レシピと作り方
キールブルトンの材料
Recipe no.395
- クレーム・ド・カシス・・・・・20ml
- シードル・・・・・・・・・・・Full
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技法 = ステア
※ Full = グラスの8割~9割まで満たす適量のこと
キールブルトンの作り方
グラスは、シャンパングラスのフルート型 を使いましょう。 他には サワーグラス が合います。
グラスとシードルは、あらかじめ冷やしておきましょう。
ゆっくりと軽くステアをすれば完成です。
( 炭酸が抜けないようにステアの回数は、ゆっくりと2~3周にします )
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キールブルトンの特徴
Photo|フランス・ブルゴーニュ
〚 由来・歴史 〛・・・今回紹介した「 キールブルトン 」は、ワインベースの中でも代表的存在であるキールから派生したバリエーション・カクテルの一つです。 名前に入っている「 ブルトン 」とはフランス・ブルゴーニュのことを指しており、ブルターニュ地方の言語で「 ブルターニュ風 」という意味だそうです。
ブルターニュ地方は、リンゴの栽培が盛んな地域であり、シードル( リンゴから作られた発泡酒 )が地元の伝統的な飲み物として知られています。この地域でシードルをベースにしたカクテルとして誕生したのが「キールブルトン」です。
元々、キールというカクテルは、ブルゴーニュ地方で白ワインにカシスリキュールを加えた「 キール 」として知られています。ブルゴーニュ地方のディジョン市長、フェリックス・キールが1940年代にこのカクテルを広めたことから「 キール 」という名前が付きました。ブルターニュ版のキールは白ワインの代わりに地元のシードルを使用するため、「 キールブルトン 」と呼ばれます。
〚 特 徴 〛・・・シードルとはリンゴや梨、ラズベリーなどを発酵させてつくる果実酒( スパークリングワイン )のことで、主にシードルとはリンゴ酒のことを言う事が多いです。
キールブルトンの最大の特徴は、フランスのブルターニュ地方ならではの「 シードル 」を使用することです。通常のキールでは白ワインを使いますが、キールブルトンではリンゴから作られた発泡酒であるシードルをベースにします。シードルはアルコール度数が低く、自然なリンゴの風味と爽やかな酸味が特徴です。
カシスリキュールの甘酸っぱさと、シードルのすっきりとしたフルーティな味わいが調和し、非常にバランスの取れたカクテルとなっています。また、シードルの発泡感が口の中で広がり、軽やかな飲み心地が楽しめます。
〚 味わい 〛・・・カクテル自体は、キールの代名詞でもある「 クレーム・ド・カシス 」をベースに、シードルで割ったレシピで、独特の甘酸っぱのクレーム・ド・カシスと、甘味と炭酸、フルーティーさが特徴のシードルが、重くない甘味をしっかりと感じられ、飲みやすさと爽やかさを演出している一品です。
「 キールブルトン 」の味わいは、シンプルでありながら非常に奥深いです。シードルのフレッシュなリンゴの風味とカシスリキュールの甘味が一体となり、フルーティで華やかな味わいを楽しむことができます。
シードルの発泡感が口の中で弾け、クレーム・ド・カシスの濃厚なベリーの甘酸っぱさがそれに続きます。カシスリキュールが全体にアクセントを加えながらも、シードルのフレッシュさや酸味を引き立て、バランスの取れた爽やかな後味を残します。
〚 魅 力 〛・・・キールブルトンの最大の魅力は、フランスの文化や風土が反映された、地元の素材を活かしたカクテルである点です。特に、シードルのフルーティな味わいとカシスリキュールの相性が非常に良いため、シンプルながらも上質で洗練された印象を与えます。
また、低アルコールで軽やかな飲み心地なので、食前酒としても非常に適しています。シードルのナチュラルな発泡感が、カクテルに一層の爽快さを加え、カジュアルなシーンでも、特別な場でも楽しめる万能なカクテルです。
さらに、キールブルトンは比較的簡単に作れるため、自宅で気軽に楽しむことができる点も魅力の一つです。特別な技術が必要なく、手軽にエレガントな一杯を提供できるので、パーティーや食事の席で提供するのにも適しています。
〚 キールブルトンのまとめ 〛
- フランス・ブルターニュ地方の伝統的なシードルを使用したカクテル
- クレーム・ド・カシスの甘酸っぱさとシードルのフレッシュな味わいが調和
- 軽やかな発泡感と爽やかな飲み心地が特徴
- 食前酒として最適で、特別なイベントや日常のどちらでも楽しめる
- 簡単に作れる上、見た目も華やかでエレガントなカクテル
キールブルトンは、その土地の素材を活かし、フルーティでさわやかな味わいを持つカクテルとして、多くのシーンで楽しまれています。
キールブルトンの材料
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キールの由来・バリエーション
キールの由来
「 キール 」というカクテルを考案したのは、フランス・ディジョン市の市長を務めた「 フェリックス・キール 」氏。
第二次世界大戦後、ディジョン市の特産品であるブルゴーニュ・ワインの売れ行きが上がりませんでした。 ディジョン市にとってブルゴーニュ・ワインの売れ行きはそのまま経済に大きく影響があり、これを何とかしようと生まれたのがカクテル・キールでした。キール氏は、ことあるイベントにこのカクテルを提供し認知度を高めたことが定着の始まりと言われています。
この戦略によって、ブルゴーニュ産のワインのみではなく、ブルゴーニュのもう一つの特産品であるクレーム・ド・カシスも普及していきます。遠い日本でクレーム・ド・カシスが普及したのもこのカクテル・キールのおかげとも言えます。両方の特産品を世界的に広めることに成功したキール氏の名を付け、「 キール 」というカクテルが誕生したのです。
Photo|フェリックス・キール( 1876年 ~ 1968年 )
キールのバリエーション
- キール・・・・・・・・・キールカクテルの本家本元のカクテル。白ワインとカシスリキュールを使用する。
- キールロワイヤル・・・・キールの白ワインをスパークリングワインに変えたレシピ。
- キールインペリアル・・・キール・ロワイヤルのカシスリキュールを、フランポワーズ( 木苺 )のリキュールに変えたカクテル。
- キールカーディナル・・・キールの白ワインを赤ワインに変更したカクテル。
- キールペーシェ・・・・・カシスリキュールをペシェ( 桃 )のリキュールに変更したカクテル。
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今回紹介したカクテルの材料
ー カシスリキュール Cassis liqueur ー
Photo|画像提供 SUNTORY
誕生・由来・・・1841年フランス・ブルゴーニュ地方のディジョン市にあるラグート社が発売したのが最初です。このラグート社は1836年に設立し、ブルゴーニュ地方に繁茂しているクロスグリ( カシス )の実に着目します。 そして5年間で開発し発売しました。
1858年には娘婿のルイ・ルジェと協力し、社名をルジェ・ラグート社に変え、販売に力を入れます。 その後もフランボワーズなど様々なリキュールを発売し、有名ブランドとして現在も販売しています。
製造・原料・・・カシスリキュールは、ワインと同じように醸造します。 カシスの実は収穫後すぐに傷み始めてしまうため、収穫してから24時間以内に製造に持ち込まれます。収穫後すぐにマイナス30度で保存され、中性スピリッツの中で5cmくらいの小ささまで砕かれ、今度はマイナス5度ほどで1カ月以上保存します。後は砂糖を加えて甘味、酸味、香りなどのバランスをとり、濾過して完了です。
味わい・香り・・・カシスベリーの自然な甘さが特徴であり、口に含むとフルーティーで甘い味わいが広がります。カシスベリーの酸味も感じられ、甘さとのバランスが取れています。
香りは、カシスベリーの強い香りが特徴であり、リキュールを注いだ時には鼻に抜けることがあります。カクテル以外にも、デザートの材料やソースなどに使われることもあり、幅広く活躍しているのも特徴のひとつです。
- カシスリキュールの歴史・製造・主なブランドは ⇒ コチラ
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ビルド & ステア
「 ビルド 」とは「 組み合わせる 」または「 注ぐ 」という意味があり、ステアのように完全に混ぜるのではなく、組み合わせる、もしくはグラスに直接注ぐという目的の際に使います。
「 グラスの中に直接材料を注ぐ 」= ビルド、「 バースプーンで混ぜる 」= ステアと覚えれば間違いはありません。
炭酸系の混ぜ方
炭酸系の材料を使う場合は、早く混ぜたり、回す回数が多いと、炭酸が溢れてこぼれてしまうだけでなく、炭酸ガス自体も抜けてしまうのでゆっくり回すように注意しましょう。
バースプーンやマドラーをグラスの内側に沿って底まで入れます。 グラスに当てたままゆっくりと1回転 ~1.5回転回し、先端のスプーンでゆっくりと氷を持ち上げてゆっくりと下ろします。
混ざりにくい材料の場合は、炭酸以外の材料を入れて一度ステアを行い、炭酸類を入れた後に再度軽くステアするようにします。
バースプーンの使い方
Step 1 = まず左手はグラスの底を押さえます( ドリンクを体温で温めないため )右手はバースプーンを持ちます。( 左利きの人は逆になります )
Step 2 = バースプーンを動画のように中指と薬指の間に挟みます。
Step 3 = 親指と人差し指もバースプーンを挟んで持ちますが、この2本の役割は、落とさないようにするためだけのものなので軽く持ちましょう。
Step 4 = バースプーンの背中をグラスの内側の縁に沿って底へ持っていきます。
Step 5 = 自分の体より向こう側へ回す際は薬指で左回りに押すように持っていき、自分の体側に戻す際は右周りに中指で引き戻すようにバースプーンを移動させます。 この時にバースプーンの背中は常にグラスの外側へ向いています。
この動作の繰り返しになります。 最初は難しいと思うので、大きめのグラスに氷のみで練習すると良いでしょう。 慣れると便利なので、ぜひマスターしてください。
- バースプーンの詳しい使い方は ⇒ コチラ
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カクテルのTPO用語
オールデイカクテル All day cocktail
カクテルには様々なシチュエーション向けに考案されたものがあります。
主に食欲を増進させるための食前酒や、デザートのようなテイストの食後向けカクテルであったり、眠る前に飲むカクテル、飲み過ぎた後の迎え酒などと様々です。
そういったシチュエーションなどに無関係であったり、特にこだわりなく考案されたもので、向き不向きが無いカクテルというのがこの「 オール・デイ・カクテル 」です。
プレディナー Pre dinner cocktail
プレディナーカクテルとは食事前に飲むお酒のことです。
胃を刺激して消化液の分泌を促進することで、消化器官の負担を軽くする働きがあり、食欲増進の効果があります。
プレディナーの習慣が誕生したのは、18世紀後半から19世紀にかけての間にフランス、イタリアの貴族間から始まったそうです。
プレディナーの特徴はアルコール度数が低いこと、スッキリとした口当たりに爽やかさや爽快感があるものが多いです。 テイストは爽やかな甘味、少しの苦味や酸味が特徴的です。
お酒の種類はスパークリングワインやビールなどの炭酸類が多く見られ、リキュールではアペロールやカンパリといった少し苦味があり、ハーブなどの香りがするリキュールが使われることが多いようです。 カクテルも香り、苦味、爽やかさを使ったものが多く、種類も豊富にあります。
- カクテルを飲むタイミングの名称紹介は ⇒ コチラ
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キールブルトンにおすすめのグラス
シャンパングラス Champagne glass
シャンパングラスは口が広く底が浅めで脚付きの「 クープ型 」と、口が小さく縦に丸長になっている「 フルート型 」があります。
クープ型は1663年にシャンパンやスパークリングワインを飲むためにイングランドで作られました。18世紀頃からフランスで使われ始め、1930年代頃からアメリカで使用されるようになりました。
当時シャンパンは、甘めのデザート的なものが多く、パンやケーキなどを付けたりしていました。 そのためこのクープ型は口が広く作られています。 容量は120ml ~ 240mlが一般的。
フルート型は1700年代初頭に、シャンパン自体が甘めのものから、辛口や料理に合うものに変化していきました。そして最初は陶器や金属の素材で作られていましたが、ワイングラスをガラスの素材に代える際に一緒に作られました。
始めはまっすぐな円錐形でしたが、炭酸を逃しにくくするために、下から中央まで膨らみ、中央から上部にかけて狭くなっている形になりました。 ヨーロッパではビールを飲むのにも使われたそうです。容量は180ml ~ 300mlが一般的。
サワーグラス Sour glass
サワースタイルのカクテルを飲む際に使われるグラス。
脚付きのものが基本的なものですが、現代の日本では、レモンサワーなどを飲むことに使われていて、形は平底のものが多くなっています。
種類は豊富で、ゴブレットやシャンパングラスのフルート型によく似ていて、多種多様に使える利便性があります。
形は記載した通りゴブレットを長細くしたような形状で、シャンパングラスのフルートよりは太めです。 ゴブレットとシャンパングラスのフルート型の中間ともいえるグラスです。
しかし液体が入る部分であるボウルは小さめで、容量も120ml程が通常のサイズです。 氷を入れずシェーカーなどで冷やしたカクテルを入れるには最適なグラスです。
- グラス紹介ページは ⇒ コチラ
キールブルトンで使う道具
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