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ジントニックやマティーニのルーツを辿ると、オランダ生まれの「ジュネヴァ」という一杯に行き着きます。ウイスキーのような穀物の深みと、ジュニパーベリーの爽やかな香りが絶妙に重なるこのお酒を、選び方から美味しい飲み方まで丁寧にご紹介します。
ジュネヴァとは?
製造法・土地

ジュネヴァはEUのAOC(原産地呼称制度)によって、オランダ・ベルギー・ドイツとフランスの一部地域でしか名乗れない希少なお酒です。大麦麦芽などの穀物を単式蒸留器で2〜3回丁寧に蒸留した「モルトワイン」をベースに、ジュニパーベリーをはじめとするボタニカルで香りを加えて仕上げます。シャンパーニュやコニャックと同格の産地認証が、その品質と伝統を証明しています。
歴史・誕生

ジュネヴァの起源は13世紀のベルギー・ブルージュ近郊まで遡り、ジュニパーベリーを使った薬用酒として誕生しました。17世紀にはオランダの貿易力で世界へ広まり、19世紀のアメリカではカクテル文化の中心的存在として輝きます。しかし1920年の禁酒法によって一度は表舞台から姿を消し、現在は「ジンの原点」として静かな復活を遂げつつある、波乱万丈な歴史を持つお酒です。
飲まれ方・使われ方
本場オランダでは、チューリップ型の専用グラスになみなみと注ぎ、両手を後ろにして口をつけて味わう「ダッチ・カリッジ」という伝統的な飲み方が今も親しまれています。チェイサーにビールを合わせるのもオランダ流。家庭ではストレートやロックで、バーではネグローニやオールドファッションドのベースとして活躍します。ウイスキー好きにも刺さる、穀物のコクが魅力の一杯です。
おすすめのジュネヴァ銘柄 5選
ジュネヴァ 比較表

| 項目 | [ オールド ] ノールド オールド | [ ヤング ] ノールド ヤング | [ ヤング ] ボルス ジュネヴァ | [ オールド ] ズイダム オールド | [ 個性派 ] ボビーズ ジェネバ |
|---|---|---|---|---|---|
| 香り | バニラ・樽・麦芽 | 穀物の甘み・フレッシュ | モルト・ジュニパー | バニラ・オーク・穀物 | レモングラス・スパイス |
| 味わい | 重厚・まろやか・長い余韻 | 軽快・すっきり・甘み | まろやか・ウイスキー的 | ナッティ・飲みやすい | フレッシュ・シトラス |
| 特徴 | 15年熟成・少量手造り | 3年未満・カクテル向き | 1820年復刻・万能型 | 風車製法・天然素材100% | インドネシアスパイス・金賞 |
| 向き | ウイスキー好き・通向け | 初心者・カクテル好き | カクテル好き・万能派 | 初心者・コスパ重視 | 個性派・ジン上級者 |
| 価格帯 | 500ml 約12,000円〜 | 500ml 約4,950円〜 | 700ml 約3,500円〜 | 500ml 約1,780円〜 | 700ml 約4,000円〜 |
ノールド・オールドジュネヴァ Noord’s old

味わい・香り・特徴
グラスに注いだ瞬間、ホワイトオーク樽由来のやわらかなバニラと麦芽の香りがふわりと漂います。一口含むと、まろやかでとろりとした口当たりの中に、ジュニパーベリーの爽やかな清涼感とコリアンダー・リコリスなど10種のボタニカルが重なり合い、複雑で奥行きのある余韻が長く続きます。その味わいは「ジンの中のウイスキー」と表現されるほど。15年という歳月が育んだ琥珀色の一杯は、ジュネヴァの概念を超えた別格の存在です。
誕生・歴史

ノールドは1674年創業のオランダ老舗蒸留所で、昔気質の職人たちによって生み出される、ジュネヴァを代表するブランドです。
量産を一切行わず、職人が一本一本丁寧に仕上げるという姿勢は創業以来変わることなく受け継がれています。その証として、ラベルはすべて手書きという徹底したこだわりぶり。古式伝承技術で丹念に造られ、長期熟成のものには老熟した味わいにモルトの香味とスパイスの香りが溶け合い、年代物のスコッチにも負けない重厚感があります。ジュネヴァ本来の姿を守り続ける、真の職人蒸留所です。
製法・他のジュネヴァとの違い
大麦モルト・トウモロコシ・ライ麦を組み合わせた醪を発酵させ、ポットスチルで50〜55度の間で丁寧に蒸留。ジュニパーベリーをはじめコリアンダー・リコリスなど10種類のボタニカルを配合した後、ホワイトオーク樽でなんと15年もの歳月をかけて熟成させます。
他のジュネヴァの熟成期間が数か月〜数年であるのに対し、この15年熟成は業界でも類を見ない圧倒的なこだわりです。単式蒸留をした後ホワイトオーク樽で15年もの歳月をかけて熟成させているため、ヴィンテージスコッチのような濃厚で芳醇な味わいがほかとは違うポイントです。
15年の沈黙が生んだ、ジュネヴァの最高峰
ノールド・ヤング・ジュネヴァ Noord’s young

味わい・香り・特徴
グラスに注ぐと、大麦・ライ麦・トウモロコシ由来の甘やかな穀物の香りがふわりと広がります。口に含むと無色透明の見た目通りのすっきりとしたクリアな口当たりで、麦の自然な甘みとジュニパーベリーのほのかな清涼感が爽やかに広がります。
樽熟成のオールドが「ウイスキー」なら、ヤングは「焼酎」のように軽快でフレッシュ。重さがない分、ソーダやトニックウォーターと抜群に相性よく、食中酒としても気軽に楽しめる一本です。
誕生・歴史

ノールド社はジンの起源であるジュネヴァのメーカーとして、ジュネヴァの故郷スキーダムに1674年に創業した老舗メーカーです。350年以上にわたり伝統製法を守り続けてきたこの蒸留所が手がけるヤング・ジュネヴァは、19世紀のアメリカで禁酒法が施行されるまでカクテルベースとして大活躍したジュネヴァの原点ともいえるスタイルです。
量産を行わず職人が一本一本丁寧に仕上げ、ラベルは手書きというこだわりは、ブランドが誕生してから現在まで変わることなく受け継がれています。
製法・他のジュネヴァとの違い
大麦モルト・トウモロコシ・ライ麦を発酵させポットスチルで蒸留後、ジュニパーベリーをはじめとするボタニカルを配合。オールドとの最大の違いは熟成期間で、ヤングは3年未満の短期熟成にとどめることで、樽の影響を最小限に抑えたフレッシュで軽快な仕上がりになります。
色は無色透明でクリアな外観が特徴です。禁酒法以前のカクテルレシピではジンカクテルのベースにジュネヴァを用いるのは珍しいことではなく、ヤング・ジュネヴァはその時代のカクテル文化を今に伝える、歴史的な一本ともいえます。
軽やかにジュネヴァを始めるなら、これ一択
ボルス・ジュネヴァ Bols

Photo|画像提供 Asahi
味わい・香り・特徴
見た目はウォッカのようにクリスタルクリアでありながら、一口含むと穀物由来のまろやかな甘みとウイスキーを思わせる芳醇なコクが広がります。
ジュニパーベリーの爽やかな清涼感、アンジェリカ・ジンジャー・コリアンダーのボタニカルが奥に静かに香り、全体のバランスをやわらかく整えます。味わい的にはウォッカとウイスキー両方の性質をあわせもつユニークなスピリッツで、ストレートでもカクテルベースでも、どちらにも対応できる懐の深さが最大の魅力です。
誕生・歴史

1575年にオランダで創業したボルス社は、1664年にジュネヴァの蒸溜を始めたジュネヴァの名門ブランドです。1820年にルーカス・ボルスが考案したオリジナルレシピは、19世紀のアメリカでカクテル黄金時代を席巻し、イギリス産ジンの6倍もの販売量を誇りました。しかし1920年の禁酒法と第二次世界大戦の影響でジュネヴァは姿を消します。
21世紀に入り世界中のバーテンダーからクラシックカクテル再現への要望が高まり、2008年にオリジナルレシピを復刻して世界に送り出されたのが現在のボルス ジュネヴァです。
製法・他のジュネヴァとの違い
味わいの核となるのは、ライ麦・トウモロコシ・小麦をまず連続式蒸溜機で1回蒸溜してアルコール50%のモルトワインを造り、次に単式蒸溜器で2回蒸溜してアルコール47%まで下げたもの。このモルトワインを50%以上使用することでなめらかなモルトの風味を実現しています。
ノールドが職人による少量手造りを貫くのに対し、ボルス ジュネヴァはバーテンダーのカクテルニーズに応えるべく42度に設定され、どのレシピにも馴染む万能性が際立ちます。2009年サンフランシスコ・ワールドスピリッツ・コンペティションでダブルゴールド賞を受賞した実力派です。
カクテルの黄金時代を、あなたのグラスへ
ズイダム・オールド・ジュネヴァ Zuidam zeer old

味わい・香り・特徴
グラスに注いだ瞬間、樽熟成由来のバニラと甘やかなオークの香りがやさしく漂います。口に含むと、ジュニパーベリーの穏やかな清涼感とリコリス・アニスシードの奥行きが重なり、トフィーやファッジを思わせるナッティな甘みが余韻として長く続きます。
甘いジュニパーの香りと高貴なバニラ、オークの香りの中に穀物の甘い香りが眠っており、麦の主張は控えめでクセが少なく飲みやすいため、ジュネヴァ最初の一本としても最適な一品です。
誕生・歴史

ズイダム蒸留所は、フレッド・ヴァン・ズイダムによって1975年に、他の生産者とは一線を画した製品を生産する小さな蒸留所として創業されました。オランダ南部のベルギー国境に接する街バール・ナッサウに300㎡の小さな蒸留所を建設し、品質重視の少量生産をスタート。
創業当初は苦難の時期が続きましたが、10年の努力を経てオランダ有数の蒸留所としての評価を獲得します。その後、息子のパトリックとギルバートが事業を引き継ぎ、現在では3600㎡・1000以上の樽を保有する規模へと成長。今もなお家族経営の伝統と品質へのこだわりを守り続けています。
製法・他のジュネヴァとの違い
原料の大麦麦芽・ライ麦・トウモロコシは、オランダの伝統的な風車を動力にした石臼でゆっくりと粉砕されます。摩擦熱を抑えることで穀物本来の香りを守るこの工程は、ズイダム最大の個性のひとつです。
マッシュを低温で5日間かけてゆっくり発酵させた後、小さな銅製の蒸留器で3回蒸留。秘伝のボタニカルを配合して4回目の蒸留を行い、248Lのスモールバレルで熟成させます。他のジュネヴァが大型樽を使うのに対し、小さな樽での熟成がバニラ香と柔らかな口当たりを生み出す、ズイダムならではのこだわりです。
風車が生んだ、オランダの自然派ジュネヴァ
ボビーズ ジン ジュネヴァ Bobby’s

味わい・香り・特徴
グラスに鼻を近づけると、レモングラスの爽やかな柑橘の香りが最初に出迎え、その奥にキュベブペッパーのスパイシーな刺激とカルダモンの甘い香りが続きます。口に含むと、キャンディのような甘みとシトラスのフレッシュな酸味が弾け、ジンジャーとジュニパーが余韻に穏やかなハーブ感を添えます。
従来のジュネヴァにはないエキゾチックな個性が際立ちながら、フィニッシュは長く心地よく続く、東洋と西洋が出会った唯一無二の一杯です。
誕生・歴史

物語の始まりは1950年代のオランダ。インドネシア生まれのジャコバス・アルフォンス氏が故郷のスパイスをジュネヴァに織り交ぜ、家族や友人たちに愛されるオリジナルレシピを自家生産していました。家族から「ボビー」と呼ばれていたジャコバス氏の孫、セバスチャン氏が2012年に母の家でその古いボトルを発見。
祖父の情熱に感銘を受け、ジュネヴァ発祥の地スキーダムにある老舗ハーマンヤンセン社の七代目蒸留家とともに、インドネシアとオランダの魂を融合させたボビーズ・ジェネバが誕生しました。
製法・他のジュネヴァとの違い
ボビーズ最大の個性は「個別蒸留後ブレンド」という手法です。レモングラス・キュベブペッパー・ジンジャー・カルダモン・ジュニパーの5種を、それぞれ別々に蒸留してからブレンドすることで、各ボタニカルの個性を最大限に引き出しています。
モルトワイン比率は8%と低めのヤングタイプで、樽熟成銘柄のようなどっしりした重みよりもフレッシュで華やかな飲み口が特徴です。添加物・糖類・抽出物を一切使用しない純粋な仕上がりは、2018年ワールドスピリッツアワードで金賞を受賞するほどの品質を誇ります。
インドネシアとオランダが出会った、東西融合のジュネヴァ
美味しい飲み方とアレンジ
ロック・ストレートで楽しむ

- オールド向き・・・冷凍庫でとろとろになるまでよく冷やしてストレートで。本場オランダ流「ダッチ・カリッジ」は、専用の小さなグラスになみなみと注ぎ、手を後ろに組んで口だけでひと口味わう飲み方。チェイサーにビールを合わせると現地気分に。
- ヤング向き・・・大きめの氷1つをグラスに入れ、ゆっくり注ぐだけ。穀物の甘みとジュニパーの清涼感がじんわりと広がります。オレンジスライスを添えると、柑橘の香りが穀物の風味と絶妙にマッチ。
- アレンジ・・・オールドタイプはウイスキーグラスで楽しむと風味が広がりやすく、数滴の水を加える「加水」で香りがさらに開きます。ヤングタイプは冷凍庫でキンキンに冷やしたショットグラスで飲むのもおすすめです。
ジュネヴァはウイスキーに近い風味のため、温度が上がると香りが立ちすぎることがあります。グラスはあらかじめよく冷やしておくのが鉄則です。
炭酸割りで爽やかに

- ソーダ( どちらも◎ )・・・比率はジュネヴァ1:ソーダ2が目安。ヤングタイプは穀物の甘みが引き立ち、食中酒に最適。レモンを絞ると爽快感アップ。
- トニックウォーター( ヤング向き )・・・ほろ苦さが穀物の甘みと相性抜群。ライムを添えるとジントニックに近い感覚で楽しめます。
- ジンジャーエール( どちらも◎ )・・・スパイシーな辛口タイプを選ぶと、ジュネヴァのハーブ感と見事にマッチ。生姜のスライスを添えると本格的な一杯に。
- コーラ( ヤング向き )・・・ボビーズジェネバ×コーラはレモングラスとコーラの甘みが重なり、カジュアルで飲みやすい夏の一杯に。
炭酸は注いだらすぐ1回だけ軽く混ぜる。かき混ぜすぎると炭酸が抜け、ジュネヴァの繊細な香りも飛んでしまいます。グラスを事前に冷やしておくと泡が長持ちします。
カクテルで本格的に楽しむ

オールド向き
- オールドファッションド・・・ジュネヴァ+角砂糖+ビターズ。ウイスキー版より穀物感が穏やかで、ハーブの奥行きが加わった上品な仕上がりに。
- ジュネヴァ・サワー・・・ジュネヴァ+レモン+砂糖をシェイク。樽熟成の甘みとレモンの酸味が絶妙にマッチ。
ヤング向き
- オリジナル・マティーニ・・・ジュネヴァ6:ドライベルモット1。19世紀の本来の姿に最も近いマティーニ。ドライジンより深みのある仕上がりに。
- トム・コリンズ・・・ジュネヴァ+レモン+砂糖+ソーダ。実はコリンズの原型はジュネヴァで作られていた歴史的な一杯。
ジュネヴァはドライジンより穀物感が強いため、ジンのレシピをそのまま使うと少し甘みが強くなります。ベルモットやビターズの量を少し控えめにして調整するのがコツです。
ジュネヴァ よくある質問

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