フレーバード・ウォッカとは、ウォッカをベースにして、ハーブや果実、香辛料などを浸したり、人工甘味料を添加して製造されます。
ウォッカの特徴である無味無臭から一気に香り豊かなスピリッツになり、ソーダ割りやロックスタイルなどのシンプルなカクテルにも使えるようになります。 風味の種類もハーブ系、柑橘系など豊富にあり、今回はその中でもオススメな4選をご紹介いたします。
ズブロッカ Zubrowka
原産地 = ポーランド
ー ズブロッカの歴史・製法 ー
ズブロッカは14世紀頃に作られていたという記録が残っており、フレーバード・ウォッカの中でも最も古い部類に入るブランドです。 当時のスタンダード・ウォッカは現在の蒸留技術が高くなく、出来上がったお酒の中に残留物が残っていたため、香草などを入れて残留物などから出る雑味を消すために作っていたことがフレーバード・ウォッカの始まりです。
現在はロックやストレートで飲まれることは珍しくありませんが、当時はロックやストレートは健康面と道徳面に悪いとされており、水または果汁などで割って飲むのが主流でした。
ー ズブロッカの名前 ー
Photo|ビャウォヴィエジャの森
「 ズブロッカ 」の名前は、ポーランドの世界遺産「 ビャウォヴィエジャの森 」の中に自生しているイネ科の植物「 ジュブルフカ 」という草から付いた名前です。
ラベルにいる牛は、この森に生息している絶滅危惧種の聖牛「 ジュブル( 英名:ヨーロッパバイソン ) 」で、そのジュブルが食べている草がジュブルフカであることから代名詞の動物として描かれているのです。
ジュブルフカはこの森にしか自生しておらず、取ることを禁止しています。その貴重な草を使用できるのは、ポーランド政府から唯一許可を得ているお酒メーカー「 ポルモス・ビャウィストク社 」のみで、最も香りが立つ時期の初夏に手作業で必要分収穫されているのです。
ズブロッカの特徴は、一本一本手作業で瓶の中にジュブルフカを入れて香りづけに使用していることです。そのジュブルフカが、柔らかくまろやかな口当たりと、柔らかな香りを生んでおり、ジュブルフカそのものがこのフレーバード・ウォッカの特徴と言えます。
グレイグース・ル・オランジュ Grey goose
原産国 = フランス
ー グレイグースのこと ー
グレイグースの歴史はまだ浅く、1997年にアメリカで発売されました。 原産国がフランスとなっているのは、フランス産高級小麦を100%使用し、さらにフランスのコニャック地方で製造されているからです。
2004年にラムで有名なバカルディ社が、単一ブランド買収では過去最高額の22億ドル( 日本円で2,300億円=1ドル105円で計算 )で Sidney Frank社から製造販売権を取得しました。全世界で3,600万本以上の販売数を誇る世界最大の高級ウォッカブランドです。
ー グレイグースの製造・特徴 ー
ウォッカで有名なロシアやポーランドとは全く異なるコンセプトで、アメリカ・ニューヨーク州にあるSidney Frank社がフランスの美食文化を取り入れて商品開発します。元々の高級ウォッカは蒸留と濾過技術を駆使し、ピュアさを高めていくのに対し、グレイグースは原材料の特徴を残すため、最小限の濾過に留め、「 味わい深いウォッカ 」を作り上げました。
原材料の小麦は、フランス料理人ご用達であるベーカリー用冬小麦を使用し、コニャック地方の美しいくクリアな湧水を使用、すべての工程に Sidney Frank社 の立てたコンセプトに基づき製造されています。管理もブランドオーナーが変わった現在も初代セラーマスターが製造管理を行い、初期のコンセプト通りのウォッカに仕上げています。
そのグレイグースの中でも今回オススメしているのは、グレイグース・ル・オランジュ。
ウォッカには珍しく甘味がある上にスムーズな口当たりのグレイグース・ウォッカをベースに、アメリカ・フロリダ州産の完熟オレンジを混ぜ合わせ、フレッシュでデリケートなアロマと、甘味と酸味のバランスが整ったラグジュアリーなフレーバード・ウォッカです。
アブソルート・シトロン Absolut
Photo|画像提供 Pernod Ricard Japan
ー アブソルートの歴史 ー
1879年スウェーデンの南部で、「 ラーズ・オルソン・スミス 」氏によってアブソルートが誕生します。
はじめは他のスピリッツ製造に力を注いでいましたが、ある時ウォッカ作りに力を入れ始め、雑味が無いウォッカを作り上げることに成功し、1879年に販売を開始します。
その後瞬く間に隣国のデンマーク、ノルウェー、フィンランドでも販売されるようになり、世界のウォッカブランドとして地位を確立していきました。 そして1917年 V&S社を設立し、ブランド名も「 アブソルート・レント・ブライヴィン 」となりました。
それ以降販売・製造は国営で行われ、1979年にはブランド誕生100周年を迎え、アメリカなど多くの国で販売するに至ります。
世界各国での販売をキッカケに薬品ボトルに似せたボトルデザインに変更、大規模なキャンペーン、などによって人気を上昇させると、1985年のアメリカで輸入ウォッカ第1位を記録します。 現在では高い知名度を維持しながら、レモン、バニラ、マンダリンなどの数多くのフレーバード・ウォッカを輩出しております。
ー アブソルート・シトロンの特徴 ー
スウェーデンが誇るプレミアムウォッカ アブソルート。南スウェーデン・オフスにある蒸留所で、国内原料・国内製造・国内管理がされているウォッカです。
アブソルートウォッカは、ラーズ・オルソン・スミスが開発した技術を元に発展を続けており、連続式蒸留によって一切の不純物を濾過し、厳選された原材料、徹底された管理で、クリアで高級感ある滑らかな味わいと、ほのかに香るドライフルーツの香りが漂います。
アブソルート・ウォッカのもう一つの特徴、それはシンプルでポップなラベルの瓶です。 施薬品に似せたデザインは現在も受け継がれ愛されています。
アブソルートはピュア・ウォッカでもオススメしましたが、フレーバド・ウォッカもオススメです。 ピュアのみならずフレーバード・ウォッカも世界中で人気があり、ライム、バニラ、マンダリンと数多くの種類がありますが、その中でも「 シトロン( レモン ) 」は特に人気があります。
アブソルート・ウォッカをベースとし、レモンフレーバーを添加、柑橘系の爽やかな味を形成し、フルーティーな香味と、レモンの香りが漂い、滑らかで芳醇な味わいが特徴です。
アブソルート・バニラ Absolut
Photo|画像提供 Pernod Ricard Japan
ー アブソルート・バニラの特徴 ー
アブソルートの伝統的な製法を守りながらも、バニラの風味を引き立てるために特別にブレンドされています。その結果、口当たりが非常に滑らかで、飲みやすさが際立っています。ストレートでも、氷を入れても、その滑らかさは変わりません。
そのままでも美味しく楽しめますが、カクテルの素材としてもおすすめです。バニラの甘味とウォッカのキレが絶妙にマッチし、多くのカクテルに深みと複雑さを加えます。例えば、バニラ・マティーニや、バニラ・コーク、バニラ・トニックなど、様々なアレンジが楽しめます。
バニラの豊かな香りと甘みが、クリームリキュールやチョコレートリキュールと絶妙に合います。バニラアイスクリームにかけたり、コーヒーに少量加えたりすると、極上のデザート体験が楽しめます。
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まとめ
フレーバード・ウォッカには他にも様々な果実やスパイスから造られるものがあり、唐辛子、リンゴ、梨、オレンジなど様々な種類があり、それらを様々なブランドが製造・販売しています。 上記に記載したおすすめ以外にも多くのフレーバード・ウォッカがありますので、是非お試しください。
僕自身がお気に入りであることと、初心者の方が飲みやすい、これは知っておいて欲しいといったことからこの4種類を選びました。個人の好みもあるかと思いますので、少しずつ様々なフレーバード・ウォッカを試されるといいかもしれません。
- ウォッカの主なブランド ⇒ ピュア
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ウォッカの原料・製法・歴史
世界4大スピリッツの一つ、ロシア生まれのウォッカです。
ウォッカの特徴は、連続式蒸留機と白樺やヤシを焼いた活性炭で濾過をすることで、無味無臭に近くクリアな味わいな所です。 他のスピリッツと違い原料が定まっていないことが特徴としてあります。
ウォッカの歴史
Photo|ロシア革命の様子
ウォッカが誕生したのは12世紀頃だという記録がモスクワ公国( 1283年~1547年 )の記録に残っていたそうです。
そうなるとウイスキーやブランデーよりも前に生まれ、欧州で最初に誕生した蒸留酒はウォッカということになります。
当時のウォッカは、現在のものとは違い蜂蜜を原料としたお酒で、この地酒がウォッカの元祖という説が有力です。
14世紀後半に、ブドウを原料とした蒸留酒が世に出た後の15世紀はじめ、ロシアに蒸留の技術が入ってきました。 蒸留の技術は錬金術師が偶然編み出したものとされており、その技術によって生まれたお酒は、ラテン語で「 アクア・ヴィテ 」( 命の水 )と呼ばれるようになります。
そのアクア・ヴィテをロシア語に変換すると、「ジィーズナヤ・ヴァダー 」ジィーズナヤ=命、ヴァダー=水です。 そのヴァダーがウォッカの語源と言われています。
ウォッカが世界に広まったきっかけは、1917年頃ロシア革命でフランスに亡命したスミノフの2代目である「 ウラジミール・スミルノフ 」が、パリで小規模な工場を建て、そこで製造を開始したのがきっかけです。
その後もこの製法は南ヨーロッパからアメリカまで伝わります。 そして第二次世界大戦後にはさらに世界中に広まり、各地で生産されるようになりました。
ウォッカの原料
穀物を蒸して麦芽を加え、糖化、発酵、蒸留して、アルコール度数95%以上のグレーンスピリッツを作ります。
それを水でアルコール度数40%~60%まで薄め、白樺やヤシを焼いた活性炭で濾過します。
この手法は1810年頃に、ペテルブルクの薬剤師「 アンドレイ・アルバーノフ 」が考案しました。
更に19世紀に入り、連続式蒸留機が導入され、現在の製法に近づきました。 こうして現代のウォッカは、無味・無臭の状態に限りなく近づいていくのです。
ウォッカが他のスピリッツと違う点は、各生産地で原料が違う所です。
- ロシア = 小麦
- フィンランド = 大麦
- ポーランド = ライ麦
- アメリカ = とうもろこし
また銘柄によってはじゃがいもや果実を使われています。
- ウォッカの歴史・製造は ⇒ コチラ