ジントニック|カクテルレシピ・作り方・特徴・由来|ドライジン + トニックウォーター

[ スポンサーリンク ]

レシピ

材料

Recipe no.022

  • このレシピの材料はコチラ ⇒ 材 料

技法 = ビルド

※ Full = グラスの8割~9割まで満たす適量のこと

作り方

グラスは炭酸が抜けにくい コリンズグラス をおすすめします。 他には ゴブレットタンブラーグラス でもO.Kです。

  • このレシピの道具はコチラ ⇒ 道 具
  • アルコール度数 = 9% ~ 10% 前後
  • 最適なTPO = 日中 / 食前
  • カクテル言葉 = 「 強い意志 」
  • カクテル誕生日 = 「 5月21日 」

[ スポンサーリンク ]

歴史・由来

17世紀にイギリスとオランダが東アジア(主にインドやインドネシア )の覇権争いを起こしていました。

その時代のインドやインドネシアはマラリアが流行っており、その地に駐在していた兵士がマラリアで命を落とすことが多かったのです。

すでにマラリアにはキナという植物を精製したキニーネが有効だと発見されていたため、それを飲むことで犠牲者を減らすことに成功していました。 しかしキニーネは非常に苦く飲みにくいもので、現地では砂糖や炭酸水を加えて飲んでいたそうです。

そこに薬用酒として広く知れ渡っていた「 ジュネヴァ 」を混ぜて飲むと苦味が和らぎ、美味しいということで広く知れ渡るようになりました。 ジュネヴァとはオランダ産のジンのことで、この出来事がジントニックが生まれたキッカケです。

その後第2次世界大戦後、イギリスを中心に世界に広く知れ渡り、現在ではカクテルの定番として存在しています。

特徴・感想

ジントニックは、シンプルで奥深いカクテルです。 ロングカクテルの中では定番で、日本国内では一番有名といっても過言ではないカクテルです。

辛口とキレが特徴のドライジンと、トニックウォーターのほろ苦さと炭酸が見事にマッチしています。

ドライジンのジュニパーベリー独特の香りを、トニックウォーターのほろ苦さが爽快感溢れる一杯にしており、ライムカットの酸味と風味がアクセントになっていて、何杯でも飲めてしまうカクテルです。

BARによって様々な飲み方や作り方がありますが、ご自宅でできるおすすめのひと手間は、ライムカットをグラスの縁に滑らせ、軽くグラスの中へ絞って入れることです。最初の一口目、二口目、と違う味を楽しめます。 ぜひお試しください。

このカクテルに使う材料

関連 カクテルレシピ リスト

⇒ 画像 / タイトルをクリックでレシピリストページへ

〚 他のカクテル レシピリスト 〛

[ スポンサーリンク ]

ベースのお酒・ジン

ジンとは世界4大スピリッツの一つで、その中でもカクテルレシピは一番多いと思われます。

誕生はオランダですが、オランダをはじめイギリス、ドイツと各国が独自に成長、発展をしていったスピリッツで、現在ではロンドン・ドライ・ジンが世界で主流となっています。

ジンの歴史

ジンの原型となる「 ジュネヴァ 」は現在のオランダ・ベルギーで誕生しました。

最初薬用酒としてこの世に生まれたジュネヴァは、ジェニパーベリーの良い香りが人気の原因となり、オランダ国民に深く浸透します。

その後イギリスに持ち込まれたジュネヴァは、イギリス国内でも人気を博し、ジンと名前を変え、18世紀には歴史上最高のジン消費量を記録します。

ジンのおかげで税収も増えますが、それと同時にアルコール中毒や犯罪をも増加させ、一時死亡率が出生率を超えてしまうほどの社会問題に発展してしまいます。

後にこの時代を「 狂気のジン時代 」と呼ぶようになります。

19世紀に入ると連続式蒸留機の発明により、それまでの雑味を砂糖や大量のボタニカルで隠す必要がなくなり、クリーンで上質なジンが製造可能となります。

そしてジンは海を渡りアメリカへと伝わると、やはりそこでも人気を得て、それまでとは違いカクテルベースとして使用されるようになり、世界中で飲まれるようになりました。

これらが「 ジンはオランダで生まれ、イギリスが育み、アメリカが輝かせた 」という言葉が生まれた原型です。

ジンの製法・原料

まず麦などの穀物を酵素と水と一緒に糖化させます。その後糖化した材料をアルコール発酵させ、連続式蒸留機でアルコール度95%以上のニュートラル・スピリッツをつくります。

出来上がったニュートラル・スピリッツにジュニパーベリーをメインとした様々なボタニカルを漬け込み、約1日間おきます。 使うボタニカルは、シトラスコリアンダーカルダモンキャラウェイなど様々です。

これらに決まりはなく、各蒸留所が決めた素材を使い、その蒸留所の個性としてつくられます。 日本は日本ならではの玉露柚子山椒などが使われています。

漬け込みを終えると再度蒸留し、加水してアルコール度数40%前後( 定義は37.5%以上 )に調整しボトリングして完成です。

[ スポンサーリンク ]

ジンの種類

 ドライ・ジン 

辛口とキレが最大の特徴で、カクテルレシピの数も他のスピリッツに対して圧倒的な数があり、カクテルの王様と呼ばれる「 マティーニ 」や、薬用酒として生まれた「 ジントニック や ギムレット 」もジンベースです。

ドライジンの定義に「 ジュニパーベリーを香りの主とする 」という決まりがあるため、その香りは共通しています。

ただそれ以外の定義は自由度が高いので、各蒸留所の土地や文化によって様々な個性を出しています。

Photo = ボンベイサファイア Bombay sapphire

  • ドライジンの主なブランド ⇒ コチラ

 ジュネヴァ 

ジンの誕生はこのジュネヴァが最初でした。 ジュネヴァは順調に輸出量を増やしていき、世界で最も飲まれているジンになりましたが、アメリカの禁酒法をキッカケにドライジンが世界の主流となりました。

現在は大量生産の方向性ではなく、職人の手作りによって、こだわった製法の方向性で世界に流通しています。

ドライジンよりも甘味が感じられ、樽熟成を行うものも多くあります、そのため琥珀色をしたジュネヴァは、飲むと口当たりが柔らかく飲みやすいのが特徴です。

Photo = ノールド・オールド・ジュネヴァ Noord’s

  • ジュネヴァの主なブランドは ⇒ コチラ

 シュタインヘーガー 

ジュネヴァ、ドライジンとは別の道を辿り、独自に発展を遂げてきました。

国から守られ、地域限定の生産をしているシュタインヘーガーは、ジュネヴァ同様大量生産ではなく、こだわりの方向性で現在も飲まれ続けています。

カクテルに使われることはあまりなく、ストレートやオンザロックで飲まれることが多いです。

日本酒を普段飲まれている方には、このシュタインヘーガーをお勧めします。

Photo = シンケンヘーガー Schinken hager

  • シュタインヘーガーの主なブランドは ⇒ コチラ

 クラフト・ジン 

2015年辺りから急成長している新しいジャンルです。ただクラフトジンには定義はなく、全体的に、大量生産はあまりしていないこと、特徴( コンセプト )があることです。

バラときゅうりという異色の素材を使ったり、オリエンタルなスパイスやハーブであったりと様々です。

2016年に京都で日本初のジンが蒸留されると、一気に他の蒸留所や大手飲料企業もクラフトジンを生産。

日本ならではの玉露山椒柚子などをつかったものが生産されています。各銘柄にそれぞれの個性が強く出ていて、色々な甘味や香りを楽しめます。

Photo = ザ・ボタニスト The botanist

  • クラフト・ジンの主なブランド ⇒ コチラ

 オールド・トム・ジン 

18世紀のロンドンで、税金から逃れるため、密売を行う際に猫の看板を設置し、口にお金を入れ、猫の手足に繋がっている管からジンが出てくる仕掛けを作りました。

その猫の名前が「 オールド・トムキャット 」と呼ばれ、このジンの名前の由来となりました。

通常のドライジンに加糖したもののことを指し、シトラスなどのフレーバーを追加されているものもあり、口当たりはまろやかなものが多いのが特徴です。

Photo = ヘイマンズ Hayman’s

  • オールド・トム・ジンの主なブランド ⇒ コチラ

[ スポンサーリンク ]

今回紹介したカクテルの材料

トニックウォーター

トニックウォーターの誕生は18世紀イギリスと言われています。 当時イギリスは多くの植民地を保有していました。イギリスから遠く離れたその熱帯地方ではマラリアが発生し、その予防( 特効薬 )として目を付けたのが「 キナの樹皮 」でした。

イギリス人はそのキナに着目し、キナの樹皮を精製した成分( キニーネ )に香草、レモンやライムなどの果皮のエキス、そして炭酸水に混ぜ合わせました。

こうしてできたのがイギリスで最古の清涼飲料水トニックウォーターです。トニックウォーターの独特の苦みは、このキニーネが元になっています。キニーネはその後第二次世界大戦頃までマラリアの特効薬として重宝されました。

その後イギリスの将校らが自国のジンとキニーネの予防飲料水を一緒に飲むようになり、ジントニックが誕生したと言われています。

元々トニックウォーターは薬としての役割のため、美味しく飲むといった風潮は無く、キニーネの苦みが強いまま飲まれていましたが、次第にキニーネの使用量が減り、香料や甘味料が使われ、薬から飲料へと変貌していきました。

  • トニックウォーターの歴史・ブランドは ⇒ コチラ

[ スポンサーリンク ]

ビルドとは?

材料をグラスに入れて混ぜることを言います。 この「 混ぜる 」にはいくつか種類があり、今回のカクテルには「 ビルド 」を使用します。

お家で簡単人向け

バースプーンやマドラーをグラスの内側に沿って底まで入れます。 グラスに当てたままクルクル回します。 炭酸系を使っている場合は、早く混ぜると炭酸が膨れてこぼれてしまうだけでなく、炭酸自体も抜けてしまうのでゆっくり回すように注意しましょう。

本格的にやってみたい人向け

Step 1 = まず左手はグラスの底を押さえます(ドリンクを体温で温めないため)右手はバースプーンを持ちます。(左利きの人は逆になります)
Step 2 = バースプーンを写真にあるように中指と薬指の間に挟みます。
Step 3 = 親指と人差し指もバースプーンを挟んで持ちますが、この2本の役割は、落とさないようにするためだけのものなので軽く持ちましょう。
Step 4 = バースプーンの背中をグラスの内側の縁に沿って底へ持っていきます。
Step 5 = 自分の体より向こう側へ回す際は薬指で左回りに押すように持っていき、自分の体側に戻す際は右周りに中指で引き戻すようにバースプーンを移動させます。 この時にバースプーンの背中は常にグラスの外側へ向いています。

この動作の繰り返しになります。 最初は難しいと思うので、大きめのグラスに氷のみで練習すると良いでしょう。 慣れると便利なので、ぜひマスターしてください。

  • バースプーンの詳しい使い方は ⇒ コチラ

[ スポンサーリンク ]

カクテルのTPO用語

オールデイカクテル All day

カクテルには様々なシチュエーション向けに考案されたものがあります。

主に食欲を増進させるため、またはサッパリとしている食前酒や、デザートのようなテイストの食後向けカクテル。

眠る前に飲むカクテル、飲み過ぎた後の迎え酒などと様々です。

そういったシチュエーションなどに無関係であったり、特にこだわりなく考案されたもので、一日のなかでいつ飲んでも構わない、または向き不向きが無いカクテルというのがこの「 オール・デイ・カクテル 」です。 一般的にはこのオール・デイ・カクテルの種類が一番多くあります。

プレディナー Pre dinner cocktail

プレディナー・カクテル( 食前酒 )とは食事前に飲むお酒のことです。

胃を刺激して消化液の分泌を促進することで、消化器官の負担を軽くする働きがあり、食欲増進の効果もあります。

プレディナーの習慣が誕生したのは、18世紀後半から19世紀にかけての間にフランス、イタリアの貴族間から始まったそうです。

プレディナーの特徴はアルコール度数が低いこと、スッキリとした口当たりに爽やかさや爽快感があるものが多いです。 テイストは爽やかな甘味、少しの苦味や酸味が特徴的です。

お酒の種類はスパークリングワインやビールなどの炭酸類が多く見られ、リキュールではアペロールカンパリといった少し苦みがり、ハーブなどの香りがするリキュールが使われることが多いようです。 カクテルも香り、苦味、爽やかさを使ったものが多く、種類も豊富にあります。

  • カクテルを飲むタイミングの名称紹介は ⇒ コチラ

[ スポンサーリンク ]

このカクテルのおすすめ グラス

コリンズグラス Collins glass

背の高い円柱形の細い形をしたグラスで、ラムベースの「 ゾンビ 」を飲むために使われるため、ゾンビーグラスと言われています。その後ジンベースのカクテル「 トム・コリンズ 」の人気が出るとコリンズグラスとも呼ばれるようになりました。

他にもチムニーグラスやトールグラス、煙突グラスとも言われることがあります。

他のグラスに比べて別名が多くあり、それだけ様々な場面で多くの人達や国々に使われているという事なのかもしれません。

背が高く細いので倒しやすいという難点がありますが、その細さは炭酸を抜けにくくしているためという最大のメリットがあり、炭酸系のカクテルをつくる時には必ずと言っていいほど使われるグラスです。 容量は270ml ~ 360mlくらいが一般的。

ゴブレット Goblet

ゴブレットとはグラスに土台と足が付いたグラスの事です。

特徴としてはワイングラスのように足が長くないことと、容量が多く入ることで、タンブラーグラスの代わりや、氷をたっぷり使うカクテル、ビール、ドリンク以外で使われ、パフェなどのデザートの器としても使われます。

使い勝手が良く、見た目も上品さと可愛らしさがあり、様々なシチュエーションであったり、お店などで幅広く使われています。

ゴブレットが誕生したのは14世紀だと言われていて、名前はフランス語で、「 Goblet 」と表記します。 元々は「 ゴブレー 」と呼んでいたそうですが、いつの間にか「 ゴブレット 」となったようです。

聖杯にもこのゴブレットが使われており、映画「 ハリーポッター 炎のゴブレット 」でもその名前が使われています。 容量は300ml前後が一般標準サイズ。

タンブラーグラス Tumbler glass

カクテルのみならず様々なドリンクに使われる最も一般的なグラスです。

「 タンブラー Tumbler 」の語源は「 倒れるもの 」や「 転ぶもの 」の意味があり、元々獣を狩り、残った角等をくり抜いてコップにし、底が真っ平にはならなかったので、よく倒れていたことからこの名前が付いたそうです。

別名ハイボールグラスとも呼ばれることがあり、主にハイボールスタイルや、ソフトドリンクなどに使われています。 オールドファッションドグラス( ロックグラス )を原型として誕生したとも言われ、オールドファッションドグラスをそのまま縦に長くしたような形をしています。

使い勝手が良く、容量も多く入るため、どの家庭にも必ずいくつかはあるグラスで、用途がおおいためか容量の種類も一番多くあると言っても過言ではないでしょう。

素材もガラス製だけではなく、木製、金属製、陶器、プラスチック製と様々なものがあります。 容量は6オンスの180ml、8オンスの240ml、10オンスの300mlが一般的で、飲食業界では略して6タン、8タン、10タンなどと呼ばれているそうです。容量は180ml ~ 300mlが一般的。

このカクテルに使う道具