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アイリッシュコーヒーは、くつろぎのためではなく、必要に迫られて生まれた飲み物です。1943年頃、アイルランド西海岸の空港のシェフが、荒れた水上飛行機の航海で凍え切った乗客のために作った、いわば緊急処置でした。しかし、そのビシッとした原型にカルーアを加えるだけで、一杯の性格はすっかり変わります。
ホットコーヒーとウイスキーの力強さを土台に、カルーアの甘みが、コーヒーだけでは決して和らげられない角を丸くします。そこに浮かべたホイップクリームが加わることで、伝統的なカクテルというより、温かいデザートに近い一杯になります。
今夜、たった一つの材料が、どれほど飲み物の印象を変えるか、試してみてください。
レシピと作り方
材 料

Recipe no.017
- アイリッシュウィスキー・・・・・30ml
- カルーア・・・・・・・・・・・・15ml
- ホットコーヒー・・・・・・・・・Full
- 生クリーム・・・・・・・・・・・適量
※ Full = グラスの8割~9割まで満たす適量のこと
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作り方

- 技法 = ステア
- アルコール度数 = 6% 前後
- グラス = アイリッシュグラス / ホットグラス
- 最適なTPO = 日中 / 食後
- スタイル = ホット
- カクテル言葉 = 「 あたためて 」
- カクテル誕生日 = 「 不明 」
アイリッシュ・ア・ラ・カルーアの詳細と動画
アイリッシュコーヒーとは?

このカクテルは定番アイリッシュコーヒーのバリエーションです。まずそのベースの由来を知っておく価値があります。アイルランド西部の空港でシェフを務めていたジョー・シェリダンが、1943年頃にアイリッシュコーヒーを考案しました。バーでの発明ではなく、凍える乗客のための切実な必要性から生まれたものです。
当時その空港は、滑走路ではなく水上に着水する「飛行艇」を扱っていました。燃料をあまり積めず途中で給油に寄港し、乗客はボートでターミナルへ運ばれました。シェリダンは、その道中で芯まで冷え切った乗客のためにこの一杯を考案。だからこそ熱いコーヒー、アイリッシュウイスキー、クリームという「温かさ」にこだわった構成なのです。コーヒーの香りとウイスキーの深みが重なり、香ばしい個性が生まれます。苦味とウイスキーの複雑さ、クリームの甘さが合わさる様子は、カクテルというより骨太なカフェオレのようだと私は思います。
特徴と味わい

Photo|画像提供 SUNTORY
アイリッシュ・ア・ラ・カルーアは、定番アイリッシュコーヒーにコーヒーリキュールを加え、甘みとコーヒーの風味をプラスした一杯。シンプルなアレンジですが、全体の性格を大きく変えます。カルーアは日本では「カルーアミルク」で長年親しまれています。これをアイリッシュコーヒーに加えると甘みが増し、コーヒーの香ばしさと滑らかな口当たりが加わります。この滑らかさは偶然ではなく、カルーアの糖分がウイスキーの角を、コーヒー単体では出せない形で丸めてくれるからです。
熱いコーヒーの温かみとウイスキーの力強さがベースを作り、そこにカルーアの深い風味が重なります。表面のホイップクリームがさらに滑らかさを添え、カクテルというより温かいコーヒーデザートのような仕上がりに。私なら、通常のアイリッシュコーヒーの苦味が少し苦手なゲストには、まさにこの一杯を勧めます。
- カルーアミルクのページは ⇒ コチラ
ポイント・アレンジ・相性の良い食べ物

- 相性の良い食べ物・・・ティラミス、チョコレートビスコッティ、コーヒーケーキがおすすめ。コーヒーとクリームの風味が味わいに寄り添います。
- 作り方のポイント・・・生クリームは硬く泡立てすぎず、少し柔らかめに。スプーンの背を伝わせて注ぐと、きれいに浮かべやすくなります。
- アレンジ・・・仕上げにシナモンやナツメグを振りかけると温かみが増します。カルーアの代わりにヘーゼルナッツリキュールを使うのもおすすめ。
- 飲み方の注意・・・ホットドリンクにウイスキー・コーヒー・リキュールが重なるため、見た目以上に効きます。特に就寝前はゆっくりと。
レシピ動画
- 動画|@barwhiteoak Channel Home
材料リスト
モルトと未発芽の大麦を使用し、ポットスチルで風味の豊かで上質なグレーンウイスキーとブレンドして3回蒸留して滑らかさを出しています。大麦は全て国産、水は蒸留所の敷地を流れる水を使用。
日本ではおなじみのコーヒーのお酒。 このお酒よりも「 カルーアミルク 」というカクテルの方が認知度が高いです。 甘味が強く、飲みやすい事から一時大流行した定番の一品。
バーテンダー経験者が描く小説『 Bar 灯影 ~まだ名前のない約束たち~ 』

東京の雑居ビルの地下にある、隠れ家バー「Bar 灯影」。寡黙なマスターと、仕事帰りに通う23歳の彩香のもとに、毎晩いろいろな事情を抱えた客がやってきます。
マスターは多くを聞かず、その夜の一杯だけを差し出します。カクテルの所作や味わいは、バーで働いていた筆者が、現場の記憶をもとに描いています。
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