レモンスカッシュの歴史と由来
レモンの起源
レモンは中国南部、またはインダス周辺がその起源とされています。
古代のシルクロードを通ってヨーロッパへ広まったのですが、古代のヨーロッパではレモンは食べ物ではなく観賞用の植物として広まりました。
一方、中東では健康のために料理やシャーベットにレモンが使われ、のちにそれらが地中海の国々へ伝わり、ヨーロッパでも食用として使われるようになったのです。
日本では明治時代の1873年に、静岡県の熱海に伝わったのが始まりです。
レモンスカッシュの歴史
レモンスカッシュの起源には諸説ありますが、最も有力な説は、中世ヨーロッパで飲まれていた「 レモン水 」が起源であるという説です。レモン水は、レモン果汁を水で割ったもので、当時は薬用として飲まれていました。
17世紀に入ると、レモン水が貴族階級の間で人気のある飲み物となりました。当時レモンは貴重な果物だったため、レモン水は富の象徴とされていました。
18世紀になると炭酸水が誕生します。炭酸水を加えることで、レモン水がより爽やかなドリンクになり、大人気となります。
この頃のレモンは一般流通しており、レモンの炭酸割りは庶民の間でも人気が広まりました。
レモンスカッシュという名前は、19世紀初頭に、当時のイギリスで非常に人気のあるレモネードの一種として発展した形として誕生しました。
この時代には、イギリスの植民地であるインドや西インド諸島から輸入されたレモンが広く利用されるようになりました。レモンの果汁は新鮮な風味を持ち、その酸味と爽やかさは特に暑い気候で人気がありました。このことが、レモンスカッシュの原料としてのレモンの重要性を高めた要因です。
19世紀後半には、レモンスカッシュはイギリス全土で広く普及し、特に夏季において親しまれるドリンクとして定着しました。その後、20世紀に入ると、市販のレモンスカッシュが一般家庭でも入手可能となり、その人気はさらに高まりました。
現代では、レモンスカッシュはイギリスをはじめとする多くの国で愛される伝統的なドリンクとして知られており、その歴史的な背景とともに、夏のリフレッシュメントとして親しまれています。
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レシピと作り方
レモンスカッシュの材料
Recipe no.661
- レモンジュース・・・・・・・・20ml
- シュガーシロップ・・・・・・・10ml
- ソーダ・・・・・・・・・・・・Full
- レモンスライス
- このレシピの材料はコチラ ⇒ 材 料
技法 = ステア
※ Full = グラスの8割~9割まで満たす適量のこと
レモンスカッシュの作り方
グラスは炭酸が抜けにくい コリンズグラス をおすすめします。 他は ゴブレット、タンブラーグラス を使いましょう。
グラスにレモンジュースとシュガーシロップを入れてステアします。
氷をいれたら、泡立たないようにソーダを入れます。
炭酸類を混ぜる場合は、ゆっくりと1回転~2回転 ステアし、バースプーンで氷をゆっくりと持ち上げ、ゆっくりと下ろせば混ざります。
グラスの中にバースプーンやマドラーを使ってレモンスライスを入れると完成です。
Point = レモンジュースはご自身で搾ったフレッシュタイプと、市販のものとでは分量が変わります。
どちらを使うとしてもはじめは20mlで、後はご自分の好みによって容量を調整しましょう。
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レモンスカッシュの特徴・感想
ー 日本でのレモンスカッシュ ー
今回のカクテル紹介は、ノンアルコールカクテルの「 レモンスカッシュ 」です。
日本ではレモンスカッシュ=炭酸飲料として浸透していますが、レモンスカッシュ=カクテルとは認知していないようで、ひとつの商品として認知されています。
それもペコちゃんでお馴染みの不二家が、1975年に発売したレモンスカッシュが大ヒットし、現在も販売されていることが要因として挙げられます。
本来「 スカッシュ 」とは「 押しつぶす 」という意味で、搾った果実類の汁をシュガーシロップなどの甘味料と、ソーダなどの炭酸飲料と混ぜ合わせるカクテルスタイルの名前なのです。
なので、レモンをオレンジに変えれば「 オレンジスカッシュ 」という名前になります。
ただスカッシュが使われ出したはじめの果実がレモンであるため、レモンを使ったものをレモンスカッシュと呼ぶ場合がほとんどです。
ー レモンスカッシュ特徴 ー
微かな苦味のある柑橘系酸味をベースに、少量の甘味を加え、爽快感ある炭酸飲料で割ったレシピで、爽やかでサッパリとしたテイストが、今でも飲まれている理由です。
酸味と微かな苦味があることから、食前酒としても向いているカクテルです。
今回使うシロップをシュガーシロップとしましたが、シロップは他にも多く種類があり、グレナデンシロップ、アガヴェシロップ、またはモナンの様々なシロップに変えて、自分好みのレモンスカッシュをつくることをおすすめします。
レモンスカッシュの材料
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レモンスカッシュのアレンジやバリエーション 10選
Photo|左からジョンコリンズ、グレナデンフィズ、アスターレモネード
- アスターレモネード・・・強めの酸味とソーダの爽快感がサッパリとしたテイストにしているノンアルコールカクテルで、グレナデンシロップによる赤のグラデーションがキレイなカクテルです。
- グラスゴーフリップ・・・卵が入った爽やかなドリンク。コクがありとろけるような舌ざわりが特徴で、ジンジャーエールで割るので、爽快感のある辛味と爽やかさも持ち合わせています。
- グレナデンフィズ・・・辛味とキレのドライジンに、酸味のレモンジュース、爽やかな甘味のグレナデンシロップをソーダで割るレシピで、爽快感と飲みやすさが特徴のフィズスタイルカクテルです。
- トムコリンズ・・・ジンのドライ感とキレ、レモンジュースの柑橘系の酸味が合わさり、それを爽快感と喉越しが良いソーダで割ったレシピで、キリッとした口当たりに、飽きにくさと飲みやすさを兼ね備えた定番カクテルです。
- シンガポールスリング・・・ドライジンの辛味と飲みごたえに、レモンジュースの酸味を加え、爽快感と喉越しのソーダで割り、チェリーの甘味と香りが特徴のチェリー・ブランデーを沈めたレシピで、見た目はネーミングの通り美しい2層になっていて、爽やかさと程よい甘味を感じられます。
- ボストンクーラー・・・辛味と甘味持つジンジャーエールを満たすレシピで、シンプルだからこそ何度でも飲める爽快感と飲みごたえを持ったカクテルです。
- カリフォルニア・レモネード・・・バーボンウィスキーの芳醇な香りが印象的。酸味が強く感じられますが、ほのかな甘味とウィスキーの飲みごたえにソーダの爽快感が合わさったカクテルです。
- ジンフィズ・・・辛口のジンをベースに、柑橘系酸味のレモンジュースと砂糖の甘味を加え、爽快感あるソーダで割ったレシピ。爽やかで飲みやすく、飽きも来ないことから、長年飲まれ続けているカクテルです。
- レールスプリッター・・・柑橘系酸味のレモンジュースに、シュガーシロップの甘味を加え、辛味と爽快感のあるジンジャーエールで割ったレシピで、酸味、甘味、辛味が一体化したカクテルです。
- ジョンコリンズ・・・ウィスキーの奥深いテイストと香りが酸味と炭酸が合わさることで、爽快感と芳醇さを合わせた爽やかなカクテルに仕上がっています。
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ビルド & ステア
「 ビルド 」とは「 組み合わせる 」または「 注ぐ 」という意味があり、ステアのように完全に混ぜるのではなく、組み合わせる、もしくはグラスに直接注ぐという目的の際に使います。
「 グラスの中に直接材料を注ぐ 」= ビルド、「 バースプーンで混ぜる 」= ステアと覚えれば間違いはありません。
炭酸系の混ぜ方
炭酸系の材料を使う場合は、早く混ぜたり、回す回数が多いと、炭酸が溢れてこぼれてしまうだけでなく、炭酸ガス自体も抜けてしまうのでゆっくり回すように注意しましょう。
バースプーンやマドラーをグラスの内側に沿って底まで入れます。 グラスに当てたままゆっくりと1回転 ~1.5回転回し、先端のスプーンでゆっくりと氷を持ち上げてゆっくりと下ろします。
混ざりにくい材料の場合は、炭酸以外の材料を入れて一度ステアを行い、炭酸類を入れた後に再度軽くステアするようにします。
バースプーンの使い方
Step 1 = まず左手はグラスの底を押さえます(ドリンクを体温で温めないため)右手はバースプーンを持ちます。(左利きの人は逆になります)
Step 2 = バースプーンを動画にあるように中指と薬指の間に挟みます。
Step 3 = 親指と人差し指もバースプーンを挟んで持ちますが、この2本の役割は、落とさないようにするためだけのものなので軽く持ちましょう。
Step 4 = バースプーンの背中をグラスの内側の縁に沿って底へ持っていきます。
Step 5 = 自分の体より向こう側へ回す際は薬指で左回りに押すように持っていき、自分の体側に戻す際は右周りに中指で引き戻すようにバースプーンを移動させます。 この時にバースプーンの背中は常にグラスの外側へ向いています。
この動作の繰り返しになります。 最初は難しいと思うので、大きめのグラスに氷のみで練習すると良いでしょう。 慣れると便利なので、ぜひマスターしてください。
- バースプーンの詳しい使い方は ⇒ コチラ
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カクテルスタイル
ー スカッシュ Squash ー
スカッシュ( Squash )とは英語をそのまま名前にしたもので、日本語に訳しますと「 押しつぶす 」になります。
果物等の搾り汁に砂糖類を加えて炭酸水で割ったものの名前で、「 レモンスカッシュ 」が代表的なドリンクです。
レモン以外にも、オレンジ、梅、グレープフルーツ等の果汁を使って、糖分と炭酸水を使ってつくれば語尾にスカッシュが付きます。
- カクテルスタイル 紹介ページは ⇒ コチラ
カクテルのTPO用語
オールデイカクテル All day
カクテルには様々なシチュエーション向けに考案されたものがあります。
主に食欲を増進させるための食前酒や、デザートのようなテイストの食後向けカクテルであったり、眠る前に飲むカクテル、飲み過ぎた後の迎え酒などと様々です。
そういったシチュエーションなどに無関係であったり、特にこだわりなく考案されたもので、向き不向きが無いカクテルというのがこの「 オール・デイ・カクテル 」です。
プレディナー Pre dinner cocktail
プレディナーカクテルとは食事前に飲むお酒のことです。
胃を刺激して消化液の分泌を促進することで、消化器官の負担を軽くする働きがあり、食欲増進の効果があります。
プレディナーの習慣が誕生したのは、18世紀後半から19世紀にかけての間にフランス、イタリアの貴族間から始まったそうです。
プレディナーの特徴はアルコール度数が低いこと、スッキリとした口当たりに爽やかさや爽快感があるものが多いです。 テイストは爽やかな甘味、少しの苦味や酸味が特徴的です。
お酒の種類はスパークリングワインやビールなどの炭酸類が多く見られ、リキュールではアペロールやカンパリといった少し苦味があり、ハーブなどの香りがするリキュールが使われることが多いようです。 カクテルも香り、苦味、爽やかさを使ったものが多く、種類も豊富にあります。
- カクテルを飲むタイミングの名称紹介は ⇒ コチラ
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レモンスカッシュにおすすめのグラス
コリンズグラス Collins glass
背が高く細いので倒しやすいという難点がありますが、その細さは炭酸を抜けにくくしているためという最大のメリットがあり、炭酸系のカクテルをつくる時には必ずと言っていいほど使われるグラスです。 容量は270ml ~ 360mlくらいが一般的。
ゴブレット Goblet
ゴブレットとはグラスに土台と足が付いたグラスの事です。
特徴としてはワイングラスのように足が長くないことと、容量が多く入ることで、タンブラーグラスの代わりや、氷をたっぷり使うカクテル、ビール、ドリンクなどで使われ、パフェなどのデザートの器としても使われます。
使い勝手が良く、見た目も上品さと可愛らしさがあり、様々なシチュエーションであったり、お店などで幅広く使われています。
ゴブレットが誕生したのは14世紀だと言われていて、名前はフランス語で、「 Goblet 」と表記します。 元々は「 ゴブレー 」と呼んでいたそうですが、いつの間にか「 ゴブレット 」となったようです。
聖杯にもこのゴブレットが使われており、映画「 ハリーポッター 炎のゴブレット 」でもその名前が使われています。 容量は300ml前後が一般標準サイズ。
タンブラーグラス Tumbler glass
「 タンブラー Tumbler 」の語源は「 倒れるもの 」や「 転ぶもの 」の意味があり、元々獣を狩り、残った角等をくり抜いてコップにし、底が真っ平にはならなかったので、よく倒れていたことからこの名前が付いたそうです。
別名ハイボールグラスとも呼ばれることがあり、主にハイボールスタイルや、ソフトドリンクなどに使われています。 オールドファッションドグラス( ロックグラス )を原型として誕生したとも言われ、オールドファッションドグラスをそのまま縦に長くしたような形をしています。
使い勝手が良く、容量も多く入るため、どの家庭にも必ずいくつかはあるグラスで、用途がおおいためか容量の種類も一番多くあると言っても過言ではないでしょう。
素材もガラス製だけではなく、木製、金属製、陶器、プラスチック製と様々なものがあります。 容量は6オンスの180ml、8オンスの240ml、10オンスの300mlが一般的で、飲食業界では略して6タン、8タン、10タンなどと呼ばれているそうです。
- グラス紹介ページは ⇒ コチラ
レモンスカッシュで使う道具
- このレシピの材料はコチラ ⇒ 材 料