レシピ
材 料
Recipe no.506
- グレナデンシロップ・・・・・・30ml
- スパークリングワイン・・・・・Full
技法 = ビルド
※ Full = 他の材料をグラスに入れ、Fullと記載している材料をグラスの8割~9割まで満たす適量のこと
作り方
グラスは シャンパングラスのフルート型 を使います。 他には サワーグラス、ワイングラス などでもかまいません。
- Step 1 = スパークリングワインはよく冷やしておきましょう。
- Step 2 = グラスにグレナデンシロップ、スパークリングワインを泡立たないように静かに入れます。
- Step 3 = ゆっくりと ビルド をして完成です。
- アルコール度数 = 10% 前後
- 最適なTPO = 日中 / 食前



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特徴・感想

今回紹介した「 ティントレット Tintoretto 」とは、ワインベースを代表するカクテル「 ベリーニ 」から派生したバリエーション・カクテルで、ベリーニ同様画家の名前を使ったカクテルです。
そもそもこのティントレットとは染物屋の息子という意味らしく、その名の通り染物屋である父親をもつことからこのニックネームが付いたそうで、本名は「 ヤコポ・ロブスティ 」です。
Photo = 1588年頃のティントレットの自画像
( Wikipedia )
21歳の時に独立して工房を構え、30歳の頃にその才能が認められヴェネツィア派の巨匠の仲間入りをします。 その2年後に結婚し子供を4人授かります。 その後はヴェネツィアにペストが大流行したり、ドゥカーレ宮殿の火災によって自身の作品が焼け落ちてしまい、自身よりも先に愛娘が死去してしまったりと様々な出来事がありましたが、彼は生まれも育ちもそして死ぬまでヴェネツィアに留まり、多くの子供と弟子に囲まれ一生を終えました。

Photo = 天国 ( Wikipedia )
ティントレットの師匠であるティツィアーノと、ヴェロネーゼと同様イタリア・ルネサンス期のヴェネツィア派を代表する画家で、16世紀に活躍しました。 彼の画風は、劇的な構図持っており、北欧の宗教的なシーンや歴史的な出来事をドラマチックに表現しました。 特に、大きなキャンバスに多くの人物や出来事を詰め込んだ絵画が多いです。さらに師匠であるティツィアーノの色彩と、ミケランジェロのマニエリスムの形体を結びつけ、情熱的な宗教画を描いているのが特徴的な画家です。

カクテルのレシピは、ベリーニのレシピからピーチジュースを除き、アクセントとして使われているグレナデンシロップを30mlも使い、スパークで割るレシピです。
本来はフレッシュ・ザクロを使うのですが、手に入りずらいことから、グレナデンシロップを使われることが多いです。
ただ最近のグレナデンシロップはザクロ果汁以外でつくられているものが多いので、ザクロ果汁の多いグレナデンシロップを使う事をおすすめします。
特徴は爽やかで喉越しの良い辛口のスパークリングワインに、フルーティーな甘味を多めに加えた食前酒( プレディナー )に向いているカクテルです。 スパークリングワインの辛口度が和らぎ、フルーティーな甘味がマッチして飲みやすさが大幅に向上している点が最大の特徴です。
このカクテルで使う材料


ベリーニの由来・バリエーション

ベリーニの由来

「 ベリーニ Bellini 」とは15世紀のイタリアルネサンス期の画家「 ジョバンニ・ベッリーニ 」を由来としたカクテルです。
ベッリーニはイタリア・ヴェネツィアを代表する画家で、ベッリーニの一族もまた画家が多く、ベッリーニはその中でも最も知名度と評価が高く、その後も美術界で大きい影響を残した画家です。
Photo = ジョバンニ・ベッリーニ像
今回紹介したカクテル「 ベリーニ 」は、1948年イタリア・ヴェネツィアのバーテンダー「 ジュゼッペ・チプリアーニ 」が、当時行われていたジョバンニ・ベッリーニの展覧会を記念して考案され、現在では世界の定番カクテルにまで認知度が高まり、その飲みやすさから世界中で飲まれているカクテルです。
ベリーニのバリエーション

- ベリーニ・・・・・・ピーチジュースとスパークリングワインの飲みやすいカクテル。
- プッチーニ・・・・・ピーチジュースをマンダリンジュースに変えたレシピ。
- ロッシーニ・・・・・ピーチジュースを苺のピューレに変えたレシピ。
- ティツィアーノ・・・ピーチジュースをグレープフルーツジュースに変えたレシピ。
カクテルの材料
グレナデンシロップ

グレナデンシロップとは、ザクロの果汁に砂糖を加えてつくったノンアルコールのシロップ。 現在ではザクロのみではなく、木イチゴ、カシス、エルダーフラワーなど様々なベリーなどを使って製造されています。
カクテルでの使用は、色を付けるために使われたり、風味を加えるためや、甘味を足すために使用されています。カクテルでの使用だけではなく、お菓子作りの色付け、香りづけなどにも使われています。
グレナデンシロップのグレナデンとは、フランス語で「 グルナディンヌ grenadine 」が少し変わってグレナデンとなりました。 意味は直訳すると「 ザクロから生まれたもの 」になり、グレナデンのみではシロップの意味はありません。日本やフランスなどではグレナデンシロップとザクロのシロップは同じものという考えがありますが、アメリカやイギリスなどの英語圏では数種類のベリーをまぜたシロップという認識が一般的です。
ちなみにオルスデローエ・グレナデンというリキュールが存在していますが、これはザクロのリキュールであって、製法もグレナデンシロップとは違いますし、アルコールが入っていますので別物という認識が必要です。
- グレナデンシロップの歴史・原料・種類は ⇒ コチラ
ビルドとは?

材料をグラスに入れて混ぜることを言います。 この「 混ぜる 」にはいくつか種類があり、今回のカクテルには「 ビルド 」を使用します。
お家で簡単人向け
バースプーンやマドラーをグラスの内側に沿って底まで入れます。 グラスに当てたままクルクル回します。 炭酸系を使っている場合は、早く混ぜると炭酸が膨れてこぼれてしまうだけでなく、炭酸自体も抜けてしまうのでゆっくり回すように注意しましょう。
本格的にやってみたい人向け

Step 1 = まず左手はグラスの底を押さえます(ドリンクを体温で温めないため)右手はバースプーンを持ちます。(左利きの人は逆になります)
Step 2 = バースプーンを左の写真にあるように中指と薬指の間に挟みます。
Step 3 = 親指と人差し指もバースプーンを挟んで持ちますが、この2本の役割は、落とさないようにするためだけのものなので軽く持ちましょう。
Step 4 = バースプーンの背中をグラスの内側の縁に沿って底へ持っていきます。
Step 5 = 自分の体より向こう側へ回す際は薬指で左回りに押すように持っていき、自分の体側に戻す際は右周りに中指で引き戻すようにバースプーンを移動させます。 この時にバースプーンの背中は常にグラスの外側へ向いています。
この動作の繰り返しになります。 最初は難しいと思うので、大きめのグラスに氷のみで練習すると良いでしょう。 慣れると便利なので、ぜひマスターしてください。
- バースプーンの詳しい使い方は ⇒ コチラ
カクテルを飲むタイミング用語
プレディナー Pre dinner cocktail

ディナーの前に飲むカクテルです。 喉を潤し、食欲を増進させるために飲みます。
甘みが強くなく、さっぱりした味わいのものが多い。 フランス語で「 アペリティフ 」
- カクテルを飲むタイミングの名称紹介は ⇒ コチラ
このカクテルのおすすめ グラス
シャンパングラス Champagne glass

シャンパングラスは主に口が広く底が浅めで脚付きの「 クープ型 」と、口が小さく縦に丸長になっている「 フルート型 」がある。
クープ型は1663年にシャンパンやスパークリングワインを飲むためにイングランドで作られました。18世紀頃からフランスで使われ始め、1930年代頃からアメリカで使用されるようになりました。 当時シャンパンは、甘めのデザート的なものが多く、パンやケーキなどを付けたりしていました。 そのためこのクープ型は口が広く作られています。 容量は120ml ~ 240mlが一般的。
フルート型は1700年代初頭に、シャンパン自体が甘めのものから、辛口や料理に合うものに変化していきました。そして最初は陶器や金属の素材で作られていましたが、ワイングラスをガラスの素材に代える際に、一緒に作られました。
始めはまっすぐな円錐形でしたが、炭酸を逃しにくくするために、下から中央まで膨らみ、中央から上部にかけて狭くなっている形になりました。 ヨーロッパではビールを飲むのにも使われたそうです。 容量は180ml ~ 300mlが一般的。
サワーグラス Sour glass
サワースタイルのカクテルを飲む際に使われるグラス。
脚付きのものが基本的なものですが、日本の最近では、レモンサワーなどを飲むことに使われていて、形は平底のものが多くなっています。 種類は豊富で、ゴブレットやシャンパングラスのフルート型によく似ていて、多種多様に使える利便性があります。
形は上に記載した通りゴブレットを長細くしたような形状で、シャンパングラスのフルートよりは太めです。 ゴブレットとシャンパングラスのフルート型の中間ともいえるグラスです。

しかし液体が入る部分であるボウルは小さめで、容量も120ml程が通常のサイズです。 氷を入れずシェーカーなどで冷やしたカクテルを入れるには最適なグラスです。
ワイングラス Wine glass

グラスの中でもロックグラスやタンブラーグラスと並んで認知度が最も高いと言えるグラスで、他のグラスと比べて種類が多い点が特徴的です。
歴史も古く、古代ローマ時代にはすでに存在していたとされています。 しかし現在のガラス製で写真のような完成形ともいえる形になったのは20世紀なってからだそうです。 ガラス製のものはその前からあったそうですが、ガラスの大きさで税金がかけられていたため、今のものよりもワインが入る部分が小さいサイズでした。
現在ではガラス製のみではなく、銀製などの金属製のものや、クリスタル製、木製、樹脂系と様々なタイプがあり、形も飲むワインによって違うものが存在しています。
基本的に赤ワインは常温で飲むことが多く、白ワインは冷やして飲みむことが多いため、赤と白で形や容量が異なります。容量が150mlくらいのものが白ワイン、200mlくらいのものが赤ワインというのが一般的です。またワインは赤白だけではなく、産地によって味や風味が変わるため、それに合ったグラスを使用することがあるようです。
- グラス紹介ページは ⇒ コチラ
このカクテルで使う道具


