒 「 プルケ 」がベースになっています。
15世紀~17世紀にかけてスペインがアメリカ大陸を植民地にしていた時代(コンキスタドール)にテキーラは誕生しました。
きっかけは、メキシコ中西部にあるハリスコ州サンティアゴ・デ・テキーラという町の近くにある、シエラマドレ山脈で大規模な山火事がありました。 焼け野原になった山を歩くと、焦げた竜舌蘭がゴロゴロと転がっており、辺り一面甘い香りと焦げた竜舌蘭をかじっているハツカネズミがいました、山火事の熱が竜舌蘭から砂糖を作り出すことをテキーラの町人が発見しました。
そしてそれを知ったスペイン人は蒸留技術を持ち込み、 「 プルケ 」を蒸留し、スピリッツを作りました。 この竜舌蘭を使ったお酒を「 メスカル 」と呼びます。
テキーラとメスカルには大きな違いは無く、テキーラとは200種類以上あると言われるメスカルというお酒の中の一種で、サンティアゴ・デ・テキーラで栽培されているアガベ・アスール・テキラーナという竜舌蘭を使用したものをテキーラと呼びます。 よって現在でも竜舌蘭から作ったお酒は「 メスカル 」と呼ばれています。
テキーラの定着
テキーラが大きな注目を集めたのは1949年の全米カクテルコンペティションで「 マルガリータ 」が入選し、テキーラが大きく注目されるだけでなく、テキーラベースのカクテルもこれをキッカケに増えていきます。 そして1968年開催のメキシコオリンピックで世界中の人たちがメキシコに訪れると、メキシコの文化と共にテキーラは世界に広く知られるようになりました。

その後世界各地にテキーラが広まりましたが、模造品が目立つようになりました。
模造品は質が悪いものが多く、テキーラのイメージや品格が悪くなる事を恐れたテキーラ製造会社達は、1974年メキシコ政府に規制を作るよう働きかけます。
こうして1994年にテキーラ商工会議所主導の下、生産過程全般の規制管理が完成し、違反者には法的措置を取れるようになりました。そしてテキーラは 原産地呼称が与えられ、メスカルから独立したような形になったのです。
テキーラの製法・原料

海抜600m~1,800mの標高と平均気温20℃、晴天日数が250日以上は必要という限られた土地でしか栽培できません。さらに苗を植えてから収穫まで6年以上、長いもので12年の月日がかかるため維持管理も大変です。
蒸留所に運び込まれたアガヴェはデンプンを糖分に変えるために加熱を行います。蒸気圧力釜を使ったり、石造りのオーブンで加熱します。
加熱工程を終えたアガヴェは、その後ローラーで砕き・加水・圧縮を行い糖分を十分に絞り出し、その搾り出した液体を発酵させ、2回以上蒸留します( メスカルの蒸留回数は1回ですが、テキーラは必ず2回以上行います )
感想・まとめ
栽培、製法、熟成と全ての工程にこだわりを持った「 アネホ 」はまさにプレミアムの名にふさわしいお酒です。
アネホのテキーラになると、カクテルで使うというより、そのままロックスタイルで楽しむことをオススメします。
- テキーラの歴史・製造は ⇒ コチラ