レシピと作り方
グロッグの材料
Recipe no.097
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技法 = ステア
※ Full = グラスの8割~9割まで満たす適量のこと
グロッグの作り方
グラスは、タンブラーグラス、コリンズグラス などを使いましょう。 お湯割りにする場合は ホットグラス を使います。
しっかりとステアし、シナモンスティック、クローブを 3~4粒 入れ完成です。
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グロッグの由来・特徴
由来と歴史
Photo|イギリス海軍提督 エドワード・ヴァーノン|画像引用 Wikipedia
「 グロッグ 」の起源は18世紀のイギリス海軍に遡ります。当時、長い航海中に船員たちが飲む水はすぐに腐敗し、飲用には適さなくなってしまうことが問題でした。そこで、ラムを水で希釈し、少量のライムジュースを加えることで、飲み物の腐敗を防ぎ、ビタミンCを補給することで壊血病の予防にも役立つと考えられていました。この混合物は当初「 グロッグ 」と呼ばれ、名前の由来は、1740年にこの飲み物を船員に提供することを命じたエドワード・ヴァーノン提督のニックネーム「 オールド・グロッグ( Old Grog ) 」に由来します。
イギリス海軍が、兵士に娯楽などの理由でラム酒を配っていました。一度に支給されるラム酒の量は多くなかったため、兵士達は何日も支給されるラムを貯め、それを一気に飲むといったことが兵士の中で広がりました。
結果酔っ払いが出始め、業務などに差し支えることから、ラムの支給ではなく、ラムに水を混ぜたものを支給するようにしました。水を混ぜてしまうと、ラムのみのものよりもずっと早く痛んで飲めなくなってしまうので、「 貯めて飲む 」という事ができなくなってしまうのが目的でした。
これは船員達に不評で、提督の着ている上着「 グログラム 」をイヤミの意味を込めて「 オールド・グロッグ 」というあだ名が提督に付き、何時しかその「 オールド 」がなくなりこの名前になりました。
ちなみに飲み過ぎた状態のことを「 グロッキー 」と呼びますが、元はこのグロッグという名前が訛って「 グロッギー 」となったのが始まりです。
特徴・魅力
グロッグはとてもシンプルなカクテルで、ミネラルウォーターで割るため、ホワイトラムで作ると物足りなさを感じると思います。 なのでベースにはゴールドラムかダークラムを使います。 そのゴールドラム、ダークラムの風味や味を酸味のレモンジュースを加え原酒を楽しむカクテルです。
ダークラムとレモンジュースをお湯で割り、お好みで角砂糖、シナモンスティックを入れるのが本来のレシピです。 レモンジュースは、大航海時代の壊血病を視野に入れ後にレモンジュースが加わるようになりました。
〚 特 徴 〛・・・「 グロッグ 」の特徴は、そのシンプルさと温かい飲み心地です。ラムの強いアルコール感が、お湯で希釈されることでやわらぎ、ライムジュースやシナモン、クローブのスパイスが加わることで、奥行きのある風味が生まれます。温かいカクテルであるため、特に寒い季節や風邪気味の時に最適です。
〚 味わいと魅力 〛・・・「 グロッグ 」は、ラムの甘さとライムの酸味がバランスよく調和した味わいが特徴です。クローブやシナモンのスパイシーな香りが加わることで、深みのある温かみのある味わいとなり、飲む人をほっとさせる効果があります。ラムの種類( ダークラムやホワイトラム )によっても味わいが変わり、ダークラムを使うとよりリッチで複雑な風味になります。
「 グロッグ 」の魅力は、その歴史的背景と、寒い季節にぴったりの温かい飲み心地です。18世紀のイギリス海軍というドラマチックな背景があり、歴史を感じながら飲むことができる点がユニークです。また、材料もシンプルで、家庭でも手軽に作れるため、風邪の予防やリラックスしたいときのドリンクとしても人気があります。さらに、カスタマイズの幅が広く、好みに合わせてスパイスや甘みを調整することで、自分だけの「 グロッグ 」を楽しむこともできます。
〚 まとめ 〛・・・「 グロッグ 」は、ラムベースの温かいカクテルで、シンプルなレシピながらも歴史とストーリー性に富んだ飲み物です。寒い季節に温まりたいときや、風邪の予防として楽しむのに最適なカクテルであり、その素朴で温かい味わいは、多くの人々に愛されています。クラシックなカクテルながらも、アレンジを加えることで現代的な楽しみ方もできる「 グロッグ 」は、まさに時代を超えて愛される一杯です。
グロッグの材料
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〚 他のカクテル レシピリスト 〛
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ベースのお酒・ラム
世界4大スピリッツの一つのラム。4大スピリッツの中でも生産量は1位です。
カリブ海生まれが影響してか、カクテルにはトロピカルカクテルのレシピがたくさんあります。
ほのかな甘味のある飲みやすいスピリッツなので、カクテルのみならずケーキやタルトなどのデザートや、紅茶の香りづけ、フレンチ料理などに使われることも多く、生産量はジンやウォッカと同等ありながら、使われているジャンルは他を圧倒します。
ラムの誕生
ラムの主原料はサトウキビ、生まれはカリブ海です。( 一説によるとキューバが有力です ) 初めにラムを作った国は特定できていませんが、1600年代の17世紀には存在したようです。
しかしサトウキビはカリブ海では自生しません。 ではなぜラムが生まれたのか・・・
それは1500年頃にヨーロッパの国々が、植民地であったカリブ海の島々へサトウキビが持ち込まれたからです。 サトウキビを栽培する気候などの環境がマッチしたため、カリブ海全域に広がり、島々が生産地となりました。
更にアメリカで作られたラムは、アフリカで黒人奴隷の代金として渡され、そこで交換された黒人が西インド諸島でサトウキビ栽培の労働となります。 このサイクル貿易がラムを世界中に広めた原動力のひとつになりました。
ラムの定着
そして17世紀カリブ海と言えばパイレーツ・オブ・カリビアンで有名な海賊です。 海賊と言えば宝と酒!
カリブ海の海賊が飲んでいるのは、ほとんどがラムです。 海賊のみならずこの時代のカリブ海のお酒はラムが一番飲まれていました。
1700年代中盤にイギリス海軍は、海の上の娯楽や、士気を高めるためにラムを兵士に配りました。 カリブ海の海賊とこの海兵の飲みものとしてラムは海のイメージが強くなっていったのです。
第二次世界大戦の頃のアメリカは「 ジン 」が人気でしたが、イギリスとの関係が悪く、ジンを輸入できずにいました。
そのジンの代わりに広まったのが同じスピリッツであり、アメリカでも生産しているラムです。 こうしてラムはジンやウォッカに勝るとも劣らない存在になっていきました。
日本では20世紀になってから生産されています。 基本的には西日本が主な生産地で、サトウキビで有名な沖縄県や、鹿児島県、高知県などです。
ラムの製法
主な原料はサトウキビですが、ラムには2種類の製法があります。 「 インドストリアル製法 」と「 アグリコール製法 」です。
ー インドストリアル製法 ー
インドストリアル製法の特徴は、サトウキビから砂糖を精製する際に出る「 廃糖蜜 」を使用します。
この廃糖蜜を「 モラセス 」と呼び、そのモラセスを発酵させ蒸留し、オーク樽で貯蔵・熟成させます。
ラムの製法は2種類ありますが、世界中のラム総生産量の97%はこのインドストリアル製法です。 理由としてはモラレスは貯蔵しておくことで生産者のタイミングにラムを作ることができるためです。
そのため一年中ラムの生産を行うことができます。そして貯蔵をすることができるので、サトウキビを栽培し、収穫できる土地より離れた場所に蒸留所があっても製造できるというメリットがあります。
ー アグリコール製法 ー
インドストリアル製法はモラセスを使うのに対し、アグリコール製法はしぼり汁をそのまま原料として製造します。
この製法は全世界のラム生産のおよそ3%程の生産量しかありません。
その理由はインドストリアル製法よりもずっと新しい製法であること、サトウキビは刈り取るとその瞬間から発酵が始まってしまうため、しぼり汁を使うこの製法は、サトウキビ栽培地の近くでないと生産できず、収穫時期以外生産できません。 これらがラム生産のおよそ3%程の希少価値の高い理由です。
- ラムの歴史・原料・製法は ⇒ コチラ
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ラムの種類
ラムの種類には重さで分けられる場合(ライトラム・ミディアムラム・ヘビーラム)と色で分けられる場合(ホワイトラム・ゴールドラム・ダークラム)があり、今回は色でご紹介をいたします。
ー ホワイト ラム ー
モラセスを発酵させ、連続式蒸留機で蒸留後に熟成させます。
熟成後のままの状態だとゴールドラム、熟成ではなく貯蔵して濾過したものをホワイトラムと呼びます。
ホワイトは軽めで口当たりがよく、他の材料と合いやすいためカクテルに使われています。
Photo|ロンリコ Ronrico| 画像提供 SUNTORY
- おすすめのホワイト・ラムは ⇒ コチラ
ー ゴールド ラム ー
熟成後のままの状態だとゴールドラム、貯蔵後に濾過したものをホワイトラムと呼びます。
短期間ではありますが樽熟成を行っているので、ストレートやロックにも向いています。
ダークラムほど濃厚さはなく、ホワイトラムほどクリアさもありませんが、爽やかさを持ちつつも、芳醇さがあり、なめらかな口当たりが相まって非常に飲みやすいです。
Photo|キャプテン・モルガン Captain Morgan
- おすすめのゴールド・ラム ⇒ コチラ
ー ダーク ラム ー
Photo|ロンサカパ Ron zacapa
- おすすめのダーク・ラム ⇒ コチラ
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ビルド & ステア
「 ビルド 」とは「 組み合わせる 」または「 注ぐ 」という意味があり、ステアのように完全に混ぜるのではなく、組み合わせる、もしくはグラスに直接注ぐという目的の際に使います。
「 グラスの中に直接材料を注ぐ 」= ビルド、「 バースプーンで混ぜる 」= ステアと覚えれば間違いはありません。
炭酸系の混ぜ方
炭酸系の材料を使う場合は、早く混ぜたり、回す回数が多いと、炭酸が溢れてこぼれてしまうだけでなく、炭酸ガス自体も抜けてしまうのでゆっくり回すように注意しましょう。
バースプーンやマドラーをグラスの内側に沿って底まで入れます。 グラスに当てたままゆっくりと1回転 ~1.5回転回し、先端のスプーンでゆっくりと氷を持ち上げてゆっくりと下ろします。
混ざりにくい材料の場合は、炭酸以外の材料を入れて一度ステアを行い、炭酸類を入れた後に再度軽くステアするようにします。
バースプーンの使い方
Step 1 = まず左手はグラスの底を押さえます( ドリンクを体温で温めないため )右手はバースプーンを持ちます。( 左利きの人は逆になります )
Step 2 = バースプーンを動画のように中指と薬指の間に挟みます。
Step 3 = 親指と人差し指もバースプーンを挟んで持ちますが、この2本の役割は、落とさないようにするためだけのものなので軽く持ちましょう。
Step 4 = バースプーンの背中をグラスの内側の縁に沿って底へ持っていきます。
Step 5 = 自分の体より向こう側へ回す際は薬指で左回りに押すように持っていき、自分の体側に戻す際は右周りに中指で引き戻すようにバースプーンを移動させます。 この時にバースプーンの背中は常にグラスの外側へ向いています。
この動作の繰り返しになります。 最初は難しいと思うので、大きめのグラスに氷のみで練習すると良いでしょう。 慣れると便利なので、ぜひマスターしてください。
- バースプーンの詳しい使い方は ⇒ コチラ
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カクテルのTPO用語
オールデイカクテル All day cocktail
カクテルには様々なシチュエーション向けに考案されたものがあります。
主に食欲を増進させるための食前酒や、デザートのようなテイストの食後向けカクテルであったり、眠る前に飲むカクテル、飲み過ぎた後の迎え酒などと様々です。
そういったシチュエーションなどに無関係であったり、特にこだわりなく考案されたもので、向き不向きが無いカクテルというのがこの「 オール・デイ・カクテル 」です。
プレディナー Pre dinner cocktail
プレディナーカクテルとは食事前に飲むお酒のことです。
胃を刺激して消化液の分泌を促進することで、消化器官の負担を軽くする働きがあり、食欲増進の効果があります。
プレディナーの習慣が誕生したのは、18世紀後半から19世紀にかけての間にフランス、イタリアの貴族間から始まったそうです。
プレディナーの特徴はアルコール度数が低いこと、スッキリとした口当たりに爽やかさや爽快感があるものが多いです。 テイストは爽やかな甘味、少しの苦味や酸味が特徴的です。
お酒の種類はスパークリングワインやビールなどの炭酸類が多く見られ、リキュールではアペロールやカンパリといった少し苦味があり、ハーブなどの香りがするリキュールが使われることが多いようです。 カクテルも香り、苦味、爽やかさを使ったものが多く、種類も豊富にあります。
- カクテルを飲むタイミングの名称紹介は ⇒ コチラ
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グロッグのこのカクテルのおすすめ グラス
タンブラーグラス Tumbler glass
「 タンブラー Tumbler 」の語源は「 倒れるもの 」や「 転ぶもの 」の意味があり、元々獣を狩り、残った角等をくり抜いてコップにし、底が真っ平にはならなかったので、よく倒れていたことからこの名前が付いたそうです。
別名ハイボールグラスとも呼ばれることがあり、主にハイボールスタイルや、ソフトドリンクなどに使われています。 オールドファッションドグラス( ロックグラス )を原型として誕生したとも言われ、オールドファッションドグラスをそのまま縦に長くしたような形をしています。
使い勝手が良く、容量も多く入るため、どの家庭にも必ずいくつかはあるグラスで、用途がおおいためか容量の種類も一番多くあると言っても過言ではないでしょう。
素材もガラス製だけではなく、木製、金属製、陶器、プラスチック製と様々なものがあります。 容量は6オンスの180ml、8オンスの240ml、10オンスの300mlが一般的で、飲食業界では略して6タン、8タン、10タンなどと呼ばれているそうです。
コリンズグラス Collins glass
背の高い円柱形の細い形をしたグラスで、ラムベースの「 ゾンビ 」を飲むために使われるため、ゾンビーグラスと言われています。その後ジンベースのカクテル「 トムコリンズ 」の人気が出るとコリンズグラスとも呼ばれるようになりました。
他にもチムニーグラスやトールグラス、煙突グラスとも言われることがあります。
他のグラスに比べて別名が多くあり、それだけ様々な場面で多くの国々の人達に使われているという事なのかもしれません。
背が高く細いので倒しやすいという難点がありますが、その細さは炭酸を抜けにくくしているためという最大のメリットがあり、炭酸系のカクテルをつくる時には必ずと言っていいほど使われるグラスです。 容量は270ml ~ 360mlくらいが一般的。しているためという最大のメリットがあり、炭酸系のカクテルをつくる時には必ずと言っていいほど使われるグラスです。 容量は270ml ~ 360mlくらいが一般的。
ホットグラス Hot glass
ホットドリンクを飲むためのグラスです。
耐熱性があり、持ちやすいように持ち手がカバーになっていて取り外しができる様になっています。
そのため熱いドリンクと冷たいドリンク両方使え、一年中使える利便性の高いグラスです。
現在ではガラスの技術が上がり、グラス自体にガラス製の取っ手が付いているものも多く販売され、この取っ手カバーがなくなりつつあります。 容量は180ml~300mlが一般的です。
- グラス紹介ページは ⇒ コチラ
グロッグのこのカクテルに使う道具
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