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エクスポート・カシスの「エクスポート」は、そのまま「輸出」を意味します。ここに、なんとも不思議な事実があります。貿易や出荷にまつわる名前を持つこのカクテルが、なぜそう呼ばれるようになったのか、誰も確かなことを言えないのです。二つの説が存在しますが、どちらも確証は得られていません。
どちらが正しいにせよ、この名前はうまく機能しています。フランス産のカシスリキュールに、ハーブ感のあるドライベルモットを重ね、ソーダの泡が全体をキリッと爽やかに保ちます。見た目の軽やかさの奥には、確かな深みが潜んでいます。
今夜、誰も答えを出そうとしてこなかった、そんな名前の一杯を試してみてください。
レシピと作り方
材 料

Recipe no.031
- ドライベルモット・・・・・・・・45ml
- カシスリキュール・・・・・・・・20ml
- ソーダ・・・・・・・・・・・・・Full
※ Full = グラスの8割~9割まで満たす適量のこと
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作り方

グラスにドライベルモット、カシスリキュール を入れステアした後に氷を入れます。
泡立たないように静かにソーダを満たし、ゆっくりと軽くステアをします。
炭酸類を混ぜる場合は、ゆっくりと1~2回転ステアし、氷を上げ下げすれば混ざります。
- 技法 = ステア
- グラス = コリンズグラス / タンブラー
- スタイル = ハイボール
- アルコール度数 = 5% ~ 6% 前後
- 最適なTPO = 日中 / 食前
- カクテル言葉 = 「 あなたのためなら危険も怖くない 」
- カクテル誕生日 = 「 不明 」
エクスポートカシスの詳細と動画
由 来

エクスポートカシスの「エクスポート」とは、言葉通り「海外へ輸出する」の意味です。実に不思議なのは、貿易や輸送を連想させる名前がなぜカクテルについているのか、誰も確実には説明できない点。有力な説が2つありますが、どちらも確証はありません。ひとつはフランスの血統を示す説。
フランス産ブラックカラント・リキュールのクレーム・ド・カシスをベースにしており、名前は「フランス産であること」を宣伝するために選ばれた、つまり「輸出品そのもの」という意味だったのかもしれません。もうひとつは1979年のカクテルコンペティション由来説で、海外輸出向けを募集した大会でこの一杯が優勝したという話です。私はどちらが正しいかはそれほど重要ではないと思っています。どちらの説でも名前は成立するからです。フランス産カシスを使い、世界を見据えて作られた一杯という二重の意味です。
特徴と味わい

エクスポートカシスは、フルーティーなカシスリキュールをハーブ感あるドライベルモットに重ね、ソーダで仕上げた軽やかで飲みやすいカクテルです。魅力はそのバランスにあります。ベルモットの複雑なハーブの個性とカシスの豊かで甘い香りがほぼ完璧に調和します。最初に感じるのはカシスの明るくフルーティーな香り、続いてベルモット由来の穏やかな苦味とスパイス感が続き、ソーダの炭酸が全体を爽快でクリーンにまとめます。
一日中飲めるような軽やかさがありながら、その奥には意外な深みが潜んでいます。見た目より味わい深いという点で、私はこれを過小評価されがちな食前酒の一つだと思っています。ベストな仕上がりには、氷をたっぷり入れたグラスで作ること。加水が進むことで、ハーブとフルーツの風味が溶け合わずくっきり際立つのです。暑い日には特に爽快で、食前酒としても素晴らしい一杯です。
ポイント・アレンジ・相性の良い食べ物

- 相性の良い食べ物 — ソフトチーズやベリータルトと合わせると、フルーティーでハーバルなバランスがより引き立ちます。
- 作り方のポイント — ベルモットとカシスは先によく混ぜてから氷を加えると、味わいが均一に馴染みます。
- アレンジ — 生のブラックベリーやレモンピールを添えると、香りが引き立ち後味も一段と爽やかになります。
- 飲み方の注意 — 氷をたっぷり入れたグラスで。冷たいうちが一番美味しく、ぬるくなると爽快感が失われます。
レシピ動画
- 動画|@bar.channel2841 Channel Home
材料リスト
他ブランドに比べてハーブ香が強く、甘味と酸味は中レベルに製造されていて、全体的にバランスが良くカクテルに使うには最適なドライベルモットです。
ブルゴーニュ産のカシス中でも厳選された良質なものを選び、保存料・添加物を一切加えず、カシス本来のフルーティーな香りと味わいを引き出した一品です。
バーテンダー経験者が描く小説『 Bar 灯影 ~まだ名前のない約束たち~ 』

東京の雑居ビルの地下にある、隠れ家バー「Bar 灯影」。寡黙なマスターと、仕事帰りに通う23歳の彩香のもとに、毎晩いろいろな事情を抱えた客がやってきます。
マスターは多くを聞かず、その夜の一杯だけを差し出します。カクテルの所作や味わいは、バーで働いていた筆者が、現場の記憶をもとに描いています。
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