ベルモットカシス( ポンピエ )|カクテルレシピ・作り方・特徴|ドライベルモット + カシスリキュール + ソーダ

ワインベースロングカクテルのベルモットカシス
目次
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レシピと作り方

ベルモット & カシスの材料

Recipe no.357

  • このレシピの材料はコチラ ⇒ 材 料

技法 = ステア

Full = グラスの8割~9割まで満たす適量のこと

  • ベルモットの歴史・製法・主なブランドは ⇒ コチラ

ベルモット & カシスの作り方

グラスは炭酸が抜けにくい コリンズグラス をおすすめします。他には ゴブレットタンブラーグラスが使われることが多いです。

STEP
材料を合わせる

グラスに氷、ドライベルモットクレーム・ド・カシスを入れます。

STEP
炭酸をステアする

泡立たないように静かにソーダを満たし、ゆっくりと軽くステアをします。
炭酸類を混ぜる場合は、ゆっくりと1回転~2回転 ステアし、バースプーンで氷をゆっくりと持ち上げ、ゆっくりと下ろせば混ざります。

STEP
仕上げ

あらかじめ準備しておいたレモンスライスを、バースプーンで押し込むようにグラスの中に入れて完成です。


  • このレシピの道具はコチラ ⇒ 道 具
  • アルコール度数 = 6% ~ 7% 前後
  • 最適なTPO = 日中 / 食前
  • カクテル言葉 = 「 あなたのためなら危険も怖くない 」
  • カクテル誕生日 = 「 4月22日 」

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ベルモット & カシスの特徴

消防士

由来・歴史 〛・・・別名「 ポンピエ Pompier 」とも呼ばれることのあるカクテル。フランス語で「 消防士 」という意味で、他にも「 大酒飲み 」というニュアンスもあるそうです。 なぜこの名前になったかはわかりません。予想はたくさんお酒を飲んだ後に、火が付いた体を沈める( 火消し )ためのお酒なのではないかと思います。

「 ベルモットカシス 」は、イタリアやフランスなどで親しまれるベルモットと、フランス産のカシスリキュール( クレーム・ド・カシス )を使用したカクテルです。ベルモットは、ハーブやスパイス、フルーツなどで香りづけされた強化ワインで、古くからアペリティフ(食前酒)として飲まれてきました。一方、カシスリキュールは黒スグリの甘酸っぱい風味を持ち、カクテルの風味にフルーティーな要素を加えます。

このカクテルは、ベルモットの爽やかなハーブの香りと、カシスリキュールの甘酸っぱさを組み合わせた飲みやすい一杯として、食前酒としても楽しめるスタイルです。特に、フルーツの風味を活かしつつも、ベルモットの洗練された味わいを引き立てるシンプルな構成が魅力です。


特 徴 〛・・・ハーブの香りが特徴のフレーバー・ド・ワイン、ドライ・ベルモットをベースに、甘酸っぱい人気のリキュール、クレーム・ド・カシスを加えソーダで爽快感あるカクテルに仕上げた一品。

  • フルーティーでエレガント:カシスリキュールの甘酸っぱいフルーティーな味わいが、ドライベルモットのハーブやスパイスの風味と調和します。ベルモットの苦味とカシスの甘さがバランスよく融合し、軽やかでありながら奥行きのある味わいを楽しめます。
  • 爽やかな口当たり:ソーダ水を加えることで、軽やかでリフレッシュ感のある飲み口が生まれます。スパークリング感が全体を引き締め、食前酒として最適な一杯です。
  • シンプルで洗練された作り:材料がシンプルであるため、カシスリキュールやベルモットの品質がそのままカクテルに反映されます。使用するベルモットやカシスリキュールによって風味にバリエーションがあり、自分好みの一杯を作る楽しみもあります。

味わい・魅力 〛・・・「 ベルモットカシス 」は、カシスリキュールの甘酸っぱい風味が最初に広がり、その後にベルモットのほろ苦いハーブの風味が追いかけてきます。甘さと酸味、そしてハーブの苦味がバランスよく絡み合い、爽やかでフルーティーな余韻を残します。ソーダ水が全体を軽やかにし、飲みやすいカクテルに仕上げているため、特に食前酒としても楽しめます。

クレーム・ド・カシスの甘酸っぱさと辛口のドライベルモットの風味が混ざりスッキリとした甘口のカクテルにしています。 それをソーダで割っているので、スッキリとした爽やかさで飲みやすいカクテルです。

  1. 洗練された大人のフルーティーさ:「 ベルモットカシス 」は、フルーティーでありながら、ベルモットのハーブ風味が加わることで大人の味わいに仕上がっています。甘さとほろ苦さが絶妙にバランスを取り合い、エレガントな一杯です。
  2. 飲みやすく幅広いシーンで楽しめる:ソーダ水を加えることで軽やかで爽快感があり、特に食前酒やリフレッシュしたい時にぴったりです。また、アルコール度数が比較的低いため、カクテル初心者や強いお酒が苦手な方にもおすすめです。
  3. シンプルでアレンジしやすい:材料が少なく、手軽に作れるカクテルでありながら、使うベルモットやカシスリキュールを変えることで、風味にバリエーションを持たせることができます。フルーツを添えたり、他のリキュールを加えたりして、アレンジを楽しむことも可能です。

総 括 〛・・・「 ベルモットカシス 」は、ベルモットのハーブの香りとカシスリキュールのフルーティーな甘酸っぱさが絶妙に調和した、シンプルながら洗練されたカクテルです。軽やかで爽やかな飲み口で、食前酒やリフレッシュしたいときに最適な一杯です。フルーティーさと大人の味わいを両立させたエレガントなカクテルで、カジュアルな場面から特別なシーンまで幅広く楽しむことができるでしょう。

男性・女性問わず好まれ、つくるのも簡単なカクテルなので、お家で飲むリストに加えてみてはいかがでしょうか?

ベルモット & カシスの材料

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ベースのお酒・ベルモット

グラスに入ったマルティーニ・ドライベルモットとそのボトル

「 ベルモット Vermouth 」とは、白ワインをベースに、ニガヨモギ など様々なハーブやスパイスなどを使い、スピリッツを加えたフレーバー・ド・ワイン( 強化ワイン )です。

少しの苦味とハーブなどの香りが特徴で、食前酒としてロックなどそのまま飲まれることが多いですが、カクテルでも多くのレシピに登場します。

ベルモットの歴史

ジロデ・トリオソン作絵画・アルタクセルクセスの贈物を拒否するヒポクラテス

Photo|「 贈与を拒否するヒポクラテス 」ジロデ=トリオゾン作 1792年作

ベルモットの誕生は紀元前460年まで遡ります。 ギリシャの医者であった「 ヒポクラテス 」が、ワインにシナモンや蜂蜜を混ぜ合わせ、それを患者に飲ませていたのが始まりだと言われています。

西暦1600年代、ドイツでワインにニガヨモギというハーブを浸出させたものが飲まれるようになります。

この時にニガヨモギのドイツ語「Wermutkraut」のお尻部分「 kraut 」がなくなり、ヴェアムート Wermut と呼ぶようになります。 そしてドイツ語からラテン語に変わり、ベルモットと呼ぶようになりました。

1800年代に入ると、フランスの植物学者「 ジョセフ・ノワイイ 」が現在のドライベルモットの製造方法を確立し、その後イタリアでスイートベルモットが誕生します。 

ベルモットの原料・製法

多年草ニガヨモギ

Photo|キク科ヨモギ属の多年草ニガヨモギ

製造方法や原料は全てを公表しておらず、大まかなことしかわかっていません。

原料はハーブの名前がそのまま付いてある通り、キク科ヨモギ属の多年草「 ニガヨモギ 」を主体としています。

ベースのお酒は白ワインで、ニガヨモギをはじめとした、苦レモン、シナモンコリアンダーナツメグアンジェリカカルダモンフェンネルジュニパーベリークローブ、etc…といった20種類以上ものハーブやスパイスを白ワインに漬け込みます。

  • ベルモットの歴史・製法は ⇒ コチラ

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ベルモットの種類

ー ドライベルモット ー

ロックグラスに入れたドライベルモット

名前にあるように辛口のベルモットです。 フランスで生まれたことから「 フレンチ・ベルモット 」と呼ばれています。

ブランドによって異なりますが、色は無色透明から少し黄色が入ったものまであり、スッキリとした味わいとサッパリ感、そしてハーブの香りが特徴で、その特徴からかカクテルの材料に多く使われています。

そのままロックなどで飲んだり、カクテルに使ったり、料理に使う白ワインをドライベルモットに変えることもあり、様々な用途がある使い勝手の良いフレーバー・ド・ワインです。

各ブランド比較

 強・中・弱はドライ・ベルモットの中での比較であって、スイートベルモットの強とドライベルモットの強は別物です。


ー スイートベルモット ー

名前のとおり甘口のベルモットです。イタリアで生まれたことから「 イタリアン・ベルモット 」と呼ばれています。

色は濃い赤色をしていることや、ロッソと呼ばれたりもすることから、赤ワインから造られていると思われがちですが、この色はカラメル等の着色をしているのであって、赤ワインの色ではありません。

特徴はやはりハーブの香りとその甘味でしょう。 しっかりとした風味があるので、ドライベルモットよりもロックなどで飲むのに向いているかもしれません。

レモンと一緒にロックグラスに入れたスイートベルモット

こちらもカクテルの材料によく使われているフレーバー・ド・ワインです。

各ブランド比較

 強・中・弱はスイート・ベルモットの中での比較であって、ドライベルモットの強とスイートベルモットの強は別物です。


ー ベルモットロゼ ー

ベルモット・ロゼのボトル

ベルモットの種類は、上記のドライとスイートの2つが主にカクテルで使われたり、ロックなどで飲まれています。 実は他にも種類があり、このロゼもその一つです。

見た目は名前の通り、ピンク色で、甘酸っぱいフレッシュな風味と、ベルモット独特のニガヨモギの程よい苦みが感じられるのが特徴です。

シェリー酒をベースにイチゴ、バニラなど甘味とコクのあるスパイスやハーブを使い、フィノの程よいナッツフレーバーがアクセントになって全体を引き締めています。

  • ベルモットの各ブランド紹介は ⇒ コチラ

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今回紹介したカクテルの材料

カシスリキュール Cassis liqueur ー

バーの背景とクレームドカシスのボトル

Photo|画像提供 SUNTORY

誕生・由来・・・1841年フランス・ブルゴーニュ地方のディジョン市にあるラグート社が発売したのが最初です。このラグート社は1836年に設立し、ブルゴーニュ地方に繁茂しているクロスグリ( カシス )の実に着目します。 そして5年間で開発し発売しました。

1858年には娘婿のルイ・ルジェと協力し、社名をルジェ・ラグート社に変え、販売に力を入れます。 その後もフランボワーズなど様々なリキュールを発売し、有名ブランドとして現在も販売しています。


製造・原料・・・カシスリキュールは、ワインと同じように醸造します。 カシスの実は収穫後すぐに傷み始めてしまうため、収穫してから24時間以内に製造に持ち込まれます。収穫後すぐにマイナス30度で保存され、中性スピリッツの中で5cmくらいの小ささまで砕かれ、今度はマイナス5度ほどで1カ月以上保存します。後は砂糖を加えて甘味、酸味、香りなどのバランスをとり、濾過して完了です。


味わい・香り・・・カシスベリーの自然な甘さが特徴であり、口に含むとフルーティーで甘い味わいが広がります。カシスベリーの酸味も感じられ、甘さとのバランスが取れています。

香りは、カシスベリーの強い香りが特徴であり、リキュールを注いだ時には鼻に抜けることがあります。カクテル以外にも、デザートの材料やソースなどに使われることもあり、幅広く活躍しているのも特徴のひとつです。

  • カシスリキュールの歴史・製造・主なブランドは ⇒ コチラ

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ビルド & ステア

バー店員がドリンクをかき混ぜている様子を題目にしたステア&ビルド記事

「 ビルド 」とは「 組み合わせる 」または「 注ぐ 」という意味があり、ステアのように完全に混ぜるのではなく、組み合わせる、もしくはグラスに直接注ぐという目的の際に使います。

「 グラスの中に直接材料を注ぐ 」= ビルド、「 バースプーンで混ぜる 」= ステアと覚えれば間違いはありません。

炭酸系の混ぜ方

炭酸系の材料を使う場合は、早く混ぜたり、回す回数が多いと、炭酸が溢れてこぼれてしまうだけでなく、炭酸ガス自体も抜けてしまうのでゆっくり回すように注意しましょう。

バースプーンやマドラーをグラスの内側に沿って底まで入れます。 グラスに当てたままゆっくりと1回転 ~1.5回転回し、先端のスプーンでゆっくりと氷を持ち上げてゆっくりと下ろします。

混ざりにくい材料の場合は、炭酸以外の材料を入れて一度ステアを行い、炭酸類を入れた後に再度軽くステアするようにします。

バースプーンの使い方

ステアのやり方

Step 1 = まず左手はグラスの底を押さえます( ドリンクを体温で温めないため )右手はバースプーンを持ちます。( 左利きの人は逆になります )
Step 2 = バースプーンを動画のように中指と薬指の間に挟みます。
Step 3 = 親指と人差し指もバースプーンを挟んで持ちますが、この2本の役割は、落とさないようにするためだけのものなので軽く持ちましょう。
Step 4 = バースプーンの背中をグラスの内側の縁に沿って底へ持っていきます。
Step 5 = 自分の体より向こう側へ回す際は薬指で左回りに押すように持っていき、自分の体側に戻す際は右周りに中指で引き戻すようにバースプーンを移動させます。 この時にバースプーンの背中は常にグラスの外側へ向いています。

この動作の繰り返しになります。 最初は難しいと思うので、大きめのグラスに氷のみで練習すると良いでしょう。 慣れると便利なので、ぜひマスターしてください。

  • バースプーンの詳しい使い方は ⇒ コチラ

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カクテルのTPO用語

オールデイカクテル All day cocktail

ランチとディナー

カクテルには様々なシチュエーション向けに考案されたものがあります。

主に食欲を増進させるための食前酒や、デザートのようなテイストの食後向けカクテルであったり、眠る前に飲むカクテル、飲み過ぎた後の迎え酒などと様々です。

そういったシチュエーションなどに無関係であったり、特にこだわりなく考案されたもので、向き不向きが無いカクテルというのがこの「 オール・デイ・カクテル 」です。

プレディナー Pre dinner cocktail

プレディナーカクテルとは食事前に飲むお酒のことです。

胃を刺激して消化液の分泌を促進することで、消化器官の負担を軽くする働きがあり、食欲増進の効果があります。

プレディナーの習慣が誕生したのは、18世紀後半から19世紀にかけての間にフランス、イタリアの貴族間から始まったそうです。

プレディナーの特徴はアルコール度数が低いこと、スッキリとした口当たりに爽やかさや爽快感があるものが多いです。 テイストは爽やかな甘味、少しの苦味や酸味が特徴的です。

食前酒が並んでいる

お酒の種類はスパークリングワインやビールなどの炭酸類が多く見られ、リキュールではアペロールカンパリといった少し苦味があり、ハーブなどの香りがするリキュールが使われることが多いようです。 カクテルも香り、苦味、爽やかさを使ったものが多く、種類も豊富にあります。

  • カクテルを飲むタイミングの名称紹介は ⇒ コチラ

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ベルモット & カシスのこのカクテルのおすすめ グラス

コリンズグラス Collins glass

コリンズグラス・ゾンビグラス

背の高い円柱形の細い形をしたグラスで、ラムベースの「 ゾンビ 」を飲むために使われるため、ゾンビーグラスと言われています。その後ジンベースのカクテル「 トムコリンズ 」の人気が出るとコリンズグラスとも呼ばれるようになりました。

他にもチムニーグラスやトールグラス、煙突グラスとも言われることがあります。

他のグラスに比べて別名が多くあり、それだけ様々な場面で多くの国々の人達に使われているという事なのかもしれません。

背が高く細いので倒しやすいという難点がありますが、その細さは炭酸を抜けにくくしているためという最大のメリットがあり、炭酸系のカクテルをつくる時には必ずと言っていいほど使われるグラスです。 容量は270ml ~ 360mlくらいが一般的。

ゴブレット Goblet

ゴブレットとはグラスに土台と足が付いたグラスの事です。

特徴としてはワイングラスのように足が長くないことと、容量が多く入ることで、タンブラーグラスの代わりや、氷をたっぷり使うカクテル、ビール、ドリンクなどで使われ、パフェなどのデザートの器としても使われます。

使い勝手が良く、見た目も上品さと可愛らしさがあり、様々なシチュエーションであったり、お店などで幅広く使われています。

カクテルグラスゴブレット

ゴブレットが誕生したのは14世紀だと言われていて、名前はフランス語で、「 Goblet 」と表記します。 元々は「 ゴブレー 」と呼んでいたそうですが、いつの間にか「 ゴブレット 」となったようです。

聖杯にもこのゴブレットが使われており、映画「 ハリーポッター 炎のゴブレット 」でもその名前が使われています。 容量は300ml前後が一般標準サイズ。

タンブラーグラス Tumbler glass

タンブラーグラス

「 タンブラー Tumbler 」の語源は「 倒れるもの 」や「 転ぶもの 」の意味があり、元々獣を狩り、残った角等をくり抜いてコップにし、底が真っ平にはならなかったので、よく倒れていたことからこの名前が付いたそうです。

別名ハイボールグラスとも呼ばれることがあり、主にハイボールスタイルや、ソフトドリンクなどに使われています。 オールドファッションドグラス( ロックグラス )を原型として誕生したとも言われ、オールドファッションドグラスをそのまま縦に長くしたような形をしています。

使い勝手が良く、容量も多く入るため、どの家庭にも必ずいくつかはあるグラスで、用途がおおいためか容量の種類も一番多くあると言っても過言ではないでしょう。

素材もガラス製だけではなく、木製、金属製、陶器、プラスチック製と様々なものがあります。 容量は6オンスの180ml、8オンスの240ml、10オンスの300mlが一般的で、飲食業界では略して6タン、8タン、10タンなどと呼ばれているそうです。

ベルモット & カシスのこのカクテルに使う道具

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