ジンジャーエールの歴史
ジンジャービア Ginger Beer
1837年~1901年のイギリス・ヴィクトリア朝時代、この時代は産業革命による経済の発展が成熟に達した頃で、イギリス帝国の絶頂期であった時代です。
そんな時代の中でジンジャーエールの元となった「 ジンジャービア 」が飲まれていました。ジンジャービアとは、しょうがと砂糖、イースト菌を加えて発酵させた炭酸飲料です。
おなじみの炭酸飲料のジンジャーエールではなく、甘辛く、生姜の刺激が強いクセのある飲料で、現在でもイギリスではポピュラーな飲み物として、また一般家庭で造られたりして飲まれ続けています。
ジンジャーエールの誕生・定着
1851年頃、アメリカ人外科医で薬屋を営んでいるトーマス・カントレルは、北アイルランド・ベルファストで、ジンジャーエールを初めて造りました。カントレルが誕生させたジンジャーエールは、色が濃く、甘く、ジンジャースパイスの香りが強いのが特徴でした。
ジンジャーエールには「 ゴールデン・スタイル 」と 「ドライ・スタイル( ペールスタイル )」の2種類あり、カントレルが誕生させたのはゴールデンスタイルです。
その後、地元の飲料メーカーである「 グラッタン社 」で販売を開始したと伝えられています。グラッタン社は、ボトルにスローガンである「 The original makers of ginger ale 」を記載して販売していました。
ゴールデン・スタイルはジンジャーエールの古いスタイルで、一般的には甘味とジンジャースパイスが強く、濃い色をしているのが特徴的でした。
一方ドライ・ジンジャーエールは、カナダで誕生しました。薬剤師である「 ジョン・J・マクローリン 」は 1890年に炭酸水の瓶詰工場を設立し、1904年水に添加するフレーバーエキスに力を入れ始めました。その際にペール・ドライ・ジンジャーエールの開発にも着手します。 そして1907年に「 カナダ・ドライ・ジンジャーエール 」の特許を取得して販売しました。
カナダ・ドライ・ジンジャーエールはすぐさま人気を得てカナダ総督官邸に納品されると、国外にも輸出され始めます。 アメリカ禁酒法時代に人気を得て世界的な炭酸飲料としての地位を築き、ゴールデン・ジンジャーエールの生産・消費を上回り世界的な炭酸飲料水として現在も販売されています。
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ジンジャーエールの主なブランド
ブランド比較表
ブランド/項目 | ウィルキンソン | カナダドライ | サントリー | 神戸居留地 | 能 勢 |
特 徴 | 強い炭酸と生姜の刺激的な風味 | バランスの良い甘さと生姜の風味 | マイルドで飲みやすい味わい | 天然成分使用、自然な風味 | 上品な甘さとすっきりした後味 |
味わい | ピリッとした辛口の味わい | 甘さと辛さのバランスが良い | 甘めで優しい生姜の風味 | 優しい甘さと生姜の風味 | 柔らかい甘さと自然な生姜の風味 |
炭酸の強さ | 強 め | 中程度 | 中程度 | 弱 め | 弱 め |
主要成分 | 生姜、砂糖、香料 | 生姜、砂糖、香料 | 生姜、砂糖、香料 | 天然生姜、砂糖、香料 | 生姜、砂糖、香料 |
カクテルへの適用 | 辛口カクテルやモクテルに最適 | フルーティーカクテルやクラシックカクテルに最適 | 軽いカクテルやソフトドリンクとして最適 | 自然派カクテルや健康志向のドリンクに最適 | さっぱりしたカクテルや食事と一緒に最適 |
詳 細 | ウィルキンソン ⇓ | カナダドライ ⇓ | サントリー ⇓ | 神戸居留地 ⇓ | 能 勢 ⇓ |
ウィルキンソン Wilkinson
ガツンと強い生姜、辛味、炭酸が特徴のウィルキンソン。
本格派辛口ジンジャーエールとして100年以上の歴史を持つ由緒あるブランドです。
喉元の刺激がたまらなく、ヒリヒリする感じがありますが、後味がスッキリしているので、夏に冷やして飲めば突き抜けるような爽快感を楽しめます。
Photo|画像提供 Asahi
カナダドライ Canada dry
比較的甘口ですが、後味がベトつくようなことはなくサッパリとしています。生姜の風味もあり、老若男女どなたでも楽しめるジンジャーエールです。
保存料なども使用していないので、健康志向人にもお勧めできます。バランスの良い甘さと生姜の風味が特徴。
サントリー Suntory
甘さを抑え、適度な甘さを保ちつつしっかりとした辛味も感じられるバランスがとれたジンジャーエールです。
マイルドで飲みやすい味わいと、甘めで優しい生姜の風味が特徴です。
ガツンとくる飲みごたえと生姜の風味も感じられ、カクテルにも相性が良く、どれを購入しようか悩む方は、まずこのジンジャーエールをお試しください。
Photo|画像提供 SUNTORY
神戸居留地 Kobe kyoryuchi
人工甘味料、着色料は不使用でこだわりの厳選素材、国産生姜を使って造られています。
レモン果汁が加えられていてスッキリとした後味の良い飲み心地が特徴です。他にも天然成分使用で自然な風味と、優しい甘さと生姜の風味が特徴的な一品。
小さめの缶での販売ですので一回飲みきりサイズですし、お家でカクテルをつくる場合には使いきりサイズなので便利です。
能 勢 Nose
能勢のミネラルソーダを使用し、生姜の風味を効かせた一品です。辛口も合わさっているので、大人向けのジンジャーエールと言えます。
柔らかい甘さと自然な生姜の風味、上品な甘さとすっきりした後味が特徴で、さっぱりしたカクテルや食事と一緒におすすめなジンジャーエールです。
辛口でピリッとしているところがカクテルによく合い、BARで使用するためにつくられたジンジャーエールです。
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ジンジャーエールを使った主なカクテル
クロンダイクハイボール
一口飲んだ瞬間に広がるベルモットのハーブの香りが特徴です。レモンの酸味が爽やかさを加え、ジンジャーエールの刺激が後味をすっきりさせます。複雑な味わいが特徴でありながら、飲みやすく、食事とも合わせやすいカクテルです。
まずグレナデンシロップの甘さとジンジャーエールの炭酸感が口の中に広がり、まるでキャンディを食べているような感覚を与えてくれます。フレッシュライムジュースを加えることで、甘さが引き締まり、より複雑な風味を楽しむことができます。
ジンバック
一口目からジンの芳醇な香りが広がり、続いてジンジャーエールの優しい甘味とピリッとした刺激が舌を楽しませます。レモンジュースが爽やかな酸味をプラスし、全体の味をさっぱりとまとめ上げています。
ボストンクーラー
ホワイトラムの軽やかな甘味とジンジャーエールの爽快な炭酸感、ほのかなスパイシーさが絶妙にマッチした一杯です。レモンジュースを加えることで、さらにフレッシュな酸味が加わり、スッキリとした後味が楽しめます。
メキシカン・エル・ディアブロ
口に含んだ瞬間にカシスの甘酸っぱさが広がり、その後にテキーラの豊かな味わいとジンジャービアのピリッとしたスパイスが追いかけてくるのが特徴です。甘さとスパイシーさ、そして酸味が絶妙に絡み合うことで、一口ごとに異なる味の層を楽しむことができます。
モスコミュール
クリアさとクセの無さが特徴のウォッカをベースに、柑橘系酸味のライムジュースを加え、ジンジャービアで割ったレシピです。 日本ではジンジャービアの馴染みが無いため、ジンジャーエールでつくられます。
ラムバック
ジンジャーエールの甘さとスパイシーな香りが広がり、その後にライムの爽やかな酸味が続きます。ラムの滑らかなコクが全体を包み込み、バランスの取れた味わいを楽しめます。
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まとめ
ジンジャーエールについて色々と記載しましたが、ほとんどの方がジンジャーエールを飲んだ事があるかと思います。
ただそれだけこの社会にジンジャーエールは定着していること、そしてジンジャーエールにも色々なタイプがあり、それらを使って美味しいカクテルがつくられていることを知っていただきたくこの記事を書きました。 この記事がお役にたてれば幸いです。