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ギリシャ神話の美少年の名を持つアドニスは、1880年代ニューヨークで生まれた気品あふれるクラシックカクテルです。ドライシェリーとスイートベルモットが織りなす香ばしさと甘さ、オレンジビターの爽やかさが調和し、琥珀色に輝く一杯。軽やかで上品な味わいは、食前酒にぴったりです。
レシピと作り方
材 料

Recipe no.142
- ドライシェリー・・・・・・・・45ml
- スイートベルモット・・・・・・15ml
- オレンジビター・・・・・・・・1dash
※ 1dash = ビターボトル一振り、目安は1滴の量
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作り方

ミキシンググラスに氷を7割~8割ほど入れて、ステアで冷やし、余分に出た水分を捨てます。
ドライシェリー、スイートベルモット、オレンジビターをミキシンググラスに入れます。
しっかりとステアを行い、ストレーナーを付けてグラスヘ注げば完成です。
アドニスの詳細・動画
由来と歴史

Photo|ティツィアーノ作「 ヴィーナスとアドニス 」|画像引用 Wikipedia
「 アドニス 」とはギリシャ神話に登場する美の女神アフロディーテに愛された人間の男児のことです。
神話では、ある国の王族キニュラス一族は、代々女神であるアフロディーテを信仰していました。キニュラスの王女ミュラーはとても美しいと評判で、一族の誰かが「 王女はアフロディーテよりも美しい 」とお世辞か本気かわからない発言をしてしまいました。 それを聞いたアフロディーテは激怒します。
アフロディーテは美の女神であると同時に、愛、欲望の女神でもあり、「 魔法の包帯 」という愛や欲望を意のままに操れる魔法の神器を持っていました。その力を使い王女ミュラーが実の父親キニュラスに恋をするようにしてしまいます。そして父キニュラスを愛してしまったミュラーは、思い悩み自分の乳母に打ち明けます。
哀れんだ乳母は祭りの夜に実の父に顔を隠して引き合わせました。 キニュラスはまさか自分の娘だと思わず一夜を過ごしてしまいます。 そして明かりの下でミュラーの顔を見てしまったキニュラスはこれに激怒、ミュラーを殺そうとしますが、ミュラーはアラビアまで逃げ延びました。

Photo|ミルラ|引用元 WELEDA 公式サイト
その一連を見て彼女を哀れに思った神々は、ミュラーを「 ミルラ 」という樹木に変えました。その後その樹木に猪が激突してしまい、樹木は裂けてしまいます。 その樹木の中から生まれたのがアドニスです。
アドニスはミュラー同様美しい男児で、アフロディーテはそのまだ赤ん坊のアドニスに恋をします。アフロディーテはアドニスを箱の中に入れ、冥府の王であるハーデスの妻である女王ペルセポネにアドニスを預けました。
「 決して箱の中を見てはいけない 」と注意をしますが、ペルセポネは好奇心に負け開けてしまいます。 箱の中を見たペルセポネは、アフロディーテ同様アドニスに恋をし、養育を行います。
アドニスが少年になる頃にようやくアフロディーテが迎えに来ますが、ペルセポネはアドニスを手放すことができず、アフロディーテとペルセポネとの争いになります。 天界の裁判で1年の時間を三つに分け、1/3をアフロディーテと過ごし、1/3をペルセポネと過ごし、1/3を自由に過ごすことに決定しました。 しかしアドニスは自分の自由の時間もアフロディーテと過ごすことを選ぶと、ペルセポネはそのアドニスに不満を抱きます。

Photo|アネモネの花
アドニスは狩りに夢中で毎日狩りを行っていました。 アフロディーテは「 狩りは危険だ 」と教えていましたが、アドニスは夢中で聞き入れませんでした。 そんな時に自分よりもアフロディーテを選んだことに不満を持っていたペルセポネは、アフロディーテの恋人である軍神アレスに「 アフロディーテは恋人のあなたよりも人間の男に夢中になっている 」と告げ口をします。
それに激怒した軍神アレスは、アドニスが狩りを行っている時を狙って、猪に化けてアドニスを殺害してしまいました。 やがてアドニスの流した血から、アネモネの花が咲いたそうです。
- アフロディーテのページは ⇒ コチラ
〚 カクテル・アドニスの誕生 〛・・・このカクテルは、1880年代にニューヨークのウォルドルフ=アストリアホテルのバーで生まれたとされています。当時、ブロードウェイのミュージカル『 アドニス 』が大ヒットしており、その成功を祝うためにこのカクテルが作られたと言われています。
軽やかでエレガントなこのカクテルは、ミュージカルの成功と同様に人気を博し、クラシックカクテルとして定番となりました。
特徴・味わい

アドニスの最大の魅力は、ドライシェリーとスイートベルモットという個性豊かな二つの酒が織りなす、洗練された味わいにあります。ドライシェリーはナッツのような香ばしさとドライな風味を持ち、スイートベルモットはハーブやスパイスの複雑な香りと甘味、そしてコクを兼ね備えています。オレンジビターがほんのひと滴加わることで、柑橘の香りがアクセントとなり全体を引き締めている点が特徴です。
グラスに注がれた姿は琥珀色に輝き、まるで夕暮れの光を閉じ込めたよう。一口含むと、シェリーの香ばしくドライな風味が最初に広がり、次いでベルモットの甘さとハーブの複雑なニュアンスが口の中で溶け合います。オレンジビターのほのかな苦味が全体のバランスを整え、飲み終わりにはシェリーとベルモットの余韻が心地よく続きます。
アルコール度数は比較的軽めで、喉を通る瞬間はなめらかで上品。軽やかさと奥深さが同時に楽しめる、まさに「不朽の名作」と称されるにふさわしい一杯です。食前酒として、またはリラックスしたいときに、ぜひ味わっていただきたいクラシックカクテルです。
スイートベルモットをドライベルモットに変えると、「 バンブー 」というカクテルになります。 このバンブーは日本の横浜で生まれたカクテルで、日本で初めて考案されたカクテルとしても有名です。
- バンブーのページは ⇒ コチラ
Point|バーテンダーからのおすすめ
- 食前酒としての楽しみ方・・・軽めのアルコール度数と上品な香りが食欲を引き立てるため、ディナーの30分ほど前に楽しむのが理想的です。
- 相性の良いおつまみ・・・生ハムやオリーブ、アーモンドなどナッツ類、チーズの盛り合わせなど、塩気と旨味のあるおつまみとの相性が抜群です。
- シェリーの選び方・・・フィノなどドライタイプのシェリーを使うとより軽やかに、アモンティリャードを使うと香ばしさが増し、深みのある味わいが楽しめます。
レシピ動画
- レシピ動画|テンダリー宮崎 優子 Channel Home
材料リスト
シェリー酒のメッカであるスペイン・アンダルシア地方で生産され、繊細でシャープとソフトで軽い口当たり、アーモンドやヘーゼルナッツを思わせる香りが特徴のシェリー酒。
他銘柄に比べ、苦味を弱く甘味を強めに製造されています。スイートを使うカクテルはハッキリとした甘味を出すものが多いのでマルティーニをおすすめできます。
オレンジの果皮を加えた様々なハーブエキスを配合。ドライな仕上がりで、あらゆるカクテルの香り付けに欠かすことの出来ない逸品。欧州ではスタンダードなオレンジビター。
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