レシピと作り方
アドニスの材料
Recipe no.142
- ドライシェリー・・・・・・・・45ml
- スイートベルモット・・・・・・15ml
- オレンジビター・・・・・・・・1dash
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技法 = ステア
※ 1dash = ビターボトル一振り、目安は1滴の量
アドニスの作り方
グラスは、カクテルグラス か シャンパングラスのクープ型 を使います。
ミキシンググラスに氷を7割~8割ほど入れて、ステアで冷やし、余分に出た水分を捨てます。
しっかりとステアを行い、ストレーナーを付けてグラスヘ注げば完成です。
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アドニスの由来・特徴
由来と歴史
Photo|ティツィアーノ作「 ヴィーナスとアドニス 」|画像引用 Wikipedia
〚 アドニスの物語 〛・・・「 アドニス 」とはギリシャ神話に登場する美の女神アフロディーテに愛された人間の男児のことです。
神話では、ある国の王族キニュラス一族は、代々女神であるアフロディーテを信仰していました。キニュラスの王女ミュラーはとても美しいと評判で、一族の誰かが「 王女はアフロディーテよりも美しい 」とお世辞か本気かわからない発言をしてしまいました。 それを聞いたアフロディーテは激怒します。
アフロディーテは美の女神であると同時に、愛、欲望の女神でもあり、「 魔法の包帯 」という愛や欲望を意のままに操れる魔法の神器を持っていました。その力を使い王女ミュラーが実の父親キニュラスに恋をするようにしてしまいます。そして父キニュラスを愛してしまったミュラーは、思い悩み自分の乳母に打ち明けます。
哀れんだ乳母は祭りの夜に実の父に顔を隠して引き合わせました。 キニュラスはまさか自分の娘だと思わず一夜を過ごしてしまいます。 そして明かりの下でミュラーの顔を見てしまったキニュラスはこれに激怒、ミュラーを殺そうとしますが、ミュラーはアラビアまで逃げ延びました。
その一連を見て彼女を哀れに思った神々は、ミュラーを「 ミルラ 」という樹木に変えました。その後その樹木に猪が激突してしまい、樹木は裂けてしまいます。 その樹木の中から生まれたのがアドニスです。
アドニスはミュラー同様美しい男児で、アフロディーテはそのまだ赤ん坊のアドニスに恋をします。アフロディーテはアドニスを箱の中に入れ、冥府の王であるハーデスの妻である女王ペルセポネにアドニスを預けました。
Photo|ミルラ|引用元 WELEDA 公式サイト
「 決して箱の中を見てはいけない 」と注意をしますが、ペルセポネは好奇心に負け開けてしまいます。 箱の中を見たペルセポネは、アフロディーテ同様アドニスに恋をし、養育を行います。
アドニスが少年になる頃にようやくアフロディーテが迎えに来ますが、ペルセポネはアドニスを手放すことができず、アフロディーテとペルセポネとの争いになります。 天界の裁判で1年の時間を三つに分け、1/3をアフロディーテと過ごし、1/3をペルセポネと過ごし、1/3を自由に過ごすことに決定しました。 しかしアドニスは自分の自由の時間もアフロディーテと過ごすことを選ぶと、ペルセポネはそのアドニスに不満を抱きます。
アドニスは狩りに夢中で毎日狩りを行っていました。 アフロディーテは「 狩りは危険だ 」と教えていましたが、アドニスは夢中で聞き入れませんでした。 そんな時に自分よりもアフロディーテを選んだことに不満を持っていたペルセポネは、アフロディーテの恋人である軍神アレスに「 アフロディーテは恋人のあなたよりも人間の男に夢中になっている 」と告げ口をします。
それに激怒した軍神アレスは、アドニスが狩りを行っている時を狙って、猪に化けてアドニスを殺害してしまいました。 やがてアドニスの流した血から、アネモネの花が咲いたそうです。
Photo|アネモネの花
- アフロディーテのページは ⇒ コチラ
〚 カクテル・アドニスの誕生 〛・・・このカクテルは、1880年代にニューヨークのウォルドルフ=アストリアホテルのバーで生まれたとされています。当時、ブロードウェイのミュージカル『 アドニス 』が大ヒットしており、その成功を祝うためにこのカクテルが作られたと言われています。
軽やかでエレガントなこのカクテルは、ミュージカルの成功と同様に人気を博し、クラシックカクテルとして定番となりました。
特徴・味わい
〚 特 徴 〛・・・さっぱりとした辛口のドライシェリーに甘口とコクがあるスイートベルモット、アクセントにオレンジビターを加えたレシピで、飽きがこない味わい、飲みやすく柔らかな味わいが特徴のカクテルです。またシェリーとスイートベルモットの組み合わせによる深みのある味わいと、軽いアルコール度数もアドニスの特徴です。
シェリーのナッツのような香ばしさと、ベルモットのハーブやスパイスのニュアンスが絶妙に調和しています。また、オレンジビターズが香りと味わいにアクセントを加え、全体を引き締めています。アルコール度数が低いため、軽い口当たりで飲みやすく、食前酒として非常に適しています。
〚 味わい 〛・・・一口目に感じられるのは、シェリーの独特なドライで香ばしい風味です。その後にスイートベルモットの甘味とハーブの複雑な風味が広がり、ほのかに感じるオレンジビターズの苦味がバランスを整えています。
飲み終わりには、シェリーとベルモットの余韻が心地よく続き、軽やかさと奥深さが同時に楽しめる味わいです。
〚 魅 力 〛・・・アドニスの魅力は、その洗練された味わいと歴史の深さにあります。軽やかなアルコール度数と上品な香りは、リラックスしたいときや食前に楽しむのにぴったりです。また、シェリーとベルモットというユニークな組み合わせが、通常のカクテルとは異なる奥行きのあるフレーバーを提供してくれます。
名前の由来からも想像できるように、気品と優雅さを兼ね備えた一杯であり、クラシックカクテル愛好者には外せない存在です。このカクテルは、食前に気分をリフレッシュしたいときや、軽やかなカクテルでくつろぎたいときに特におすすめです。「アドニス」は、ギリシャ神話の美しい物語をグラスの中に感じさせる、魅力的でエレガントな一杯です。
スイートベルモットをドライベルモットに変えると、「 バンブー 」というカクテルになります。 このバンブーは日本の横浜で生まれたカクテルで、日本で初めて考案されたカクテルとしても有名です。
- バンブーのページは ⇒ コチラ
アドニスの材料
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関連のカクテルレシピ リスト
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〚 他のカクテル レシピリスト 〛
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今回紹介したカクテルの材料
ー ベルモット Vermouth ー
「 ベルモット Vermouth 」とは、白ワインをベースに、ニガヨモギ など様々なハーブやスパイスなどを使い、スピリッツを加えたフレーバー・ド・ワイン( 強化ワイン )です。
製造方法や原料は全てを公表しておらず、大まかなことしかわかっていません。 原料はハーブの名前がそのまま付いてある通り、キク科ヨモギ属の多年草「 ニガヨモギ 」を主体としています。
ベースのお酒は白ワインで、ニガヨモギをはじめとした、苦レモン、シナモン、コリアンダー、ナツメグ、アンジェリカ、カルダモン、フェンネル、ジュニパーベリー、クローブ、etc…といった20種類以上ものハーブやスパイスを白ワインに漬け込みます。
ベルモットには主にドライとスイートがあり、カクテル材料には欠かせない存在です。
ドライベルモット・・・辛口のベルモットです。 フランスで生まれたことから「 フレンチ・ベルモット 」と呼ばれています。 ブランドによって異なりますが、色は無色透明から少し黄色が入ったものまであり、スッキリとした味わいとサッパリ感、そしてハーブの香りが特徴で、その特徴からかカクテルの材料に多く使われています。
スイートベルモット・・・甘口のベルモットです。イタリアで生まれたことから「 イタリアン・ベルモット 」と呼ばれています。色は濃い赤色をしていることや、ロッソと呼ばれたりもしますが、カラメル等の着色をしているのであって、赤ワインの色ではありません。 特徴はやはりハーブの香りとその甘味でしょう。 しっかりとした風味があるので、ドライベルモットよりもロックなどで飲むのに向いているかもしれません。
少しの苦味とハーブなどの香りが特徴で、食前酒としてロックなどそのまま飲まれることが多いですが、カクテルでも多くのレシピに登場します。
- ベルモットの歴史・原料・製法・主なブランドなどは ⇒ コチラ
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ビルド & ステア
ショートカクテルを作る際、ロングカクテルのようにグラスの中に直接材料を入れる技法「 ビルド 」ができないため、ミキシンググラスで材料を混ぜ合わせて( ステア )、小さめのグラス( カクテルグラス )に注ぐ技法を用います。
ステアとは?
簡潔に言うとステアとは、「 バースプーンで混ぜる 」ことです。
ショートカクテルの場合、ミキシンググラス( 写真 )と呼ばれる大きくて厚みのあるグラスに、氷と材料を入れ、かき混ぜるスタイルです。
ステアにはもう一つ役割があり、「 冷やす 」という役目もあります。基本的には常温保存されている材料が多く、それらを冷やすために行います。
簡単にまとめますと、「 グラスの中に直接材料を注ぐ 」= ビルド、「 バースプーンで混ぜる 」= ステアと覚えれば間違いはありません。
バースプーンの使い方
Step 1 = まず左手はグラスの底を押さえます(ドリンクを体温で温めないため)右手はバースプーンを持ちます。(左利きの人は逆になります)
Step 2 = バースプーンを動画にあるように中指と薬指の間に挟みます。
Step 3 = 親指と人差し指もバースプーンを挟んで持ちますが、この2本の役割は、落とさないようにするためだけのものなので軽く持ちましょう。
Step 4 = バースプーンの背中をグラスの内側の縁に沿って底へ持っていきます。
Step 5 = 自分の体より向こう側へ回す際は薬指で左回りに押すように持っていき、自分の体側に戻す際は右周りに中指で引き戻すようにバースプーンを移動させます。 この時にバースプーンの背中は常にグラスの外側へ向いています。
この動作の繰り返しになります。 最初は難しいと思うので、大きめのグラスに氷のみで練習すると良いでしょう。 慣れると便利なので、ぜひマスターしてください。
- バースプーンの詳しい使い方は ⇒ コチラ
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カクテルのTPO用語
オールデイカクテル All day cocktail
カクテルには様々なシチュエーション向けに考案されたものがあります。
主に食欲を増進させるための食前酒や、デザートのようなテイストの食後向けカクテルであったり、眠る前に飲むカクテル、飲み過ぎた後の迎え酒などと様々です。
そういったシチュエーションなどに無関係であったり、特にこだわりなく考案されたもので、向き不向きが無いカクテルというのがこの「 オール・デイ・カクテル 」です。
ディジェスティフ Digestif
「 ディジェスティフ Digestif 」とはフランス語で食後に飲むお酒のことで、英語では「 アフターディナー・ドリンク After dinner drink 」と呼びます。
特徴としてはブランデーなどのアルコール度数が高めのスピリッツを使い、クリームなどの甘味の強いものを材料に使う傾向があります。
アルコール度数が高いカクテルが多いのには理由があり、満腹になった後にアルコール度数が高めのお酒を飲むことで、食後の疲れた胃に刺激を与えます。
刺激を与えることにより、再度活性化させ消化を促進させる役割を持っているのです。
香りがあり、甘口のものが多い理由は、デザート感覚で楽しめることで、更なる満足感を与えることが目的としてあり、他には香り高いもので気分を落ち着かせることがあります。
- カクテルを飲むタイミングの名称紹介は ⇒ コチラ
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アドニスにおすすめのグラス
カクテルグラス Cocktail glass
逆三角形の形をした脚付きグラスです。 カクテルといえば多くの人がこのグラスを思い浮かべるのではないでしょうか。
脚が付いている理由は、ドリンクが入っている逆三角形の部分を手で温めてしまわないように付いています。飲むときは脚を持つようにしましょう。
カクテルには色彩を楽しむものも多くあり、カクテルの美しい色合いを邪魔しないためカクテルグラスは主に無色透明で、引き立て役として存在します。
一説にはマティーニを飲むために生まれたとも言われており、古くから「 マティーニグラス 」とも呼ばれています。
容量は少量しか入らず、グラスの中で直接混ぜることができないため、シェーカーか、ミキシンググラスで混ぜた後このグラスに注ぎます。
使っているカクテルは「 マティーニ 」や「 マンハッタン 」、「マルガリータ 」など有名なカクテルが多くあります。 標準は、60mlが程よく入る90ml、大型のもので 120ml ~ 150ml のものがあります。
シャンパングラス Champagne glass
シャンパングラスは口が広く底が浅めで脚付きの「 クープ型 」と、口が小さく縦に丸長になっている「 フルート型 」があります。
クープ型は1663年にシャンパンやスパークリングワインを飲むためにイングランドで作られました。18世紀頃からフランスで使われ始め、1930年代頃からアメリカで使用されるようになりました。
当時シャンパンは、甘めのデザート的なものが多く、パンやケーキなどを付けたりしていました。 そのためこのクープ型は口が広く作られています。 容量は120ml ~ 240mlが一般的。
フルート型は1700年代初頭に、シャンパン自体が甘めのものから、辛口や料理に合うものに変化していきました。そして最初は陶器や金属の素材で作られていましたが、ワイングラスをガラスの素材に代える際に一緒に作られました。
始めはまっすぐな円錐形でしたが、炭酸を逃しにくくするために、下から中央まで膨らみ、中央から上部にかけて狭くなっている形になりました。 ヨーロッパではビールを飲むのにも使われたそうです。容量は180ml ~ 300mlが一般的。
- グラス紹介ページは ⇒ コチラ
アドニスで使う道具
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