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ホワイトキュラソーは無色透明のリキュールです。その名のとおり、ルーツはカリブ海に浮かぶ陽光の島、キュラソー島の香り高いビターオレンジにあります。オレンジの果皮を漬け込んで蒸留した、爽やかでやさしい甘さのリキュールは「トリプルセック」とも呼ばれ、マルガリータやサイドカー、ホワイトレディといった名作カクテルに欠かせません。この記事では、ホワイトキュラソーの歴史や製法、使い方に加えて、コアントローやボルスなど、ご家庭のバーにおすすめの6つのブランドをご紹介します。
〚 ホワイトキュラソーおすすめ銘柄 6選 〛
ホワイトキュラソーとは ?
ホワイトキュラソーの製法と産地

ホワイトキュラソーは、オレンジの果皮で香りづけした無色透明のリキュールです。「トリプルセック」とも呼ばれます。
ルーツは、ベネズエラの北に浮かぶカリブ海のキュラソー島にあります。スペイン人が持ち込んだオレンジは、乾燥した気候の中で苦みの強い実へと変化しました。果実は食べにくいものの、果皮はとても香り高いものでした。
現在は、スイートオレンジとビターオレンジの果皮を中性スピリッツに漬け込んで蒸留し、糖分を加えて造られます。着色をしないため透明に仕上がり、爽やかな柑橘の香りと明るい甘みが魅力です。アルコール度数は、24〜40%ほどが一般的です。
ホワイトキュラソーの歴史と誕生

キュラソー島は1499年にスペイン人が到達し、1634年にオランダの統治下に入りました。ヨーロッパとアメリカ大陸を結ぶ貿易の拠点として栄え、オランダの商人たちが、この島の香り高いビターオレンジの果皮を本国へ持ち帰りました。
17世紀頃から、オランダの蒸留所がこの果皮を使ってオレンジリキュールを造るようになります。19世紀のフランスでは、よりすっきりとした透明なタイプが「トリプルセック」として生まれました。中でも、1849年にアンジェで創業したコアントローは、世界を代表する銘柄として知られています。
ホワイトキュラソーの飲み方・使い方

ホワイトキュラソーは主役になることは少ないものの、数えきれないほどの名作カクテルに使われています。マルガリータ、サイドカー、ホワイトレディー、XYZ、バラライカなどに、オレンジの香りとやさしい甘みを加えます。強いスピリッツや柑橘の酸味をまとめてくれる名脇役です。
オン・ザ・ロックで、そのまま楽しむのもおすすめです。上質なものは、冷やすとオレンジのオイルで淡く白く濁ります。クレープ・シュゼットやケーキなどのお菓子作りにも使え、ご家庭に一本あると重宝するリキュールです。
ホワイトキュラソーのおすすめ銘柄 6選
香りで選ぶ、ストレートやロックでも楽しめる本格派 3選
本格派 3選 比較表

| 項 目 | コアントロー | トリプルモルタル | ジファール |
|---|---|---|---|
| 香 り | スイートとビターのオレンジピールの、華やかでフレッシュな香り | スイートとビターのオレンジピールの、力強い香り | 甘いオレンジとビターオレンジに、グレープフルーツやレモンが重なる香り |
| 味わい | なめらかな甘さと、すっきりした後味 | 甘さの中に軽いほろ苦さがあり、後味はドライ | 軽い甘さと、柑橘の皮のほろ苦さ |
| 特 徴 | 1849年創業。世界中のバーにある定番で、冷やすと白く濁る | メキシコ産。マルガリータのために造られ、3回蒸留している | 1885年創業の家族経営メーカー。素材の自然な風味を大切にしている |
| 詳 細 | コアントロー | トリプルモルタル | ジファール |
コアントロー Cointreau

原産国|フランス
味わい・香り・特徴
コアントローは、ボトルを開けた瞬間に、オレンジの果皮そのもののような華やかでフレッシュな香りが広がります。
口に含むと、なめらかでまろやかな甘さが広がり、ビターオレンジのほろ苦さが全体を引き締め、すっきりと消えていきます。アルコール度数は40%としっかりしていますが、驚くほど軽やかに感じられます。
氷で冷やすとオレンジのオイルが反応し、淡く白く濁るのも魅力のひとつです。カクテルに使うと香りと甘さが全体をまとめてくれるので、ひとつ持っておくと安心できる一本です。
誕生・歴史

コアントローの物語は、1849年のフランス西部、ロワール地方の街アンジェで始まりました。菓子職人だったアドルフとエドゥアール=ジャンのコアントロー兄弟が、地元の果実を使ったリキュール造りを始めたのがきっかけです。
その後、エドゥアール=ジャンの息子エドゥアールがオレンジに着目し、長年の研究を重ねました。そして1875年、甘いオレンジとビターオレンジの果皮を組み合わせた、澄んだ香り高いリキュールが誕生します。
この一本は、今では世界中のバーで愛され、150年近く変わらない味わいを守り続けています。
製法・他のお酒との違い
コアントローは、天日で乾燥させたビターオレンジの果皮と、スイートオレンジの果皮を中性アルコールに漬け込み、銅製の蒸留器でじっくり蒸留して造られます。最後にてんさい糖を加え、40%に仕上げます。
同じオレンジリキュールでも、グラン・マルニエのようなオレンジキュラソーは、コニャックをベースにした琥珀色のリキュールです。コアントローは無色透明で、オレンジの香りがまっすぐ伝わるのが大きな違いです。
そのため、ほかの材料の色や風味を邪魔せず、どんなカクテルにも合わせやすい一本になっています。
世界のバーの「基準」となる一本
トリプルモルタル Triple Mortal
マルガリータのために生まれた一本

原産国|スペイン
味わい・香り・特徴
トリプルモルタルは、マルガリータのために造られたホワイトキュラソーです。
グラスに注ぐと、甘いオレンジとビターオレンジの果皮の香りが、力強くも上品に立ち上がります。アルコール特有のツンとした香りが抑えられているので、香りがとてもやわらかいのも魅力です。
味わいは、オレンジの甘さに軽いほろ苦さが重なり、後味はすっきりドライに仕上がります。マルガリータはもちろん、ホワイトレディやバラライカに使うと、いつものカクテルがひと味まろやかになります。
誕生・歴史

トリプルモルタルは、「マルガリータに合う本格的なリキュールが欲しい」というお客様の声から生まれました。
名前の由来は、メキシコ・アカプルコの断崖「ラ・ケブラーダ」です。ここでは、クリフダイバーたちが崖の上から海へ飛び込む姿が、世界的に知られています。恐れずに挑み、冒険を楽しむ。その自由で大胆な精神が、ボトルに込められています。
スペインで造られながら、マルガリータの故郷メキシコへの深いリスペクトから生まれた、物語のある一本です。
製法・他のお酒との違い
トリプルモルタルは、スペイン産のセビリアオレンジを使い、甘いオレンジとビターオレンジの果皮を組み合わせて造られます。オレンジピールを蒸留した後に3回ろ過するため、名前にも製法にも「トリプル」が込められています。
琥珀色のオレンジキュラソーとは違い、無色透明で、テキーラやウォッカのクリアな味わいを邪魔しません。アルコール度数は38%です。
アルコールの角が抑えられているので、ほかの材料と自然になじみ、カクテル全体をなめらかにまとめてくれます。
ジファール Giffard

原産国|フランス
味わい・香り・特徴
ジファールのホワイトキュラソーは、甘いオレンジとビターオレンジの香りに、グレープフルーツやレモンのような爽やかさが重なる、奥行きのある一本です。
味わいは軽やかな甘さで、柑橘の皮らしいほろ苦さが続きます。後味には、オレンジの花のような華やかな余韻が残ります。
素材の自然な風味を大切にしているため、香りがとてもいきいきとしています。サイドカーやマルガリータに使うと、果実そのもののような香りがカクテル全体を明るく引き立ててくれます。
誕生・歴史

ジファールの歴史は、1885年のフランス西部、ロワール地方の街アンジェで始まりました。薬剤師のエミール・ジファールは、植物の持つ力に関心を寄せ、なかでも香り高いミント「ミッチャム」に注目していました。
記録的な猛暑となったその夏、薬局の向かいのホテルから「お客様を涼ませる飲み物はないか」と相談を受けます。そこで生まれたのが、爽やかなミントリキュールでした。
これがたちまち評判となり、エミールは蒸留所を設立します。現在も家族経営を守る、リキュールとシロップの名門です。
製法・他のお酒との違い
ジファールは素材選びを何より大切にし、原料はできるだけ地元から仕入れ、足りないものは名産地から取り寄せています。果実はそれぞれに合った時間をかけてアルコールに漬け込み、香りをじっくり引き出します。その期間は、最低48時間から、長いものでは3カ月にもなります。
キュラソー・トリプルセックは、甘いオレンジとビターオレンジの蒸留液をブレンドして造られます。アルコール度数は40%です。
琥珀色のオレンジキュラソーとは違い無色透明なので、カクテルの色を変えずに、果実の香りだけを上品に添えてくれます。
香りの職人が造る、ナチュラルな本格派
ホワイトキュラソーのおすすめ銘柄 6選
毎日のカクテルに気軽に使える定番 3選
定番 3選 比較表

| 項 目 | デカイパー | マリー・ブリザール | ボルス |
|---|---|---|---|
| 香 り | 甘く親しみやすいオレンジの香り | ビターオレンジらしい、すっきりとした香り | レモンとオレンジの、フレッシュで清潔感のある香り |
| 味わい | やさしい甘さで、軽く飲みやすい | 甘さの中に、ビターオレンジのほろ苦さと花の香り | オレンジピールの甘みと、ほろ苦さのあるドライな後味 |
| 特 徴 | 1695年創業のオランダの老舗。度数が低めで、手ごろな価格 | 1755年創業のフランスの老舗。ハイチ産ビターオレンジとスペイン産スイートオレンジを使用 | 1575年創業。世界最古級のリキュールブランドで、キュラソー島のオレンジの果皮を使用 |
| 詳 細 | デカイパー | マリー・ブリザール | ボルス |
デカイパー De kuyper

原産国|オランダ
味わい・香り・特徴
デカイパーのキュラソー・トリプルセックは、甘く親しみやすいオレンジの香りが魅力の一本です。
口当たりはやさしく、アルコール度数が控えめなので、オレンジの甘さと爽やかさを軽やかに楽しめます。お酒にあまり慣れていない方でも、カクテルに自然になじみます。
手ごろな価格で手に入りやすく、マルガリータやバラライカ、カシス系のカクテルなど、毎日のカクテル作りに気兼ねなく使えます。おうちカクテルをこれから始めたい方に、心からおすすめしたい定番です。
誕生・歴史

デカイパーの歴史は、1695年のオランダで始まりました。創業者ペトルス・デ・カイパーは、もともとお酒やビールを入れる樽を造る職人でした。
1752年には、ジンの産地として知られる街スキーダムで蒸留所を持つようになり、19世紀にはヨーロッパやイギリス、カナダへと輸出を広げます。1911年に新しい蒸留所を建ててからは、リキュール造りにも力を注ぎました。
そして1995年、創業300周年を迎えると、オランダ王室から「ロイヤル」の称号を授かります。300年以上続く、オランダを代表するリキュールメーカーです。
製法・他のお酒との違い
デカイパーは自社の蒸留所を持ち、伝統の技術と最新の設備を組み合わせ、素材のおいしさを生かしたリキュール造りを続けています。
キュラソー・トリプルセックは無色透明で、日本で流通しているものはアルコール度数が24%ほどです。40%前後のコアントローなどと比べるとぐっと軽やかで、甘さがやさしく感じられるのが大きな違いです。
琥珀色のオレンジキュラソーとも違い、カクテルの色を変えません。そのため、どんなカクテルにも気軽に使えて、失敗しにくい一本です。
はじめての一本なら、まずコレ
マリー・ブリザール Marie Brizard
ボルドーの老舗が贈る、キレのある一本

原産国|フランス
味わい・香り・特徴
マリー・ブリザールのトリプルセックは、ビターオレンジらしい、すっきりとした香りが魅力のホワイトキュラソーです。
口に含むと、やさしい甘さの中にビターオレンジのほろ苦さと、ほのかな花の香りが広がります。甘さは控えめで、キレのあるドライな後味に仕上がっています。
アルコール度数は39%と本格的で、マルガリータやサイドカーの味わいをきりっと引き締めてくれます。ストレートやロックでも楽しめるので、カクテルにもそのままにも使える、頼もしい一本です。
誕生・歴史

マリー・ブリザールは、1755年にフランス南西部の港町ボルドーで誕生しました。創業者は、マリー・ブリザールと甥のジャン=バティスト・ロジェです。
ブランドには、心温まる言い伝えがあります。マリーが病気の船乗りを看病したところ、そのお礼として、アニスを使ったリキュールのレシピを教わったというお話です。こうして生まれたアニゼットは、今もブランドの代表作です。
港町ボルドーには、世界中から果実やスパイスが届きました。その恵みを生かし、250年以上にわたってリキュールを造り続けている老舗です。
製法・他のお酒との違い
マリー・ブリザールのトリプルセックは、ハイチ産のビターオレンジの果皮と、スペイン南部産のスイートオレンジの皮に、香り高い植物を合わせて丁寧に蒸留して造られます。
2つの産地のオレンジを組み合わせているため、爽やかさとほろ苦さのバランスがとてもよいのが特徴です。
琥珀色のオレンジキュラソーとは違い、無色透明なので、カクテルの色を変えずにオレンジの香りだけを添えられます。度数39%のしっかりとした骨格は、甘いだけのリキュールとはひと味違う、大人のキレを生み出します。
ボルス Bols

原産国|オランダ
味わい・香り・特徴
ボルスのトリプルセックは、レモンとオレンジのフレッシュで清潔感のある香りが魅力の一本です。
口に含むと、砂糖漬けのオレンジピールのような甘さが広がります。その後に、ほろ苦いオレンジオイルの風味が続き、後味は比較的ドライにまとまります。余韻には、マーマレードのような心地よい香りが残ります。
アルコール度数は38%で、香りも味わいもしっかりしています。それでいてクセが少ないため、マルガリータやホワイトレディなど、どんなカクテルにも安心して使える定番の一本です。
誕生・歴史

ボルスの歴史は、1575年のオランダ・アムステルダムで始まりました。世界最古級の蒸留酒ブランドとして知られています。
一族の中でもルーカス・ボルスは、ブランドを大きく発展させた人物です。当時のオランダは世界有数の貿易大国で、ルーカスはオランダ東インド会社の株主でもありました。そのおかげで、世界中から届く貴重なスパイスや果実、ハーブを手に入れ、さまざまなリキュールを生み出していきました。
キュラソー島のオレンジを使ったリキュールも、ボルスの最も古いレシピのひとつです。
製法・他のお酒との違い
ボルスのトリプルセックは、キュラソー島のオレンジの果皮を蒸留した原酒に、ほかの柑橘の蒸留液をブレンドして造られます。複数の柑橘を合わせることで、オレンジだけでは出せない、レモンのような爽やかさが加わっています。
琥珀色のオレンジキュラソーとは違い、無色透明なので、カクテルの色を変えずに柑橘の香りだけを添えられます。
ボルスは「自然の風味を損なわずに、最高の味わいを引き出す」という考えを大切にしています。その思いが、すっきりとしたバランスのよい味わいにつながっています。
450年の歴史が生んだ、安心の定番
美味しい飲み方とアレンジ
ロック・ストレート

ボトルを冷凍庫で冷やし、小さなグラスでストレートで味わうのがおすすめです。冷たさが甘さを引き締め、オレンジの香りが際立ちます。ロックにすると、オレンジのオイルが冷えて淡く白く濁ります。
アレンジ | オレンジピールをグラスの上で搾りかけましょう。
注意点 | 度数は38〜40%が多いので、ゆっくり楽しんでください。
炭酸割り

- ソーダ ・・・ライムを搾ると、すっきり爽快な一杯になります。
- トニックウォーター ・・・キニーネの苦みが甘さと美しく調和します。
- ジンジャーエール ・・・ほのかなスパイスが、オレンジに温かみを添えます。
比率 | リキュール1:炭酸3が目安です。
注意点 | 炭酸はバースプーンに伝わせて静かに注ぎ、泡を守りましょう。
カクテルで本格的に
マルガリータ、サイドカー、コスモポリタン、ホワイトレディの要となるのがホワイトキュラソーです。お酒と柑橘をひとつにまとめてくれます。
私なら、サワー系には必ず度数40%の銘柄を選びます。甘くなりすぎず、味に厚みが出るからです。
注意点 | 度数の低い銘柄に替えるときは、甘く感じやすいので少し量を減らしましょう。
料理・デザート

クレープ・シュゼットの定番の香りです。いちごやチョコレートのガナッシュ、鴨料理のオレンジソースにも、少し加えるだけで華やかさが出ます。
注意点 | フランベするときは必ず火から鍋を下ろして加え、火の近くでボトルから直接注がないでください。加熱しても、アルコールは完全には飛びません。
ホワイトキュラソーのよくある質問 5選

バーテンダー経験者が描く小説『 Bar 灯影 ~まだ名前のない約束たち~ 』

東京の雑居ビルの地下にある、隠れ家バー「Bar 灯影」。寡黙なマスターと、仕事帰りに通う23歳の彩香のもとに、毎晩いろいろな事情を抱えた客がやってきます。
マスターは多くを聞かず、その夜の一杯だけを差し出します。カクテルの所作や味わいは、バーで働いていた筆者が、現場の記憶をもとに描いています。
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