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アップルパイは、その名のとおりグラスの中の小さなデザートのようなカクテルです。それでいて、1930年のロンドン『サヴォイ・カクテルブック』に載るこのクラシックには、リンゴが一切使われていません。
ホワイトラムとスイートベルモットに、アプリコットブランデーとレモンをひとさじずつ、グレナデンをほんの少し加えてシェークすれば、やわらかなコーラル色の一杯に。アプリコットの焼き菓子のような甘さからベルモットの温かなスパイスへと移ろい、レモンが余韻を引き締めます。懐かしくやさしい甘さのクラシックを、ぜひ今夜味わってみてください。
レシピと作り方
材 料

Recipe no.152
- ホワイトラム・・・・・・・・・40ml
- スイートベルモット・・・・・・20ml
- アプリコット・・・・・・・・・1tsp
- レモンジュース・・・・・・・・1tsp
- グレナデンシロップ・・・・・・1/2tsp
※ 1tsp = バースプーン1杯分の分量のこと
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作り方

レモンジュースを搾って冷やしておきましょう。
グラスはあらかじめ冷やしておくか、氷を入れておき、注ぐ直前に氷と水を捨ててください。シェーカーも同様に、氷を入れてよくかき混ぜて冷やし、水を捨ててください。
シェーカーにホワイトラム、スイートベルモット、アプリコット、レモンジュース、グレナデンシロップ、氷を入れます。
しっかりとシェークした後にシェークした材料をグラスヘ注げば完成です。
- 技法 = シェーク
- グラス = カクテルグラス
- アルコール度数 = 25% ~ 26% 前後
- 最適なTPO = 日中 / 食後
- カクテル言葉 = 「 典型的なアメリカのこと 」
- カクテル誕生日 = 「 不明 」
アップルパイの特徴と動画
由 来

アップルパイは、1930年のハリー・クラドック『サヴォイ・カクテルブック』に、ラム、イタリアン(スイート)ベルモット、アプリコットブランデー、グレナデン、レモンジュースで作るカクテルとして載っています。ロンドンの名門ホテルのバーで、上品なショートカクテルが楽しまれていた時代の一杯です。
名前の由来は記録されていませんが、それもこのカクテルの魅力のひとつです。手がかりはグラスの中にあります。アプリコットの焼き菓子のような果実の甘さと、ベルモットの温かなスパイスの香りが、まるでパイのようなフルーツ菓子のやさしい味わいを思わせるのです。
特徴・味わい

ホワイトラムがクリアでやさしい甘さの芯をつくり、スイートベルモットのやわらかなスパイスの香りが重なります。アプリコットブランデーが豊かな果実味と奥行きを、少量のレモンが輪郭の引き締めを、グレナデンが艶やかなコーラル色を添えます。
シェーカーの氷が鳴ったあと、グラスに注がれる一杯は、デザートの最後のひと口のようにやさしい味わいです。甘いのにくどくなく、まろやかなのに背伸びしすぎません。
私なら、仕事帰りのご褒美や、初めての「少し大人な一杯」としておすすめします。ひと口目から好きになれる、バランスの良い味わいだからです。
ポイント・アレンジ・相性の良い食べ物

作り方のポイント
- 少量の材料を目分量で入れる(よくある失敗)・・・アプリコットブランデー、レモン、グレナデンは量が少ないため、感覚で注いでしまう方が多くいます。ほんの数滴多いだけで、甘すぎたり酸っぱすぎたりとバランスが崩れてしまいます。バースプーンで1つずつ正確に量れば、いつも同じまろやかな味に仕上がります。
- スイートベルモットを選ぶ・・・軽めのイタリアン・ロッソなら明るく飲みやすく、バニラの香りが濃い重めのベルモットなら、より深くデザートのような味わいになります。私なら、まずは定番のロッソから始めます。アプリコットとラムの個性が引き立つからです。
- フレッシュレモンで力強くシェーク・・・搾りたてで冷やしたレモンジュースは、すっきりとした生き生きとした酸味を生みます。10〜15秒しっかりシェークすれば、よく冷えて適度に空気を含み、アルコールの角がとれて果実の香りが引き立ちます。
アレンジ
- レモンピール・ツイスト・・・レモンピールをグラスの上でひねり、そのまま飾ります。フレッシュな柑橘の香りが立ち、スイートベルモットとアプリコットの甘さに、すっきりとしたキレが加わります。
- 本物のアップルパイ・・・カルヴァドスなどのアップルブランデーを小さじ1杯(5ml)加えます。まさにその名のとおり、焼きリンゴのようなやさしい香りが加わり、アプリコットやベルモットのスパイスと美しく溶け合います。
相性の良い食べ物・おつまみ
- タルト・タタン・・・キャラメリゼしたリンゴとバターたっぷりの生地がカクテルの名前と響き合い、ベルモットの温かなスパイスとアプリコットの果実味で、ひと口のパイと甘いひと口を同時に楽しんでいるような組み合わせになります。
- ブリーチーズとアプリコットジャム・・・クリーミーでマイルドなチーズがラムの強さをやわらげ、アプリコットジャムがアプリコットブランデーと重なって、ひと口とひと飲みをひとつにまとめてくれます。
- スパイスピーカン・・・シナモンとブラウンシュガーをまとった香ばしいピーカンナッツが、ベルモットの温かなスパイスと響き合い、カリッとした食感がカクテルのなめらかでまろやかな口当たりと心地よいコントラストを生みます。
レシピ動画
- レシピ動画|JiLL GaMaN cocktail Channel Home
材料リスト
指宿産オーガニック糖蜜と鹿児島黒糖、天然地下水で仕込む国産クラフト。華やかな香りと優しい甘みが広がる洗練の味わい
他銘柄に比べ、苦味を弱く甘味を強めに製造されています。スイートを使うカクテルはハッキリとした甘味を出すものが多いのでマルティーニをおすすめできます。
フランス産とアフリカ産の厳選されたアプリコットにコニャックを加えられており、豊かな香りと柔らかで杏の濃密な甘味が詰まったテイストを味わえる一品。
最高のフルーツを厳選して使用し、果肉の風味を生かした昔ながらのホームメイド作法で造っています。保存料を一切使わずにナチュラルさにこだわり、その高品質さが最大の特徴です。
バーテンダー経験者が描く小説『 Bar 灯影 ~まだ名前のない約束たち~ 』

東京の雑居ビルの地下にある、隠れ家バー「Bar 灯影」。寡黙なマスターと、仕事帰りに通う23歳の彩香のもとに、毎晩いろいろな事情を抱えた客がやってきます。
マスターは多くを聞かず、その夜の一杯だけを差し出します。カクテルの所作や味わいは、バーで働いていた筆者が、現場の記憶をもとに描いています。
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