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コーヒーカクテルは、ポートワインと卵黄をベースにしたクラシックなカクテルで、一口ごとに濃厚でクリーミーな味わいが楽しめます。深い琥珀色と香ばしいナツメグの香りが、まるでグラスの中の小さなデザートのようです。
見た目通り、カフェオレのような色合いからその名が付けられました。コーヒー豆は一切使用せず、19世紀から愛され続けているこのカクテルは、寒い夜にゆったりとくつろいだり、特別なディナーを締めくくるのにぴったりの、温かくエレガントな一杯です。
レシピと作り方
材 料

Recipe no.141
- ポートワイン・・・・・・・・・45ml
- ブランデー・・・・・・・・・・15ml
- オレンジキュラソー・・・・・・1tsp
- 砂糖・・・・・・・・・・・・・1tsp
- 卵黄・・・・・・・・・・・・・1個
- ナツメグパウダー
※ 1tsp = バースプーン1杯分の分量のこと
作り方

卵黄と白身を分け、シェーカーに卵黄を入れてあらかじめ溶いておきましょう。
( 使うのは卵黄のみです )
シェーカーにポートワイン、ブランデー、オレンジキュラソー、砂糖、卵黄、氷を入れます。
しっかりとシェークした後にシェークした材料をグラスヘ注ぎ、氷を入れます。
( 材料にたまごが入っている場合は、強めか振る回数を増やしましょう )
表面にナツメグパウダーを振れば完成です。
コーヒーカクテルの詳細とおすすめ
由来・誕生

コーヒーカクテルは、19世紀のアメリカで生まれた、濃厚でクリーミーなクラシックカクテルです。1862年に初版が出たバーテンダーの名著、ジェリー・トーマスの『バーテンダーズ・ガイド』の1887年版に登場します。当時、卵を使ったお酒は、栄養があり体を温める飲み物として親しまれていました。
名前の由来は、トーマス自身が説明しています。ポートワインと卵をシェークすると、ミルク入りのコーヒーのような色になるからです。コーヒーもビターズも使わない、その見た目だけから付けられた名前です。
特徴・味わい

Photo|ポートワイン
主役のポートワインは、ポルトガル産の甘口の酒精強化ワインです。発酵の途中でブドウの蒸留酒を加えて酵母の働きを止めるため、ブドウ本来の甘みが残り、濃厚でフルーティーな味わいになります。
グラスに注がれた深い琥珀色の液体は、まるで高級なデザートのようです。口に含むと、ポートワインの甘美な果実味が広がり、ブランデーの芳醇な香りとオレンジキュラソーの華やかな柑橘が続きます。
卵黄が生むカスタードのようななめらかな口当たりを、ナツメグの香ばしいスパイスが引き締めます。私なら、寒い夜のディナーのあとにお出しします。お酒とデザートを兼ねた、特別な一杯になるからです。
ポイント・アレンジ・相性の良い食べ物

作り方のポイント
1. 長めにシェークしてなめらかに(よくある失敗)
ジュース系のカクテルと同じ感覚で、短くシェークしてしまう方が多くいます。卵黄はなじむまで時間がかかるため、シェークが短いと口当たりが薄く、卵っぽさが残ります。まず氷なしで10秒ほどドライシェークし、そのあと氷を入れてもう一度しっかり振りましょう。
2. 砂糖は先に卵黄に溶かす
グラニュー糖は冷たい液体に溶けにくく、ざらつきが残ることがあります。ほかの材料を入れる前に、卵黄と砂糖をよく混ぜておきましょう。粉砂糖やシンプルシロップを使えば、よりなめらかに仕上がります。
3. ナツメグは削りたてを
粉末のナツメグは、香りがすぐに飛んでしまいます。私なら、ホールのナツメグをグラスの真上で削ります。クリーミーな表面で温かく甘いスパイスの香りがすぐに立ち、ひと口目が忘れられない一杯になるからです。
生の卵黄を使用するため、サルモネラ菌等のリスクを避けたい場合は、低温殺菌卵(pasteurized eggs)の使用をおすすめします。
アレンジ
1. ジェリー・トーマスの1887年版
1887年のレシピにならい、卵黄ではなく全卵を使い、オレンジキュラソーを省きます。卵白が加わることで軽やかで泡立ちのよい口当たりになり、最初に紹介された当時の味わいを楽しめます。
2. トゥニー・ポート・バージョン
ルビー・ポートをトゥニー・ポートに替えます。木樽で長く熟成されたトゥニーは、ナッツやキャラメル、ドライフルーツの香りを持ち、よりまろやかでデザートのような一杯になります。
3. 本物のコーヒーをひとさじ
コーヒーリキュールを小さじ1杯(5ml)加えます。まさにその名のとおり、香ばしいコーヒーの香りがポートワインの深い果実味やクリーミーな卵黄と美しく溶け合います。
相性の良い食べ物・おつまみ
1. クレーム・ブリュレやカスタードプリン
卵黄のカスタードのような口当たりがデザートと重なり、カラメルの香ばしさがポートワインのレーズンやプラムの香りと響き合います。ふたつ合わせて、ひとつの贅沢なデザートコースのようになります。
2. スティルトンチーズとクルミ
ポートワインとスティルトンは、イギリスの定番の組み合わせです。チーズの塩気と鋭い風味がカクテルの甘みを引き立て、クルミのほのかな苦みがブランデーのナッツのような奥行きとよく合います。
3. ジンジャーブレッドやスパイスクッキー
ジンジャーやシナモン、クローブの香りが、表面のナツメグと響き合います。温かなスパイスと軽い食感がクリーミーなカクテルとバランスをとり、寒い夜にぴったりのペアリングです。
材料リスト
花崗岩タンクで醸し、オーク樽で10年熟成。ナッツの複雑な香りと完熟果実の繊細な風味が溶け合う、まろやかで濃醇な甘口ポートの傑作です
熟成感のある豊かな香りと、マイルドなコク、すっきりとしたボディー、洗練されたアフターテイストが特徴です。ストレートやロック以外にもトニックで割ると、すっきりとした味わいも楽しめます。
オレンジの果皮を漬け込み加糖をしたリキュール。ベースのお酒のお供としてよく使われていて、オレンジ色に着色されており、オレンジの香りとブランデーの芳醇さが豊かなリキュールです。
バーテンダー経験者が描く小説『 Bar 灯影 ~まだ名前のない約束たち~ 』

東京の雑居ビルの地下にある、隠れ家バー「Bar 灯影」。寡黙なマスターと、仕事帰りに通う23歳の彩香のもとに、毎晩いろいろな事情を抱えた客がやってきます。
マスターは多くを聞かず、その夜の一杯だけを差し出します。カクテルの所作や味わいは、バーで働いていた筆者が、現場の記憶をもとに描いています。
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