テキーラの歴史・製法・原料・種類・主なカクテルを紹介|カクテルのお酒・スピリッツ編

マルガリータを出したテキーラの歴史と製造記事のタイトル
目次
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テキーラの歴史

テキーラドンフリオ70周年記念とショットグラス

テキーラの誕生

テキーラの原型は、メキシコ古代アステカから存在するアガヴェ( 竜舌蘭 )発酵させた醸造酒の 「 プルケ 」がベースになっています。

15世紀~17世紀にかけてスペインがアメリカ大陸を植民地にしていた時代( コンキスタドール )にテキーラは誕生しました。

きっかけはメキシコ中西部、ハリスコ州サンティアゴ・デ・テキーラという町があり、その近くにあるシエラマドレ山脈で大規模な山火事がありました。

焼け野原になった山を歩くと、焦げた竜舌蘭がゴロゴロと転がっており、辺り一面甘い香りと焦げた竜舌蘭をかじっているハツカネズミがいました。竜舌蘭を高熱に当てることで、砂糖を作り出せることをテキーラの町人がこの時発見しました。

そしてそれを知ったスペイン人は、蒸留技術を持ち込み、メキシコの伝統的な醸造酒である「 プルケ 」を使ってスピリッツをつくりました。 この竜舌蘭を蒸留したお酒を「 メスカル 」と呼びます。

テキーラとは200種類以上あるメスカルというお酒の中の一種で( 日本で言う地酒のようなもの )、サンティアゴ・デ・テキーラで栽培されているアガベ・アスール・テキラーナという竜舌蘭を使用したものをテキーラと呼びます。 現在でも竜舌蘭から作ったお酒は「 メスカル 」と呼ばれ、テキーラはその中でも特別な存在となっています。

1600年には初めてのテキーラ工場が建てられ、1870年代にはヨーロッパへ出荷されています。

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テキーラの定着

花とカクテル・マルガリータ

テキーラは今でこそ世界大スピリッツに数えられていますが、生まれてから長い間「 地酒 」の領域を出ずにいました。

最初に世界に知れたのは、1893年にアメリカ・シカゴで行われた鑑評会でテキーラ産のメスカルブランデーが受賞、その次に知れ渡ったのは、1910年にアメリカ・テキサス州の大会で「 テキーラ・ワイン 」として受賞したことです。

テキーラが最も大きな注目を集めたのは、1949年の全米カクテルコンペティションで「 マルガリータ 」が入選し、テキーラが大きく注目されるだけでなく、テキーラベースのカクテルもこれをキッカケに増えていきます。

そして1968年開催のメキシコオリンピックで、世界中の人たちがメキシコに訪れると、メキシコの文化と共にテキーラは世界に広く知られるようになりました。

その後世界各地にテキーラが広まりましたが、模造品が目立つようになります。 模造品は質が悪いものが多く、テキーラのイメージや品格が悪くなる事を恐れたテキーラ製造会社達は、1974年メキシコ政府に規制を作るよう働きかけます。

しかし約200種類もあるメスカルの一種であるテキーラに、規定基準を設けるのには難問が多く、規定を完成させるまで20年という時間がかかりました。

そしてついに1994年、テキーラ商工会議所( CRT = Consejo Regulador del Tequila A.C. )主導の下、生産過程全般の規制管理が完成し、違反者には法的措置を取れるようになりました。

そしてテキーラは 原産地呼称が与えられ、メスカルから独立したような形になったのです。

テキーラの規制は次の通り

  1. 主原料はアガヴェ・テキラーナ・ウェベル・バリエダ・アスル( 全て竜舌蘭の名前 )に限られる。
  2. 主原料の割合が51%以上でなければならない。
  3. 竜舌蘭の生育は、ハリスコ州・グアナフアト州・ナヤリ州・ミチョアカン州・タマウリパス州でなければならない。
  4. テキーラ村とその周辺地域で蒸留されたものに限る。
  5. 最低2回の蒸留を行うこと。
  6. メタノールの値は3mg/ml以下でなくてはならない。
  7. アルコール度数は、35%~55%以内に収めること。
  8. 水以外の添加物は1%以下で抑えること。
  9. NOMナンバー( 4桁の蒸留所番号 )をラベルに表記すること。

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テキーラの原料・製法

収穫まで

テキーラの収穫・コアで作業

テキーラで使われるアガヴェの栽培は、海抜600m ~ 1,800mの標高と、平均気温20℃、晴天日数が250日以上は必要という、限られた土地でしか栽培できません。

茶畑に似た丘陵地で雨季の始まる6月頃に植えられ、そこから6年~8年後に収穫します。長いもので12年の月日がかかるため維持管理も大変です。

成長した球茎の皮を、「 コア 」という長い棒の先に円形の刃を付けた道具を使って、硬い葉や、厚い皮をそぎ落とします( 写真で使用している道具 )

葉を切り落とした後、心臓部分を採取します。これをピニャ( ピニャはスペイン語で「松ぼっくり」の意味 )と呼びます。

製 法

収穫されたアガヴェは蒸留所に運び込まれ、デンプンを糖分に変えるために蒸気圧力釜を使ったり、石造りのオーブンで加熱を行います。

ピニャの焼成 & 圧搾・・・ピニャはオーブンで数日間焼かれ、アガヴェのデンプンが糖に変わり、甘味が増します。伝統的な手法では、地下の焼成窯で行われることが一般的です。焼かれたピニャは、圧搾機で絞られ、アガヴェの果汁を得ます。この果汁はアガヴェ・ワシュ( Aguamiel )と呼ばれます。

発酵 & 蒸留・・・アガヴェ・ワシュは、発酵タンクに移され、天然の酵母によって発酵させます。発酵によって、アルコールが生成され、発酵が完了した後アルコールを蒸留します。

蒸留によって、テキーラのアルコール度数が調整され、不純物が取り除かれます。テキーラは通常、2回蒸留されます。

熟成・・・ 一部のテキーラは、熟成のためにオーク樽に入れられます。熟成によって、テキーラに豊かな味わいや複雑な風味が加わります。熟成期間はさまざまで、レポサド( 2〜12ヶ月 )、アネホ( 1〜3年 )、エクストラアネホ( 3年以上 )などがあります。

ブレンディングと瓶詰め・・・必要に応じて、異なるバッチのテキーラをブレンドし、瓶詰めされます。瓶詰めされたテキーラは、市場に出荷され消費者に提供されます。

これらの手順によってテキーラは製造されます。それぞれの工程が、テキーラの味わいや品質に影響を与える重要な役割を果たしています。

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テキーラの種類

テキーラの種類は、まず原料であるアガヴェの使用パーセントによって大きく2つに分けられます。

  • アガヴェを51%以上使用したテキーラ。爽やかさと、独特な甘味が特徴です。
  • アガヴェを100%使用したテキーラ。 別名「 プレミアムテキーラ 」と呼ばれたりもします。 見分けるのは瓶のラベルに「 100% DE AGAVE 」等の記載があります。香りとアガヴェ特有の風味が51%以上のものと大きく違います。

テキーラは熟成期間によってカテゴリー分けもされています。

ブランコ Blanco

テキーラエラドゥータプラタ

色は無色透明、熟成期間は全く行わないものから、2か月ほどです。 ラベルには「 シルバー 」や「 プラタ 」という表記を用います。

熟成を行わないので( 短い期間熟成する場合もある )爽やかさとシトラスのような香り、アガヴェ本来の香りが楽しめます。

カクテルに使用しているテキーラのほとんどがブランコです。

Photo|エラドゥーラ・プラタ Herradura

  • おすすめのテキーラ・ブランコ ⇒ コチラ

レポサド Reposado

テキーラレポサドオルメカ

Reposado = 「 安らかな、平静な 」という意味で、短い期間休ませるという意味があります。

名前の通り 2か月~1年未満熟成させたテキーラです。 色は無色透明にほんの少しゴールドが入った色合いです。

樽の香りとコクがブランコに少し加わり、ほのかな甘みが味わい深くなっていて、甘味と辛味のバランスがとれた味わいです。

Photo|オルメカ Olmeca

  • おすすめのテキーラ・レポサド ⇒ コチラ

アネホ Anejo

アガヴェとテキーラドンフリオアネホ

Anejo = 「年、熟成 」の意味です。 その名の通り1年~3年以上しっかりと熟成させたテキーラで、色もウィスキーに近い色になっています。

アネホから樽にも規制があり、600ml以上の樽を使用しないとアネホとして認められません。

バニラやキャラメルのような樽の風味が強く、アガヴェに強い香りを付けたテキーラでウイスキーに近い存在になっています。

別名 「 プレミアム・テキーラ 」とも呼ばれます。

Photo|ドン・フリオ Don julio

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テキーラベースの主なカクテル

ロングスタイル編

テキーラベース・ロングカクテルのアイスブレーカー

アイスブレーカー

アルコール度数がちょっと強めのグレープフルーツジュースで割ったカクテル。

カクタスバンガー

テキーラとガリアーノが合わさった複雑な甘味と、香り高く口当たりの良さが際立った一品です。

テキーラベースロングカクテルのカクタスバンガー
テキーラベースロングカクテルのストローハット

ストローハット

ストローハットの魅力は、なんといってもその爽やかさです。テキーラの力強さとトマトジュースの酸味が絶妙に調和し、暑い季節にぴったりな清涼感を与えてくれます。

テキーラサンライズ

テキーラベース、ロングカクテルの中で最も有名なカクテル。テキーラ&オレンジジュースにグレナデンシロップを沈めた様は、朝焼けをイメージして作られたそうです。

テキーラベースのロングカクテル・テキーラサンライズ
テキーラベースロングカクテルのテコニック

テコニック
トニックウォーターの微炭酸と爽やかな苦味が広がり、その後にテキーラ特有のスパイシーでほのかに甘いアガヴェの風味が感じられます。軽やかな飲み口ながら、テキーラの個性がしっかりと活きており、余韻にはほのかな苦味とテキーラの深みが残ります。

デュランゴ

テキーラとグレープフルーツという相性の抜群な材料を使いそれらをソーダで割っているので、爽やかさと飲みやすさがあり、アマレットのアーモンドのような香りと、甘味がカクテルに奥深さを加えているのが特徴です。

テキーラベースロングカクテルのデュランゴ
テキーラベースロングカクテルのマタドール

マタドール
トロピカルな甘味と爽やかな酸味が調和したバランスの良いカクテルです。全体的にやや甘口でパイナップルジュースのフルーティーさの中にテキーラを感じられる飲み口の良いカクテルです。 

メキシカン・エル・ディアブロ
口に含んだ瞬間にカシスの甘酸っぱさが広がり、その後にテキーラの豊かな味わいとジンジャービアのピリッとしたスパイスが追いかけてくるのが特徴です。甘さとスパイシーさ、そして酸味が絶妙に絡み合うことで、一口ごとに異なる味の層を楽しむことができます。

テキーラベースロングカクテルのメキシカン・エル・ディアブロ
テキーラベースロングカクテルのメキシコーラ

メキシコーラ
テキーラのナチュラルな甘味とアガベ由来の風味に、コーラのキャラメルのような甘さと爽快な炭酸が調和しています。ライムジュースが加わることで、全体が引き締まり、フレッシュな酸味が後味をスッキリとまとめます。

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ショートスタイル編

テキーラベースショートカクテルのエクソシスト

エクソシスト
レモンの酸味が爽やかさを加え、ブルーキュラソーの甘味が全体を優しく包み込みます。見た目からは想像できない複雑な味わいが楽しめます。

コンチータ
飲み始めはグレープフルーツジュースの爽やかな酸味が口に広がり、その後にテキーラのスパイシーで力強い味わいが追いかけてきます。レモンジュースがさらに爽やかさとサッパリ感を生み、飲み心地を柔らかくしています。

テキーラベースショートカクテルのコンチータ
テキーラベースショートカクテルのサンライズ

サンライズ
テキーラの独特の風味を、フルーティーな甘味とバニラやハーブの複雑な味わいでありながら奥深い味わいも生み出しており、生クリームがそれらすべてを包み込み、まろやかにしている重みはあるが口当たりが良く飲みやすいカクテルです。

シクラメン
テキーラの独特な風味に少しの酸味、オレンジのフルーティーを同時に感じられ、最後にグレナデンシロップの甘味を感じるカクテルで、やや甘めで飲みやすいカクテルです。

テキーラベースショートカクテルのシクラメン
テキーラベースショートカクテルのテキーニ

テキーニ

テキーニの基本的な材料は、テキーラとドライベルモットです。オリーブやレモンピールがガーニッシュとして使われ、テキーラの独特の風味とドライベルモットのほのかな甘味と苦味が融合し、スムーズで力強い味わいが楽しめます。

テキーラカクテル

テキーラの独特な風味と香りを感じながら、ライムジュースの酸味とテキーラのガツンとくるアルコール感と微量の甘味と香りを感じながら楽しむカクテルです。

テキーラベースショートカクテルのテキーラカクテル
テキーラベースショートカクテルのブロードウェイサースト

ブロードウェイサースト
一口飲めば、テキーラのスパイシーな香りが広がり、オレンジとレモンの酸味が爽やかさを加えます。砂糖の甘味が全体をまとめ、すっきりとした後味が特徴です。

マルガリータ

アガベの風味がカクテル全体に深みを与え、トリプルセックの風味が甘さと全体のバランスを取り、ライムジュースが全体に爽やかでシャープな酸味を与えています。そしてグラスの縁の塩味が他の味を引き立て、さらに飲みやすくなっています。

テキーラベースショートカクテルのマルガリータ
テキーラベースショートカクテルのメキシカン

メキシカン
テキーラの香りが広がり、パイナップルジュースの甘酸っぱさが口の中に広がります。グレナデンシロップの甘味が全体をまとめ、華やかな味わいを生み出します。

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おすすめのカクテル本

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