テキーラ アネホとは
テキーラアネホは、スペイン語で「熟成」という意味を持ち、テキーラの種類の一つです。
通常、テキーラアネホは、最低1年間から3年間、樽で熟成された後に製造されます。この熟成期間によって、テキーラがよりなめらかで複雑な風味を持つようになります。
テキーラアネホは、通常の「ブランコ」(白)テキーラや「レポサド」(熟成)テキーラよりも濃厚で豊かな風味を持ち、バニラやオーク、スパイス、ドライフルーツなどのニュアンスが感じられます。また、茶褐色の色合いを持ち、熟成によって得られるオーク樽の影響も感じられます。
テキーラアネホは、通常、ストレートで飲むか、またはオンザロックで楽しむのが一般的です。熟成によって生まれるなめらかな口当たりと複雑な風味を存分に楽しむことができます。
テキーラ アネホの比較表
項目 / 銘柄 | ドン フリオ | エルチャッロ | パトロン | ポルフィディオ |
熟成年数 | 18ヶ月 | 2 年 | 1年以上 | 2 年 |
アルコール | 38 % | 40 % | 40 % | 39 % |
香 り | バニラ、キャラメル、オレンジ | バニラ、キャラメル、チョコレート | バニラ、アガベ、蜂蜜 | バニラ、シナモン、レーズン |
味わい | まろやかで甘味 | 複雑で滑らか | 芳醇でスムース | 濃厚でスパイシー |
特 徴 | 定番のアネホ | 高い評価 | 高級感のある味わい | 長期熟成 |
おすすめ | ストレート、ロック | ストレート、ロック | ストレート、ロック | ストレート、ロック |
価格帯 | 12,000円台 | 4,000円台 | 9,000円台 | 18,000円台 |
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ドン・フリオ・アネホ Don julio
ドンフリオの歴史
創業者は「 フリオ・ゴンザレス 」という若干17歳の少年が、1942年創業しました。
当時テキーラは1本5ドルほどの安い酒で、悪酔いするものばかりでした。そのことをフリオ氏は問題点と認識し、テキーラの製造を根本的に見直します。
フリオ氏はテキーラに関しての知識を身に付け、アガヴェの栽培から見直します。 アガヴェを植えてある間隔を広く取り、栽培するアガヴェの数を減らします。 そうすることでアガヴェ一つ一つの吸収する養分を増やし、大型で質の高いものが収穫できるようになりました。 当時高度成長期だったため、質より量の生産が主流でしが、その中でフリオ氏は量よりも質にこだわったのです。
そして1951年にフリオ氏の最初のテキーラブランド「トレス・マゲイヤス」が誕生しました。
その後1980年代、フリオ氏は病気で倒れてしまいます。 しかし見事に復活し、その快気祝いパーティーを行った際に、フリオ氏は特別なテキーラを皆に振舞いました。それまでのテキーラとは別格の風味や香りを持ち、丁寧に作り上げているのがすぐにわかるテキーラで、フリオ氏のこだわりが詰まったテキーラでした。
ここから、安価のテキーライメージを覆し、「 プレミアム 」なテキーラの思考が誕生したのです。
ドンフリオは世界的にも大人気であり、バー約100店で一番売れたテキーラブランドとして評価されています。日本でも知名度は低いですが、その品質と味わいはテキーラ愛好家にとって特別な存在です。
ドンフリオのこだわり
ドンフリオは、
「 100%ブルーアガヴェを使用 」
「 厳選されたアガヴェのみを使用 」
「 伝統的な製法と最新技術を組み合わせる 」
「 長期熟成 」
という4点にこだわり、大量生産が主だった時代に、こだわり抜いたプレミアムテキーラを誕生させました。
アガヴェの生育年数にこだわっており、10年以上の歳月をかけて育てられた最高級アガヴェを使用しており、収穫後は苦味成分をすべて捨てています。伝統的なマンポステラと呼ばれるレンガ窯で加熱され、通常のアウトクラベよりも時間をかけて加熱されます。アメリカンホワイトオーク樽で8ヶ月熟成されていて、この熟成により、バニラ感がしっかりと出ており、滑らかでリッチなフィニッシュが特徴です。
また、ドン フリオは背の低いボトルを採用しており、これは「 テーブルに置いたときに皆の顔が見えるように 」と、従来の縦長のボトルではなく、背の低いボトルを採用するという、フリオ氏のこだわりがボトルデザインにも表れています。
ドンフリオ アネホの特徴
味わい・・・バニラやオーク、スパイスなどの複雑な風味があります。熟成によってテキーラに芳醇な甘味と深みが加わり、口の中で豊かな味わいが広がります。テキーラの濃厚な味わいとともに、ドンフリオアネホは非常に滑らかな口当たりを持ちます。熟成によってテキーラがまろやかになり、飲みやすくなっています。
香り・・・ドンフリオアネホは、オーク樽での熟成によって、バニラ、キャラメル、トーストされたオークなどの豊かな香りを持ちます。また、スパイスや甘いフルーツのニュアンスも感じられます。
特徴・・・テキーラブランドの中でも特に有名な銘柄。「 ドンフリオ 」メキシコ、ハリスコ州ロス・アルトス地区にあるドンフリオ蒸留所が生産を行っているテキーラです。 このロス・アルトス地区は、アガヴェ栽培の風味・甘味を重点的に育てるには最適の気候と土壌を持つ地域で有名です。ドンフリオは、この良質なアガヴェの栽培から樽熟成まで全て手作業で行うという徹底的な品質管理を行っています。
その徹底的な品質管理を行うことで、クリーンで雑味が少なく、味わいがしっかりし、独特のやわらかさと滑らかさを持ち、更にバーボン樽で1年半以上の熟成から、チョコレートやオレンジ、ナシの風味を持った高品質なテキーラが出来上がります。
パトロン・アネホ Patron
パトロンの歴史
パトロンの創業・・・1989年にジョン・ポール・デジョリアとマーティン・クロウリーによって設立された比較的新しいテキーラブランドです。
ジョン・ポール・デジョリアは、ホームレスから世界的な億万長者に変身した感動ヒストリーで有名な人物です。
また博愛主義者、動物保護活動家としても知られています。
パトロンを設立する以前、デジョリアはヘアケア製品会社で大成功を収めていました。一方、クロウリーはテキーラ業界で豊富な経験を持つ人物でした。
二人は、最高品質のテキーラを世界に紹介するという共通の目標を持ち、パトロンを設立しました。
こだわり・・・とにかく最高品質のテキーラを作ることに強いこだわりを持っています。使用するアガヴェは、100%ブルーアガヴェのみ。そして、伝統的な製法と最新技術を組み合わせることで、他にはない滑らかで芳醇な味わいのテキーラを生み出しています。
成功・現在・・・パトロンは、発売後すぐに世界中で人気を博し、現在ではプレミアムテキーラ市場を牽引するブランドの一つとなっています。
名前の由来
テキーラ「 パトロン 」の名前の由来は、スペイン語で守護聖人を意味する「 パトロン 」という言葉です。
創業者であるジョン・ポール・デジョリアは、テキーラを造る過程で、多くの人々に助けられたと感じ、その感謝の気持ちを込めて、守護聖人という意味の「 パトロン 」という名前を付けたそうです。
また、パトロンという名前には、テキーラを飲む人々に幸運をもたらすという意味も込められています。
パトロンアネホの特徴
味わい・・・パトロンアネホは、バニラ、カラメル、ドライフルーツなどの複雑な風味が特徴です。熟成によってオーク樽から抽出される木の風味も感じられます。テキーラが熟成することで、アルコールの刺激が抑えられ、なめらかでクリーミーな口当たりが得られます。
香り・・・パトロンアネホは、バニラ、カラメル、トーストされたオークなどの香りが感じられます。また、スパイスや甘いフルーツのニュアンスも感じられます。
特徴・・・ビンのラベルに記載されている通り、蜂蜜のようなトロリとした濃厚な味わいと甘味が特徴です。アメリカンオーク樽とフレンチオーク樽で1年以上熟成させた原酒をヴィンテージごとにブレンド比率を調整することによって作られるという特徴的な製法を採用しています。
プレミアム・テキーラの中で、ドンフリオと並ぶ2大巨頭として存在しています。
エルチャッロ El Charro
ー エルチャッロの特徴 ー
メキシコの名門テキーラメーカー「テキレラ・デ・アランダス社」によって製造されています。
ブルーアガヴェ100%を使用しており、単式蒸留器で3回蒸留した後、フレンチオーク樽で2年熟成されています。琥珀の宝石のような輝きと透明感があり、まろやかな甘味と柔らかな樽からの香りが広がります。
テキーラアネホは、他のスピリッツと比べると高値で売られている中、このエルチャッロは、比較的に安価で購入できるアネホです。しかし少量生産のこだわった製造・製法なため、ネット含め手に入りにくい一品です。 アネホをお考えの方は、売り切れる前にお試しください。
ポルフィディオ・アネホ Porfidio
ポルフィディオの歴史
ポルフィディオは、1990年代初頭に、ビジネスマンであるオーストラリア出身のマーティン・グラスが設立しました。グラスは、メキシコ旅行の際にテキーラと出会い、その魅力に魅了され、独自のテキーラを造ることを決意しました。
伝統的なテキーラ製法にとらわれず、独自の製法を開発しました。彼らは、熟成させることなくアガヴェを蒸留し、非常にクリアでピュアなテキーラを生産しました。また、特定のアガヴェの種類や地域にこだわることなく、異なる種類のアガベを使用することでも知られています。
ポルフィディオの特徴
味わい・・・トロリとした口当たりに、他のアネホよりも長い7年という熟成期間からくる香りとコク、更に蒸留回数も3回と他のテキーラよりも多く行っているため、雑味も少ないです。
香り・・・熟成されたポルフィディオのテキーラは、オーク樽からの香りが感じられます。バニラやトーストしたオークのニュアンスが広がり、豊かな香りをもたらします。
特徴・・・メキシコ・ハリスコ州・ラフ・フンタス地区生まれのテキーラで、特徴はボトルのサボテン。 実はラベルに描かれているのではなく、ガラス細工のサボテンが瓶の底から生えているように作られています。
アメリカの俳優 ロバート・デ・ニーロや、世界的富豪のビル・ゲイツが愛飲していることでも有名で、各コンクールで金賞を何度も獲得している逸品です。
育成に12年間もの時間を費やしたアガヴェを100%使用した「 プレミアム・テキーラ 」です。
蒸留を多く行っていますが、アルコール度数は25%ほどと低めなのも特徴で、飲みやすさはぴか一のテキーラ・アネホです。
ポルフィディオは「 テキーラ 」ではない
おすすめのテキーラ アネホにラインナップしてはいますが、実はポルフィディオは「 テキーラ 」ではないのです。
テキーラは様々な条件をクリアして初めて「 テキーラ 」と名乗ることができるのです。
- テキーラの定めた条件や基本の製造方法 ⇒ コチラ
ポルフィディオはその条件をほとんどクリアしています。 ただ一つクリアしていないのが「 NOMナンバー( 4桁の蒸留所番号 )をラベルに表記すること 」です。
NOMナンバーとは、CRT( テキーラ規制委員会 )に加盟している蒸留所へ与えられる番号の事で、ポルフィディオは現在CRTに加盟しておらず、ボトルにテキーラと記載することを許されていません。
何故CRTに加盟しないのかはわかりませんが、おそらくの理由はあります。
ポルフィディオはアルコール度数が25%前後で、テキーラの条件は35%~55%という規制があり、更にポルフィディオはテキーラ( 厳密にはテキーラではないですが )以外にラムなどのスピリッツの製造にも力を注いでいるためという理由ではないかと思われます。
とはいってもポルフィディオが最高級のアガヴェ・スピリッツであることは疑いようのない事実であり、おすすめにラインナップして当然の銘柄です。
テキーラの規制
世界各地にテキーラが広まりましたが、模造品が目立つようになりました。 模造品は質が悪いものが多く、テキーラのイメージや品格が悪くなる事を恐れたテキーラ製造会社達は、1974年メキシコ政府に規制を作るよう働きかけます。 しかし200種類もあるメスカルの一種であるテキーラに、規定基準を設けるのには難問が多く、規定を完成させるまで20年という時間がかかりました。
1994年にテキーラ商工会議所( CRT = Consejo Regulador del Tequila A.C. )主導の下、生産過程全般の規制管理が完成し、違反者には法的措置を取れるようになりました。
- 主原料はアガベ・テキラーナ・ウェベル・バリエダ・アスル( 全て竜舌蘭の名前 )に限られる。
- 主原料の割合が51%以上でなければならない。
- 竜舌蘭の生育は、ハリスコ州・グアナフアト州・ナヤリ州・ミチョアカン州・タマウリパス州でなければならない。
- テキーラ村とその周辺地域で蒸留されたものに限る。
- 最低2回の蒸留を行うこと。
- メタノールの値は3mg/ml以下でなくてはならない。
- アルコール度数は、35%~55%以内に収めること。
- 水以外の添加物は1%以下で抑えること。
- NOMナンバー( 4桁の蒸留所番号 )をラベルに表記すること。
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テキーラの製法・原料・歴史
世界4大スピリッツの一つであるテキーラは、他のジン・ウォッカ・ラム程の生産量はありません。
その理由としてはシャンパーニュ地方で生産されているシャンパンと同じく原産地呼称が認められているお酒だからです。つまり認められた地域での生産でなければ「 テキーラ 」と呼ぶことはできません( メキシコ国内の定められた5州のみ )
これが他のスピリッツとの違いで、生産量が他の3種よりも少ない理由です。
しかし世界的に飲まれているお酒であることには変わらず、カクテルレシピも多くあり、その中でも「 テキーラサンライズ 」や「 マルガリータ 」が有名です。
テキーラの誕生
テキーラの原型は、メキシコ古代アステカから存在するアガヴェ( 竜舌蘭 )を発酵させた醸造酒 「 プルケ 」がベースになっています。
15世紀~17世紀にかけてスペインがアメリカ大陸を植民地にしていた時代(コンキスタドール)にテキーラは誕生しました。きっかけはメキシコ中西部、ハリスコ州サンティアゴ・デ・テキーラという町があり、その近くにあるシエラマドレ山脈で大規模な山火事がありました。
焼け野原になった山を歩くと、焦げた竜舌蘭がゴロゴロと転がっており、辺り一面甘い香りと焦げた竜舌蘭をかじっているハツカネズミがいました。竜舌蘭を高熱に当てることで、砂糖を作り出せることをテキーラの町人がこの時発見しました。
そしてそれを知ったスペイン人は蒸留技術を持ち込み、メキシコの伝統的な醸造酒である「 プルケ 」を使ってスピリッツをつくりました。 この竜舌蘭を蒸留したお酒を「 メスカル 」と呼びます。
テキーラとは200種類以上あると言われるメスカルというお酒の中の一種で( 日本で言う地酒のようなもの )、サンティアゴ・デ・テキーラで栽培されているアガベ・アスール・テキラーナという竜舌蘭を使用したものをテキーラと呼びます。
その後の1600年には初めてのテキーラ工場が建てられ、1870年代にはヨーロッパへ出荷されています。
テキーラの定着
テキーラが最も大きな注目を集めたのは1949年の全米カクテルコンペティションで「 マルガリータ 」が入選し、テキーラが大きく注目されるだけでなく、テキーラベースのカクテルもこれをキッカケに増えていきます。
そして1968年開催のメキシコオリンピックで世界中の人たちがメキシコに訪れると、メキシコの文化と共にテキーラは世界に広く知られるようになりました。
その後世界各地にテキーラが広まりましたが、模造品が目立つようになりました。 模造品は質が悪いものが多く、テキーラのイメージや品格が悪くなる事を恐れたテキーラ製造会社達は、1974年メキシコ政府に規制を作るよう働きかけます。
こうして1994年にテキーラ商工会議所主導の下、生産過程全般の規制管理が完成し、違反者には法的措置を取れるようになりました。そしてテキーラは 原産地呼称が与えられ、メスカルから独立したような形になったのです。
テキーラの製法
テキーラで使われるアガヴェの栽培は、海抜600m~1,800mの標高と平均気温20℃、晴天日数が250日以上は必要という限られた土地でしか栽培できません。
さらに苗を植えてから収穫まで6年以上、長いもので12年の月日がかかるため維持管理も大変です。
収穫されたアガヴェは蒸留所に運び込まれ、デンプンを糖分に変えるために蒸気圧力釜を使ったり、石造りのオーブンで加熱を行います。
加熱工程を終えたアガヴェは、その後ローラーで砕き、加水・圧縮を行い糖分を十分に絞り出し、その搾り出した液体を発酵させ、2回以上蒸留します( メスカルの蒸留回数は1回ですが、テキーラは必ず2回以上行います )
- テキーラの歴史・原料・製法は ⇒ コチラ
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感想・まとめ
栽培、製法、熟成と全ての工程にこだわりを持った「 アネホ 」はまさにプレミアムの名にふさわしいお酒です。
アネホのテキーラになると、カクテルで使うというより、そのままロックスタイルで楽しむことをオススメします。