レシピ
材 料
Recipe no.315
- ドライ・ジン・・・・・・・・・30ml
- ホワイト・キュラソー・・・・・15ml
- オレンジジュース・・・・・・・15ml
技法 = シェーク
作り方
グラスは カクテルグラス か シャンパングラスのクープ型 を使いましょう。
- Step 1 = シェーカーにドライ・ジン、ホワイト・キュラソー、オレンジジュース を入れます。
- Step 2 = しっかりと シェーク します。
- Step 3 = シェークした材料をグラスヘ注ぎ完成です。
アルコール度数 = 30% 前後
特徴・感想

ジンベースを代表するいくつかのカクテルの中に「 ホワイトレディー 」というドライ・ジン、ホワイト・キュラソー、レモンジュースでつくるカクテルがあります。 今回ご紹介したイエローレディーはネーミングがよく似ていることから、ホワイトレディーから派生したバリエーションカクテルなのかもしれません( 定かではありません )
ドライ・ジンの辛味、ほのかな香りに、ホワイト・キュラソーの甘味、オレンジジュースのフルーティーな甘味を混ぜ合わせたカクテルで、ホワイトレディーのレモンジュースをオレンジジュースに変えたレシピです。 柑橘系の酸味がフルーティーな甘味に変わっているので、果実の風味が追加されて飲みやすさがアップしています。
このカクテルで使う材料
ベースのお酒 ジン

ジンとは世界4大スピリッツの一つで、その中でもカクテルレシピは一番多いと思われます。 誕生はオランダですが、オランダをはじめイギリス、ドイツと各国が独自に成長、発展をしていったスピリッツで、現在ではロンドン・ドライ・ジンが世界で主流となっています。
ジンの歴史

ジンの原型となる「 ジュネヴァ 」は現在のオランダ・ベルギーで誕生しました。 最初薬用酒としてこの世に生まれたジュネヴァは、ジェニパーベリーの良い香りが人気の原因となり、オランダ国民に深く浸透します。 その後イギリスに持ち込まれたジュネヴァは、イギリス国内でも人気を博し、ジンと名前を変え、18世紀には歴史上最高のジン消費量を記録します。
ジンのおかげで税収も増えますが、それと同時にアルコール中毒や犯罪をも増加させ、一時死亡率が出生率を超えてしまうほどの社会問題に発展してしまいます。後にこの時代を「 狂気のジン時代 」と呼ぶようになります。
19世紀に入ると連続式蒸留機の発明により、それまでの雑味を砂糖や大量のボタニカルで隠す必要がなくなり、クリーンで上質なジンが製造可能となります。
そしてジンは海を渡り、アメリカへと伝わると、やはりそこでも人気を得て、それまでとは違いカクテルベースとして使用されるようになり、世界中で飲まれるようになりました。
これらが「 ジンはオランダで生まれ、イギリスが育み、アメリカが輝かせた 」という言葉が生まれた原型です。
ジンの原料・製法

まず麦などの穀物を酵素と水と一緒に糖化させます。その後糖化した材料をアルコール発酵させ、連続式蒸留機でアルコール度95%以上のニュートラル・スピリッツをつくります。
出来上がったニュートラル・スピリッツにジュニパーベリーをメインとした様々なボタニカルを漬け込み、約1日間おきます。 使うボタニカルは、シトラス、コリアンダー、カルダモン、キャラウェイなど様々です。 これらに決まりはなく、各蒸留所が決めた素材を使い、その蒸留所の個性としてつくられます。 日本は日本ならではの玉露、柚子、山椒などが使われています。
漬け込みを終えると、再度蒸留器で蒸留し、加水してアルコール度数40%前後( 定義は37.5%以上 )に調整しボトリングして完成です。
- ジンの製造・定義は ⇒ コチラ
ジンの種類
〚 ドライ・ジン 〛

ジンの世界での主流で、辛口とキレが特徴のスピリッツです。カクテルレシピの数も他のスピリッツに対して圧倒的に多くあり、カクテルの王様と呼ばれる「 マティーニ 」や、昔予防の薬用酒として生まれた「 ジントニック や ギムレット 」もジンベースの中にあります。
主原料に使われるジュニパーベリーとは、西洋ねずと呼ばれる針葉樹から採れる実です。
ドライ・ジンの定義に「 ジュニパーベリーを香りの主とする 」という決まりがあるため、その香りは共通しています。しかしそれ以外は決められていないため、各蒸留所の土地や文化によって様々な個性を出しています。
Photo = ボンベイサファイア Bombay sapphire
- ドライ・ジンの主なブランド ⇒ コチラ
〚 ジュネヴァ 〛
ジンの誕生はこのジュネヴァが最初でした。 ジュネヴァは順調に輸出量を増やしていき、世界で最も飲まれているジンになりましたが、アメリカの禁酒法をキッカケにドライ・ジンが世界の主流となりました。
現在でもドライ・ジンのように大量生産の方向性ではなく、一本一本手作りの職人つくりにこだわった方向性で現在も世界に流通しています。
ドライ・ジンよりも甘みが感じられ、樽熟成を行うものも多くあり、そのため琥珀色をしたジュネヴァは、飲むと口当たりが柔らかく飲みやすいのも特徴です。
Photo = ノールド・オールド・ジュネヴァ Noord’s

- ジュネヴァの主なブランドは ⇒ コチラ
〚 シュタインヘーガー 〛

ジュネヴァ、ドライ・ジンとは別の道を辿り、独自に発展を遂げてきました。 国から守られ、地域限定の生産をしているシュタインヘーガーは、ジュネヴァ同様大量生産ではなく、こだわりの方向性で現在も飲まれつ続けています。
ドライ・ジンのようにカクテルに使われることは多くなく、ストレートやオンザロックで飲まれることが多いです。
日本酒を普段飲まれている方には、このシュタインヘーガーをお勧めします。
Photo = シンケンヘーガー Schinken hager
- シュタインヘーガーの主なブランドは ⇒ コチラ
〚 クラフト・ジン 〛
近年急成長を遂げている新しいジンのジャンル「 クラフト・ジン 」しかし実際にはクラフト・ジンの定義はなく、全体的な特徴として、大量生産はあまりしていないことと、その一本一本に大きな特徴( コンセプト )があることです。バラときゅうりという異色の素材を使ったり、オリエンタルなスパイスであったりと様々です。
2016年に京都で日本初のジンが蒸留されると、一気に他の蒸留所や大手飲料企業もクラフト・ジンを生産。 日本ならではの玉露、山椒、柚子などをつかったものが生産されています。
各銘柄にそれぞれの個性が強く出ていて、色々な甘みや香りを楽しめます。
Photo = ザ・ボタニスト The botanist

- クラフト・ジンの主なブランド ⇒ コチラ
〚 オールド・トム・ジン 〛

18世紀のロンドンで税から逃れるため、密売を行う際に猫の看板を設置し、口にお金を入れ、猫の手足に繋がっている管からジンが出てくる仕掛けを作った。 この猫の名前が「 オールド・トムキャット 」という、この名前が由来となりました。
通常のドライ・ジンに加糖したもののことを指し、シトラスなどのフレーバーを追加されているものもある。 口当たりはまろやかなものが多い。
Photo = ヘイマンズ Hayman’s
- オールド・トム・ジンの主なブランド ⇒ コチラ
カクテルの材料
キュラソー

キュラソーとは、南米のベネズエラの北海にあり、現在はオランダ領となっている島です。
この島は1499年にスペイン人によって発見されます。 元々は先住民であるアラワク諸族が住んでいましたが、1527年からスペイン人に労働奴隷として連れていかれるようになり、現在ではほぼ絶滅しているそうです。
1634年にオランダ艦隊がキュラソー島に居たスペイン人を追い出し、砦を建設。 その後港と建設するとトウモロコシや落花生、塩などの生産で栄えるようになりました。 貿易の拠点に相応しい位置に島が存在していたことから、様々な国が寄るようになりました。
17世紀後半に、キュラソー島内で採れるオレンジをオランダ人が本国へ持ち帰り、アルコールに浸してオレンジリキュールが作られました。 そして現在ではオレンジリキュールのみではなく、ホワイト・オレンジ、ブルー、グリーン、レッドと様々な着色を行ったキュラソーシリーズが定着をしています。
シェーカーの使い方

シェーカーの利用目的は・・・
- 混ざりにくい材料( 比重が大きく違うお酒など、粉類、牛乳や生クリーム、鶏卵 )を混ぜる
- 材料を素早く冷却する
- アルコール度数の強いお酒をまろやかにする( お酒のカドをとる )
といった利用目的があります。 持論ではありますが、あと一つ牛乳や生クリームなどの材料を泡立たせることもできるので、泡立たせる利用目的もあると思います。
スリーピースシェーカー
〚 Step 1 = 蓋を閉める 〛

- ボディに材料や氷を入れる。( 氷はボディの 7割~8割くらいを目安に入れます )
- ボディにストレーナーを被せ、左手でストレーナーを押さえて左手の甲( 手首に近い辺り )を右手でトントンと叩きストレーナーを押さえる。( ストレーナーを直接叩くのはNG )
- トップをストレーナーに取り付ける。( 強く抑えず、キュッと入れ込む程度でOKです )
〚 Step 2 = 持ち方 〛


スリーピースタイプのシェーカーの持ち方です。
右利き用( 左利きの方は逆 )
- 左手 ・親指 = ストレーナーのくぼんだ場所 ( ストレーナーを押さえる役割 )
- ・人差し指 = ボディ
- ・中指 = ボディ底を押さえるように
- ・薬指 = ボディ( 振る際に下になる場所へ指を曲げて支える )
- 右手 ・親指 = トップを押さえるように
- ・人差し指 = ボディ
- ・中指 = ボディ
- ・薬指 = ボディ( 振る際に下になる場所へ指を曲げて支える )
特に持ち方に決まりがあるわけではありませんので、自分で持ちやすい持ち方で振れば良いと思います。ただシェーカーに手のひらを前面に付けてしまうと、手がかなり冷たくなりますし、材料の温度が下がりにくくなるため、シェーカーを持つ時には、面ではなく点で持つように心がけましょう。
〚 Step 3 = 振り方 〛

まずシェーカーは体の正面で振るのではなく、体から正面45℃に構えます。
- 上記の持ち方で、胸の前に持っていき、そこを中心として上前方へ斜めに押し出すように、そのまま胸に戻して、今度は下前方へと押し出すように振ります。 横から見るとひらがなの「 く 」の字を作るように振ります。
- 上前方、下前方へ出す際には手首を前下へ曲げるようにします。
- この動作を1セットとし、比較的混ざりやすい材料であれば 7~8セットあまり強く振らずにシェークを行います( 強く振ると、中の氷が砕けます )
混ざりにくい材料の場合は、12セットくらい、少し強めのシェークを行いましょう。
シェークの振り方は人それぞれなので、これらを参考にご自分の一番良い振り方を模索してください。 その際に、中の氷が8の字を描くように振りましょう。
〚 Step 4 = グラスヘ注ぐ 〛

- シェーク後、まずはトップを外します( 外しにくい場合は、ねじるように外します )
- ストレーナーとボディを片手で押さえます( 人差し指はストレーナー、中指をボディ )
- ストレーナーの先は網状になっているので( 上記写真 )、そこからグラスヘ注ぎます。
ツーピースシェーカー( ボストン・シェーカー )
〚 Step 1 = 蓋を閉める 〛

まずはツーピースシェーカー( ボストン・シェーカー )の部位名称です。
小さい方が金属であれば「 ショート・ティン 」、ガラス製であれば「 パイント・グラス 」です。 ショート・ティン( パイント・グラス )に材料を入れ、ティンの方に氷を入れます。( 氷はティンの5 ~ 6割ほどを目安に入れます )
ショート・ティン( パイント・グラス )の材料を氷の入ったティンに入れて、ショート・ティンを被せます。真っすぐ差し込むのではなく、自分側にショート・ティンを寝かすようにはめ込み、自分側のティンとショート・ティンの縁が一直線に沿っているようにします。( 上記写真の様に立てると曲がったようになります )

ショート・ティンを被せたら、上から手のひら( 掌底 )でトントンと直接 2回ほど叩きます。 圧縮されて簡単には外れなくなります。
〚 Step 2 = 持ち方 〛

ツーピースシェーカーの持ち方は、スリーピースシェーカーよりも多彩にあります。
上記写真にあるように、スリーピースシェーカーよりも長いので、先端と先端を押さえることと、中の氷の動きを端から端まで動くように振れば問題ありません。 右手をショート・ティンの方を押さえて、左手の掌を上になるように、包み込むように持ちます。
〚 Step 3 = 振り方 〛
スリーピースシェーカーと同じ動きで振るようにしてもかまいません。 シェーカー自体が長いので、スピードを抑え気味で振ると端から端まで氷が移動し、材料が混ざるので、そこをポイントとして振りましょう。
振るモーションもスリーピースシェーカーより大きく振ると自然とスピードも落ち、良く混ざるようになります。

〚 Step 4 = グラスへ注ぐ 〛

- まず左手でツーピースシェーカーを縦にして持ちます。( この時ショート・ティンが上に来るように持ちます )
- 左手の中指と人差し指で、ショート・ティンを右へ押すように持ちます。
- 右手の手のひら( 掌底 )でティンの方を軽く叩きます。( 1回でショート・ティンが外れない場合は2回叩きましょう )

左の写真にあるように、ティンにストレーナーを装着し、グラスヘシェークした材料を注ぎます。
フレッシュフルーツなどを材料で使用した場合は、2つ上の写真のあるように、小さい手ざるを使います。( 種など細かい余分なものをグラスヘ入れないようにするためで、スリーピースシェーカーの場合に使用する場合もあります )
- シェーカーについて詳しくは ⇒ コチラ
このカクテルのおすすめ グラス
カクテルグラス Cocktail glass

シャンパングラス Champagne glass
シャンパングラスは主に口が広く底が浅めで脚付きの「 クープ型 」と、口が小さく縦に丸長になっている「 フルート型 」がある。
クープ型は1663年にシャンパンやスパークリングワインを飲むためにイングランドで作られました。18世紀頃からフランスで使われ始め、1930年代頃からアメリカで使用されるようになりました。 当時シャンパンは、甘めのデザート的なものが多く、パンやケーキなどを付けたりしていました。 そのためこのクープ型は口が広く作られています。 容量は120ml ~ 240mlが一般的。
フルート型は1700年代初頭に、シャンパン自体が甘めのものから、辛口や料理に合うものに変化していきました。そして最初は陶器や金属の素材で作られていましたが、ワイングラスをガラスの素材に代える際に、一緒に作られました。始めはまっすぐな円錐形でしたが、炭酸を逃しにくくするために、下から中央まで膨らみ、中央から上部にかけて狭くなっている形になりました。 ヨーロッパではビールを飲むのにもつかわれたそうです。 容量は180ml ~ 300mlが一般的。

- グラス紹介ページは ⇒ コチラ