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古代から中世|薬草としてのミントの活用
ミントは、古代エジプト・ギリシャ・ローマ時代から薬草として利用されてきたハーブです。その強い香りと清涼感は、消化促進やリラックス効果をもたらすと考えられ、治療目的としても広く用いられていました。
ミントが薬草として重宝された理由

Photo|ヒポクラテス|画像引用 Wikipedia
ミントが古代から医療や食文化に取り入れられたのは、その多様な効能と扱いやすさにあります。
- 消化を助けるハーブとしての役割
- ミントには胃腸を整える作用があり、食後に摂取することで消化を促進。
- 古代エジプトでは胃腸薬として使用され、ミイラの副葬品にもミントが発見されている。
- ローマ人は食事後にミントを噛む習慣があり、口臭予防にも役立てていた。
- 鎮静・抗菌作用による医療的活用
- ギリシャやローマでは、ミントを煎じて風邪や頭痛の治療に使用。
- ヒポクラテス( 医学の父 )は、ミントを「 精神を落ち着かせる薬草 」として推奨していた。
- 皮膚の消毒や虫刺されの治療にも活用されることがあった。
- 宗教・儀式での利用
- 古代ギリシャの神殿では、清浄な香りを放つハーブとしてミントが使用された。
- ユダヤ教の聖典「タルムード」にも、ミントは儀式に用いられる重要な植物と記載されている。
中世ヨーロッパにおけるミントの発展

中世に入ると、ミントはさらに広く普及し、修道院を中心にハーブリキュールとしての利用が始まりました。
〚 修道院がミントを活用した理由 〛
- 修道士たちは、ハーブの薬効を研究し、治療薬としてのリキュール( 薬草酒 )を開発した。
- ミントはその清涼感と薬効により、風邪や消化不良を癒す「 薬酒 」の主成分となった。
- 修道院内の庭では、多くのミントが栽培され、医療目的だけでなく料理や香料としても活用された。
この流れの中で、のちにミントを主成分とするリキュールが誕生し、現代の「 クレーム・ド・ミント 」の原型が築かれていきました。
〚 ミントが薬草としての利用からリキュールへと進化した理由 〛
保存性の向上:ミントは乾燥させることで長期間保存できるが、アルコールに浸けることでさらに保存性が向上。
飲みやすさの追求:薬としての苦味を和らげるため、砂糖を加えたリキュールが生まれた。
蒸留技術の進化:中世ヨーロッパで蒸留技術が発達し、ハーブのエキスをアルコールに抽出する技術が確立された。
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18~19世紀|フランスでのミントリキュール誕生
ミントリキュールは、18世紀から19世紀にかけてのフランスで本格的に誕生し、広まりました。 それまで医療用や修道院の薬草酒として利用されていたミントの成分が、嗜好品としてリキュールに加工されるようになったのです。
ミントリキュール誕生の背景

1. フランスでのリキュール文化の発展
- 18世紀のフランスでは、リキュールが貴族の間で人気となり、贅沢品として楽しまれるようになりました。
- 甘く飲みやすいリキュールが求められ、多くのハーブ系リキュールが誕生。ミントもその中の一つに。
- カクテルの概念はまだ存在しなかったものの、食後酒としての需要が高まる。
2. 蒸留技術の進歩とミントの抽出方法の確立
- 18~19世紀にかけて、フランスでは蒸留技術が急速に発展。
- ミントの香りや成分を効率よく抽出する方法が確立され、アルコールに浸ける製法が広まる。
- 砂糖を加えたことで、苦味が抑えられ、より飲みやすい「 クレーム・ド・ミント 」が誕生。
3. ボンボニエール蒸溜所の功績
- 19世紀後半、フランスのボンボニエール蒸溜所が、高品質なミントリキュールの製造を開始。
- 独自のペパーミント抽出技術により、よりフレッシュな香りのミントリキュールが誕生し、市場に流通。
- 伝統的な銅製蒸留器を使用し、上質なミントのエッセンスを活かした製品が評価される。
クレーム・ド・ミントの誕生と発展

「クレーム・ド・ミント(Crème de Menthe)」とは?
- 19世紀のフランスで開発されたミントリキュールの代表格。
- 「クレーム」と名がつくが、クリームは含まれず、リキュールのとろみと甘さを指している。
- グリーン( 着色あり )とホワイト( 無色 )の2種類が誕生し、用途に応じて使い分けられるようになった。
人気を集めた理由
- 甘味と爽快感が絶妙に調和し、飲みやすいリキュールだったこと。
- 19世紀のフランスでは、甘口のリキュールが食後酒として流行していたため、需要が拡大。
- ミントリキュールは、単体で飲むだけでなく、カクテルやデザートにも使いやすい万能な酒として浸透。
ミントリキュールの流通と普及

1. フランス国内での広がり
- 19世紀には、パリを中心にカフェ文化が発展し、ミントリキュールはエレガントな飲み物として楽しまれる。
- 貴族や上流階級の間で、「 クレーム・ド・ミント 」が食後の定番リキュールとなる。
2. ヨーロッパへの広がり
- フランス発祥のミントリキュールは、蒸留技術を持つオランダやベルギーにも輸出される。
- オランダのボルス社も、フランスの影響を受け「 ボルス クレーム・ド・ミント 」を開発し、世界市場に広める。
- イギリスではジンと組み合わせるカクテルが登場し、嗜好品としての価値が高まる。
3. アメリカ市場への進出
- 19世紀後半には、フランスからアメリカへミントリキュールが輸出され、バーやレストランで人気に。
- この流れが20世紀の「 カクテルブーム 」につながり、アメリカでの需要が急増。
- ミントジュレップやグラスホッパーなどのミントリキュールを使ったカクテルが登場し、定番のリキュールとなる。

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20世紀|カクテル文化とともに広まる
ミントリキュールは20世紀に入り、カクテル文化の発展とともに世界中で広まりました。 それまで食後酒として親しまれていたミントリキュールが、カクテルの材料として定着し、新たな楽しみ方が確立されていきます。
カクテル文化の発展とミントリキュールの普及

Photo|スティンガー
〚 1920年代|アメリカ禁酒法とカクテル文化の誕生 〛
- 1920年から1933年のアメリカ禁酒法時代、違法な酒場でカクテル文化が発展。
- 密造酒の粗悪な味を誤魔化すために、香り豊かなリキュールが多用されるようになった。
- ミントリキュールは、飲みやすさと清涼感のあるフレーバーで人気を集める。
〚 1950~60年代|ミントリキュールを使用したカクテルの流行 〛
- 戦後の経済成長とともに、アメリカやヨーロッパでカクテル文化がさらに発展。
- バーやホテルのラウンジでは、見た目にも美しいリキュールカクテルが人気を集めた。
- ミントリキュールを使ったグラスホッパーが爆発的ヒット。
〚 1970~80年代|カクテルブームとミントリキュールの拡大 〛
- 1970年代には、カクテルが一般家庭でも楽しまれるようになり、リキュールの消費量が増加。
- フランスの「 ペパーミント・ジェット27 」やオランダの「 ボルス クレーム・ド・ミント 」などが、世界市場で販売されるようになる。
- カクテルの多様化が進み、ミントリキュールを使った新しいカクテルが次々と誕生。
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ミントリキュールの基本的な製造方法
ミントリキュールは、ミントの爽やかな香りと甘味を活かしたリキュールで、カクテルやデザートのアクセントとして広く使われています。その製造には、ミントの香りを最大限に引き出すための独自の工程があり、伝統的な製法と現代の技術が融合しています。
ミントリキュールの製造工程

〚 原料となるミントの選定 〛
ミントリキュールの品質を決めるのは、まず「 ミントの種類 」です。代表的なミントの品種には、以下のようなものがあります。
- ペパーミント
- 強いメンソールの香りが特徴で、多くのリキュールに使用される。
- シャープで清涼感のある味わいを生み出す。
- スペアミント
- やや甘味のある柔らかい香りが特徴。
- 甘めのミントリキュールに使われることが多い。
産地によってミントの風味は異なり、フランス産、アメリカ産、モロッコ産など、ブランドごとに異なる選定基準を持っています。

〚 ミントの成分抽出( マセレーション・蒸留 ) 〛
ミントの香りと成分をアルコールに移すために、主に以下の2つの方法が用いられます。
- マセレーション( 浸漬法 )
- 乾燥または生のミントの葉をアルコールに浸し、成分をゆっくり抽出する方法。
- 時間をかけて抽出することで、ミントの香りが深まり、バランスの良いリキュールに仕上がる。
- 一般的なミントリキュールは、この方法を採用している。
- 蒸留法( ディスティレーション )
- ミントの葉を蒸留器で加熱し、エッセンシャルオイル( 精油 )を抽出する方法。
- クリアでシャープな香りが得られるため、高級ミントリキュールやホワイトタイプの製造に使われる。
- 蒸留後のオイルをアルコールとブレンドして製造されることもある。
蒸留法を採用することで、不純物の少ない澄んだミントの香りが得られるため、プレミアムリキュールやカクテル用のホワイトミントリキュールに適しています。

〚 砂糖の添加と甘味の調整 〛
ミントリキュールの味わいを決める重要な要素が「 甘さのバランス 」です。
- クレーム・ド・ミントと名付けられるリキュールは、糖分含有量が高いことが特徴。
- グリーンタイプは比較的甘め、ホワイトタイプはスッキリとした甘さになるよう調整される。
砂糖の種類によっても仕上がりが変わります。
- グラニュー糖:スムーズな甘味が特徴で、クセが少ない。
- ハチミツやシロップ:自然な甘さと深みを加え、まろやかな味わいに。
- 人工甘味料:カロリーを抑えたライトなミントリキュールに使用されることもある。

〚 着色と最終調整( グリーンとホワイトの違い ) 〛
- グリーンミントリキュール
- 天然または合成の着色料で鮮やかな緑色に仕上げる。
- 一般的にカクテルやデザートの彩りとして利用される。
- ホワイトミントリキュール
- 透明な仕上がりで、色を変えたくないカクテルに使用される。
- 蒸留法を用いたクリアな味わいが特徴で、上品な仕上がりになる。
着色の方法には、以下のようなものがあります。
- クロロフィル( 天然色素 ):自然な緑色を演出する。
- 銅クロロフィリン( 合成色素 ):発色が良く、安定したグリーンを維持できる。
着色することで、視覚的なインパクトを与え、カクテルの仕上がりにも影響を与えるため、用途に応じた製品が作られています。
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原料となるミントの種類と特徴
ミントリキュールの味わいを決定づけるのは、使用するミントの種類です。ミントにはさまざまな品種が存在し、それぞれ風味や香りの強さが異なります。製造メーカーは、目的に応じたミントを選定し、最適な製法で抽出することで、バランスの取れたミントリキュールを生み出します。
ミントの種類とその特徴
ミントリキュールの製造に使われる主なミントは、大きく分けて2種類あります。それぞれのミントには独自の特徴があり、リキュールの仕上がりに大きな影響を与えます。
〚 ペパーミント|強いメントール感が特徴 〛

ー 特 徴 ー
- 最も一般的に使用される品種で、メントール含有量が高く、爽快な冷涼感とスッキリとした香りが特徴。
- シャープな清涼感があり、口の中で強いフレッシュさを感じる。
- 使用されるリキュールのタイプ
- スタンダードなミントリキュール( クレーム・ド・ミント )
- グリーンタイプ・ホワイトタイプどちらにも使用される
- アルコール度数の高いものに適しており、カクテル向き
- 代表的なブランド
- ペパーミント・ジェット27( Get 27 )
- ボルス クレーム・ド・ミント
ペパーミントは、カクテル用リキュールの主原料として最も一般的な品種。
ミントティーや歯磨き粉にも使われるほど、馴染みのある香り。
〚 スペアミント|まろやかな甘味のある香り 〛

ー 特 徴 ー
- ペパーミントよりメントール含有量が低く、甘みのある柔らかい香りが特徴。
- 「ペパーミントが強すぎる」と感じる人向けの、マイルドなミントフレーバー。
- 使用されるリキュールのタイプ
- スイーツ向けのミントリキュール
- 甘口のホワイトミントリキュール
- フルーツ系リキュールとブレンドされることもある
- 代表的なブランド
- ジファール マント・パスティーユ
- マリー・ブリザール クレーム・ド・ミント
スペアミントは、食後酒やデザート向けのリキュールに使用されることが多い。
ペパーミントほどの刺激はなく、甘味と優しい香りが特徴的。
ミントの産地と品質の違い
画像「三つの国」
ミントは産地によっても香りや味の特徴が異なり、リキュールの品質に影響を与えます。
- フランス産:繊細な香りと甘味のバランスが良い( 高級リキュール向け )
- アメリカ産:メンソール感が強く、シャープな味わいが特徴
- モロッコ産:香りが濃厚で、濃いグリーンリキュールに使われることが多い
例えば、フランスのミントリキュールブランドでは、主にフランス産またはモロッコ産のミントを使用し、香りの繊細さを重視している傾向があります。
ミントの種類によるミントリキュールの違い
ミントの種類 | 代表的な特徴 | 使用されるリキュールの種類 |
---|---|---|
ペパーミント | 強い清涼感とメンソールの香り | カクテル向けのスタンダードリキュール |
スペアミント | 甘味があり、まろやかな香り | デザート向けのホワイトミントリキュール |
ミントの品種によって、リキュールの味や使用シーンが大きく変わるため、用途に応じた種類を選ぶことが大切です。
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まとめ|歴史を知ってより深く楽しもう
ミントリキュールは、古代から続くミントの薬草利用がルーツとなり、フランスで発展し、20世紀のカクテル文化とともに世界中に広まりました。 その製造には、繊細な技術と原料の厳選が必要であり、産地や製法によって味わいが大きく異なります。ミントリキュールの歴史や製造工程を知ることで、より奥深い楽しみ方ができるでしょう。
ミントリキュールの歴史を振り返る

- 古代~中世|ミントは薬草として利用されていた
- 古代エジプトやローマでは、消化促進や鎮静作用のためにミントが使用されていた。
- 中世ヨーロッパの修道院では、ミントを使った薬草酒( リキュール )が作られるようになった。
- 18~19世紀|フランスで本格的なミントリキュールが誕生
- フランスのリキュール文化の発展に伴い、ミントリキュールが誕生。
- クレーム・ド・ミントが開発され、食後酒やカクテルの材料として人気に。
- 20世紀|カクテル文化の発展とともに世界中に広まる
- 1920年代のアメリカ禁酒法時代に、秘密の酒場でカクテルが流行。
- 1950~60年代にはグラスホッパーなどのカクテルが登場し、ミントリキュールの需要が拡大。
- 1970~80年代には、カクテルブームとともに一般家庭でも楽しまれるようになった。
ミントリキュールの歴史を知ると、その奥深さや文化的背景を感じながら味わえる。
ミントリキュールの製造方法をおさらい

- ミントの選定が重要
- ペパーミント:清涼感が強く、カクテル向け。
- スペアミント:まろやかな甘味があり、デザート向けリキュールに最適。
- フィールドミント:メンソール感が非常に強く、個性的なリキュールに使用される。
- 抽出方法の違いが味わいを決める
- マセレーション( 浸漬法 ):ミントの葉をアルコールに漬けて香りを抽出する。
- 蒸留法( ディスティレーション ):ミントのエッセンシャルオイルを抽出し、クリアな風味を生み出す。
- 砂糖の添加と甘味のバランスが重要
- クレーム・ド・ミントは甘味が強いのが特徴。
- 砂糖の種類によって、味わいが変わる( グラニュー糖、ハチミツ、人工甘味料など )。
グリーンとホワイトの違い
- グリーンミントリキュールは、クロロフィルや銅クロロフィリンなどで着色。
- ホワイトミントリキュールは、透明な仕上がりでカクテルの色を変えずに使用可能。
製造方法の違いを知ることで、リキュール選びの幅が広がる。
ミントリキュールをより深く楽しむ方法

Photo|青い珊瑚礁
- カクテルで楽しむ
- スイーツにプラス
- ミントチョコアイス( バニラアイスにミントリキュールをかける )
- ミントホットチョコレート( ホットチョコ+ミントリキュール )
- ホットドリンクに加えて香りを楽しむ
- ミントコーヒー( コーヒー+ミントリキュール )
- ミントティー( 紅茶+ミントリキュール+はちみつ )
ミントリキュールは、カクテルだけでなく、デザートやホットドリンクにも活用できる万能なリキュール。