レシピと作り方
ポムポムの材料
Recipe no.592
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技法 = ステア
- ベルモットの歴史・製法・主なブランドは ⇒ コチラ
ポムポムの作り方
グラスは カクテルグラス か シャンパングラスのクープ型 を使います。
ミキシンググラスに氷を7割~8割ほど入れて、ステアで冷やし、余分に出た水分を捨てます。
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ポムポムの特徴・感想
今回紹介した「 ポムポム 」の意味を調べたところ明確な答えは見つかりませんでした。 ただポムポムで調べると、サンリオキャラクターのポムポムプリン、イギリス軍が採用した「 ポンポン砲 」ことヴィッカース QF2対空砲、フランスのリンゴケーキが出てきました。
サンリオキャラクターは違うでしょうが、他の2つの可能性はあるかと思います。 まずポンポン砲ですが、1889年にイギリス陸軍で採用され、1892年にはイギリス海軍でも採用された対空砲です。 その後改良を重ねましたが、1940年辺りで使われなくなりました。
この対空砲「 ポンポン砲 」がなぜこのカクテルのネーミングになったかはわかりませんが、イギリスと言えばジンが連想され、ジンベースの「 フレンチ75 」のように名付けたのかもしれません。
続いてリンゴケーキの方ですが、フランス語でリンゴを「 Pomme ポウム 」と呼び、ヨーグルトを使ってつくったリンゴケーキを「 ヨーグルト・ポムポム 」と言うそうです。
今回紹介したカクテルの材料にドライベルモットを使っていて、別名「 フレンチベルモット 」とも呼び、フランスで生まれたお酒なのです。
2つの説を挙げましたが、真相はわかりません。 後は皆さんのご想像にお任せします。
カクテルの特徴は、キレと辛口のドライジンと、ニガヨモギを中心に何十種類ものハーブを白ワインに漬け込んでつくられたドライベルモットを合わせたレシピで、全体的には辛口さとハーブ香が目立ち、飲みごたえもしっかりとある印象です。
- 「 フレンチ75 」のページは ⇒ コチラ
ポムポムの材料
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ベースのお酒・ベルモット
「 ベルモット Vermouth 」とは、白ワインをベースに、ニガヨモギ など様々なハーブやスパイスなどを使い、スピリッツを加えたフレーバー・ド・ワイン( 強化ワイン )です。
少しの苦味とハーブなどの香りが特徴で、食前酒としてロックなどそのまま飲まれることが多いですが、カクテルでも多くのレシピに登場します。
ベルモットの歴史
Photo|「 贈与を拒否するヒポクラテス 」ジロデ=トリオゾン作 1792年作
ベルモットの誕生は紀元前460年まで遡ります。 ギリシャの医者であった「 ヒポクラテス 」が、ワインにシナモンや蜂蜜を混ぜ合わせ、それを患者に飲ませていたのが始まりだと言われています。
西暦1600年代、ドイツでワインにニガヨモギというハーブを浸出させたものが飲まれるようになります。
この時にニガヨモギのドイツ語「Wermutkraut」のお尻部分「 kraut 」がなくなり、ヴェアムート Wermut と呼ぶようになります。 そしてドイツ語からラテン語に変わり、ベルモットと呼ぶようになりました。
1800年代に入ると、フランスの植物学者「 ジョセフ・ノワイイ 」が現在のドライベルモットの製造方法を確立し、その後イタリアでスイートベルモットが誕生します。
ベルモットの原料・製法
Photo|キク科ヨモギ属の多年草ニガヨモギ
製造方法や原料は全てを公表しておらず、大まかなことしかわかっていません。
原料はハーブの名前がそのまま付いてある通り、キク科ヨモギ属の多年草「 ニガヨモギ 」を主体としています。
ベースのお酒は白ワインで、ニガヨモギをはじめとした、苦レモン、シナモン、コリアンダー、ナツメグ、アンジェリカ、カルダモン、フェンネル、ジュニパーベリー、クローブ、etc…といった20種類以上ものハーブやスパイスを白ワインに漬け込みます。
- ベルモットの歴史・製法は ⇒ コチラ
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ベルモットの種類
ー ドライベルモット ー
名前にあるように辛口のベルモットです。 フランスで生まれたことから「 フレンチ・ベルモット 」と呼ばれています。
ブランドによって異なりますが、色は無色透明から少し黄色が入ったものまであり、スッキリとした味わいとサッパリ感、そしてハーブの香りが特徴で、その特徴からかカクテルの材料に多く使われています。
そのままロックなどで飲んだり、カクテルに使ったり、料理に使う白ワインをドライベルモットに変えることもあり、様々な用途がある使い勝手の良いフレーバー・ド・ワインです。
各ブランド比較
- チンザノ・・・・・・・・ハーブ香=弱・甘味=弱・酸味=強
- マルティーニ・・・・・・ハーブ香=強・甘味=中・酸味=中
- ノイリー・プラット・・・ハーブ香=中・甘味=強・酸味=強
- ドラン・・・・・・・・・ハーブ香=弱・甘味=弱・酸味=弱
※ 強・中・弱はドライ・ベルモットの中での比較であって、スイートベルモットの強とドライベルモットの強は別物です。
ー スイートベルモット ー
名前のとおり甘口のベルモットです。イタリアで生まれたことから「 イタリアン・ベルモット 」と呼ばれています。
色は濃い赤色をしていることや、ロッソと呼ばれたりもすることから、赤ワインから造られていると思われがちですが、この色はカラメル等の着色をしているのであって、赤ワインの色ではありません。
特徴はやはりハーブの香りとその甘味でしょう。 しっかりとした風味があるので、ドライベルモットよりもロックなどで飲むのに向いているかもしれません。
こちらもカクテルの材料によく使われているフレーバー・ド・ワインです。
各ブランド比較
- チンザノ・・・・・・・・ハーブ香=弱・甘味=中・苦み=中
- マルティーニ・・・・・・ハーブ香=中・甘味=強・苦み=弱
- ノイリー・プラット・・・ハーブ香=弱・甘味=中・苦み=強
- ドラン・・・・・・・・・ハーブ香=強・甘味=弱・苦み=弱
※ 強・中・弱はスイート・ベルモットの中での比較であって、ドライベルモットの強とスイートベルモットの強は別物です。
ー ベルモットロゼ ー
ベルモットの種類は、上記のドライとスイートの2つが主にカクテルで使われたり、ロックなどで飲まれています。 実は他にも種類があり、このロゼもその一つです。
見た目は名前の通り、ピンク色で、甘酸っぱいフレッシュな風味と、ベルモット独特のニガヨモギの程よい苦みが感じられるのが特徴です。
シェリー酒をベースにイチゴ、バニラなど甘味とコクのあるスパイスやハーブを使い、フィノの程よいナッツフレーバーがアクセントになって全体を引き締めています。
- ベルモットの各ブランド紹介は ⇒ コチラ
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今回紹介したカクテルの材料
ー ジン Gin ー
誕生・由来・・・ジンの原型となる「 ジュネヴァ 」は現在のオランダ・ベルギーで誕生しました。 最初薬用酒としてこの世に生まれたジュネヴァは、ジェニパーベリーの良い香りが人気の原因となり、オランダ国民に深く浸透します。 その後イギリスに持ち込まれたジュネヴァは、イギリス国内でも人気を博し、ジンと名前を変え、18世紀には歴史上最高のジン消費量を記録します。その後ジンは海を渡り、アメリカへと伝わると、やはりそこでも人気を得て、それまでとは違いカクテルベースとして使用されるようになり、世界中で飲まれるようになりました。
製造・原料・・・製造は、出来上がったニュートラル・スピリッツにジュニパーベリーをメインとした様々なボタニカルを漬け込み、約1日間おきます。 使うボタニカルは、シトラス、コリアンダー、カルダモン、キャラウェイ、など様々です。 これらに決まりはなく、各蒸留所が決めた素材を使い、その蒸留所の個性としてつくられます。 日本は日本ならではの玉露、柚子、山椒などが使われています。
漬け込みを終えると、再度蒸留器で蒸留し、加水してアルコール度数40%前後( 定義は37.5%以上 )に調整しボトリングして完成です。
味わい・香り・・・ドライジン、ジュネヴァ、シュタインヘーガーとそれぞれで特徴は変わります。ジンの主軸であるドライジンの場合は、辛口とキレが最大の特徴で、ジュニパーベリーの香りと相まって様々な材料と相性が良いです。
複雑な風味とボタニカルのニュアンスが特徴であり、シトラスの爽やかさとスパイスの深みが調和しています。これらの特性は、カクテルやミックスドリンクにおいて、ユニークな味わいを生み出すのに役立ちます。
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ビルド & ステア
ショートカクテルを作る際、ロングカクテルのようにグラスの中に直接材料を入れる技法「 ビルド 」ができないため、ミキシンググラスで材料を混ぜ合わせて( ステア )、小さめのグラス( カクテルグラス )に注ぐ技法を用います。
ステアとは?
簡潔に言うとステアとは、「 バースプーンで混ぜる 」ことです。
ショートカクテルの場合、ミキシンググラス( 写真 )と呼ばれる大きくて厚みのあるグラスに、氷と材料を入れ、かき混ぜるスタイルです。
ステアにはもう一つ役割があり、「 冷やす 」という役目もあります。基本的には常温保存されている材料が多く、それらを冷やすために行います。
簡単にまとめますと、「 グラスの中に直接材料を注ぐ 」= ビルド、「 バースプーンで混ぜる 」= ステアと覚えれば間違いはありません。
バースプーンの使い方
Step 1 = まず左手はグラスの底を押さえます(ドリンクを体温で温めないため)右手はバースプーンを持ちます。(左利きの人は逆になります)
Step 2 = バースプーンを動画にあるように中指と薬指の間に挟みます。
Step 3 = 親指と人差し指もバースプーンを挟んで持ちますが、この2本の役割は、落とさないようにするためだけのものなので軽く持ちましょう。
Step 4 = バースプーンの背中をグラスの内側の縁に沿って底へ持っていきます。
Step 5 = 自分の体より向こう側へ回す際は薬指で左回りに押すように持っていき、自分の体側に戻す際は右周りに中指で引き戻すようにバースプーンを移動させます。 この時にバースプーンの背中は常にグラスの外側へ向いています。
この動作の繰り返しになります。 最初は難しいと思うので、大きめのグラスに氷のみで練習すると良いでしょう。 慣れると便利なので、ぜひマスターしてください。
- バースプーンの詳しい使い方は ⇒ コチラ
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カクテルのTPO用語
オールデイカクテル All day cocktail
カクテルには様々なシチュエーション向けに考案されたものがあります。
主に食欲を増進させるための食前酒や、デザートのようなテイストの食後向けカクテルであったり、眠る前に飲むカクテル、飲み過ぎた後の迎え酒などと様々です。
そういったシチュエーションなどに無関係であったり、特にこだわりなく考案されたもので、向き不向きが無いカクテルというのがこの「 オール・デイ・カクテル 」です。
プレディナー Pre dinner cocktail
プレディナーカクテルとは食事前に飲むお酒のことです。
胃を刺激して消化液の分泌を促進することで、消化器官の負担を軽くする働きがあり、食欲増進の効果があります。
プレディナーの習慣が誕生したのは、18世紀後半から19世紀にかけての間にフランス、イタリアの貴族間から始まったそうです。
プレディナーの特徴はアルコール度数が低いこと、スッキリとした口当たりに爽やかさや爽快感があるものが多いです。 テイストは爽やかな甘味、少しの苦味や酸味が特徴的です。
お酒の種類はスパークリングワインやビールなどの炭酸類が多く見られ、リキュールではアペロールやカンパリといった少し苦味があり、ハーブなどの香りがするリキュールが使われることが多いようです。 カクテルも香り、苦味、爽やかさを使ったものが多く、種類も豊富にあります。
- カクテルを飲むタイミングの名称紹介は ⇒ コチラ
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ポムポムにおすすめのグラス
カクテルグラス Cocktail glass
逆三角形の形をした脚付きグラスです。 カクテルといえば多くの人がこのグラスを思い浮かべるのではないでしょうか。
脚が付いている理由は、ドリンクが入っている逆三角形の部分を手で温めてしまわないように付いています。飲むときは脚を持つようにしましょう。
カクテルには色彩を楽しむものも多くあり、カクテルの美しい色合いを邪魔しないためカクテルグラスは主に無色透明で、引き立て役として存在します。
一説にはマティーニを飲むために生まれたとも言われており、古くから「 マティーニグラス 」とも呼ばれています。
容量は少量しか入らず、グラスの中で直接混ぜることができないため、シェーカーか、ミキシンググラスで混ぜた後このグラスに注ぎます。
使っているカクテルは「 マティーニ 」や「 マンハッタン 」、「マルガリータ 」など有名なカクテルが多くあります。 標準は、60mlが程よく入る90ml、大型のもので 120ml ~ 150ml のものがあります。
シャンパングラス Champagne glass
シャンパングラスは口が広く底が浅めで脚付きの「 クープ型 」と、口が小さく縦に丸長になっている「 フルート型 」があります。
クープ型は1663年にシャンパンやスパークリングワインを飲むためにイングランドで作られました。18世紀頃からフランスで使われ始め、1930年代頃からアメリカで使用されるようになりました。
当時シャンパンは、甘めのデザート的なものが多く、パンやケーキなどを付けたりしていました。 そのためこのクープ型は口が広く作られています。 容量は120ml ~ 240mlが一般的。
フルート型は1700年代初頭に、シャンパン自体が甘めのものから、辛口や料理に合うものに変化していきました。そして最初は陶器や金属の素材で作られていましたが、ワイングラスをガラスの素材に代える際に一緒に作られました。
始めはまっすぐな円錐形でしたが、炭酸を逃しにくくするために、下から中央まで膨らみ、中央から上部にかけて狭くなっている形になりました。 ヨーロッパではビールを飲むのにも使われたそうです。容量は180ml ~ 300mlが一般的。
- グラス紹介ページは ⇒ コチラ
ポムポムで使う道具
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