パッションリキュール( パッソア )の歴史・特徴・ブランドの種類を紹介|カクテルのお酒 果実系リキュール編

パッションリキュールのパッソアのボトル
目次
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リキュール( 混成酒 )について

棚に数多く並んだお酒のボトル

リキュールとは、アルコール度数の高い蒸留酒に果物、ハーブ、スパイス、薬草などを漬け込み、砂糖などを加えたお酒の総称で、お酒の製造種類で言うと「 混成酒 」になります。

リキュールは古代ギリシャ時代に存在していたワインに薬草を溶かして混ぜたことが始まりとされています。

その後に登場した蒸留酒が本格的に様々なリキュールを生み出すようになります。 ワインを蒸留して濃縮したものに薬草などを漬け込むと保存性が上がることと、薬用酒としての効果も修道院が発見し、リキュールは進化していきます。

大航海時代が始まると、様々な国の果物、スパイスが輸入、輸出されるようになり、リキュールは幅広く発展していきました。リキュールが盛んに使われた中世のヨーロッパ時期、貴族達が集うパーティーで、貴婦人達が着ている華やかなドレスや宝石などの色に合わせて作られたカクテルを飲んでいたそうです。

現在でも果実ベース、ハーブやスパイスベースといった様々なリキュールが生まれています。ちなみに古くからある日本のリキュールと言えば、みりんと梅酒です。 本来みりんは米のリキュールで、戦国時代辺りでは甘いお酒として飲まれていました。現在では調味料の枠に入ってしまっていて、飲めるような味ではありません。他の日本産リキュールは柚子、みかん、抹茶、さくらさどが売られています。

パッションフラワーの発見

パッションフラワー

Photo|パッションフラワー

パッションフルーツ( フラワー )の産地は熱帯アメリカや、熱帯アフリカが主な産地として挙げられますが、現在では日本でも関東から南の地域でハウス栽培されているそうです。

そもそもパッションフルーツという名前は、1610年にあるスペインの宣教師がブラジルに渡った際にこの植物と出会いその宣教師が名付けました。

その珍しい植物の花を見た時に、三つに分かれた雌芯があり、5本に分かれた雄芯があったことから、キリストの十字架と、5カ所の傷を連想させ、花そのものは茨のように見えたそうです。

宣教師はそのことからこの花を「 パッション ( 殉難 )」と呼んだことからこの植物をパッションフラワーと呼び、その果実をパッションフルーツと呼ぶようになったそうです。

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パッションリキュールの始まり

パッションリキュールとは

ふたつに切ったパッションフルーツの断面

パッションリキュールとは、トロピカルフルーツの一種であるパッションフルーツの甘味や酸味や風味を、できる限りそのまま残し、リキュール化したお酒です。

世界で初めてパッションフルーツをリキュールにしたブランドが、パッションリキュールの代名詞と言える「 パッソア 」です。

起源と開発

パッションフルーツの果肉

パッションフルーツ・・・パッションフルーツ自体は南アメリカが原産で、17世紀頃にはヨーロッパに伝わりました。このフルーツはエキゾチックな風味と香りが特徴で、世界中で愛されるようになりました。

リキュールの誕生・・・1980年代に入ると、トロピカルフルーツの人気が高まり、これを利用したリキュールが開発され始めました。1985年にオランダのデ・カイパー社が「パッソア(Passoã)」というパッションフルーツリキュールを発売し、これが代表的なパッションリキュールとして広まりました。

カクテル文化の発展・・・1990年代から2000年代にかけて、トロピカルカクテルが世界中で流行し、パッションリキュールはその主要な材料として広く使用されるようになりました。特にビーチリゾートやサマーパーティーで人気を博しました。

風味・香りと特徴

グラスに入ったパッションフルーツの果肉

パッションリキュールは、パッションフルーツの甘酸っぱい風味と強い香りを持っています。この風味はカクテルにエキゾチックな味わいを加えます。適度な甘さがあり、他のフルーツリキュールやジュースと相性が良いです。また多くのパッションリキュールは鮮やかなオレンジやピンク色をしており、カクテルに彩りを加えます。

その甘さと風味を生かして、デザートや料理の材料としても使用されます。例えば、フルーツサラダに加えたり、アイスクリームにかけたりすることができます。

パッションリキュールは、南アメリカ原産のパッションフルーツをベースにした比較的新しいリキュールで、1980年代にオランダのデ・カイパー社によって「パッソア」が開発されました。トロピカルな風味と鮮やかな色合いが特徴で、多くのカクテルやデザートに使用されています。カクテル初心者にも扱いやすく、夏のリフレッシュメントとして最適なリキュールです。

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パッションリキュールの製造過程

パッションフルーツの実

Photo|パッションフルーツの実

1原材料の選定

パッションフルーツ・・・最高品質のパッションフルーツを選びます。フルーツは熟した状態で収穫され、そのフレッシュな風味を保持するためにすぐに加工されます。

ベースアルコール・・・リキュールのベースとなるアルコールは、通常中性の穀物アルコールやウォッカが使用されます。このアルコールが、フルーツの風味をしっかりと保持し、リキュール全体のバランスを取ります。

砂糖:リキュールの甘さを調整するために砂糖が加えられます。


2.・果実の処理

洗浄と選別・・・パッションフルーツは洗浄され、不良な果実や異物が取り除かれます。

果汁の抽出・・・果実を切り開き、果肉と果汁を取り出します。果汁はフィルタリングされ、果肉や種子などの不純物が取り除かれます。


3.・浸漬(マセレーション)

アルコールとの混合・・・抽出された果汁をベースアルコールに混ぜます。この混合物は、フルーツの風味と香りをアルコールに移すために一定期間浸漬されます。この過程は数日から数週間に及ぶことがあります。

温度管理・・・浸漬の過程では、風味の抽出を最適化するために温度が管理されます。


4ブレンドと調整

砂糖の添加・・・適量の砂糖が加えられ、リキュールの甘さが調整されます。

水の添加・・・必要に応じて水を加え、アルコール度数を調整します。


5フィルタリング

不純物の除去・・・浸漬が完了した混合物をフィルタリングし、残留する果肉や種子、その他の不純物を取り除きます。

透明度の確保・・・フィルタリングによってリキュールの透明度が高まり、見た目も美しくなります。


6熟成・ボトリング

熟成・・・一部のリキュールは風味をさらに深めるために短期間熟成されることがありますが、パッションフルーツリキュールは通常、熟成期間が短いか、全くないことが多いです。

ボトリング・・・完成したリキュールをボトルに詰めます。自動化されたボトリングラインが使用されることが一般的です。


まとめ・・・パッションフルーツリキュールの製造過程は、最高品質のパッションフルーツを使用し、その風味と香りをアルコールに移すために細心の注意を払います。浸漬、ブレンド、フィルタリングの各工程で、風味のバランスが保たれ、最終的に鮮やかでフルーティーなリキュールが完成します。

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パッションリキュールの主なブランド

パッションリキュール比較表

項目 / ブランドパッソアアリーゼキングストンボルス
発祥の地オランダフランススイスオランダ
主要成分パッションフルーツジュース、砂糖、アルコールパッションフルーツジュース、コニャック、ウォッカパッションフルーツジュース、砂糖、アルコールパッションフルーツジュース、砂糖、アルコール
アルコール度数20 %16 %24 %17 %
風 味トロピカルフルーツの甘さと酸味、パッションフルーツの強い香りトロピカルフルーツの甘さ、コニャックの深い風味トロピカルフルーツの甘さと酸味、バランスの取れた風味トロピカルフルーツの甘さと酸味、パッションフルーツの強い香り
主な用途カクテル、デザートカクテルベース、デザート、ストレートカクテル、デザートカクテル、デザート
特 徴トロピカルカクテルに最適、鮮やかな色高級感のある風味、プレミアムリキュールバランスの取れた風味歴史あるブランド、品質の高いリキュール
価格帯¥ 2,900 台¥ 3,300 台¥ 3,300 台¥ 1,800 台
詳 細パッソア ⇓アリーゼ ⇓キングストン ⇓ボルス ⇓

パッソア Passoa

パッションリキュールのパッソア

原産国|オランダ
Photo|画像提供 Asahi

1886年・フランスのレミーコアントローグループの女性蒸留師である「 アンヌ・ルクレール 」氏によって世界初のパッションフルーツのリキュール製造を成功させました。

主原料のパッションフルーツはブラジル産のものを使い、パッションフルーツのナチュラルな酸味に加え、柑橘系酸味のレモンジュースを加えることで、甘酸っぱさと微かなほろ苦さが複雑に合わさり、フルーティーでフローラルな味わいを完成させました。

ミステリアスな装いのブラックボトルからパステル・ピンク調の色彩の液体が出てくることが、フルーティーな甘味と酸味と一緒に若者に受けています。 ちなみにブラックボトルはデリケートなリキッドを紫外線から守るために黒色になったそうです。

果実ジュースと相性が良く、トロピカルな風味をつくることができ、ジュースのような味わがあるため、女性やアルコールが苦手な方を中心に人気があります。また、特徴であるフルーティーな甘味はアイスクリームなどのデザートと相性が良く、シロップにもなります。

アリーゼ Alize

パッションリキュールのアリーゼ

原産国|フランス

アリーゼのパッションリキュールは、コニャックメーカーでもある、アリーゼの開発者でもあるラフラジェット家と、酒類輸入業者のコブランド社が合併した会社で、1985年に設立されました。

コニャックブランデーにパッションフルーツのジュースを配合したもので、テイストのバランスに優れ甘味を抑えめにしているところが特徴です。

アリーゼは、フレンチ・ウォッカとコニャック、そしてパッションフルーツの天然果汁が合わさったプレミアムなリキュールとしてアメリカを筆頭に世界中で人気と高評価を得ており、パッションリキュールとして定番のブランドです。

キングストン Kingston

パッションリキュールのキングストン

原産国|スイス

キングストンパッションリキュールは、常夏の国から厳選されたパッションフルーツを、スイスの近代設備と高い醸造技術により製造されています。

パッションフルーツのトロピカルな風味を大切にすることを第一につくり上げ、その風味はカクテルで使う以外にもデザートにも使われています。

エレガントで贅沢なボトルのパッションリキュールは、別名「 スイスの芸術 」とも評されているほどです。

ボルス Bols

パッションリキュールのボルス

原産国|オランダ
Photo|画像提供 Asahi

1575年にオランダ・アムステルダムで誕生したボルスは、リキュールメーカーとしては最古の歴史を持ち、これまで様々な種類のリキュールを世に送り出してきました。現在ボルスとデ・カイパーはオランダの2大リキュールメーカーとして世界で知れ渡っています。

ボルスの信条は、厳選された本物の果実やスパイスを使う事と、440年以上もの伝統の製法を守っているブランドです。

ボルスのパッションリキュールは、パッションフルーツのフルーティーなフレーバーの他に、バニラ、ライチ、ピーチの味わいも感じられ、フルーティーさが特徴のリキュールです。

まとめ

グラスに入ったパッションフルーツの果肉

パイナップルやマンゴーと並ぶトロピカル・フルーツの代表格パッション・フルーツ。その甘味と酸味のバランスの良さが世界中で食されている理由なのかもしれません。

そのパッション・フルーツをお酒に変えたパッション・リキュールも、世界中で様々な飲まれ方で愛飲されています。 アルコールが苦手な方、甘いもの好きの女性、ジュースのようなお酒に興味がある方などは、このリキュールは特におすすめできる一品です。

ブランドによって、酸味を強くしたり、香りにこだわったり、テイストをよりフルーティーにしたりと色々あるので、ご自分の好みに合ったパッションリキュールをお探しください。

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