イタリアンスタリオン|カクテルレシピ・作り方・特徴を解説|スイートベルモット + ウイスキー + カンパリ

ワインベースショートカクテルのイタリアンスタリオン
目次
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レシピと作り方

イタリアンスタリオンの材料

Recipe no.211

  • このレシピの材料はコチラ ⇒ 材 料

技法 = ステア

イタリアンスタリオンの作り方

グラスは、カクテルグラスシャンパングラスのクープ型 を使います。

STEP
準備する

ミキシンググラスに氷を7割~8割ほど入れて、ステアで冷やし、余分に出た水分を捨てます。

STEP
材料を合わせる

スイートベルモットバーボンウイスキー、カンパリをミキシンググラスに入れます。

STEP
ステアする

しっかりとステアを行い、ストレーナーを付けてグラスヘ注げば完成です。


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  • アルコール度数 = 21% ~ 22% 前後
  • 最適なTPO = 日中 / 食後
  • カクテル言葉 = 「 イタリアの種馬 」
  • カクテル誕生日 = 「 不明 」

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イタリアンスタリオンの特徴

カウンターに置かれたカンパリ

ネーミングを直訳すると「 イタリアの種馬 」で、その名の通りスイートベルモットとカンパリというイタリアを代表するリキュールを使ったカクテルです。

スイートベルモットの甘味とカンパリのハーブ独特の香りとクセになる苦味に、バーボンウイスキーの芳醇な風味を混ぜ合わせたレシピです。

飲むとハーブとウイスキーの香りを感じながら、ほんのりと感じる甘味と、程よい苦味を楽しめ、爽やかさと奥深さのあるお酒好きにぴったりの大人のカクテルです。

イタリアンスタリオンの材料

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ベースのお酒・ベルモット

グラスに入ったマルティーニ・ドライベルモットとそのボトル

「 ベルモット Vermouth 」とは、白ワインをベースに、ニガヨモギ など様々なハーブやスパイスなどを使い、スピリッツを加えたフレーバー・ド・ワイン( 強化ワイン )です。

少しの苦味とハーブなどの香りが特徴で、食前酒としてロックなどそのまま飲まれることが多いですが、カクテルでも多くのレシピに登場します。

ベルモットの歴史

ジロデ・トリオソン作絵画・アルタクセルクセスの贈物を拒否するヒポクラテス

Photo|「 贈与を拒否するヒポクラテス 」ジロデ=トリオゾン作 1792年作

ベルモットの誕生は紀元前460年まで遡ります。 ギリシャの医者であった「 ヒポクラテス 」が、ワインにシナモンや蜂蜜を混ぜ合わせ、それを患者に飲ませていたのが始まりだと言われています。

西暦1600年代、ドイツでワインにニガヨモギというハーブを浸出させたものが飲まれるようになります。

この時にニガヨモギのドイツ語「Wermutkraut」のお尻部分「 kraut 」がなくなり、ヴェアムート Wermut と呼ぶようになります。 そしてドイツ語からラテン語に変わり、ベルモットと呼ぶようになりました。

1800年代に入ると、フランスの植物学者「 ジョセフ・ノワイイ 」が現在のドライベルモットの製造方法を確立し、その後イタリアでスイートベルモットが誕生します。 

ベルモットの原料・製法

多年草ニガヨモギ

Photo|キク科ヨモギ属の多年草ニガヨモギ

製造方法や原料は全てを公表しておらず、大まかなことしかわかっていません。

原料はハーブの名前がそのまま付いてある通り、キク科ヨモギ属の多年草「 ニガヨモギ 」を主体としています。

ベースのお酒は白ワインで、ニガヨモギをはじめとした、苦レモン、シナモンコリアンダーナツメグアンジェリカカルダモンフェンネルジュニパーベリークローブ、etc…といった20種類以上ものハーブやスパイスを白ワインに漬け込みます。

  • ベルモットの歴史・製法は ⇒ コチラ

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ベルモットの種類

ー ドライベルモット ー

ロックグラスに入れたドライベルモット

名前にあるように辛口のベルモットです。 フランスで生まれたことから「 フレンチ・ベルモット 」と呼ばれています。

ブランドによって異なりますが、色は無色透明から少し黄色が入ったものまであり、スッキリとした味わいとサッパリ感、そしてハーブの香りが特徴で、その特徴からかカクテルの材料に多く使われています。

そのままロックなどで飲んだり、カクテルに使ったり、料理に使う白ワインをドライベルモットに変えることもあり、様々な用途がある使い勝手の良いフレーバー・ド・ワインです。

各ブランド比較

 強・中・弱はドライ・ベルモットの中での比較であって、スイートベルモットの強とドライベルモットの強は別物です。


ー スイートベルモット ー

名前のとおり甘口のベルモットです。イタリアで生まれたことから「 イタリアン・ベルモット 」と呼ばれています。

色は濃い赤色をしていることや、ロッソと呼ばれたりもすることから、赤ワインから造られていると思われがちですが、この色はカラメル等の着色をしているのであって、赤ワインの色ではありません。

特徴はやはりハーブの香りとその甘味でしょう。 しっかりとした風味があるので、ドライベルモットよりもロックなどで飲むのに向いているかもしれません。

レモンと一緒にロックグラスに入れたスイートベルモット

こちらもカクテルの材料によく使われているフレーバー・ド・ワインです。

各ブランド比較

 強・中・弱はスイート・ベルモットの中での比較であって、ドライベルモットの強とスイートベルモットの強は別物です。


ー ベルモットロゼ ー

ベルモット・ロゼのボトル

ベルモットの種類は、上記のドライとスイートの2つが主にカクテルで使われたり、ロックなどで飲まれています。 実は他にも種類があり、このロゼもその一つです。

見た目は名前の通り、ピンク色で、甘酸っぱいフレッシュな風味と、ベルモット独特のニガヨモギの程よい苦みが感じられるのが特徴です。

シェリー酒をベースにイチゴ、バニラなど甘味とコクのあるスパイスやハーブを使い、フィノの程よいナッツフレーバーがアクセントになって全体を引き締めています。

  • ベルモットの各ブランド紹介は ⇒ コチラ

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今回紹介したカクテルの材料

ウイスキー Whiskey

食卓に置かれたブレンデッドスコッチのバランタインのボトル

歴史誕生・・・ウイスキーの誕生は、スコットランド説とアイルランド説があり、どちらかはわかっていません。大きく広まったのは、フィロキセラという害虫がヨーロッパ中のブドウを壊滅寸前まで追い込まれると、代わりにウイスキーが飲まれるようになりました。

その後移民と共にアメリカ大陸に渡ったウイスキーは、アメリカの土地柄が、バーボンウイスキーという姿に変え、アメリカ国内のみならず、世界中で飲まれるようになります。

そして江戸時代の黒船来航の際に、献上品としてウイスキーが日本に上陸し、明治時代の終わりごろから日本独自のウイスキーが開発され、瞬く間に評価を上げました。

現在では、スコットランド、アイルランド、アメリカ、カナダに並び、日本を含めた世界5大ウイスキーとして地位を定着させています。


製造・原料・・・ウイスキーの原料は、水、酵母、穀物の三つでできています。 水はミネラル分をバランスよく含んでいる天然水が最も適しています。

ウイスキーの種類によって細かく規定を設けているのが穀物で、グレーンウイスキーやバーボンウイスキーには大麦麦芽の他に、小麦、ライ麦、トウモロコシが使われます。

原料の他にピートと呼ばれる、植物が長い年月をかけて炭化した泥炭を燃料とし、網に広げたモルトの下から焚いて穀物を乾燥させます。この時に穀物に薫香が染みつき、これがウィスキー特有の香りの元になっているのです。

様々な工程を終え、樽熟成後にはウィスキー職人ともいえる「 ブレンダー 」によって各蒸留所の品質管理や個性を造り出し、世に出るのです。


味わい・香り・・・ウイスキーの味わいや香りは、国や銘柄などで様々あります。 共通しているのは、原料が穀物で、樽熟成を行っているという点で、ワインやブランデーにはとは違う重みのある深い味わいが特徴的です。また木製の樽熟成由来の木の香りも感じられ、バニラ、オーク、カラメルなどの香りが一般的です。

カンパリ Campari

ロックグラスに入ったカンパリとボトル

誕生・由来・・・「 ガスパーレ・カンパリ 」は1860年にミラノでカフェ経営を始め、自家製リキュールを開発し、お酒の販売も同時に行うようになります。 そのリキュールが後の「 カンパリ 」で、当時は「 ビッテル・アルーソ・ドランディア( オランダ風苦味酒 )」と名付け販売していました。

その後1882年に次男である「 ダヴィデ 」が後を継ぎ、1904年に自社工場を設立させ、長かった名前を家名である「 カンパリ 」に改名し、フランス、スイス、アメリカなどの国外に輸出するという販売に力を注ぎます。その後はイタリア国内向けに製造した小瓶にカンパリソーダを入れカクテルそのものを販売すると、これが飛ぶように売れ現在の地位を確立させました。


製造・原料・・・誕生から150年たった現在でも変わらない製法で作られています。ただ製法や分量など、数少ない製造責任者のみ知られていて、詳細は公開されていません。 正式に判明しているのは、「 水 」、「 アルコール 」のみです。

しかし専門家の分析や官能検査によって、オレンジ果皮、キャラウェイコリアンダーカルダモンシナモンナツメグなどの約30種類以上のハーブやスパイス類を使用し、それらを100℃で煮だした後、中性スピリッツを加えアルコール度数69度で15日間タンクで熟成させています。


味わい・香り・・・カンパリは、ほどよい苦味と甘味のバランスが特徴であり、苦味が強すぎず甘すぎず、程よい口当たりを持っています。柑橘系フルーツの風味が強く、特にオレンジの皮の風味が感じられます。

カンパリの香りは、オレンジの皮の香りが強く、リキュールを注いだ時に香り立ちます。複雑なハーブの香りも感じられ、スパイシーで独特な香りを漂わせます。

  • カンパリの歴史・主なカクテルは ⇒ コチラ

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ビルド & ステア

バー店員がドリンクをかき混ぜている様子を題目にしたステア&ビルド記事

ショートカクテルを作る際、ロングカクテルのようにグラスの中に直接材料を入れる技法「 ビルド 」ができないため、ミキシンググラスで材料を混ぜ合わせて( ステア )、小さめのグラス( カクテルグラス )に注ぐ技法を用います。

ステアとは?

カクテル道具のミキシンググラスとストレーナー

簡潔に言うとステアとは、「 バースプーンで混ぜる 」ことです。

ショートカクテルの場合、ミキシンググラス( 写真 )と呼ばれる大きくて厚みのあるグラスに、氷と材料を入れ、かき混ぜるスタイルです。

ステアにはもう一つ役割があり、「 冷やす 」という役目もあります。基本的には常温保存されている材料が多く、それらを冷やすために行います。

簡単にまとめますと、「 グラスの中に直接材料を注ぐ 」= ビルド、「 バースプーンで混ぜる 」= ステアと覚えれば間違いはありません。

バースプーンの使い方

Step 1 = まず左手はグラスの底を押さえます(ドリンクを体温で温めないため)右手はバースプーンを持ちます。(左利きの人は逆になります)
Step 2 = バースプーンを動画にあるように中指と薬指の間に挟みます。
Step 3 = 親指と人差し指もバースプーンを挟んで持ちますが、この2本の役割は、落とさないようにするためだけのものなので軽く持ちましょう。
Step 4 = バースプーンの背中をグラスの内側の縁に沿って底へ持っていきます。
Step 5 = 自分の体より向こう側へ回す際は薬指で左回りに押すように持っていき、自分の体側に戻す際は右周りに中指で引き戻すようにバースプーンを移動させます。 この時にバースプーンの背中は常にグラスの外側へ向いています。

この動作の繰り返しになります。 最初は難しいと思うので、大きめのグラスに氷のみで練習すると良いでしょう。 慣れると便利なので、ぜひマスターしてください。

  • バースプーンの詳しい使い方は ⇒ コチラ

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カクテルのTPO用語

オール・デイ・カクテル All day cocktail

ランチとディナー

カクテルには様々なシチュエーション向けに考案されたものがあります。

主に食欲を増進させるための食前酒や、デザートのようなテイストの食後向けカクテルであったり、眠る前に飲むカクテル、飲み過ぎた後の迎え酒などと様々です。

そういったシチュエーションなどに無関係であったり、特にこだわりなく考案されたもので、向き不向きが無いカクテルというのがこの「 オール・デイ・カクテル 」です。

ディジェスティフ Digestif

「 ディジェスティフ Digestif 」とはフランス語で食後に飲むお酒のことで、英語では「 アフターディナー・ドリンク After dinner drink 」と呼びます。

特徴としてはブランデーなどのアルコール度数が高めのスピリッツを使い、クリームなどの甘味の強いものを材料に使う傾向があります。

アルコール度数が高いカクテルが多いのには理由があり、満腹になった後にアルコール度数が高めのお酒を飲むことで、食後の疲れた胃に刺激を与えます。

女性が食後のコーヒーを飲んでいる

刺激を与えることにより、再度活性化させ消化を促進させる役割を持っているのです。

香りがあり、甘口のものが多い理由は、デザート感覚で楽しめることで、更なる満足感を与えることが目的としてあり、他には香り高いもので気分を落ち着かせることがあります。感を与えることが目的としてあり、他には香り高いもので気分を落ち着かせることがあります。

  • カクテルを飲むタイミングの名称紹介は ⇒ コチラ

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イタリアンスタリオンにおすすめのグラス

カクテルグラス Cocktail glass

カクテルグラス・ショートグラス

逆三角形の形をした脚付きグラスです。 カクテルといえば多くの人がこのグラスを思い浮かべるのではないでしょうか。

脚が付いている理由は、ドリンクが入っている逆三角形の部分を手で温めてしまわないように付いています。飲むときは脚を持つようにしましょう。

カクテルには色彩を楽しむものも多くあり、カクテルの美しい色合いを邪魔しないためカクテルグラスは主に無色透明で、引き立て役として存在します。

一説にはマティーニを飲むために生まれたとも言われており、古くから「 マティーニグラス 」とも呼ばれています。

容量は少量しか入らず、グラスの中で直接混ぜることができないため、シェーカーか、ミキシンググラスで混ぜた後このグラスに注ぎます。

使っているカクテルは「 マティーニ 」や「 マンハッタン 」、「マルガリータ 」など有名なカクテルが多くあります。 標準は、60mlが程よく入る90ml、大型のもので 120ml ~ 150ml のものがあります。

シャンパングラス Champagne glass

シャンパングラスは口が広く底が浅めで脚付きの「 クープ型 」と、口が小さく縦に丸長になっている「 フルート型 」があります。 

クープ型は1663年にシャンパンやスパークリングワインを飲むためにイングランドで作られました。18世紀頃からフランスで使われ始め、1930年代頃からアメリカで使用されるようになりました。

当時シャンパンは、甘めのデザート的なものが多く、パンやケーキなどを付けたりしていました。 そのためこのクープ型は口が広く作られています。 容量は120ml ~ 240mlが一般的。

シャンパングラスのフルート型とクープ型

フルート型は1700年代初頭に、シャンパン自体が甘めのものから、辛口や料理に合うものに変化していきました。そして最初は陶器や金属の素材で作られていましたが、ワイングラスをガラスの素材に代える際に一緒に作られました。

始めはまっすぐな円錐形でしたが、炭酸を逃しにくくするために、下から中央まで膨らみ、中央から上部にかけて狭くなっている形になりました。 ヨーロッパではビールを飲むのにも使われたそうです。容量は180ml ~ 300mlが一般的。

イタリアンスタリオンで使う道具

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