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世界5大ウイスキーは、スコッチ、アイリッシュ、アメリカン、カナディアン、ジャパニーズという個性豊かな産地から生まれます。それぞれの風土と伝統が育んだ多彩な味わいは、初心者から愛好家まで幅広く楽しめる魅力にあふれています。この記事では、各産地を代表するおすすめブランドをご紹介。世界中で愛されるウイスキーの奥深さを、ぜひ体験してください。
スコッチウイスキー シングルモルト
スコッチ・シングルモルト比較表
項目 / ブランド | ハイランドパーク | グレンモーレンジィ | マッカラン | グレンフィディック | ザ・グレンリベット | ボウモア | ラガヴーリン | スプリングバンク |
生産エリア | アイランズ | ハイランド | スペイサイド | スペイサイド | スペイサイド | アイラ | アイラ | キャンベルタウン |
味わい | 蜜のような甘み、ピートのスモーキーさ、スパイス | フルーティ、クリーミー、バニラ | リッチでフルボディ、ドライフルーツ | フルーティ、バランスの良い甘さ | フローラル、フルーティ、クリーン | スモーキー、海塩、フルボディ | 非常にスモーキー、リッチ、ピート | ピート、スパイス、ナッティ |
香 り | フローラル、ハニー、ヘザー | 柑橘類、バニラ、アーモンド | シェリー、スパイス、チョコレート | 洋梨、アップル、クリーム | フローラル、シトラス、バニラ | ピート、レモン、蜂蜜 | スモーク、海草、シェリー | ピート、シトラス、オーク |
風 味 | モルティ、シェリー、スモーク | 滑らかでエレガント、ややナッティ | オーキー、シトラス、スパイシー | フルーティ、ハニー、オーク | 軽やかで爽やか、ややスパイシー | シェリー、シトラス、スモーク | ドライ、スパイシー、シトラス | フルボディ、シェリー、シトラス |
特 徴 | オークニー諸島特有のバランスの取れた風味 | スコットランドで最も背の高い蒸留器を使用 | シェリー樽熟成による豊かな風味 | シングルモルトのスタンダード | スペイサイドの代表的なシングルモルト | アイラの伝統的なスモーキーな味わい | アイラウイスキーの代表的な存在 | キャンベルタウンの伝統を守るウイスキー |
世界での評価 | 特にバランスの良さが評価されている | 初心者にも好まれる | 特に高級志向の愛好者に人気 | 世界で最も売れているシングルモルト | 安定した品質で評価されている | アイラの入門として人気 | ピート好きに絶大な人気 | 愛好者には評価が高いが生産量が少ない |
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ハイランドパーク Highland park

スコットランド最北端、かつてバイキングの拠点だったオークニー諸島で1798年から守られているシングルモルトです。
寒冷で風が強く高い木々が育たないこの島では、4,000年の時をかけて育まれたヘザーの花を元としたピートを使用。このピートがハイランドパーク特有のアロマティックでバランスの取れたスモーキーを生み出しています。
さらに蒸留所は、スコットランド内でも数カ所しか行っていない伝統的な製麦方法「フロアモルティング」を採用し、伝統を守り続けています。
熟成にはシェリー樽を使用し、それぞれの樽の原酒を丁寧に調和。深みのある甘い香りとスモーキーのバランスが絶妙に取れた、最北の地が生んだ唯一無二の味わいが最大の特徴です。1798年から受け継がれる伝統の技が、今も息づいています。

グレンモーレンジィ Glenmorangie

1843年、古いビール工場を改造してスタートしたグレンモーレンジィは、資金不足から背の高いジン用スチルをそのまま使用しました。この予期せぬ選択が、軽やかでフルーティー、フローラルなウイスキーを生み出す転機に。重たいアルコール蒸気は長いポットスチルを登りきれず、軽やかな蒸気だけが抽出されたのです。
現在も大人のキリンとほぼ同じ長さ(5m以上)の蒸留器を使用し、華やかなアロマとエレガントな味わいを生んでいます。
こだわりは樽にも。理想的な通気性を持つホワイトオークを年輪の密集度で厳選し、2年かけて自然乾燥。
その後バーボンメーカーに貸し出して木のタンニンなど不要な要素を取り除き、グレンモーレンジィのためだけに造られた「デザイナーカスク」という特別な樽で熟成させます。スコットランドで一番人気のシングルモルトと言っても過言ではない逸品です。

マッカラン Macallan

スコッチウイスキーの代名詞的存在、マッカランは1824年にハイランドで2番目に蒸留ライセンスを取得した伝統あるブランドです。
その歴史は、品質へのこだわりを貫いた困難との戦いでもありました。第一次・第二次世界大戦時、多くの蒸留所が人員不足や材料不足で品質を落とす中、マッカランは一時閉鎖を選択してでも品質を守り抜きました。熟成不足の製品は決して販売せず、伝統を貫いたのです。
この姿勢を支えたのが、所有者ロデリック・ケンプ氏の死後に設立された「ケンプ・トラスト」。一家の精神を守り続ける組織として、困難な時代を乗り越えました。
マッカランの個性を決定づけるシェリー樽が入手困難になった際も、コストが5倍以上に膨れることを覚悟して自ら樽を製作。製作から原酒を樽に入れるまで6年という時間をかけた樽が、現在の唯一無二の個性を生んでいます。世界中で愛される存在となった今、そのこだわりと伝統が証明されています。

グレンフィディック Glenfiddich

「鹿野谷で最高の一杯」をつくる夢を抱き、ウィリアム・グラント氏が7人の息子と2人の娘の助けを得て1886年に設立した蒸留所。名前は「鹿野谷」を意味する「グレンフィディック」です。
この家族の物語は現在も受け継がれ、数少ない家族経営で世界中に称賛されるシングルモルトの一つとなりました。世界的な認知を広げたのは、ウィリアムの孫グラント・ゴードン。厳しい時代を生き抜き、グレンフィディックは存続し続けました。
1957年から銅器職人を常駐させるという珍しい姿勢を貫き、唯一無二の蒸留器を完成。さらに自社で樽も製造するようになり、現在では数少ないクーパレッジ(樽製造場)を持つ蒸留所です。
1998年にはウィスキーで初めて「ソレラシステム」を採用し、15年熟成の逸品を発売。洋ナシやレモンのフルーティーな香りと繊細で軽やかな甘味が特徴。ソレラリザーブははちみつやレーズンの香り、バニラ、シナモン、ほのかなスパイシーさが広がる滑らかな味わいです。


ザ・グレンリベット The Glenlivet

1824年、英国政府公認第一号の蒸留所として誕生したザ・グレンリベット。当時は密造が主流だったため、創業者ジョージ・スミス氏は裏切者と見なされ、命を狙われる日々が続きました。それでも彼が公認の道を選んだおかげで政府の規制が和らぎ、次々と公認蒸留所が増え、密造酒はスコッチウイスキーへと進化していったのです。
苦難は続き、その品質とネームバリューにあやかろうと、25以上もの蒸留所がグレンリベットの名を勝手に使用。名前だけでなくスタイルまで模倣されたため、ジョージは裁判所に提訴。1884年、息子ジョン・ゴードン・スミスの時代に「ジョージ・スミスのウィスキーだけが本物であり、定冠詞THEを付けられる」という判決が下されました。
バーボン樽で熟成され、バニラ、リンゴ、シナモン、バナナ、綿菓子の特徴的な香りを持ちます。ファースト・オロローソ・シェリー樽がドライフルーツと温かみのあるスパイスの素晴らしくリッチなフレーバーを与えています。

ボウモア Bowmore

スコットランド・インナーヘブリディーズ諸島最南端に位置するアイラ島は、手つかずの美しい自然と野生動物の宝庫から「ヘブリディーズの女王」と呼ばれています。人口約3,500人のこの島には8つもの蒸留所があり、世界でも稀なウイスキーの聖地として知られています。
ボウモアは、その聖地の中で最古の蒸留所。1779年に設立され「アイラモルトの女王」という別名を持ちます。経営権は幾度も移り、第二次世界大戦では英海軍の飛行艇訓練基地としても使用されました。1989年にサントリーが資本参入し、1994年に完全子会社化。所有権が変わっても、伝統的な製法と風味は守り抜かれてきました。
最大の特徴は、海にせり出すように建てられた貯蔵庫。潮の香りを吸い込んだウイスキーは唯一無二の味わいです。ライトな印象ながら複雑なコクがあり、フローラルな香りとしっかりとしたピート香が調和。アイラを代表するシングルモルトの逸品です。
ラガヴーリン Lagavulin

アイラモルトを代表するもう一つのウイスキー、ラガヴーリン。1816年、地元の農業経営者兼蒸留職人ジョン・ジョンストンが合法蒸留所を創業しました。
その後、グラスゴーの商人アレクサンダー・グラハムに経営権が移り、ジョンストンの死後、グラハムは二つの蒸留所を統合。ここからラガヴーリンの歴史が始まりました。
最大の特徴は、アイラモルトの中でも最もリッチで重厚な味わい。広大なピートのスモーキーさと、ドライさを兼ね備え、その両方が魅力的な個性を生んでいます。アイラ特有の海藻の香味と、長く続くフィニッシュも特徴的です。
オレンジやダークチョコレートの優しさと甘味が感じられ、上品なピート香の余韻が長く続くところも魅力。完成度の高いウイスキーで、他のシングルモルトより価格は高めですが、シングルモルト好きならば一度は飲んでみたい逸品。その味わいは、価格以上の価値を必ず感じさせてくれます。
スプリングバンク Springbank

1828年、レイド家によってスコットランド南西部キンタイア半島に設立されたスプリングバンク。約10年後にミッチェル家に所有権が移り、1872年には兄弟の仲違いで分裂という波乱の歴史を歩みました。
19世紀後半、キンタイア半島の港町は最盛期を迎えます。グラスゴーに近く、船で北アイルランドやイングランドにも容易にアクセスできたため、小さな港町ながら蒸留所は20以上に増加。年間520万リットルものウイスキーが世界中に輸出されました。
しかし第一次世界大戦後の世界恐慌、アメリカ禁酒法、石炭高騰の影響で急速に衰退。1934年にはわずか2つの蒸留所のみが残りました。現在は3つが稼働し、スプリングバンクは高い品質と伝統を守り続けて生き残りました。
大麦の製麦からボトリングまで全工程を自社で行う唯一の蒸留所。1828年当時の設備も現役で「操業している博物館」と称されます。レモンやメイプルシロップの香り、ハチミツやオレンジの風味、そしてピリッとした塩気が特徴。「モルトの香水」と呼ばれる香り高い逸品です。

スコッチウイスキー ブレンデッド
スコッチ・ブレンデッド比較表
項目 / ブランド | ジョニーウォーカー | バランタイン | シーバスリーガル | カティサーク | オールドパー | デュワーズ |
味わい | フルボディ、スモーキー、スパイシー | バランスの取れた甘さとスパイス | リッチ、フルーティ、クリーミー | ライトボディ、フルーティ、シトラス | フルボディ、リッチ、スモーキー | スムース、ミディアムボディ、ややスモーキー |
香 り | ピート、シトラス、フルーティ | ハニー、フルーティ、スパイス | リンゴ、ハニー、シェリー | レモン、バニラ、フローラル | ドライフルーツ、スパイス、シトラス | ハニー、バニラ、トフィー |
風 味 | オーク、バニラ、スモーク | モルティ、ナッティ、バニラ | ナッティ、バニラ、スパイス | 軽やか、爽やか、ややスパイシー | オーキー、スモーキー、ドライ | フルーティ、クリーミー、スパイス |
特 徴 | 多様なブレンドが特徴。特に「ブラックラベル」や「ブルーラベル」が有名 | 50種類以上のモルトとグレーンを使用した複雑なブレンド | リッチで滑らかな口当たり。特に「シーバスリーガル 12年」や「18年」が有名 | 軽やかでフレッシュなスタイル。ミクサブルなウイスキー | ラテンアメリカやアジアで特に人気。歴史のあるブランド | ダブルエイジング製法で滑らかさが特徴 |
世界での評価 | 世界で最も売れているブレンデッドスコッチ | 世界中で人気 | 特に高品質なブレンデッドスコッチとして評価 | 特にカクテルベースとして評価 | 特定地域での人気が高い | アメリカ市場で特に人気 |
価格帯 | ¥ 2,500 台 | ¥ 1,500 台 | ¥ 3,100 台 | ¥ 1,200 台 | ¥ 4,100 台 | ¥ 2,500 台 |
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ジョニーウォーカー Johnnie Walker

1820年、わずか14歳のジョン・ウォーカーが父から受け継いだ農場を売却し、食料雑貨店を開業。紅茶やスパイスのブレンディングにヒントを得て、ウイスキーのブレンドに挑戦しました。当時難しかった品質の安定を高い水準で実現し、複数のウイスキーをブレンドすることで奥深い風味を生み出し、瞬く間に高い評価を獲得します。
1867年、史上初のウイスキー大量生産に着手。品質へのこだわりだけでなく、瓶を四角い形にし、ラベルを斜めにするなどデザインにも注力。四角い瓶は船で運ぶ際に割れにくく、一箱に多く積めるという実用性から生まれました。こうした画期的な取り組みにより、船で行ける場所には必ず飲まれるほど普及。
現在では年間1,760万ケースという圧倒的な出荷量でスコッチウイスキー第1位を記録し、「世界で一番飲まれているスコッチウイスキー」の称号を持ちます。穏やかでスモーキー、気品ある植物油の香り、甘味と辛味のバランスが良いミディアムボディ。万人受けする味わいが魅力のブレンデッドスコッチウイスキーです。

バランタイン Ballantine’s

1822年、わずか13歳のジョージ・バランタインが住み込みの仕事を求めてエディンバラへ。1827年、仕事を終えたジョージは小さな食料品店を開業し、大好評を博します。9年後には由緒あるサウスブリッジに店を構え、貴族や上流階級を相手に高級ウイスキーと食料品を扱い、商売を繁盛させました。
1853年、友人のアンドリュー・アッシャーがブレンデッドウイスキーを開発。この発見に閃きを得たジョージは、息子に商売を任せてグラスゴーへ移住。ブレンデッドの技術、知識、経験を深め、独自のブレンデッド・スコッチを完成させました。これが後のバランタイン17年の礎となります。
1895年、ビクトリア女王がグラスゴーを訪れ、バランタイン社に王室御用達の称号を授与。これをきっかけに世界的な発展を遂げました。
麦芽の甘い香りとフルーツの香り、チョコレートの香ばしさと爽やかさが調和。深いまろやかさ、チョコレートのような甘味とスモーキーさが口中に広がります。世界中で愛される理由は、この絶妙なバランスの良さにあります。

シーバスリーガル Chivas Regal

1800年代初頭、人里離れた農家で生まれたジェームスとジョンのシーバス兄弟は、故郷を出てアバディーンへ。兄ジェームスは高級食料品店で働き、未知の味や香りに魅了されて商人として評判を上げ、弟ジョンを招いて「シーバス・ブラザーズ」社を立ち上げました。
「成功は分かち合ってこそ」という信念のもと、食料品業のみならず教会の補修や王室診療所の管財人として幅広く活躍。顧客の要望を受け熟成ウイスキーのブレンディングを始め、滑らかさと調和をもたらします。上質さと豪華さで世界中から注文が殺到し、1843年に英国王室御用達の栄誉に輝きました。
1909年、初代マスターブレンダーが世界初のラグジュアリーウイスキー、25年熟成のシーバスリーガルを発表。ニューヨークで成功を収めるも、アメリカ禁酒法で姿を消します。1938年、12年熟成の商品で復活を果たしました。
洋ナシやリンゴの甘い香りに、削りたての白木の香り。しっかりとした味わいと微かな甘草の風味。滑らかで飲みやすく、ロックスタイルがおすすめです。

カティサーク Cutty sark

1920年代のアメリカ禁酒法時代を見据え、徹底的な市場調査を実施。ライトタイプでナチュラルなカラーを前面に出したウイスキーを輸出する計画を立てました。
ネーミングには、1887年にオーストラリア・イギリス間を69日で結び、当時の最速記録を樹立した快速帆船「カティサーク」号を採用。その名の通り、爽やかで軽快なイメージのウイスキーとして世界中に輸出され、瞬く間に人気を博しました。
禁酒法時代という困難な状況下でも、市場のニーズを的確に捉えた戦略が功を奏し、アメリカ市場での成功を収めます。ライトで飲みやすいスタイルは、当時のウイスキー愛好家たちに新鮮な驚きを与えました。
上品な甘味と柑橘系、フルーティーな香りが特徴。ライトでスムース、キレのある味わいが魅力です。全体的にライトさとバランスの良さが際立ち、ロックやストレートよりもハイボールやトニックウォーター割りで、その爽やかさを存分に楽しむのがおすすめです。快速帆船の名にふさわしい、軽快で洗練された一本です。

オールドパー Old parr

1870年代初頭、創業者グリーンリース兄弟が当時流行していたブレンデッドウイスキーを手掛け、独自のブレンデッドスコッチウイスキーを完成させました。末永く後世に伝えたいという願いを込め、ロンドンで有名な最長寿者トーマス・パーの異名「オールド・パー」をウイスキーの名に冠しました。
トーマス・パーは1483年から1635年まで152年9カ月生きたとされる伝説的人物。15世紀から17世紀という長期間の生存は信じがたいですが、実在の痕跡や記録、墓も残されています。
ボトルの特徴は「クラックルパターン」と呼ばれるひび割れた模様と、斜めにしても倒れない形状。この「倒れない」ことが「右肩上がり」や「不倒」という縁起の良さを象徴し、政治家などに愛飲されてきました。ラベルにはトーマス・パーの肖像が描かれています。
まろやかさとフルーツの香り、甘味としっかりとしたミディアムボディの風味が特徴。クラシック・ウイスキーを代表する美味しさは、飲む人を選びません。お湯割りやロックで飲むのがおすすめです。

デュワーズ Dewar’s

1846年、ジョン・デュワー氏によって製造が始まりました。息子のトミー・デュワーが引き継ぎ、巨大なネオン看板や映画を利用した大規模な広告で認知度を飛躍的に高め、世界的なブランドへと成長。特にスコッチウイスキー消費大国アメリカで大きなシェアを占め、販売数で世界有数の地位に上り詰めました。現在はラムで有名なバカルディ社の主要ブランドとして世界中で販売されています。
最大の特徴は「ダブルエイジ製法」。モルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドした後、もう一度樽に入れて熟成させるという独自の製法で、滑らかな味わいを格段に向上させました。穏やかでしっとりとした香り、ライトボディでスムーズ、スパイシーな味わい。全体的にバランスが良く飽きのこない一本です。
興味深いのは、ウイスキーハイボール誕生の起源説の一つとなっている点。トミー・デュワーが「背の高いグラス(high glass)」で「大いに楽しむ(have a ball)」と注文したことから「ハイボール」が生まれたとされています。

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アイリッシュウイスキー
アイリッシュの比較表
項目 / ブランド | ジェムソン | ブッシュミルズ | タラモア・デュー | カネマラ | ティーリング |
香 り | 軽やかなフルーツとバニラ | 軽いスパイスとフルーツ | フルーツとフローラルの香り | ピートの香りが特徴 | 新鮮なフルーツとスパイス |
風 味 | 甘くスムーズ、バニラとキャラメルのノート | フルーティでクリーミー、軽いペッパーの感じ | バニラの甘さと軽いスパイス | ライトなピートスモーク、甘いモルトとフルーツ | フルーツの甘さにシナモンやクローブのスパイスが加わる |
味わい | バランスの取れた甘味とスパイス | 甘く、後味に軽いスパイス | 柔らかくスムーズ、フィニッシュに蜂蜜とスパイス | スモーキーで甘いフィニッシュ | スムーズで複雑、リッチなフィニッシュ |
特 徴 | トリプルディスティレーションで非常にスムーズ。世界で最も売れているアイリッシュウイスキーの一つ | 400年以上の歴史を持つ老舗。トリプルディスティレーション | トリプルブレンデッドウイスキーで、穏やかでバランスが取れている | アイルランドで唯一のピーテッドシングルモルト。独特の風味が特徴 | シングルグレーン、シングルモルト、スモールバッチのブレンド。イノベーティブなアプローチ |
評 価 | 世界中で広く認知され、愛されている | 一貫して高評価を得ており、そのクラシックなスタイルが評価される | 様々な市場で高い評価を受け、特にバランスの良さが認められている | ピート好きからは高評価を受けるが、好みが分かれるポイントも | 新しい世代のウイスキーファンから特に支持を得ており、その斬新さが評価されている |
価格帯 | ¥ 2,700 台 | ¥ 2,500 台 | ¥ 2,200 台 | ¥ 4,700 台 | ¥ 6,200 台 |
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ジェムソン Jameson

1780年に操業を開始したジェムソン。創業以来「シネ・メトゥ(恐れ知らずの意)」を胸に、2度の世界大戦、アイルランド内戦、アメリカ禁酒法とアイリッシュウイスキーの冬の時代を乗り越えてきました。ラベルにある紋章は、ジェムソン家の先祖が海賊と戦い勝利した証としてスコットランドの王から授かったもの。紋章の下には「SINE METU(我に恐れるものなし)」という言葉が刻まれています。このジェムソン家の不屈の精神こそが、アイリッシュNo.1ウイスキーの地位を築いた土台です。
製法の特徴は、モルトと未発芽の大麦を使用し、ポットスチルで風味豊かなウイスキーを製造。上質なグレーンウイスキーとブレンドし、3回蒸留することで滑らかさを生み出します。
原料へのこだわりも徹底。大麦は全て国内産、水は蒸留所の敷地を流れるダンガーニー川の清流を使用。アイルランドで育たないトウモロコシは、フランス南部の契約農家からのみ仕入れます。原料から製法まで妥協を許さない姿勢が、世界中で愛される味わいを生んでいます。
ブッシュミルズ Bushmills

ブッシュミルズは、1608年に国の認可を得た世界最古の蒸留所として知られ、記録に残る正式な設立は1784年。アイリッシュウイスキーが苦境に立たされた1920年代のアメリカ禁酒法時代も、先見の明あるディレクターが禁酒法終了を予測して大量のウイスキーを準備するなど、巧みな経営で生き残りました。1890年には蒸気船で大西洋を横断し、ニューヨークやアジアへの輸出に成功するなど、グローバルな展開も果たしています。
アイリッシュウイスキー復興の立役者となったのは、モルトとグレーンを混和したブレンデッドをいち早く導入したこと。これによりアイルランド国内第3位の売上を記録し、世界中で愛される存在へと成長しました。
味わいはアプリコットのような上品なフルーツ香が特徴的で、甘味と熟成された深みが調和。ドライなバランスの良さと、後味に残るスパイシーさがクセになる一本です。歴史と革新が融合した、まさに伝統の味わいをぜひお楽しみください。

タラモア・デュー Tullamore D.E.W

タラモア・デューは、1829年にマイケル・モロイ氏によって設立されたアイリッシュウイスキー。甥のバーナード・デイリー氏を経て、蒸留所責任者となったダニエル・E・ウィリアムズ氏のもとで大きく繁栄しました。その功績を称え、彼のイニシャル「D.E.W」をブランド名に冠したことが名前の由来です。
1950年代、アメリカ禁酒法や貿易戦争の影響でアイリッシュウイスキー全体が低迷期を迎え、タラモア・デューも苦境に立たされます。その後、他社との合併を経て2010年にウィリアム・グラント & サンズ社が権利を取得。同社は外部委託せず、タラモアに新蒸留所を建設して自社蒸留にこだわり抜きました。その結果、2005年と比べ約2倍以上の販売数を記録し、現在ではアイリッシュウイスキー復興の象徴的存在となっています。
味わいは爽やかなフレッシュフルーツの香りに、焦げた木のニュアンスが続き、バニラのようなしっかりとした甘味が特徴。バランスの良さが際立つ一本で、まずはロックスタイルでお楽しみください。
カネマラ Connemara

カネマラは、1987年にジョン・ティーリングが設立したクーリー社から生まれたアイリッシュウイスキー。ティーリングはハーバード大学でアイルランドウイスキーの歴史を研究し、衰退したブランド力を再興することを使命に掲げた人物です。国営工場を買収して事業をスタートさせ、アイリッシュウイスキーの常識を覆す革新的な取り組みで「アイリッシュの革命児」と称されるようになりました。
最大の特徴は、通常ピートを焚かないアイリッシュウイスキーにおいて、あえてピートを使用し、蒸留も伝統的な3回ではなく2回に抑えたスコッチウイスキーに近い製法を採用している点。この大胆な挑戦により、アイリッシュには珍しいスモーキーな風味を実現しました。歴史は浅いものの、国際的なコンテストで数々の受賞歴を誇り、世界から注目を集めています。
味わいはスモーキーでありながら、フレッシュでフルーティーな香りも併せ持ち、ドライな後味が爽やかさを添える複雑な仕上がり。伝統と革新が交差する、唯一無二のアイリッシュウイスキーをぜひお試しください。

ティーリング Teeling

ティーリングウイスキー・カンパニーの歴史は、1782年にウォルター・ティーリング氏がアイルランドの首都ダブリンで蒸留所を開いたことに始まります。19世紀から20世紀にかけてのアイリッシュウイスキー衰退期には、ダブリン市内の蒸留所がすべて閉鎖に追い込まれ、ティーリングも例外ではありませんでした。
それから約40年後、ラベルに描かれた不死鳥のごとくティーリングは復活を遂げます。ダブリン市内に新しく蒸留所が建設されたのは実に125年ぶりのこと。2019年には自社蒸留したウイスキーを世に送り出し、独立ボトラーズとしてアイリッシュウイスキー復興の一翼を担っています。
味わいはハチミツのような甘さに、シトラスの爽やかな香りが特徴的。ライチや白ブドウのフルーティーさと、ペッパーやビスケットのようなスパイシーさが調和します。若々しいモルトのオイリーな甘味と、ライトなビター感が飲みやすさを演出。不死鳥のごとく蘇ったダブリンの誇りを、ぜひグラスで体感してください。

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アメリカンウイスキー・バーボン & テネシー
アメリカンの比較表 1
項目 / ブランド | ジャックダニエル | フォアローゼス | ジムビーム | ワイルドターキー | メーカーズマーク |
香 り | バニラ、カラメル、木炭 | フローラル、スパイス、キャラメル | バニラ、トウモロコシ、スパイス | スパイス、オーク、バニラ | 甘いバニラ、キャラメル、フルーティ |
風 味 | 甘味、スパイス、木の風味 | フルーティ、バニラ、スパイス | 甘味、キャラメル、ナッツ | スパイシー、キャラメル、バニラ | バニラ、キャラメル、果実の風味 |
味わい | スムーズで甘さのバランスが良い | 滑らかでフルーティな余韻が続く | マイルドで飲みやすい | 力強く、深い味わいが広がる | ソフトで甘味が強い |
特 徴 | テネシーウイスキーの代表格、チャコールメローイングが特徴 | 高いライ麦比率、10種類のレシピのブレンドによる複雑さ | アメリカで最も売れているバーボン、コーン主体の甘さが特徴 | 高いアルコール度数とスパイシーさで有名、熟成が長いことが多い | 小麦主体でマイルド、ソフトな味わいが特徴 |
世界での評価 | 世界的に人気が高く、特に若者や初心者に愛される | バランスの良さで高評価、カクテルベースとしても人気 | アメリカ国内での人気が高く、手頃な価格で広く親しまれている | バーボン愛好家に支持され、力強い味わいで有名 | 初心者からエキスパートまで広く支持、スムーズさで特に評価高い |
価格帯 | ¥ 2,000 台 | ¥ 1,700 台 | ¥ 2,100 台 | ¥ 3,000 台 | ¥ 2,900 |
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ジャック ダニエル Jack daniel’s

ジャックダニエルは、創始者ジャスパー・ニュートン・ジャック・ダニエル氏の名を冠したテネシーウイスキー。貧しい家庭に生まれた彼は、7歳で牧師兼蒸留所オーナーのダン・コールのもとで働き始め、ウイスキー製造を学びます。1863年、わずか13歳で蒸留所を譲り受け、1866年には政府公認蒸留所としてアメリカ初の登録を果たしました。1904年のセントルイス万博では、世界各国のウイスキーの中から唯一金賞を獲得し、世界的な認知度を確立。現在ではジョニー・ウォーカーに次ぐ世界第2位の販売数を誇ります。
最大の特徴は、バーボンではなくテネシーウイスキーであること。テネシー州で生産され、サトウカエデの炭で約10日間かけてニュートラル・スピリッツを濾過する「チャコールメローイング製法」を採用しています。この独自製法により、芳醇なウッディな香りとまろやかな甘味、かすかな苦味が奥深く調和。ソフトな甘さと爽やかな口当たりが魅力の一本で、世界中で愛される理由を実感できます。

フォアローゼス Four roses

Photo = 画像提供 KIRIN
フォアローゼズは、1888年に創業されたバーボンウイスキー。その名前の由来には諸説ありますが、最も有力なのは創業者ルーファス・マシューソン・ローズとその兄弟、さらに息子二人を合わせた4人のローズ(Four Roses)に由来するという説です。
1920年のアメリカ禁酒法時代、多くの蒸留所が閉鎖に追い込まれる中、フォアローゼズは政府から例外的に製造許可を得た数少ない蒸留所の一つでした。主に薬用バーボンとして製造を続け、禁酒法時代を乗り越えています。
最大の特徴は、他では見られない独自の製造方法。原料の比率を変え、5種類の酵母を組み合わせることで10種類の原酒を作り分け、それらをブレンドするという手の込んだ手法を採用しています。この徹底したこだわりにより、フルーティーでフローラルな香りと、やわらかく深みのある味わいが生まれるのです。全体的に華やかでフレッシュな飲み口が魅力で、バーボン初心者にもおすすめの一本。繊細な製法が生む上質な味わいをぜひお楽しみください。

ジムビーム Jim beam

ジムビームは、創業者ヨハネ・ヤコブ・ボーム氏がドイツからアメリカへ移住した両親のもとに生まれ、英語読みで「ジェイコブ・ビーム」と名乗ったことから始まります。ケンタッキー州のライムストーンウォーターを気に入り移住した彼は、1795年から蒸留を開始し「オールド・ジェイク・ビーム」として初出荷を果たしました。
その後4代目のカーネル・ジェイムズ・ビーム氏に受け継がれた際、アメリカ禁酒法時代を迎えます。大打撃を受けたバーボン業界を見事に立て直した功績を讃え、ブランド名を彼の名にちなんだ「ジムビーム」へと改名。2014年にはサントリーホールディングスが買収し「ビームサントリー」となり、日本でもおなじみの存在となりました。
味わいはスパイシーな香りに、バニラやキャラメルの甘い風味が重なるライトボディ。スムースで爽やかな飲みやすさが特徴で、ハイボールやレモンジュースなど柑橘系との相性も抜群です。甘味、スパイス、オークの風味が調和したバランスの良いフィニッシュを、カクテルベースとしてもぜひお楽しみください。

ワイルドターキー Wild turkey

ワイルドターキーは、1855年にオースティン・ニコルズ社が設立し、ウイスキー製造へと歩みを進めたことから始まります。1893年、シカゴで開催されたワールド・フェアでケンタッキーを代表するウイスキーに選出されると、その名は全米へと広がりました。ユニークな名前の由来は、当時の社長トーマス・マッカシーが七面鳥ハンティングの仲間にウイスキーを振る舞ったところ、好評を博したことから名付けられたとされています。
禁酒法時代を食品事業で乗り越え、1970年代には蒸留所を買収し、製造から販売まで一貫した体制を確立しました。現在はカンパリグループの傘下にあります。
ワイルドターキーの特徴は、他のバーボンと比べてコーンの比率を抑え、大麦麦芽とライ麦を多く配合している点。そのため甘さ控えめで、スパイシーな風味が際立ちます。独自に培養された酵母と、強く焦がしたホワイトオークの新樽を使用することで、深いコクと芳醇な香りが生まれ、力強くも洗練された味わいを楽しめる一本です。

メーカーズマーク Maker’s mark

メーカーズマークは、1780年にスコッチ・アイリッシュ系移民のロバート・サミュエルズがケンタッキーへ移住し、自家用ウイスキー造りを始めたことに端を発します。孫のテーラー・ウィリアム・サミュエルズが本格的に蒸留所を設立するも、1920年の禁酒法により操業停止を余儀なくされました。
1951年、6代目ビル・サミュエル・シニアは農園と蒸留所を買い取り、170年続いた家伝のレシピを燃やすという大胆な決断を下します。目指したのは、世界に通用する最高品質のウイスキー。妻マージーの手腕により、製造者への敬意を込めた「メーカーズマーク」というネーミングと、ボトルをろうで封するアイデアが生まれ、1959年に個性的な一本が誕生しました。
最大の特徴は原料にあります。通常バーボンに使われるライ麦を使わず、冬小麦を採用することで、スパイシーさを抑え、甘くソフトな飲み心地を実現。ふくよかな香りと穀物由来の優しい甘味、滑らかな余韻が魅力で、ロックやハイボールなど幅広いスタイルで楽しめる一本です。

アメリカンの比較表 2
項目 / ブランド | ノブクリーク | バッファロートレース | ブラントン | ウッドフォードリザーブ | I.W ハーパー |
香 り | オーク、スパイス、バニラ | バニラ、トウモロコシ、フルーツ | シトラス、スパイス、バニラ | フローラル、スパイス、バニラ | フルーティ、バニラ、シトラス |
風 味 | 濃厚なバニラ、スパイス、ダークフルーツ | フルーティ、スパイシー、キャラメル | スパイシー、フルーティ、バニラ | バニラ、キャラメル、スパイス | フルーティ、バニラ、オーク |
味わい | リッチで濃厚な味わい、深い余韻 | 柔らかくスムーズな飲み心地 | 柔らかくリッチ、余韻が長い | 滑らかでリッチ、複雑な風味 | ソフトで飲みやすく、甘味が強い |
特 徴 | 小バレルで長期熟成、パンチの効いた味わいが特徴 | バランスが良く、クラフトマンシップが感じられる | シングルバレルバーボンの先駆者、手作業で瓶詰め | 高級バーボンとして知られ、トリプル蒸留が特徴 | 古典的なバーボン、初心者向けのソフトな味わいが特徴 |
世界での評価 | プレミアムバーボンとして高く評価、濃厚さが好まれる | 一貫して高評価、特にクラフトウイスキー愛好家に人気 | 世界中のバーボン愛好家に絶大な支持、高価格帯でも人気 | 高品質なバーボンとして評価が高く、プレミアムマーケットで人気 | 特にアジア市場での評価が高く、軽めの味わいで初心者にも人気 |
価格帯 | ¥ 4,100 台 | ¥ 3,200 台 | ¥ 12,000 台 | ¥ 4,500 台 | ¥ 2,400 台2.5 |
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ノブクリーク Knob creek

ノブ クリークという名は、アメリカ・ケンタッキー州にある農場と小川の名前に由来しています。この地は、第16代大統領エイブラハム・リンカーンの生誕地としても知られる歴史ある土地です。
製造元はジムビームを生産する蒸留所で、1992年に高級バーボン市場をターゲットとして導入されました。バーボンの匠として名高いブッカー・ノー氏が「本来のバーボンの姿」というコンセプトを掲げ、1897年に成立した「ボトルド・イン・ボンド法」を採用して生み出した特別な一本です。
最上級の原料を厳選し、温度差の激しいケンタッキーの気候に合わせて小さめの樽の内側をデコボコになるまで焼くなど、細部にまでこだわりが込められています。9年熟成により生まれる濃い琥珀色と、バニラやナッツを思わせるオーク樽の豊かな香りが特徴。甘味と旨味が印象的な風味に、アルコール度数50%の力強い飲みごたえが加わり、バーボンらしい骨太な味わいを堪能できる名品です。

バッファロートレース Buffalo trace

バッファロートレースは、アメリカ・ケンタッキー州を流れるケンタッキー川沿いに広大な敷地を持つ蒸留所で生まれます。かつてこの土地はバッファローの大群が通る道であったことから、「バッファローの足跡」を意味する名が付けられました。
全米で現在操業されている蒸留所の中でも最古の歴史を誇り、創業は1775年。本格的な蒸留所が建てられたのは1811年で、創業者は高級ウイスキー「ブラントン」の名にもなったベンジャミン・ハリソン・ブラントン氏です。1920年からの禁酒法時代には、「医薬目的」として製造を許可されたわずか4カ所の蒸留所の一つとして操業を続けました。何度もブランド名を変えながら、1999年に現在の「バッファロートレース」へと定着しています。
この蒸留所では、トウモロコシ、ライ麦、大麦麦芽の配合を変えた5つのレシピが存在すると言われ、多彩なバーボンを生み出しています。まろやかなバニラの香りと、甘味とライ麦特有のスパイシーさが絶妙に調和したスムーズな味わいが特徴。その上品さが、真のプレミアム・バーボンとしての地位を確立しています。

ブラントン Blanton’s

ブラントンは、1984年にアメリカ・ケンタッキー州の州都フランクフォート市の市制200年を記念して造られたプレミアム・バーボンウイスキーです。名前の由来は、バーボンの匠として知られるアルバート・ブラントン氏にちなんでおり、八角形の上品なボトルには世界三大ダービーの一つ、ケンタッキーダービーをイメージしたキャップが施されています。
製造にはコーンの比率を高めにし、少なくとも3人のマスターディスティラーがテイスティングを行います。4年以上熟成させた原酒の中から厳選されたものだけが専用の倉庫へ移され、さらに4年間熟成。一つの樽から生まれたシングルバレルバーボンとしてボトリングされ、熟成された倉庫や品番、蔵出しの日付が手書きで記入されたラベルが貼られて出荷されます。
ナッツのようなオイリーな香りと、芳醇で濃厚、重厚な風味が特徴。まさにバーボンウイスキーの中のバーボンウイスキーと呼ぶにふさわしい至高の一本です。映画「ジョン・ウィック」でキアヌ・リーヴスが愛飲していた銘柄としても有名で、ファンならぜひ味わいたい逸品です。

ウッドフォードリザーブ Woodford reserve

ウッドフォードリザーブは、1812年にケンタッキー州の牧草地帯で誕生したオールド・オスカー・ペッパー蒸留所をルーツに持ちます。その後、1878年ラブロー&グラハム、1941年ジャックダニエル、1972年に地元農業と経営権が移り変わり、1994年にブラウン・フォーマン社が買収。2003年に現在のウッドフォードリザーブ蒸留所へと改称されました。
ケンタッキー州最古の蒸留所として知られ、1994年の操業再開時にはスコットランドから3基の銅製ポットスチルを取り寄せ、当時としては画期的な3回蒸留を導入。使用する酵母は創業時から受け継がれたオリジナルで、禁酒法時代には冷凍保存して守り抜かれた貴重なものです。伝統製法を守り続けているため、少量生産のプレミアムなバーボンとして仕上げられています。
原材料の約72%にトウモロコシを使用し、穀物の奥深いコクが特徴。フレッシュな柑橘系の香りとバニラのような甘い香りが調和し、滑らかでスムーズな口当たりと力強い風味が楽しめます。スパイシーな一面も持ち合わせ、ストレートやロックはもちろん、カクテルの材料としても愛される逸品です。

I.W ハーパー I.W Harper

I.W ハーパーは、1877年にアメリカ・ケンタッキー州ルイヴィルで誕生したバーボンウイスキーです。創始者はドイツ系アメリカ人のアイザック・ウォルフ・バーンハイム氏で、ブランド名の「I.W」は彼の名前に由来し、「ハーパー」は無二の親友フランク・ハーパー氏の名前から付けられました。
バーンハイム氏は顧客と品質を何よりも重視し、当時としては珍しい透明のボトルを採用。顧客が中身を確認できるという革新的な販売法を導入しました。1885年、ニューオーリンズ万国博覧会でウイスキーを世に送り出してからわずか8年で金賞を受賞し、その後も世界各地の博覧会で5つの金賞を獲得。その栄誉は現在のラベルにも印刷され、世界中で愛される銘柄へと成長しました。
味わいは、穀物とハチミツのような甘い香りが特徴で、風味にも深みのある甘味とスパイシーさが感じられます。トウモロコシの比率が高いことから生まれる力強さも魅力で、バランスの取れた味わいが楽しめるバーボンウイスキーを代表する一本です。

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ライ・ウイスキー
ライ・ウイスキー比較表
銘柄 / 詳細 | 生産地域 | 香りの特徴 | 味わいの特徴 | おすすめの飲み方 | 価格帯 |
オールド・ オーバーホルト | ペンシルベニア | モルトの穀物香、 わずかなスパイス | マイルドでやさしいスパイス、軽快な余韻 | ハイボール、 マンハッタン | ¥ 3,000 ~ |
ジム・ビーム ライ | ケンタッキー | バニラ、オーク、 ほのかにピリッとした香り | すっきり、軽やかなスパイス感 | ハイボール、 カクテルベース | ¥ 2,500 ~ |
ブレット・ライ | インディアナ | 強めのスパイス、 ドライなハーブ香 | シャープで力強い、焦がしオークの余韻 | ストレート、ロック | ¥ 4,500 ~ |
ウッドフォード リザーブ ライ | ケンタッキー | キャラメル、バニラ、トフィーの甘香 | 丸みのある甘味、優しいスパイス、深みある後味 | トワイスアップ、 ストレート | ¥ 4,000 ~ |
サゼラック・ライ | ケンタッキー | クローブ、シナモン、華やかなスパイス香 | 甘さとスパイスのバランスが良い | サゼラックカクテル、ストレート | ¥ 5,500 ~ |
ワイルドターキー ライ | ケンタッキー | オーク香、軽トーストしたようなウッディさ | スパイシーさに加えて、ほのかな甘味も感じられる | カクテルベース、 ロック | ¥ 3,500 ~ |
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オールド・オーバーホルト Old Overholt

オールド・オーバーホルトは、ライ・ウイスキー初心者にもおすすめできるバランスの取れた一本です。ライ麦由来のスパイシーさと、適度な甘味の調和が心地よく、クセが強すぎないため幅広い層に受け入れられます。
特にこの銘柄は、ドライな味わいの中にシナモンやハーブのような香りが漂い、ストレートはもちろん、クラシックなカクテル「 マンハッタン 」にも相性抜群です。歴史あるブランドでありながら、価格も手頃で入手しやすい点も魅力の一つです。

ジム・ビーム ライ Jim Beam Rye

ジム・ビーム ライは、親しみやすさとライ・ウイスキーらしさを両立した一本です。ライ麦由来のスパイシーな風味に加え、ほんのりとした甘みとまろやかな口当たりが特徴で、ストレートでもソーダ割りでも楽しめます。
特に、ペッパーやシナモンを思わせる香りがアクセントとなり、飲みごたえがありながらも飲みやすい仕上がり。価格も手頃で入手しやすく、ライ・ウイスキーの入門としてはもちろん、日常的な一杯としても十分な満足感を得られる銘柄です。
ブレット・ライ Bulleit Rye

ブレット・ライは、ライ・ウイスキーらしい力強さと洗練された風味を兼ね備えた一本です。ライ麦比率が高いため、スパイシーでドライな味わいが際立ちつつ、わずかな甘味とシトラスのような爽やかさが後味に広がります。
ブラックペッパーやクローブのようなスパイス香が印象的で、ストレートでもカクテルでも存在感を発揮します。力強くもバランスの取れた味わいは、ライ・ウイスキーの魅力を深く知りたい方にとって最適な選択肢です。
ウッドフォードリザーブ ライ Woodford Reserve Rye

ウッドフォードリザーブ ライは、上品さと複雑さを兼ね備えたプレミアムなライ・ウイスキーです。ライ麦比率を高めに設定しつつ、独自の三重蒸留やチャーの強い樽熟成によって、丸みのある深い味わいに仕上がっています。
スパイス感に加えて、キャラメルやオレンジピール、ダークチョコレートのような風味が重なり、長い余韻が楽しめます。滑らかで飲みやすく、それでいて複雑さもあるため、中上級者にも満足度の高い一本です。
サゼラック・ライ Sazerac Rye

サゼラック・ライは、クラシカルなスタイルを受け継ぐ芳醇なライ・ウイスキーです。19世紀から続く伝統的な製法により、スパイス感を主軸としながらも、まろやかで奥行きのある風味が特徴です。
シナモンやクローブ、ほのかなバニラといった香りが調和し、ドライで引き締まった味わいの中に穏やかな甘味が感じられます。ストレートでも美味ですが、特に「サゼラックカクテル」との相性は抜群。歴史を感じる一杯をじっくり楽しみたい方に最適です。

ワイルドターキー・ライ Wild turkey Rye

ワイルドターキー・ライは、力強さとまろやかさが共存するライ・ウイスキーです。ライ麦のスパイシーな個性に加え、バニラやキャラメルのような熟成由来の甘味がバランスよく調和しています。
アルコール度数が高めながらも荒さは控えめで、厚みのある味わいがじんわり広がります。ストレートでも飲みごたえがあり、オールドファッションドなどのクラシックカクテルに使えば味に深みが出ます。初心者から中上級者まで楽しめる一本です。

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カナディアン・ウイスキー
カナディアンの比較表
項目 / ブランド | カナディアンクラブ | クラウンロイヤル | カナディアンミスト |
香 り | ライトでフルーティ、バニラとキャラメルの香り | リッチでフローラル、シトラスとバニラの香り | シンプルでライト、バニラとキャラメルの香り |
風 味 | 軽やかなスパイス、甘いオーク、バニラの風味 | バニラ、トフィー、シトラス、スパイスの複雑な風味 | 柔らかいスパイス、バニラ、オークの風味 |
味わい | 滑らかでバランスが良い | 豊かでクリーミー、長い余韻 | 滑らかでライト、非常に飲みやすい |
特 徴 | ライトで柔らかい味わい、ブレンデッドウイスキーの代表格 | カナダ王室に献上された歴史を持つ、リッチでエレガントな味わい | 軽めのウイスキー、ミクサーとして多用される |
世界での評価 | 世界的に広く知られ、特にミクサーとして評価が高い | プレミアムウイスキーとして、世界中で高い評価を受けている | 手頃な価格でありながらも安定した品質が評価されている |
価格帯 | ¥ 1,200 台 | ¥ 3,200 台 | ¥ 1,800 台 |
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カナディアンクラブ Canadian club

カナディアンクラブは、世界中で「C.C」の愛称で親しまれるカナディアンウイスキーの代表ブランドです。1858年、カナダ・オンタリオ州で誕生しました。この地は豊かな自然と水脈に恵まれ、穀物が豊富に育つ環境が整っており、ウイスキー造りに最適な土地。さらに大きな川を渡ればアメリカ・デトロイトという流通の便にも優れた立地です。
創業者ハイラム・ウォーカー氏は食料品店を営んでいましたが、アメリカの禁酒法を予見してこの地に蒸留所を設立。蒸留所だけでなく、消防署や警察署、住宅までも建設し、街ごと作り上げました。予想通り禁酒法が始まると、カナディアンクラブはアメリカに広く浸透していきます。当初は紳士クラブで提供されていたことから「クラブウイスキー」と呼ばれていましたが、バーボン業者の反発を受け、現在の「カナディアンクラブ」へと名を改めました。
特徴は、ライ麦と大麦麦芽を別々に蒸留し、樽詰め前にトウモロコシのウイスキーとブレンディングする独自の製法。軽く爽やかな口当たりとほのかな甘い香り、ライ麦特有のピリッとした爽快感が魅力で、ハイボールやレモンソーダとの相性が抜群の一本です。

クラウンロイヤル Crown royal

クラウンロイヤルは、1939年に当時のイギリス国王ジョージ6世とエリザベス女王がカナダを訪問した際、スピリッツ起業家シーグラム社が王室夫妻のために完璧なウイスキーを造ると決意して誕生しました。北米の広大な距離を鉄道で旅する王室を歓迎するため、細心の注意を払い600以上のブレンドを試して完成させた渾身の一本です。
ボトルは王族にふさわしいカットガラスのデキャンターに収められ、ゴールドのステッチが施された紫色の豪華なオペラバッグで包まれました。最終的に50種類以上のウイスキーをブレンドして生まれた滑らかな味わいは「クラウンロイヤル」と名付けられ、1960年にはアメリカでも販売開始。以降、世界一のカナディアンウイスキーとして妥協のない基準を貫き、最高級品として愛され続けています。
特徴は何といってもその滑らかさ。芳醇な味わいとクセの無さ、まろやかさが飲みやすさを生んでいます。まずはロックスタイルで、その贅沢な味わいをじっくりと楽しんでみてください。王室のために造られた格式高い一本です。
カナディアン・ミスト Canadian mist

カナディアンミストは、1967年にカナダ・オンタリオ州コリンウッドに設立されたカナディアンミスト蒸留所で誕生しました。アメリカ禁酒法が撤廃された後、1960年代に入るとウイスキーに再び注目が集まり、業界の危機を乗り越えたカナディアンミストはアメリカで成功を収めます。
それ以降、この蒸留所はカナディアンミストのみの製造に力を注ぎ込み、現在では定番のウイスキーとして世界中で愛されています。日本ではアサヒ飲料が販売権を持ち、手軽に楽しめる銘柄として親しまれています。
主原料にライ麦を使用し、3回蒸留を行い、ホワイトオーク樽で熟成させる独自の製法が特徴。ライウイスキー特有の香ばしさとスパイシーさを持ちながら、軽快でスムースな口当たりとまろやかさを兼ね備えています。微かな甘味も感じられ、飲み口はスッキリとしており、カナディアンウイスキーらしさを存分に味わえる一本です。手に取りやすい価格帯で、カナディアンウイスキーの魅力を実感できる逸品です。

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ジャパニーズ・ウイスキー・シングル
ジャパニーズ・シングル比較表
項目 / ブランド | 山 崎 | 白 州 | 知 多 | 余 市 | 富 士 |
特 徴 | フルーティー、複雑、バランスが良い | 爽やかで軽快、若干のスモーキー | グレーンウイスキー、滑らかで軽やか | ピーティーで力強い、伝統的な製法 | バランスの取れた多層的な味わい |
香 り | 桃、りんご、バニラ、スパイス | フレッシュなグリーンアップル、ミント | フローラル、ほのかなバニラ | スモーク、フルーツ、チョコレート | トロピカルフルーツ、バニラ、ハチミツ |
味わい | フルーティー、シェリーの甘さ、スパイシー | クリーミー、フレッシュ、スモーキー | 軽やかで滑らか、バニラの甘さ | ピーティー、リッチ、フルボディ | バランスが良い、トロピカルフルーツの甘さ |
使用樽 | シェリー樽、ミズナラ樽、アメリカンオーク樽 | アメリカンオーク樽、バーボン樽 | ホワイトオーク樽、ワイン樽、シェリー樽 | シェリー樽、ホグスヘッド、バーボン樽 | アメリカンオーク樽、シェリー樽 |
アルコール度数 | 43 % | 43 % | 43 % | 43 % | 43 % ~ 50 % |
価格帯 | ¥ 14,000 ~ | ¥ 12,000 ~ | ¥ 6,000 ~ | ¥ 6,000 ~ | ¥ 6,000 ~ |
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山崎 Yamasaki

Photo|画像提供 SUNTORY
山崎は、日本初のウイスキー蒸溜所として1923年に創業されました。創設者の鳥井信治郎氏は、スコットランドでウイスキー作りを学んだ竹鶴政孝氏を招聘し、日本の風土に合ったウイスキーを目指しました。大阪府と京都府の境に位置する山崎蒸溜所は、良質な水と湿度の高い気候という、ウイスキー熟成に理想的な環境に恵まれています。
厳選された大麦とピュアな山崎の天然水を使用し、シェリー樽、日本のミズナラ樽、アメリカンオーク樽など、様々な樽で熟成させることで多彩なフレーバーを生み出します。熟練した職人たちの技術と経験が細部にまで行き届いた製造プロセスが、山崎の高い品質を支えています。
味わいは、桃やりんご、プラムなどの熟した果物の香りが特徴で、バニラやスパイス、ナッツの風味が重なり合い、非常に複雑な印象を与えます。フルーティーさとスモーキーさ、甘さとスパイシーさが絶妙にバランスした味わいは、国際的なウイスキーコンペティションで数々の賞を受賞し、世界中でその品質が認められています。

白州 Hakushu

Photo|画像提供 SUNTORY
白州は、1973年にサントリーによって創業された蒸溜所で、日本アルプスの山々に囲まれた長野県の森の中に位置しています。サントリーの創業者、鳥井信治郎氏の息子である佐治敬三氏が手がけたこの蒸溜所は、豊かな自然環境を最大限に活かしたウイスキー作りを目指しており、「日本の森のウイスキー」とも称されます。
水源には南アルプスの伏流水を使用し、そのピュアでクリーンな水がウイスキーの味わいを生み出しています。自然環境を重視した製造プロセスにより、ナチュラルでフレッシュな風味が保たれているのが大きな特徴です。
味わいは、グリーンアップルやハーブの爽やかな香りが感じられ、軽やかなスモーキーさがアクセントとなっています。フルーティーさとスモーキーさ、甘さとスパイシーさが絶妙にバランスし、奥行きのある風味を楽しめます。特に夏の季節にぴったりの爽快感が魅力で、どのようなシーンでも楽しめるオールラウンドなウイスキーです。国内外のウイスキーコンペティションで数々の賞を受賞し、その品質と味わいが世界中で認められています。

知多 Chita

Photo|画像提供 SUNTORY
サントリーウイスキー「知多」は、2015年9月に誕生したシングルグレーンウイスキーです。その起源は、1972年にサントリーと全国農業協同組合中央会(JA)の共同出資で設立された知多蒸溜所に遡ります。当初はブレンデッドウイスキー用のグレーン原酒を生産していましたが、五代目チーフブレンダーの福與伸二氏が、多彩なグレーン原酒を組み合わせることで、軽やかでほのかに甘い香りを持つ「知多」を生み出しました。
トウモロコシなどの穀物を主原料とし、連続式蒸溜機で蒸溜されることで、風味が軽やかで穏やかな「サイレント・スピリッツ」と呼ばれる性格を持ちます。知多蒸溜所では、クリーン、ミディアム、ヘビーの3種類のグレーンウイスキーを製造し、これらをブレンドすることで、軽やかでありながら豊かな風味とフルーティーな香りが生まれます。
繊細で飲み飽きない味わいが特徴で、ハイボールにすると爽快感が引き立ちます。ウイスキー初心者や食中酒として楽しみたい方におすすめの一本で、世界的な評価も受けている逸品です。

余市 Yoichi

Photo|画像提供 Asahi
余市ウイスキーは、日本のウイスキーの父と称される竹鶴政孝が1934年に北海道余市町に設立した余市蒸溜所で誕生しました。竹鶴氏はスコットランドで本格的なウイスキー製造技術を学び、理想的な環境を求めて余市を選びます。この地はスコットランドに似た気候、豊富な水源、良質なピート(泥炭)など、ウイスキー造りに適した条件が揃っていました。
最大の特徴は、創業以来続けられている「石炭直火蒸溜」という伝統的な製法にあります。石炭を使った直火蒸溜により、香ばしいスモーキーフレーバーと深みのある味わいが生まれ、力強く重厚な個性を持つウイスキーが完成します。例えば、「余市シングルモルト」は、レーズンやドライマンゴーの甘味、ビターチョコレートの渋み、ジンジャーの爽やかさが絶妙に調和した複雑な味わいが魅力です。
伝統製法と地元の自然資源を活かした余市ウイスキーは、重厚な飲み口と香ばしさでウイスキー通にも愛され続けている逸品です。

富士 Fuji

Photo|画像提供 KIRIN
ジャパニーズウイスキー富士は、1973年に稼働を開始した富士御殿場蒸溜所で生まれました。この蒸溜所は、モルトとグレーンの両方のウイスキーを製造できる世界的にも稀な施設で、スコッチ、アメリカン、カナディアンなど多様な製造技術を導入しています。2020年に「富士」ブランドが誕生し、国内外で高く評価されています。
最大の特徴は、果実味あふれる芳醇な味わい。完熟りんごやパイナップル、柑橘ピールの華やかでフルーティーな香りが広がり、クレームブリュレやハチミツの甘い香り、ダージリンティーのようなフローラルな香りも感じられます。口に含むと、とろりとしたやわらかい口当たりで、熟した白桃や洋梨、アンズのような濃厚な果実の香りが口中に広がります。フィニッシュは、甘く複雑で熟成感あふれる香味が心地よく長く続きます。
なめらかな口当たりと長い余韻が特徴で、初心者からウイスキー愛好家まで幅広く支持されています。日本の風土と技術が生み出した、優雅で奥深い味わいを堪能できる一本です。

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ジャパニーズ・ウイスキー・ブレンデッド
ジャパニーズ・ブレンデッド比較表
項目 / ブランド | 響 | 竹 鶴 | オールド | 角 瓶 | トリス | ローヤル | ブラックニッカ | フロム・ザ・バレル |
特 徴 | 上品でバランスの取れたブレンデッド | ピュアモルト、モルティーでコクがある | 角が取れた円熟した味わい | 昭和から愛されるスタンダード | コスパに優れたライトなブレンデッド | 伝統的なブレンド、まろやかでリッチ | 軽やかでスモーキー | 高アルコールで濃厚、力強い味わい |
香 り | ハチミツ、フローラル、オレンジピール | ドライフルーツ、スモーク、バニラ | キャラメル、ナッツ、バニラ | ハチミツ、スパイス、バニラ | フルーツ、バニラ、ややスモーキー | ナッツ、ハチミツ、ウッディな香り | ハチミツ、ピート、ウッディ | スパイス、ドライフルーツ、ナッツ |
味わい | なめらかでフルーティー、奥深い甘さ | まろやかで深みがある、ややスモーキー | 甘くまろやかでコクがある | ややスパイシーでライト、バランス良好 | 軽やかで飲みやすく、穏やかな甘さ | 甘く芳醇でコクがある | 軽快でスモーキー、甘さも感じる | 濃厚でリッチ、複雑な余韻が続く |
使用樽 | シェリー樽、ミズナラ樽、バーボン樽 | シェリー樽、バーボン樽 | ホワイトオーク樽、シェリー樽 | アメリカンオーク樽、バーボン樽 | ホワイトオーク樽 | ホワイトオーク樽、シェリー樽 | シェリー樽、ホワイトオーク樽 | シェリー樽、ホワイトオーク樽 |
度 数 | 43 % | 43 % | 43 % | 40 % | 37 % | 43 % | 40 % | 51 % |
価格帯 | ¥ 8,500 ~ | ¥ 9,000 ~ | ¥ 2,500 ~ | ¥ 2,500 ~ | ¥ 1,000 ~ | ¥ 4,000 ~ | ¥ 3,500 ~ | ¥ 4,800 ~3 |
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響 Hibiki

Photo|画像提供 SUNTORY
サントリー「響」は、創業90周年を記念して1989年に誕生した、日本のウイスキー技術の粋を集めたブレンデッドウイスキーです。山崎・白州・知多の多彩な原酒を巧みにブレンドし、日本人らしい繊細な味覚と美意識を表現しています。24面カットのボトルは一日24時間を象徴し、時間と調和の哲学を体現。国内外で高い評価を受け、”飲む芸術品”として世界中のファンを魅了しています。
最大の魅力は、香り・味・余韻すべてが調和する完成度の高さ。サントリーの高度なブレンド技術により、多様な原酒が一体となり、複雑でありながら滑らかな味わいが生まれます。熟した果実、ハチミツ、バニラ、ミズナラのウッディさが繊細に重なり、ほのかなスモークが美しく広がります。まるで交響曲のように一口ごとに変化を楽しめ、飲むたびに新たな表情を見せてくれる逸品。日本の職人技と感性が詰まった、まさに”響き合う”ウイスキーです。
竹鶴 Taketsuru

Photo|画像提供 Asahi
竹鶴は、日本のウイスキーの礎を築いた竹鶴政孝の名を冠したピュアモルトです。創業者がスコットランドで学んだ本格的な製法を基に、1934年に北海道・余市に蒸溜所を開設し、日本で本格ウイスキー造りを実現しました。その志と情熱を継承したこの一本は、歴史そのものが味に宿る逸品として多くのファンに愛されています。
最大の魅力は、余市と宮城峡という異なる個性を持つ2つのモルト原酒を絶妙にブレンドし、重厚さと繊細さを同時に楽しめる点。ドライフルーツやナッツの香りに、ほのかなスモークとウッディな余韻が重なり、飲むほどに深みを感じられます。甘さに頼らず、モルト本来の力強さと複雑さで勝負するスタイルは、ウイスキー上級者にも支持される理由です。
スモーキーさと果実味、樽香が絶妙に調和し、深く力強い味わいが広がる”骨太なジャパニーズ”。ウイスキーの奥深さを体感したい方にこそ飲んでほしい、情熱と歴史が凝縮された本格派の一本です。

サントリーオールド Suntory Old

Photo|画像提供 SUNTORY
サントリーオールドは、1950年に誕生した日本を代表するブレンデッドウイスキーです。戦後の復興期に「日本人の口に合うウイスキー」を目指して開発され、まろやかで深みのある味わいが多くの人に愛されてきました。丸みを帯びた独特のボトルは「だるま」の愛称で親しまれ、今なお国産ウイスキーの名作として支持され続けています。
最大の魅力は、親しみやすさと奥深さを兼ね備えた調和のとれた味わい。厳選されたモルトとグレーンが織りなす、やさしい甘みと香ばしさが心地よく広がります。ほのかなスモーキーさが後味を引き締め、飲みやすさと奥行きを両立。まろやかな口当たりでありながら味わいは豊かで、初心者から愛好家まで満足できる一本です。
ロック、水割り、お湯割りと幅広い飲み方に対応し、どんなシーンでも楽しめるのも大きな魅力。日本のウイスキー文化を支えてきた、親しみやすくも奥深い逸品です。

サントリー角瓶 Kakubin

Photo|画像提供 SUNTORY
サントリー角は、1937年に誕生した日本ウイスキーの原点ともいえる存在です。「日本人に合うウイスキー」を目指して開発され、まろやかで飲みやすい味わいが長く愛されてきました。四角い独自のボトルは”角瓶”と呼ばれ、今やブランドの象徴に。ハイボール人気を支え続ける定番として、多くの人に親しまれています。
最大の魅力は、手頃な価格で高い満足感が得られる点。日本人の味覚に合うよう設計され、クセが少なく、まろやかな口当たりとほのかな甘味が特徴です。すっきりとした飲みやすさと穏やかなコクが調和し、バランスの取れた香りが楽しめます。
特にハイボールにすると香りと味わいのバランスが際立ち、食事ともよく合います。ロックや水割りなど、どんな飲み方でも楽しめる懐の深さも魅力。初心者から愛好家まで幅広く支持され、家庭に一本あると重宝する、日本ウイスキーのロングセラーです。

トリス Torys

Photo|画像提供 SUNTORY
サントリートリスウイスキーは、1950年に誕生した日本の大衆ウイスキーの先駆けです。戦後の混乱期に「うまくて安いウイスキーを届けたい」という想いから開発され、やさしい味わいと手に取りやすい価格で多くの人に親しまれてきました。家庭用から居酒屋まで幅広く浸透し、今もなお気軽に楽しめる定番ウイスキーとして愛されています。
最大の魅力は、手軽さと飲みやすさを兼ね備えた親しみやすい味わい。クセがなく、やさしい甘味とスッと広がるまろやかな口当たりで、ウイスキー初心者にも親しまれています。軽快な味わいが特徴で、毎日の晩酌にもぴったりです。
特にハイボールにすると爽快感が際立ち、日々の食事との相性も抜群。ロックや水割りでも楽しめる懐の深さがあり、価格以上の満足感が得られます。手軽さと安定感を兼ね備えた、日常に寄り添う一本として根強い人気を誇る、気軽にウイスキーを楽しみたい方におすすめの逸品です。

ローヤル Royal

サントリーローヤルは、初代マスターブレンダー・鳥井信治郎が創業60周年を記念して1960年に完成させた、日本のウイスキー史を語るうえで欠かせない名品です。熟成原酒を贅沢にブレンドし、華やかさと深みを両立した味わいは、まさに日本のウイスキー文化の集大成。ボトルデザインは「酒」のつくり部分「酉」をモチーフにし、キャップ部分は山崎蒸留所近くの神社の鳥居をイメージした高級感あふれる仕上がりです。
最大の魅力は、ブレンドの完成度と上品なバランス。山崎や白州などのモルト原酒を贅沢に使用し、蜂蜜や熟した果実のような甘く華やかな香りと、奥深いコクを実現しています。まろやかで調和のとれたブレンドが施されているため、バニラを思わせる甘み、ほのかなスモーキーさ、なめらかな口当たりが特徴。ロックやストレート、食後の一杯など、どんな飲み方でも楽しめる懐の深さが魅力です。初心者から愛好家まで幅広く支持され、贈答用にも選ばれる品格ある逸品です。
ブラックニッカ Black nikka

ブラックニッカは、ニッカウヰスキーの創業者・竹鶴政孝の志を受け継ぐ、親しみやすい国産ウイスキーとして1956年に誕生しました。手頃な価格と飲みやすさで広く支持を集め、軽快な味わいとスモーキーな香りを備えつつ、ブレンデッドならではのバランス感が魅力。初心者にも手に取りやすい一本として、今も根強い人気を誇ります。
最大の魅力は、手軽さと本格感を両立している点。価格帯はリーズナブルながら、しっかりとしたコクと香りを楽しめるため、日常的にウイスキーを楽しみたい人に最適です。軽やかな飲み口に加え、ほどよいピート香や甘味がバランスよく調和し、バニラのような香りと穏やかなスモーキーさが感じられます。
ロックやハイボールでも飲みやすく、特にハイボールにすると爽快感が際立ちます。穏やかな甘みと軽やかなスモーキーさが調和し、毎日の晩酌にもぴったり。気取らず楽しめる一杯として、初心者にも安心しておすすめできるウイスキーです。

フロム・ザ・バレル From the barrel

フロム・ザ・バレルは、ニッカウヰスキーが1985年に発売した高濃度ブレンデッドウイスキーで、原酒の力強さをそのまま届けることを目指して誕生しました。熟成を終えたモルトとグレーンを再度ブレンドし、樽で再貯蔵する”マリッジ”工程を経ることで、豊かなコクと奥行きのある味わいを実現。コンパクトなボトルデザインも話題となり、国内外のウイスキーファンから高い支持を受け続けています。
最大の魅力は、濃厚な味わいと高い完成度。アルコール度数51.4%という高い数値ながら、丁寧なブレンドと”マリッジ製法”により、深みのあるコクと複雑な香りを実現しています。ドライフルーツやスパイス、樽由来のバニラ香が幾層にも重なり、力強いのにまろやかな飲み口が楽しめます。
豊かなコクとまろやかな口当たりは、ストレートで飲むとその魅力が存分に引き立ちます。ロックでじっくり味わうのもおすすめで、玄人好みのウイスキーながら挑戦する価値のある逸品。上級者にも人気の、奥深い一本です。

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